司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大学に入って、明らかに読書時間が減りました。悲しいです。悲しい限りです。
新選組血風録を読むのに、こんなにも時間がかかってしまうとは。不覚。しかし、本は読む速さではないですし。本はじっくり読むものでござんしょう。
新選組血風録は短編集で、あまりスポットの当たらないような人物の話とかもありました。自分のなかで司馬遼太郎の新選組小説、と言えば、燃えよ剣でしたが、こっちも好きです。なかでもいちばん好きだなぁ、と思ったのは、沖田さんが主人公の菊一文字。おもしろかったのは、槍は宝蔵院流という、谷三十郎と斎藤さんの話。斎藤さん好きだ。何か、どんな作家が書いても、彼はけっこう浮世離れしてる気がする。
次は、司馬遼太郎の尻くらえ孫市読みます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ足軽という身分に生まれ、劣等感を抱き続けてきた以蔵の姿がある。
「不幸な男がうまれた」というのは冒頭の一語である。身分制からくる劣等感が以蔵を人斬りの道へと走らせた。が、以蔵は、己を「人斬り」に仕立てあげた師にすら卑下され、また利用されていたのだ。そこにいわば以蔵の「不幸」あるいは「悲劇」があったと言えよう。最後まで足軽として無下に扱われ続けた以蔵は、劣等感から強い怒りを抱く。その怒りこそが、以蔵という一人の人間の、心からの痛切な叫びでもあっただろう。
本作品には、現在に渡って広く認識されている基本的な以蔵像、武市との関係が描かれている。実在した人間の人物像を、国民的歴史小説家が作り出したことを証明する作品でもあるのではないか。