司馬遼太郎のレビュー一覧
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サラリーマンの悲哀を描いている。と言えば四捨五入し過ぎだが、この稼業が、いかに理想として人生を燃えたぎらせるものがないか、ましてや出世だけがロイヤルロードでもなくなった今(当時)、仕事はこなして、アフターファイブを充実させるのが吉、という達観が本書には通底している。
そのうえで、曰く、愚痴ほど生産性のないものはない、議論モードはロクなことがない、時には人生意気に感じるといった感性を持つべきだ、との持論展開。さすがに昭和三十年当時の著者の持論であり、真新しくはもちろんないし、今となっては通じない考え方も多いが、とにかくも人生の大先輩の言として愉しくは読めた。
後半の女性蔑視全開のパート(女性は職場では男漁りと愚痴をいう以外に楽しみを知らない、旦那の出世に欲を持った女房はロクなものではない など)は男側からの強烈な独りよがりに見えて、さすがに時代錯誤感が凄まじかった。
一方で、第2部語られる、著者の実体験に基づく人生観(新聞記者として「大成」したが故に閑職に就きつつそれに満足している老人。自らの才覚の限界を悟り小虫として自分のペースで生きていくことで人生を完成させた老人)や、著者自身の新聞記者としての経緯(戦後闇市で求人募集を発見し、新興新聞社に入り、同時入社のO君の諍いに共連れで退社。次の社は用紙横流しで退社。産経新聞に入社。このあたり、時代の息吹が感じられるような描写。)は面白かった。
司馬遼太郎ファンとしては貴重な読書経験となったが、ビジネスマンとして目から鱗の発見を期待しての選択だっただけに、その期待値との比較では、星3つが限界か。 -
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豊臣秀吉を倒し江戸幕府が開かれた。その徳川家の政策をこけ下した表現が面白い。とある禅師が全国の浪人となった元武士に江戸幕府の謀反を呼びかけ、とある町で流浪の民となっていた仙八がひょんなことから選ばれし者としてあらよあらよという間に中国大陸に大将として招かれ、明朝のために働き、また明朝を助けるべく日本からの援軍を集いに日本に舞い戻る。師として仰いだ禅師に、はたまたは旅中に出会った由比正雪という軍師にたぶらかされてはあっちに心を奪われ、こっちに説得され、と意志軟弱ぶりが滑稽に描かれているのが可笑しくなってくる。明朝の使いの蘇一官という人物もよくわからない存在で最後はこの人物に主人公と禅師が中国船に乗り込み明朝に向かって物語は閉じられるのだがあとは読者のご想像にってお前は少年ジャンプかよ!ってww
歴史の史実とフィクションが混ざり合った時代小説とも言えわかりやすいが理解しにくい何とも奥深い作品でページ数も多く完読するに疲弊した。 -
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豊臣家の行政をなす奉行や賤ヶ岳七本槍とよばれた武将らから徹底的に嫌われた石田三成というイメージどおりの三成像。
豊臣家の頭脳として、秀吉の没後、秀頼が成人になるまで豊臣家を守らなければと必死に家康に抵抗するが家康&本多正信コンビの奸計が悉く計画通りに進むのだ。上巻の後半は三成を佐和山城へ蟄居させたあとは家康がとうとう大阪城に入り、当主のように振る舞いはじめる。その傍若無人ぶりが悪どい。そして、前田利長に豊家に謀反の罪で討伐に向かう。言いがかりであることは誰の目にもわかっているのに豊臣恩顧の諸将たちはだれも異論を唱えない。
清正、正則よ!なさけない。と思ってしまう。
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歴史小説と時代小説
史実に則り、つまり史実を調べて、それなりに忠実に書くのが歴史小説。
時代背景に則り、あとは描きたいように書くのが時代小説。代表は池波正太郎さんとかね。
前者の代表格である司馬遼太郎先生の直木賞受賞作が本作。
しかしながら、これは時代小説です。直木賞受賞の際には吉川英治さんは勉強が足らんとボロカスに貶して、
海音寺潮五郎さん等の推薦で受賞したとのこと。もとは新聞の連載小説らしい。
宮部みゆきの直木賞受賞作も新聞連載らしいから結構多いのかね。
筒井康隆によると作り話を作るのが小説家の仕事で、取材して書くだけなら小説家としてカタワである、
小説家として他の分野で書いていた人が歴史小説書くようになったら、半ば終わってるとのことでした。
いや、誰とは言いませんよ。kkさんとか。出来の悪いレポート読まされてるみたいのもいるらしいからね。
本作は頭のいい人の作り話で、読み手はうまいこと引きまわされます。
もともと新聞記者で、取材して、記事にする。随筆の街道をゆくとかその典型かもです。
さて、手塚治虫先生の話でブラックジャックがあります。
カラー版の二巻の一話に奇胎なる話があるのですが、司馬先生のそっくりさんが出てくる。
大学の編成が戦後変更になって、手塚先生は司馬先生の後輩になったんでしょうが、
手塚先生、漫画家のことをゴキブリ呼ばわりされたことについて相当頭に来たみたい。
いや誰が言ったとは言いませんよ。
興味があってら読んでみてください。
お好みで。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に日本史習ってた?ってくらい歴史に疎いので、斎藤道三ね〜名前は聞いたことある〜くらいの知識で読み始めた。むしろ知識ゼロだからより楽しめてると思う。笑
言葉巧みに皆を魅了し欲しいものはすべて手にしてしまう姿が、武士らしくて魅力的と思いつつ怖いなと思った。それにしても深芳野...一体どうなっちゃうんでしょうか。あと岐阜が国としてこれだけ重要視されてた場所だということも知らなかったなぁ。
司馬遼太郎は読みやすくてイメージがしやすい。さすが歴史小説の大御所(というのも憚られるが)。所々で現れる、もはや司馬さんのコメントでしょこれ、という文章にニヤつきながら読み進めてる。
次巻も楽しみ〜。