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Posted by ブクログ
この巻もサクサク進んだ。ほとんどが同じ司馬遼太郎作品の「関ヶ原」にて描かれているものばかりであり、それを伊右衛門(山内一豊)の立場から描いているに過ぎないからである。
以下に興味をひいた点を引用したい。本巻は何故か前2巻に比べて少なかった。司馬氏、千代の賢母描きに息切れか!?(笑)。
・千代はつとめて明るく言った。どうせやらねばならぬことなら、不快そうな顔をするのは無用なことだろう。
→秀吉から多くの土木建築工事を命じられた際の千代の心情を描いたもの。なるほど、どうせやらなければならないなら、明るく振舞ったほうが周りへの影響や自身のモチベーション維持にも有用だろう。
・「智恵ある者は本来、臆病なのかもしれませぬな」と千代は今一度考え直してみた。天下を取ろうと志す者は、一騎駈けの武士の部辺はいらない。ああまで身を護らねばならぬものかと、だんだん感心し始めた。
→石田三成からの夜襲を恐れて徳川家康が大坂から伏見へ逃げたと聴いた、千代のセリフ。臆病さというものは、決して悪いものではないのだ。家康がそうだからこう思えてくる。
時期を待つのだ、と千代は思っていた。時期が熟してギリギリになるまで「政治」などは全く考えずに律義で暮らし、その最も有効な時に伊右衛門の存在を開かせる。そんな時が来そうな感じがするのである。
→徳川か石田か、どちらに付くかに際して。
「(石田からの回文は)見ないようにします。関東表へ送りは致しますが、殿様にも読んでいただかぬようにします。封のまま、家康殿に差し出してしまう、と言うのがお味方としては当然でありましょうを中身を見てからどうこうというのは、不純にとられます。」
→徳川方に付くべしと千代が決めた後の芸である。人の心を知り抜いた憎いばかりの芸である。関ヶ原後、土佐一国を与えられるが、こうした芸において点数稼ぎをしたことによるのだろう。
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