【感想・ネタバレ】世に棲む日日(一)のレビュー

あらすじ

2015年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の主人公は久坂玄瑞の妻、文(ふみ)。文の兄であり玄瑞の師である吉田松陰こそ、『世に棲む日日』前半の中心人物です。「人間が人間に影響をあたえるということは、人間のどういう部分によるものかを、松陰において考えてみたかった。そして後半は、影響の受け手のひとりである高杉晋作という若者について書いた」(「文庫版あとがき」より)
嘉永六(1853)年、ペリー率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕かをめぐり、国内には激しい政治闘争の嵐が吹き荒れていた。この時期、骨肉の抗争を経て倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ松下村塾主宰・吉田松陰と、後継者たる高杉晋作がいた――。維新前夜の青春群像を活写した怒濤の歴史長編、ここに開幕。

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Posted by ブクログ

前半は吉田松陰、後半は高杉晋作。どちらも魅力的な人物です。二人とも命がけで、凡人にはとても見倣えるものではありません。読んでいてゾクゾクします。

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2025年08月10日

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全4巻中、1巻は吉田松蔭(吉田寅次郎)が主人公。

松陰は、5歳から骨の髄まで染み渡る教育を施されており、9歳のときには講義をするまでになっていたこと、恐るべしでした。

松陰さん、国防のことを考えながら日本全国を、てくてく歩きます。

日本史の資料集で見た松陰さんは、キツネ目でちょっと気難しそう。その印象は読み進めるにつれ変わりました。師である佐久間象山に、堂々と自説を力説するところ、かっこいいです。

フットワークのいい松陰さん、先見の明があり生真面目な信念の人、うぶで可愛い面もプラスされて描かれ、ファンになりそうです。

1巻の最後で、金子重之助さんと出会い、意気投合してすぐ弟子にします。今後の展開が楽しみです。

以下、印象的な言葉の覚え書き

①「大器をつくるにはいそぐべからざること」「速成では大きな人物はできない。大器は晩く成る」←松陰の生涯の持説

②学問ばかりやっているのは腐れ儒者であり、もしくは専門馬鹿、または役たたずの物知りに過ぎず、おのれを天下に役立てようとする者は、よろしく世間に出てなまの現実をみなければならない。

③地理的環境をくわしくみれば、そこに住む人間集団の大体がわかる。

④「人生において大事をなさんとする者は、和気がなければなりませぬ。温然たること、婦人、好女のごとし」←松陰の好きな言葉
※婦人、好女にようにおだやかな人柄をもつことにおいて、はじめて気魄を養うことができる。

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2025年07月31日

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イメージしていた吉田松陰さんよりも、かなり不器用で
なんだか可愛い人柄が描かれていて驚きました。
武士の世界は厳しいですね。幼少期から、あんな厳しい教育…。真面目で学ぶことが大好きな吉田松陰さん。最後がどうなるかわかっているだけに辛いですが、読み進めていきます。

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2025年07月03日

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佐賀をよく言ってくれてる! 松陰さんのこと好きなのだけど、更にもっと知ることが出来て満たされる。何も無い言われる佐賀を剛直でしっかりした人たちと評価されてて、それも嬉しかった。この人のことをもっと知りたい!

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2025年12月02日

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面白い。吉田松陰という思想家と、その後の高杉晋作、狂っていく長州藩。様々な人物に対する的確な人物評含めて、自分だったら。。。とか悩みだすと面白かった。
一気に読めた。

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2022年03月28日

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吉田松陰についての小説かと思っていたら案外あっさりと亡くなったのでビックリしたが、本作はむしろ高杉晋作を中心とした幕末志士たちの物語である。これらの人物に対しては心酔しているファンも多いが、しかし本当に有能であったかどうかは本作を読んでも評価がわかれるところだろう。もちろん将来的に明治維新が実現したことを考えると、彼ら幕末志士たちもまた「正しかった」。とはいえ、個人的に吉田松陰や高杉晋作は思想家としては正しくとも、政治家としては間違っている部分も多々あったのではないかと感じる。第2次長州征伐における戦術などは無鉄砲の極みで、たまたま成功したからよかったものの、失敗していたらいったいどうなっていたかわからない。2人が亡くなったことでむしろ明治維新が成功裡に終わったという見方すらできるかもしれない。しかし、このような不器用な存在だったからこそ、後世までその人物像に惹かれる人が続出するのだろう。

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2021年08月02日

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吉田松蔭に興味を持って読み始めたけど、高杉晋作やばすぎです。
自分のイメージでは、写真を見たからか、なで肩の三味線を持った病弱の志士のイメージでしたが、すっかり、魅了されてしまいました。

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2021年04月29日

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感想書き忘れてたのですが、最高でした。
寅次郎の狂気は純心からきているのです。物事を突き詰めると自然と狂ってくるのです。

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2021年01月13日

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この本は国盗り物語で前半斎藤道三、後半織田信長が主人公であったのと同じように吉田松陰、高杉晋作が主人公として登場する。
龍馬が行くの本の中で維新で活躍した人物は他の時代に生まれてもなんらかの傑出した人物になったであろうが高杉晋作だけはこの時代でなかったら活躍の場所はなかったであろうという記載が確かあった。
山口が産んだ二人の天才の物語。二人とも維新の前に生涯を閉じた、悲しくも美しい物語だと思う。傑作。

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2020年09月14日

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司馬遼太郎の名作の一つ。
幕末の長州に生まれた短命の天才高杉晋作。
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…。」
「おもしろき こともなき世を おもしろく」
魅力に取りつかれむさぼり読んでしまいました。

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2018年05月10日

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ネタバレ

吉田松陰と高杉晋作の物語。
松陰は、その師である玉木文之進から、私情を一切捨てて、公のために尽くせ、と教えられ、それを頭の中で考えるだけでなく、実践に重きをおいて生きたひとである。実行の中にのみ学問があるという、陽明学的思想である。孟子的といってもいい。
それが必要だとなれば、武士たるものは断乎行うべきだ。それが成功するかどうかということを論ずるべきではない。こういう思想で松陰はペリーの乗ってきた軍艦に漕ぎ寄せるのであった。
攘夷、攘夷と念仏のように国中の志士がとなえているが、ことごとく観念論である。空理空論のあげく行動を激発させることほど国を破ることはない。世の事に処するや、人はまずものを見るべきである。実物、実景を見てから事態の真実を見極めるべきだ。
松陰は、松下村塾で教育をするつもりはなかった。松陰は書いている。一世の奇士を得てこれと交わりを結び、我の頑鈍(がんどん。わからずやなとこ)を磨かんとするなり、と。平凡な者でも松陰を磨いてくれる特質を持っている。百人やってくるうち、一人ぐらいは凡質からはるかに突き出た奇士がいるにちがいない。それを待っていると。松陰は知人に書き送っている。
そして、松陰は晋作という可燃性の高い性格に火をつけた。
松陰は思想家であった。思想とは要するに論理化された夢想または空想であり、本来は幻である。その幻を実現しようという狂信・狂態の徒がでてはじめて虹のような鮮やかさを示す。思想が思想になるには、それを神体のように担ぎ上げてわめきまわるもの狂いの徒が必要なのであり、松陰の弟子では久坂玄瑞であった。狂信しなければ思想を受け止めることができない。が、高杉晋作は狂信徒の体質を全く持っていなかった。晋作は思想的体質ではなく、ちょっかんりょくにすぐれた現実家なのだ。現実家は思想家と違い、現実を無理なくみる。思想家は常に思想に酩酊していなければならないが、現実家は常に醒めている。晋作と松陰のちがいはここであった。もちろん、坂本竜馬も晋作の部類である。ただ坂本竜馬とか他のいわゆる勤王の志士と違っているところは、藩主に対する異常なまでの忠誠心であった。ここで間違ってはいけないのは、長州藩はどうでもいいのである。つぶれようが。藩主は大事だということだ。高杉家が上士という家庭であり、また、晋作がいくら無茶なことをしてのけても、藩主は常におおめにみてくれて、寛大な措置を施した。世子の小姓にもなったこともあったであろう。だから、晋作は、藩が幕府と戦争して敗れたら、藩主を担いで朝鮮へでも亡命するとまでいったのである。勤王の志士の多くは藩主のお目見え以下の者が多かったため、藩主への忠誠心は薄く、脱藩して活躍していくが、晋作は違った。
晋作は開国し国を富まさなければならないと考えていたが、ただ開国するのではダメだとも考えていた。じゃあどうするか、それは、攘夷をやたらめったらおこない、外国と戦争をする。日本中をあげて浸入軍と戦う。山は燃え、野は焦土になり、流民はあちこちに増える。それとともに、規制の秩序は全く壊れ、幕府も何もあったものではなくなる。その攘夷戦争をやってゆく民族的元気の中から統一がうまれ、新国家が誕生する。それが革命の早道だと。海外から敵を迎えて大戦争をやってのける以外、全ての革命理論は抽象論にすぎないと。しかしそれは、民族そのものを賭けものにするという、極めて危険な賭博だった。負ければ侵入国の植民地になってしまうのだ。できると思った。アメリカもイギリスと戦い、独立した。七年も戦ってである。ただ、晋作は論理というものがなかっな。戦略であった。藩が討幕に立ち上がらないのであれば、立ち上がらせるだけた、と。
イギリス公使館への放火、松陰の遺骨の掘り出しと将軍しか通ることを許されていない御成橋の通行、白昼堂々の関所の無手形通行(関所破り)と、晋作のこの頃の行動は、゛狂゛の一字である。 動けば雷電の如く、発すれば風雨の如しである。

おもしろきこともなきよをおもしろく

全四巻

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2020年02月02日

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頼まれたわけでもないのに走りまわるのを志士というP311 、この一節がとても心に残った。2巻も楽しみ。

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2025年10月12日

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先日、旅行で萩に行き、明倫学舎や松下村塾跡を訪れた。自分は、もともと歴史に関心が強い方ではなく、歴史小説や司馬遼太郎はほとんど読んだことが無かった。しかし、現地で、多くの幕末や明治の偉人を輩出することになった松下村塾がたった1年余りしか開かれていなかったこと、また、その当時の吉田松陰はまだ20代だったこと(死亡したのも29歳)を知り、この若者がいかにして人々に影響を与えたのか興味が湧いた。そして、旅行から戻ってすぐ買って読み始めた。

第1巻には吉田松陰が黒船に忍び込む直前期までが描かれている。
自分は、吉田松陰を、激情家で強引に物事を進めようとする人物だと想像していたが、ここで描かれる松陰は、どこまでも理想主義者でありながらも、その理想を実現するために、自分に常に厳しく学問を追い求める、現実家たろうとする側面があった。また、自信に溢れるのではなく、自分は凡庸な人間だからこそ、英雄になるためには人一倍研鑽を積まなければならないという、極めて謙虚な面も見られた。
司馬遼太郎の、綿密な取材に基づくリアリティある描写は、空想の中の松陰像をどんどんと活気あるものとし、この後に待ち受ける悲劇がどう表現されるのか、怖くて知りたくないが、でも早く続きを読みたい、という相反する気持ちを強く抱かせてくれた。

最後に、今の政治社会情勢もあいまって、記憶に残った部分を抜き出してみたい。
「かれの攘夷は、奇妙なほどに男性的であった。大型の攘夷は、日本人の対外感情の通性がそうであるように、女性的であった。松陰は、ちがっている。海をこえてやってきた『豪傑』どもと、日本武士が武士の誇りのもとに立ちあがり、刃をかざして大決闘を演ずるというふうの攘夷であった。」

今の時代、日本人ファーストという言葉が耳目を集め、外国人への差別的な発言が広まっている。もちろん、雇用や治安等の具体的な懸念によるものもないとは言わないが、やはり漠とした不安に基づくものが多いように思える。
不安定な時にはそのような声に流さてしまいそうになるが、そうではなく、見識を深め、自らの中に判断基準を持つことで、自信を持って世の中を見つめていける人物であれたらと思う。

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2025年09月07日

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松陰が狂おしいほどに真っ直ぐな男だった

作中の転換点として彼が行った脱藩は、彼の気質を考えるとものすごく彼らしい理由だと納得してしまう。それと同時にこの男に待ち受けるその後の運命をも示唆しているようで切なかった

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2025年09月05日

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はじめて司馬遼太郎を読んだ。
時代の大きな転換期である幕末について日本人としてちゃんと知っておきたい…と思って読み始めたが、狙い通り当時の情景に思いを馳せながら今のところ楽しく読ませてもらっている。
いやほんと、思ったよりも読みやすい文体で良かった(笑)
どのくらい実際の史実から脚色されているのかは分からないが、吉田松陰の人柄、ものの見方がよく分かって面白い。こういう人好き。

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2025年05月25日

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坂本竜馬の話も良かったですが、吉田松陰の話も好きです。全巻読んだら、『竜馬がゆく』を再読するのも面白そうです。
幼少の頃から真面目に勉強し、既存の思想に縛られず自分の頭で考え、生を超えて公のために人生を捧げる。
平凡な人間にはもちろんできないことだけれど、松蔭が尊敬するたくさんの師匠をも超えて、思想から行動実行している。日本のスーパーヒーローです。
読んでるうちに、自分の中に松蔭の無邪気さが移ってくる。

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

珍しく読むのにかなり時間を要した。
この後の展開から、一気に読み進む予感はあるので二巻以降が楽しみ。

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2024年09月01日

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▼はじめに読んだのは恐らく中高生の頃。その後の30年間くらいの間に少なくとも1度は再読しているはず。ただ、確実にこの10年は読んでいなかったので、軽い気持ちで再読。


▼やはり、面白い。幕末の、長州藩の、吉田松陰と高杉晋作が主な題材で、第1巻は全部、吉田松陰。ものすごく頭が良くて真面目で憂国の志士。だが同時に底抜けに明るくて礼儀正しくて、あんぽんたんのように人をすぐに信じて騙されて、歩くコメディのようにやることなすこと詰めが甘く不運でことごとく失敗する世間知らずのお坊っちゃんでもある。


▼司馬さんは証言や手紙から、その「明るく礼儀正しく騙されやすく不器用」というところに愛を感じたんだろうなあ、という奇妙な青春物語になっています。吉田松陰は、一部戦前皇国史観的な考え方の中では、「聖人」だったようで、その名残か、この小説は初出当時一部の人から「松蔭を冒涜している」と怒られ、司馬さんには殺害予告まで来たそう。とんでもない話ですね。

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2023年10月15日

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吉田松陰の学びに対する貪欲さと公に尽くす姿勢に敬服する。そうさせたのも玉木文之進の非常な教育があったためでもあろう。5歳で私を捨てることを強いられ、公の奉行者としての自覚を植え付けさせられる教育とは想像もできない。
また陽明学の「実行のなかにのみ学問がある。行動しなければ学問ではない」という思想には頷ける。アウトプットあってこその学びであることは当時の陽明学がすでに証明している。

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2022年06月11日

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吉田松陰の生い立ちと書生時代が描かれる第1巻。
描かれるのは、幕末の嵐が吹き荒れ始めるよりも少し前の時代。吉田松陰という人間がどうやって形作られたのか、そして黒船来航をはじめとした時代のうねりの中で彼が何を考えどう動いたのかが詳述されます。
全体的に『燃えよ剣』のような劇的な展開には乏しいけれど、次巻に迷わず手が伸びます。

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2021年10月24日

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ネタバレ

~全巻通してのレビューです~

冒頭、「長州の人間のことを書きたいと思う。」という書き出しで始まっています。
長州の人間は理屈好き、議論好きということで、尊王攘夷運動にも熱を上げました。

主人公は吉田松陰と高杉晋作です。
どちらかというと吉田松陰の話の方が中身が濃くて面白かったですね。
読むまでは松下村塾の人ということくらいしか知りませんでしたが、後々の長州にこれほど大きく影響を与えた人ということは知りませんでした。

高杉晋作は私の好きな言葉「おもしろき こともなき世を おもしろく」が辞世の句ですが、どちらかというと若い頃に久坂玄瑞と松下村塾に通った頃の話が面白かったです。

他に伊藤博文(俊輔)、井上馨(聞多)、山県有朋(狂介)など後々明治政府で活躍するメンツが登場します。
本当にすごい藩だったんだな、と実感しました。

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

以前読んだときはただ高杉は直感的行動的な人で、短い人生を駆け抜けたという印象があったが、今回は、駆け抜けなければいけなかったというような何か悲しい側面もあるのではと思うようになった。松陰との対比、身分への葛藤や父への想いなど。
龍馬と並んで、その人間性や考えに共感できる人物。

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2020年08月20日

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最近、松陰先生に関連する映像や文章に触れる機会が多かったため、久しぶりにこの小説を読みたくなって何回目か分からないくらいの再読。
松陰先生の人生は、行動だけ見ると破天荒なものが多いけど、長州藩をはじめ日本全体をよくするための行動だったんだよな、ということを改めて感じたりした。また、自分自身が松陰先生の考え方とよく似ているなぁ、とも思ったり。まぁ、先生ほどの激情や行動力は無いんだけどね。2巻以降も楽しみながら再読していきたい。

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2019年02月01日

Posted by ブクログ

幕末の長州藩について
知りたいと思った。
吉田松陰と高杉晋作、
二人の若者の人生と
苛烈な旅に出た。

「世に棲む日日」は長編だ。
全4巻。そのなかに
吉田松陰と高杉晋作の
短くも波乱万丈な人生が
余すところなく語られている。

吉田松陰。長州藩で生まれる。
29歳で処刑される。

高杉晋作。長州藩で生まれる。
28歳で亡くなる。

吉田松陰は
文政13年8月4日、
1830年9月20日に
長州萩城下松本村で
長州藩士である
杉百合之介の次男として生まれる。

叔父で山鹿流兵学師範である
吉田大助の養子となり、兵学を収める。

大介死亡ののち、
叔父の玉木文之進が開いた
松下村塾で薫陶を受ける。

9歳で明倫館の兵学師範に
就任するなど才能を発揮し、
松下村塾でも塾生を指導する。
この塾から、
高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など
多くの人材が輩出され、
まさに明治維新の長州における
揺籃期を作り上げた。

その人生は行動力に満ちている。
兵学を極めながら、その限界を知り、
西洋の兵学を学ぼうとする貪欲さに満ち、
さらには江戸に出て多くの人々と交流し、
幕府の命令に背いてでも、
アメリカに密航としようと試みた。

尊王攘夷の礎を築いた
長州藩の思想的偉人であり、
幕府に背いたことにより、
最期は獄中で死すが、
その思想は塾生たちに
脈々と受け継がれていく。

高杉晋作。
天保10年8月20日、
1839年9月27日に
長州萩城下菊屋横丁で
長州藩士である
高杉小忠太の長男として生まれる。

学の才能があり、
吉田松陰の松下村塾に学ぶ。
師の松陰が捕らえられた際は
江戸で獄中の師の世話をした。

防長一の美人とされた
雅と結婚する。

しかし、家には落ち着かず、
藩の所有する丙辰丸に乗船し、
江戸へ渡ったと思えば、
すぐに海軍を辞め、
江戸で剣術の稽古や
人々との交流を行う。

さらに長崎から中国に渡り、
世界情勢を知る。

帰国後は長州藩で吹き荒れた
尊王攘夷運動に加わり、
江戸や京都で活動を行う。

長州藩は関門海峡において
外国船砲撃を行うが、
これが米仏の怒りを買い、
下関戦争で惨敗する。

晋作は
この後、下関防衛を任され、
志願兵による奇兵隊を結成し、
防衛に当たるも、
すぐに総監を辞める。

京都で尊王攘夷で
勢いがあった長州藩だったが、
おごれる平家久しからずやで
薩摩藩と会津藩による
八月十八日の変で追放される。

晋作は脱藩し、京都へ潜伏するが、
帰郷後、脱藩の罪で投獄の身となる。

英仏米蘭の4か国連合艦隊が
下関を砲撃し、占拠されると
晋作は赦免され、和議交渉を任される。

しかし、長州藩内には尊王攘夷が吹き荒れ、
そのなかで外国と講和するなどは
もってのほかとされ、
長州藩上層部の日和見により、
危険を感じた晋作は逃亡する。

この時期、長州藩は
藩内では尊王攘夷派が主流を占め、
一方、外国からの圧力と
江戸幕府からの長州征伐の動きがあり、
立ち行かない状況にあった。

長州藩は幕府への恭順止むなしとする
俗論派が台頭していたが、
晋作は逃亡先から舞い戻り、
わずかな兵で功山寺で挙兵。
追いつめられていた奇兵隊たちも
加わることにより、
俗論派の首魁である椋梨 藤太を排斥して
藩の実権を握る。

直後、晋作は伊藤俊輔(伊藤博文)とともに
英国渡航を試み、長崎に向かうが、
ここでトーマス・グラバーに諭され、
渡航を断念する。
さらに下関開港を勧められ、
その動きを見せたが、
尊王攘夷派・俗論派の両派に命を狙われたため、
再び、逃亡する。

時機を見て舞い戻った晋作は
再度の長州征伐に備え、
防衛強化を進める役割を命じられ、
丙寅丸を購入する。
さらに薩長同盟の礎を築いていく。

そして、第二次長州戦争、
いわゆる四堺戦争で
海軍総督として戦闘指揮を執り、
幕府軍を敗走させている。
この敗北が決定打となり、
幕府の権威は失墜し、
大政奉還へとつながっていく。

この戦争直後、
晋作は肺結核を患い、
下関で療養するも死去した。

辞世の句が有名だ。

おもしろき こともなき世を
    おもしろく

吉田松陰と高杉晋作。
長州藩の二人の若武者は
短い間にみるみる
成長を遂げていくのが
驚異的に思えた。
30歳にもならない、
若さでそれぞれに事を成し遂げる。

幕末という時代に、
長州藩が果たした役割は
この思想と実践の
男たちによるものだ。

のちの明治新政府の
要人たちは
この時点では
まだ若造なのが
さらに興味深い。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

吉田松蔭の話。高杉晋作は出ないか
もしかしたら少し出たかも。
思想家。
とても純粋な思想家。
成し遂げるには妥協なき狂気が必要

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2025年08月25日

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初めての司馬遼太郎です。

とにかく取材量が半端ないのがわかります。
ドキュメンタリー歴史小説っぽいのは、司馬遼太郎の作風なのか?それともこの小説だけなのか?
先にも述べたように、初めての司馬遼太郎なので判断できません。

やっぱり「普通じゃない人」って、当たり前だけど思考も行動も「普通じゃない」よね(笑)
その形成要因も垣間見れて面白いです。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

第1巻は当時の長州藩の雰囲気や松蔭の性格の紹介といった程度でしたが、脱藩の経緯はかなり驚くべきものなので良くも悪くも大人物の片鱗が窺えました。
時代も物語も動き出すであろう第2巻に期待。

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2019年12月14日

Posted by ブクログ

吉田松陰とその弟子である高杉晋作を描いた長編小説で、文庫版は全4巻。その第1巻である本書は、吉田松陰の幼少時代から二度のペリー来航までを描く。吉田松陰を情熱的で理想主義的な青年として描いていて、青春小説としても読める内容になっており、とても興味深い。続きが楽しみである。

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2019年12月03日

Posted by ブクログ

松陰は蘭語や兵学を突き詰めて学んだり人に教えたりするタイプではなく、自分の足で歩き見て学ぶ実践的な人だったのだと思った。そのため、彼は黒船に乗船しアメリカを見ようと思った。生を惜しまずまっすぐに突き進む人だったが、佐久間象山は彼の思想には偏りがあると言っていた。

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2019年09月17日

Posted by ブクログ

旅行で初めて松下村塾に行くことになったので
行きながら帰りながら4冊読みました。再読。
吉田松陰と高杉晋作の物語。
個人的には高杉晋作が好きなので、挙兵から
「面白き事もなき世を面白くすみなすものは心なりけり」
までをもう少し丁寧に描いてほしかったなあ。
なので★は3つまで。。。

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2019年05月17日

「歴史・時代」ランキング