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「豊臣家をつぶす」──“関ヶ原”から十四年、徳川家康は多年の野望を実現すべく、大坂城の秀頼・淀殿に対して策謀をめぐらす。方広寺鐘銘事件など、つぎつぎと打ち出される家康の挑発にのった大坂方は、西欧の城塞をはるかに凌ぐといわれた巨城に籠城して開戦することを決意する。大坂冬ノ陣・夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して、豊臣家滅亡の人間悲劇を描く歴史長編。
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Posted by ブクログ
40年振りの再読。 大阪冬の陣•夏の陣で陥落してゆく大阪城と豊臣家を描く。 淀殿の戦さに対するトラウマと中途半端なプライド、大阪方に策謀をめぐらす家康と崇伝の大悪党ぶり、豊臣家家老の片桐且元の逐電などめちゃくちゃ面白い人間ドラマ。全3巻。
読みやすさ ★★★★★ 面白さ ★★★★★ ためになった度 ★★★★ 司馬遼太郎の戦国ものが好きでよく読むが、この作品も面白かった。 大坂夏の陣や冬の陣については、具体的にそれがどういう事件なのか、どうして起こったのかということはほとんどわからなかったが、この小説を読んでよくわかった。 小説なので...続きを読む、どこまで史実を反映しているかという問題はあるが、司馬遼太郎は一作書くにあたって神保町でトラック一台分の資料を入手し、それをもとにしたという。この作品も時代考証はしっかりしているのではないか。
関ヶ原の合戦後、片桐且元の退去までを描く上編。徳川方、豊臣方の人物を小幡勘兵衛を通して浮き彫りにしていく。共感できるかどうかはともかく家康の心理描写が見事。
三河の狸のずるさ、また大坂方の弱さと騙されやすさが、ありありと分かって、次はどんなことになってしまうのかと、ドキドキしながら読みました。
大阪城内の女社会を鮮やかに描き出し、徳川と豊臣の板挟みになる片桐市正の苦悩と、家康とその取り巻きの悪知恵が、非常に分かりやすく書かれている。 絶えず機会を狙い、勝つべくして勝った徳川家と、滅ぶべくして滅んでいく豊臣家の没落をこれほどまでに分かりやすく書いている書を私は知らない。 上巻は、まだ冬の陣の...続きを読む前(片桐市正の放逐前後)で終わっているが、既に読み応え十分である。
2017年末か2018年1月あたりに読んだはず 忘れてしまった 久々の司馬遼太郎 さすが、読ませる
文句なしに面白い。司馬遼太郎の家康嫌いは相変わらずだが、豊臣方が負けるべくして負けたということがよくわかった。結局のところ、淀殿にきちんと物を申す人間がいなかったということだろう。真田幸村にしろ、後藤又兵衛にしろ、秀頼にしろ、なぜあそこまで淀殿に気を使うのかが理解できない。あの時代のあの場所にいない...続きを読むとわからないことかも知れないが、今の会社組織でも上司が間違っていると分かっていても言えないのと同じことなのだろう。
大阪冬の陣、夏の陣を扱った作品。「関ケ原」と比べ、こちらの作品での家康は、一層、老獪さを増し、豊臣勢を手玉にとる。悪役といってもいいほどの役回りである。 様々な登場人物の背景の解説の細かさや、心理の動きの描写はさすが。個人的には、不利な状況にあっても最後まで戦う真田幸村の姿が最も印象に残った。
関ヶ原の戦いは終わったが、大阪城には未だ豊臣家の威光は健在。自身の寿命ある内に徳川による治世を完成させたい家康を、類のない陰謀に走らせる。 本書で描かれる家康はなんとも鼻につくイヤな奴。こんな奴が天下を取るなんて許せない、大阪ガンバレと思ってしまうが、その大阪方の人材の乏しいこと。なんせトップが現...続きを読む実を直視せず感情だけで思考する淀殿に、寝たきり老人のように影の薄い豊臣秀頼。そんな幻想家が支配する大阪城内の空気は乱れきっていた。 歴史を知らず、次巻を読むまでもなく、勝敗はすでに決しているのだが、その勝敗外でうごめく人間模様が見どころ。この巻の主役は片桐且元。家康、淀殿からのパワハラを受けまくり板挟み、そして爆発。サラリーマンの中間管理職ならではの悲哀。
大坂の陣から400年。大河ドラマ真田丸でも描かれるしってことで、平積みになっていたのを手にした上中下の上巻。 真田丸だったら有働さんのナレーションでぶった切るような大坂城内の動き、東西の駆け引きが司馬遼太郎の文体で細かく描かれている。400百年前の出来事を描いておきながら、時々出てくる、筆者の現在の...続きを読む目線。嫌いじゃないです。 真田丸も最終章に向かいます。中巻、下巻もさっさと読まないと。
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