司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 殉死

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    自身が思う美と忠誠を生涯にわたって体現した乃木希典。ひとつひとつの挙動からクライマックスの切腹に至るまで、全てが美しく思えてくる。死を前提とした武士道、己の信じた善を(成否を案ずることなく)実行する陽明学に通ずる部分があるという。

    彼の陰鬱さや滑稽さ、間の悪さもひっくるめて、明治帝や児玉源太郎がそうだったように我々もいつのまにか魅了され心を揺さぶられる。『どこかひとの庇護意識を刺激する』という表現がまさにぴったり。

    中盤、日露戦争における旅順攻略のあたりは坂の上の雲で読んだ内容で中ダレしたけれども、司馬遼太郎の眼鏡を通して見た乃木希典とその周辺はとてもドラマチックで一気に惹きつけられた。

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    2021年11月21日
  • 街道をゆく 10

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    『街道をゆく10』は「羽州街道、佐渡のみち」。地元山形の「羽州街道」を読んだままにしてたのだが、今夏の佐渡旅行を思い出しながら「佐渡のみち」を読み終えた。
    大佐渡を「大陸の影」と勘違いした太宰治の逸話、鏡のように静かな真野湾、そして小木の海など、実感をこめて読むことができた。
    最後の「無宿人の道」では、旅行時にはそれほど感じなかった水替人足に送られた無宿人の哀れを感じた。
    「江戸幕府は、同時代の地球上のいろんな政府にくらべ、ほめられるべき点も多い。しかし最大の汚点は、無宿人狩りをやっては、かれらを佐渡の水替人夫に送ったことである(p257)」

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    2021年11月21日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    司馬遼太郎 「歴史と視点」 戦中昭和の日本国家への批判エッセイなど。


    日本の国家は「攻撃も防御もできないポンコツ戦車」のようであり、無戦略で無責任なインチキ存在であったというのは ショッキングだった。そういう状態なら「日本降伏をきいたとき、悲愴感より解放感を感じた」というのは 当然の庶民感情だと思う



    天皇の人間宣言「 現人神でなく人間である」について、当時の人は 天皇を神だと思っていたのか、前から不思議に思っていたが、はじめから 天皇は人間であることを知っていたし、宣言が出て 仰天した人も まわりにはいなかった らしく、ほっとした




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    2021年11月16日
  • 人斬り以蔵

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    岡田以蔵と武市半平太の悲しい関係。お互いが尊敬を欠かさなければ歴史上でも傑出したバディになり得たのではと思ってしまいますね。

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    2021年09月29日
  • 坂の上の雲(七)

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    戦時中の精神が描かれていて、秋山真之が、敵艦が日本海側を通るか太平洋側を通るかについて神経過敏になっていたシーンがとても印象に残った。その秋山とは対照的な東郷平八郎最高司令官の胆力に恐れ入った。
    主に仕事だが、小さい事で悩んでしまっている自分にとっては、少しでも強く生きていけそうな感覚を抱かせてくれた。

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    2021年09月12日
  • 坂の上の雲(七)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 坂の上の雲(六)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 坂の上の雲(五)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 坂の上の雲(四)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 坂の上の雲(三)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 坂の上の雲(二)

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    大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
    長くかかったことだけを覚えている。
    文庫本は実家にあるか、売却した。
    そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
    秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
    読むのにとても時間がかかった。
    その後3回目を読んだ。
    バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
    いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
    ※売却済み

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    2021年09月07日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    全然言葉が分からない。頭がついていけない文章。
    最澄と空海を比較した文章だと最澄が何も計算せず担がれたかのように唐に行き、たまたま密教に出会いそこで教えを受け持ち帰り帝は密教に興味を示し広まったが空海は密教を学びに行って日本に帰った時には最澄が密教を広めていた。
    そこで空海は資料を纏める口実に直ぐには朝廷に行かずざわつかせてから出向くと計算高い。
    僧は無心だと思っていたけど空海の人間臭さがすごくわかる。
    でも密教の内容は全然分からないし、空海がどういう風に学んだのか分からない。

    ただ文字を見てるだけで理解出来てないのでもやもやが残る。


    何故空海を知りたいと思ったのか、何を知りたかったのか

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    2021年11月09日
  • 胡蝶の夢(二)

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    新選組と懇意にし、また幕府の海陸軍軍医総裁となった松本良順の軌跡を読みたいはずなのに、何故か3・4巻は読まなかった。今後読む予定。(2021.9.5)
    ※2009.7.23購入@ehon
     売却済み

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    2021年09月05日
  • 胡蝶の夢(一)

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    新選組と懇意にし、また幕府の海陸軍軍医総裁となった松本良順の軌跡を読みたいはずなのに、何故か3・4巻は読まなかった。今後読む予定。(2021.9.5)
    ※2009.7.23購入@ehon
     売却済み

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    2021年09月05日
  • 殉死

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    ネタバレ

    坂の上の雲の内容を見れば、大体この本の方向性は見当がつくことと思う。
    筆者が「自分の思考を確認するために著した」という本。

    乃木希典を好んでいたとは思えない司馬氏の目を通した
    『史実』であることに変わりはなく
    これが真実乃木希典であったかと言えばなんとも言えないところ。

    最期の時を前にし、静子夫人の胸中はいかばかりであったか。
    後味が良いとは言えない話である。

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    2021年08月30日
  • 功名が辻(一)

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    来年のNHK大河ドラマの原作である。
    さすが司馬遼太郎、ぐいぐい引き込まれて止められなくなる。(2005.12.11HPの日記より)
    ※2005年購入
     2005.12.11読書開始
     売却済み

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    2021年08月24日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    空海の風景と言葉通り筆者からみた空海を書いている。
    儒教より仏教が上との思いからか大学を中退し仏教にのめり込んでいくが言葉遣いが高度過ぎて文字を眺めるだけ、居眠りしてしまいながら折角空海を知る機会を得たのに断絶したくないと感じながらもやっと半分まで読むが一向に理解出来ない。

    司馬遼太郎の考えを書いたような文章で、密教を理解していないと全然分からない。
    少しづつ読んでいこう。理解して読もうと思わない方がいいのかも。

    薀蓄として
    舟に位階を与えて従五位下とし、貴族並みの扱いをする事で舟の航海を祈願するが、鉄釘を打ち込む技術もなく材木と隙間に水草で水の侵入を防ぐと言う死に行くようなもので航海する

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    2021年09月02日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)

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    ネタバレ

    「そんなこと」
     小春は当惑した。めっさと惚れるな、といわれたところで、どうにもならぬことだ。
    「深いのはいかん」
     情愛の深いのは、である。
    「サラサラと行け。万事、水が浅瀬を流れるがごとくさらさらと人の世を過ぎてゆく。そいつで行ってもらいたい。淀みの水のようなおなごは、わいはきらいや」
    「さあ」
     小春は、、くびをひねっている。どうもこの花婿のいうことは片言でよくわからない。
    「要するにやな」
     万吉は、いった。
    「わいは極道屋という稼業がら、いつ死ぬかわからん。あすにも、すぱっと」
     頸を煙管でたたいた。
    「飛ぶかもしれん。その時、わしを偲んで泣きくさる奴が、この世で一人でも居たらかなわ

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    2021年07月23日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    ネタバレ

    (ええっ)
     と万吉は内心、叫びたくなるほどの驚きで建部小藤治をながめた。考えてみればこの小役人は、わが藩とわが身可愛さのあまり、万吉を他人の手で殺そうとしてきた男ではないか。
     それが、
    「頼む、わしも一緒に連れて行ってくれ」
     というのである。
    (全く、妙な生きものやな)
     万吉は腹が立つよりも感嘆したい思いで建部小藤治を見ている。
     建部にすれば、もともと万吉に悪意もなければ幕府に忠誠心もない。ただただひとえに自分の信念のなさと小心のために強いほうになびいているだけのことだ。
    (世の中の人間はどいつもこいつも建部小藤治と似たようなものや。建部だけがおかしいわけやない)
     万吉はそう思った

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    2021年07月23日
  • 峠(下)

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    死に向かうのは辛いし、最後残された人々のことも気になる。3巻あっという間で、流石司馬さんと思った。とても面白かった

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    2021年07月14日