【感想・ネタバレ】世に棲む日日(一)のレビュー

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面白い。吉田松陰という思想家と、その後の高杉晋作、狂っていく長州藩。様々な人物に対する的確な人物評含めて、自分だったら。。。とか悩みだすと面白かった。
一気に読めた。

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2022年03月28日

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吉田松陰についての小説かと思っていたら案外あっさりと亡くなったのでビックリしたが、本作はむしろ高杉晋作を中心とした幕末志士たちの物語である。これらの人物に対しては心酔しているファンも多いが、しかし本当に有能であったかどうかは本作を読んでも評価がわかれるところだろう。もちろん将来的に明治維新が実現したことを考えると、彼ら幕末志士たちもまた「正しかった」。とはいえ、個人的に吉田松陰や高杉晋作は思想家としては正しくとも、政治家としては間違っている部分も多々あったのではないかと感じる。第2次長州征伐における戦術などは無鉄砲の極みで、たまたま成功したからよかったものの、失敗していたらいったいどうなっていたかわからない。2人が亡くなったことでむしろ明治維新が成功裡に終わったという見方すらできるかもしれない。しかし、このような不器用な存在だったからこそ、後世までその人物像に惹かれる人が続出するのだろう。

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2021年08月02日

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吉田松蔭に興味を持って読み始めたけど、高杉晋作やばすぎです。
自分のイメージでは、写真を見たからか、なで肩の三味線を持った病弱の志士のイメージでしたが、すっかり、魅了されてしまいました。

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2021年04月29日

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感想書き忘れてたのですが、最高でした。
寅次郎の狂気は純心からきているのです。物事を突き詰めると自然と狂ってくるのです。

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2021年01月13日

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この本は国盗り物語で前半斎藤道三、後半織田信長が主人公であったのと同じように吉田松陰、高杉晋作が主人公として登場する。
龍馬が行くの本の中で維新で活躍した人物は他の時代に生まれてもなんらかの傑出した人物になったであろうが高杉晋作だけはこの時代でなかったら活躍の場所はなかったであろうという記載が確かあった。
山口が産んだ二人の天才の物語。二人とも維新の前に生涯を閉じた、悲しくも美しい物語だと思う。傑作。

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2020年09月14日

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司馬遼太郎の名作の一つ。
幕末の長州に生まれた短命の天才高杉晋作。
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…。」
「おもしろき こともなき世を おもしろく」
魅力に取りつかれむさぼり読んでしまいました。

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2018年05月10日

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長州藩出身の吉田松陰の生い立ちから22歳頃までの青春時代を描く。ひたすら前向きで行動的であり、謙虚でありながらも大胆さをも持ち合わせる好人物です。
この積極性と自分の意志を貫く行動指針は学ぶべきと考えますが、才人でなければ途方もないことになりそうです。前向き性は見習いたいと感じました。
人を知るためにその環境と言わず、地理の束縛を受けるであろうことに着目して地理を調べるという発想が面白いです。
本巻の後、黒船にて出国しようとして捉えられることを考えると松蔭にとっても日本の利益にとってもとても残念お思わざるを得ません。

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2018年03月29日

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吉田松陰のまっすぐさに共感。ここまで自分の意志を貫ける人物は、幕末だからこそ生まれたのだろうと思う。

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2016年03月08日

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ネタバレ

吉田松陰と高杉晋作の物語。
松陰は、その師である玉木文之進から、私情を一切捨てて、公のために尽くせ、と教えられ、それを頭の中で考えるだけでなく、実践に重きをおいて生きたひとである。実行の中にのみ学問があるという、陽明学的思想である。孟子的といってもいい。
それが必要だとなれば、武士たるものは断乎行うべきだ。それが成功するかどうかということを論ずるべきではない。こういう思想で松陰はペリーの乗ってきた軍艦に漕ぎ寄せるのであった。
攘夷、攘夷と念仏のように国中の志士がとなえているが、ことごとく観念論である。空理空論のあげく行動を激発させることほど国を破ることはない。世の事に処するや、人はまずものを見るべきである。実物、実景を見てから事態の真実を見極めるべきだ。
松陰は、松下村塾で教育をするつもりはなかった。松陰は書いている。一世の奇士を得てこれと交わりを結び、我の頑鈍(がんどん。わからずやなとこ)を磨かんとするなり、と。平凡な者でも松陰を磨いてくれる特質を持っている。百人やってくるうち、一人ぐらいは凡質からはるかに突き出た奇士がいるにちがいない。それを待っていると。松陰は知人に書き送っている。
そして、松陰は晋作という可燃性の高い性格に火をつけた。
松陰は思想家であった。思想とは要するに論理化された夢想または空想であり、本来は幻である。その幻を実現しようという狂信・狂態の徒がでてはじめて虹のような鮮やかさを示す。思想が思想になるには、それを神体のように担ぎ上げてわめきまわるもの狂いの徒が必要なのであり、松陰の弟子では久坂玄瑞であった。狂信しなければ思想を受け止めることができない。が、高杉晋作は狂信徒の体質を全く持っていなかった。晋作は思想的体質ではなく、ちょっかんりょくにすぐれた現実家なのだ。現実家は思想家と違い、現実を無理なくみる。思想家は常に思想に酩酊していなければならないが、現実家は常に醒めている。晋作と松陰のちがいはここであった。もちろん、坂本竜馬も晋作の部類である。ただ坂本竜馬とか他のいわゆる勤王の志士と違っているところは、藩主に対する異常なまでの忠誠心であった。ここで間違ってはいけないのは、長州藩はどうでもいいのである。つぶれようが。藩主は大事だということだ。高杉家が上士という家庭であり、また、晋作がいくら無茶なことをしてのけても、藩主は常におおめにみてくれて、寛大な措置を施した。世子の小姓にもなったこともあったであろう。だから、晋作は、藩が幕府と戦争して敗れたら、藩主を担いで朝鮮へでも亡命するとまでいったのである。勤王の志士の多くは藩主のお目見え以下の者が多かったため、藩主への忠誠心は薄く、脱藩して活躍していくが、晋作は違った。
晋作は開国し国を富まさなければならないと考えていたが、ただ開国するのではダメだとも考えていた。じゃあどうするか、それは、攘夷をやたらめったらおこない、外国と戦争をする。日本中をあげて浸入軍と戦う。山は燃え、野は焦土になり、流民はあちこちに増える。それとともに、規制の秩序は全く壊れ、幕府も何もあったものではなくなる。その攘夷戦争をやってゆく民族的元気の中から統一がうまれ、新国家が誕生する。それが革命の早道だと。海外から敵を迎えて大戦争をやってのける以外、全ての革命理論は抽象論にすぎないと。しかしそれは、民族そのものを賭けものにするという、極めて危険な賭博だった。負ければ侵入国の植民地になってしまうのだ。できると思った。アメリカもイギリスと戦い、独立した。七年も戦ってである。ただ、晋作は論理というものがなかっな。戦略であった。藩が討幕に立ち上がらないのであれば、立ち上がらせるだけた、と。
イギリス公使館への放火、松陰の遺骨の掘り出しと将軍しか通ることを許されていない御成橋の通行、白昼堂々の関所の無手形通行(関所破り)と、晋作のこの頃の行動は、゛狂゛の一字である。 動けば雷電の如く、発すれば風雨の如しである。

おもしろきこともなきよをおもしろく

全四巻

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2020年02月02日

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▼はじめに読んだのは恐らく中高生の頃。その後の30年間くらいの間に少なくとも1度は再読しているはず。ただ、確実にこの10年は読んでいなかったので、軽い気持ちで再読。


▼やはり、面白い。幕末の、長州藩の、吉田松陰と高杉晋作が主な題材で、第1巻は全部、吉田松陰。ものすごく頭が良くて真面目で憂国の志士。だが同時に底抜けに明るくて礼儀正しくて、あんぽんたんのように人をすぐに信じて騙されて、歩くコメディのようにやることなすこと詰めが甘く不運でことごとく失敗する世間知らずのお坊っちゃんでもある。


▼司馬さんは証言や手紙から、その「明るく礼儀正しく騙されやすく不器用」というところに愛を感じたんだろうなあ、という奇妙な青春物語になっています。吉田松陰は、一部戦前皇国史観的な考え方の中では、「聖人」だったようで、その名残か、この小説は初出当時一部の人から「松蔭を冒涜している」と怒られ、司馬さんには殺害予告まで来たそう。とんでもない話ですね。

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2023年10月15日

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吉田松陰の学びに対する貪欲さと公に尽くす姿勢に敬服する。そうさせたのも玉木文之進の非常な教育があったためでもあろう。5歳で私を捨てることを強いられ、公の奉行者としての自覚を植え付けさせられる教育とは想像もできない。
また陽明学の「実行のなかにのみ学問がある。行動しなければ学問ではない」という思想には頷ける。アウトプットあってこその学びであることは当時の陽明学がすでに証明している。

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2022年06月11日

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吉田松陰の生い立ちと書生時代が描かれる第1巻。
描かれるのは、幕末の嵐が吹き荒れ始めるよりも少し前の時代。吉田松陰という人間がどうやって形作られたのか、そして黒船来航をはじめとした時代のうねりの中で彼が何を考えどう動いたのかが詳述されます。
全体的に『燃えよ剣』のような劇的な展開には乏しいけれど、次巻に迷わず手が伸びます。

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2021年10月24日

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ネタバレ

~全巻通してのレビューです~

冒頭、「長州の人間のことを書きたいと思う。」という書き出しで始まっています。
長州の人間は理屈好き、議論好きということで、尊王攘夷運動にも熱を上げました。

主人公は吉田松陰と高杉晋作です。
どちらかというと吉田松陰の話の方が中身が濃くて面白かったですね。
読むまでは松下村塾の人ということくらいしか知りませんでしたが、後々の長州にこれほど大きく影響を与えた人ということは知りませんでした。

高杉晋作は私の好きな言葉「おもしろき こともなき世を おもしろく」が辞世の句ですが、どちらかというと若い頃に久坂玄瑞と松下村塾に通った頃の話が面白かったです。

他に伊藤博文(俊輔)、井上馨(聞多)、山県有朋(狂介)など後々明治政府で活躍するメンツが登場します。
本当にすごい藩だったんだな、と実感しました。

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2021年02月27日

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以前読んだときはただ高杉は直感的行動的な人で、短い人生を駆け抜けたという印象があったが、今回は、駆け抜けなければいけなかったというような何か悲しい側面もあるのではと思うようになった。松陰との対比、身分への葛藤や父への想いなど。
龍馬と並んで、その人間性や考えに共感できる人物。

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2020年08月20日

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最近、松陰先生に関連する映像や文章に触れる機会が多かったため、久しぶりにこの小説を読みたくなって何回目か分からないくらいの再読。
松陰先生の人生は、行動だけ見ると破天荒なものが多いけど、長州藩をはじめ日本全体をよくするための行動だったんだよな、ということを改めて感じたりした。また、自分自身が松陰先生の考え方とよく似ているなぁ、とも思ったり。まぁ、先生ほどの激情や行動力は無いんだけどね。2巻以降も楽しみながら再読していきたい。

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2019年02月01日

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【感想】
幕末騒乱期を長州藩の視点によって描かれた物語。
龍馬伝でもお馴染みの「吉田松蔭」「高杉晋作」が中心となる長編の第1巻は、吉田松蔭の青春時代を中心に描かれていた。

好奇心旺盛で、打たれ強く、粘り強く、幾度の失敗でさえ決して折れず、子どものように目を輝かせて夢を追い続ける吉田松蔭はこれまで抱いていたイメージとは大いに異なる印象だった。
やや危なっかしいところも多いが、あのように自分の夢のみ懸命に追いかけれる人間はとても眩しい。
また、他と違って相手をリスペクトした上での「攘夷」は、読んでいて非常に爽快!!

実際周りにいると大変そうだが、非常に参考になって魅力的な吉田松蔭。
次巻からは高杉晋作も登場するのでとても楽しみだなー


【あらすじ】
時は幕末。
嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。
長州萩・松本村の下級武士の子として生まれた吉田松陰は、浦賀に来航した米国軍艦で密航を企て罪人に。
生死を越えた透明な境地の中で、自らの尊王攘夷思想を純化させていく。
その思想は、彼が開いた私塾・松下村塾に通う一人の男へと引き継がれていく。
松陰の思想を電光石火の行動へと昇華させた男の名は、高杉晋作。
身分制度を超えた新しい軍隊・奇兵隊を組織。
長州藩を狂気じみた、凄まじいまでの尊王攘夷運動に駆り立てていくのだった……
骨肉の抗争をへて、倒幕へと暴走した長州藩の原点に立つ吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の青春群像を鮮やかに描き出す長篇小説全四冊。
吉川英治文学賞受賞作。


【内容まとめ】
1.吉田松陰のアグレッシブさと屈託のなさ、数多くの失敗にまみれても尚動き続ける粘り強さはまるで少年のよう
2.後年あれほど名を連ねた吉田松陰は実は遅咲きで、ペリー来航後の数年まで大きな活躍や他人からの尊敬などを成していなかった。
3.長州藩は若者に対して実に甘く、この事が幕末の騒乱にて若者に藩論を牛耳られてあわや藩解体にまで追い詰められる原因となった。



【引用】
「中国者の律儀」という言葉が、戦国期に流行った。
正直をむねとし、人を騙さない。
少なくとも毛利氏の外交方針はその律儀を建前としたがために同盟国に信頼され、威を上方にまで奮った。

関ヶ原という大変動期を切り抜け損ね、敗北者側に味方したため、広島を追い出されて防長ニ州(今の山口県)に閉じ込められて、幕府に窒息寸前にまで追い詰められた。
「とうてい家を維持できない、これならばいっそ城も国も幕府に差し上げます」と絶望的な訴えをしたが、幕府は無視した。


p102
後にあれほどの感化と影響力をその後輩に与える松蔭が、同輩に対しては何の影響も与えず、彼らにからかわれることはあっても、後に彼が後輩から得た尊敬のかけらほども、得ていない。

他藩士の間でも、松蔭の評価はその程度だった。


p130
「われ酒色を好まず、ただ朋友をとって生(いのち)となす。」
人間の本義のため、友との一諾を守る。


p135
長州藩の上司の風として、若い者に対し実に甘い。
この藩が幕末騒乱期にあって若い過激派によって牛耳られ、あやうく藩が解体する寸前まで加熱したのは、この藩の年長者たちのこういう寛大さに原因している。


p225
不思議な性格で、いつでも自分の前途には楽しいことや頼もしいことが待ち受けているように思い込んでいる。
だから松蔭には暗さというものがない。


p243
ここ数年、日本中を歩き回って、海岸を見、山岳を見、国防の事を考え続けた。
日本中の人物という人物には、あらかた会ってしまったような思いがある。
しかしながら、ついに回答を得ない。
(この上は、国禁を破って外国に渡る以外にないのではないか?)
非常な暴挙である。


p256
松蔭は、違っている。
海を越えてやってきた「豪傑」どもと、日本の武士が武士の誇りの元に立ち上がり、刃をかざして大決闘を演ずるという風の攘夷であった。
敵を豪傑として尊敬するところが松蔭にはある。


p301
「長崎へ行ってみたところ、惜しくもロシア艦は去った後であった。」
別に落胆の様子はなく、顔色も声の張りもいきいきしている。
このあたりが松蔭の特徴であった。
失敗すればまた新たな企画を考えるというたちで、このため失望や退屈をする暇がなく、今ももう次の行動企画に心を沸き立たせていた。


p308
「自分はどうも人の悪が見えない。善のみを見て喜ぶ。」
「人生において大事をなさんとする者は、和気がなければなりませぬ。温然たること、婦人・好女のごとし。」

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2018年01月10日

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おもしろき こともなき世を おもしろく
すみなすものは 心なりけり

わずか80人でのクーデター。
高杉が死ななければ、日本はどのようになっていただろうか。

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2017年09月03日

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同僚に激賞され、読み始めた。竜馬が行く、翔ぶが如く、に続いて読む司馬幕末長編。その2作でも長州の話はちょいちょい出てたけど、語りの視点が変わるとまた全然別の面白さがある。

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2017年08月04日

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2015年、大河ドラマ「花燃ゆ」が始まった時に、関連図書で平積みなっていたので買ったまま、2年間積読。そういえば、花燃ゆも見なかったな。
積読本整理で手にしてみたら、司馬遼太郎の世界に引き込まれました。
1巻は吉田松陰中心。歴史上で有名な人ですが、知っているようで知らないものだと思いながら読みました
萩にも行ってみたくなりました。

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2017年04月18日

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吉田松陰の革命家としての芽が出るまでの話が中心。

まだこの刊ではこのシリーズの本当の面白さは味わえない。

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2016年11月11日

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松蔭とはこういう人だったのかということが分かる。人の善なる部分しか見ないところには好感する。それいしても人を信じすぎる。

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2016年07月13日

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「長州の人間のことを書きたいと思う」

有名な書き出しからはじまる大河小説の第1巻。主人公は長州藩の若き思想家、吉田松陰。作者によると、彼が松下村塾を開いたことが長州藩にとっての大きなターニングポイントだったとのこと。確かに松下村塾卒業生の顔ぶれは豪華。高杉晋作に久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋などなど。彼らが長州藩を代表し、明治維新に多大な貢献をしたことは間違いない。が、本小説では教育者としての松陰の存在感は薄い。

吉田松陰は師として人に教え、人を動かす才能よりも、人に影響され、自分が動かされる人間だった。そんな「師」らしからぬ松陰の態度が結果的に、松下村塾で自由な風土を産み、多くの志士たちを排出した。

と、作者は語る。しかし、描かれている吉田松陰は頭脳明晰だが、お坊ちゃん的な世間知らずで、純粋すぎる過激思想が目立つ。友人と旅行したいだけで脱藩したり、ペリーの黒船に小舟で乗りこもうとしたり、自ら進んで牢獄に入ったりと。偶然、多くの弟子が歴史に名を残したから良かったものの、そうじゃなければ奇人変人で終わっていた。

たいした人物には思えなかったんだけど、司馬遼太郎ファンだと、この小説で吉田松陰を尊敬できるのか?

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2016年06月15日

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読書中に頬のかゆさを掻くということすら私情である、というこさのである。…だからなぐるのだ。

「大器をつくるにはいそぐふがらなざること」
「速成では大きな人物はできない。大器は晩く成る」

自分自身になんとかめどがつくまでは、人間にとって、そのもっとも蠱惑なものに目をむけまいとしているだけである。

象山先生の威風に接することによって、心がゆるがぬようにしたい


「狂」
「人生において大事をなさんとする者は、和気がなければなりませぬ。温然たること、婦人、好女のごとし」
おだやかな人柄をもつことにおいてはじめて気魄を養うことができる。

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2016年05月30日

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初めての司馬遼太郎です。

とにかく取材量が半端ないのがわかります。
ドキュメンタリー歴史小説っぽいのは、司馬遼太郎の作風なのか?それともこの小説だけなのか?
先にも述べたように、初めての司馬遼太郎なので判断できません。

やっぱり「普通じゃない人」って、当たり前だけど思考も行動も「普通じゃない」よね(笑)
その形成要因も垣間見れて面白いです。

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2021年04月11日

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第1巻は当時の長州藩の雰囲気や松蔭の性格の紹介といった程度でしたが、脱藩の経緯はかなり驚くべきものなので良くも悪くも大人物の片鱗が窺えました。
時代も物語も動き出すであろう第2巻に期待。

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2019年12月14日

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吉田松陰とその弟子である高杉晋作を描いた長編小説で、文庫版は全4巻。その第1巻である本書は、吉田松陰の幼少時代から二度のペリー来航までを描く。吉田松陰を情熱的で理想主義的な青年として描いていて、青春小説としても読める内容になっており、とても興味深い。続きが楽しみである。

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2019年12月03日

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松陰は蘭語や兵学を突き詰めて学んだり人に教えたりするタイプではなく、自分の足で歩き見て学ぶ実践的な人だったのだと思った。そのため、彼は黒船に乗船しアメリカを見ようと思った。生を惜しまずまっすぐに突き進む人だったが、佐久間象山は彼の思想には偏りがあると言っていた。

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2019年09月17日

Posted by ブクログ

旅行で初めて松下村塾に行くことになったので
行きながら帰りながら4冊読みました。再読。
吉田松陰と高杉晋作の物語。
個人的には高杉晋作が好きなので、挙兵から
「面白き事もなき世を面白くすみなすものは心なりけり」
までをもう少し丁寧に描いてほしかったなあ。
なので★は3つまで。。。

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2019年05月17日

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ネタバレ

幕末に活躍する長州藩の志士、高杉晋作や桂小五郎が学んだ「松下村塾」を営んでいた吉田松陰の物語。この人については、小学生の頃静岡県の下田に行った際、この人の史跡がある神社(だったと思う)に行き、名前を憶えていてどのような生き方をした人なのかなという興味を持ったため。今回読んでみて、「思慮深い人に見えて、行動原理は稚拙な考えを持つ実は子供っぽいという人」という印象を持った。松陰の人柄よりも、長州藩の色々な所(考え方や伝統)が詳しく書かれていて、なるほどなあと思った。引き続き、作品の続きを読んでいきたいと思う。

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2017年09月18日

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p.264
松陰はそれらしい。
なにごとも原理にもどり、原理のなかで考えを純粋にしきってから出てくるというのが思考の癖であり、それがかれを風変わりにし、かれを思考者から行動者へ大小の飛躍をつねにさせてしまうもとになっているらしい。

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2017年02月25日

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