司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 戦雲の夢

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    前半つまらなかったのに、盛親覚醒後は読ませるなあ…くうう。主人公の人生観とシンクロする物語の緩急。
    歴史大河の片隅の、内省的な青春小説(というほどまで青くさくはないが)。主人公が傑人でないだけに共感しやすい。
    「城塞」は大坂の陣を政治的に理解できるが、こちらは文学的に理解する感じ。

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    2012年10月25日
  • 菜の花の沖(六)

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    クライマックス。喜兵衛とリコルドの友情が外交上の成功を納める。他国の言語が話せなければコミュニケーションはとれないと思いがちだが、心や他人に対する尊敬がないと本当の会話はできないんだと思った。人間や社会について書かれたこの本をこの齢で読めて良かった。

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    2012年10月20日
  • 歴史と風土

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     作家が膨大な知識の中、日本の風土を鑑みながらその歴史観を披露する。歴史小説を読む手引きとしても利用できるほど本書は優れている。290ページ程度の薄い本ではあるが内容は濃い。

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    2012年10月17日
  • 夏草の賦(上)

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    BASARAで元親兄貴にはまり、すぐに購入した本。司馬作品はよく大河になりますが、夏草はならない…。負けたからなのか?戦国無双の元親のとなりが奥さまの名前になっててちょい感動した。
    上下巻。

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    2012年10月18日
  • 故郷忘じがたく候

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    【胡桃に酒】細川ガラシャこと"たま"の生涯。ガラシャは他の小説などで悲劇の女性と言われ出てきてはいたが、あまり知らなかったので。父は明智光秀だという事を知り合点。本能寺の変による謹慎生活。夫の細川忠興の常軌を逸する嫉妬深さからくる性格の不一致、食いあわせ。悲運としか言いようがない。切支丹大名の高山右近の伝道による切支丹への傾倒。名前だけは知っていたが歴史小説を読むことで頭の中で結びついていくとおもしろい。

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    2012年10月14日
  • 幕末

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    桜田門外の変から始まり、幕末の暗殺事件の連作になっている。歴史小説は要所に若かりし頃の偉人が出てくるから面白いが、本作はあまり知られていない人間が多く描かれている。
    「土佐の夜雨」「逃げの小五郎」「死んでも死なぬ」の3編がなかなか面白かった。「死んでも死なぬ」には、小心者の伊藤俊輔(博文)が登場する。
    「最後の攘夷志士」では、志士たちが倒幕のために攘夷思想を利用された末路で、少し切ない。

    幕末小説を読んでいて面白いのは、のちの子爵だの男爵だのとカッコ付で書いてあったり、剣の腕はなんたら流の目録だのと紹介されるのがちんぷんかんぷんで、果たして凄いかどうかなかなか汲みきれないところ(笑)

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    2012年10月13日
  • 功名が辻(四)

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    初めは千代の賢しら加減が嫌味で、一豊サイドも戦ばかりでつまらずあまり楽しめなかった。
    2巻あたりから、戦国スターものの作品で語られない、秀吉衰退期や、関ヶ原で家康側につく人の様子などが描かれているところに面白さを見出した。
    最後はかなしい。「竜馬がゆく」の上士、郷士につづいていく。
    かっこいい!好きだ!おもしろい!という想いで(書き手も?)読み手も進んでいくタイプの小説ではなかった。

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    2012年10月08日
  • 風神の門(下)

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    下巻は合戦の様子が伊賀忍者 才蔵を通して描かれ おもしろい。忍者の当時の合戦の中での役割がよくわかる。日本独特の歴史。なぜ、日本にだけ忍者が出没したのか、戦国の中で如何に諜報活動が重要であったかなどから伺える。 横山光輝の伊賀の影丸の影響も受けているようでした。

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    2012年10月08日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    司馬氏の人生にからめて雑多に歴史について書かれたエッセー。日本の戦車がいかに使えないものだったかを述べた章や、天皇を神だと思っていた日本人はいないのではないかと述べた章は痛快であった。

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    2012年10月06日
  • 十一番目の志士(下)

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    司馬遼太郎は、久しぶりに読んだ。別の作品の「人斬り以蔵」より面白かった。この作品の上巻は、アニメ「るろうに剣心」の追憶編に似てる。どこまでが史実でどこまでがフィクションか分からないところが、さらにすごい

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    2012年10月02日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    風変りな視点から時代を切り取るエッセイ集。戦車兵の目線から第二次大戦を考察したり、女だてらに城主代行を務めた尼僧の目線で戦国の世を考察したりする。明治政府の大官となった後輩たちをイビりまくる田舎の先輩白井小助の物語「長州人の山の神」も秀逸。

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    2012年09月23日
  • 幕末

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    幕末の動乱期に数多く起こった暗殺事件を取り扱うことで,その時代の雰囲気や人々の思いといったものに迫っている.あとがきの中で,司馬遼太郎氏本人は暗殺のことを否定的にとらえていると語っているが,同時に,時代の大きなエネルギーが噴出した場でもある暗殺を描くことによって時代の雰囲気を語ることができるとも語っている.私もこの解釈に賛成で,今まで流れをつかみ損ねていた感がぬぐえない幕末という時代を,この本を読むことで少しだけつかむことができたように感じる.

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    2012年09月22日
  • 豊臣家の人々 新装版

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    「新史 太閤記」においては秀吉に学ぶ人生論書という色合いが濃かったが、秀吉が家康を懐柔する場面まででストーリーは終わっており、秀吉の晩年は描かれていない。本書はその続編や補足編としての位置付けであるが、秀吉が嫡子秀頼誕生により盲目的になったシーンが満載であり、良くは描かれていない。一話ごとに独立した主役を据えているが、それぞれごとに感想を書いていこう。

    第一話 殺生関白
    秀吉の姉の子:豊臣秀次を描いたもの。秀次は叔父秀吉の引きにより関白まで上り詰めるが、秀吉の嫡男:秀頼出生のため謀殺されるという悲運な運命を辿る。歴代の大河ドラマでも、どちらかと言えば幸の薄い役者が演じることが多かった。歴史ファンの中にはその悲運に同情する向きも少なくないが、彼を主人公とした本書を読めば、その同情心も消え失せる。司馬氏が描く秀次は矮小な変人であり、その悪行を読むにつけ、早く駆逐されないかと最期を心待ちにするだろう。特に、通り掛かりの盲人を斬りつけ惨殺したシーンには怒りを通り越して吐き気を催した。まぁ、叔父が異例の出世を遂げたばかりに、無能な人間に器以上の役職が回ってきたというある意味誰にとっても不幸な話である。
    ちなみに、殺生関白とはもちろん、摂政関白をかけたもの。

    第二話 金吾中納言
    秀吉の正室である北政所の弟の子として生まれた、後の小早川秀秋を描いたもの。秀秋も司馬作品など歴史小説において良く描かれることはない。秀次同様、その人物像は芳しくない。やはり秀次と同じく、秀吉の血縁のみによって出世を遂げた無能力者である。
    彼は関ヶ原の戦いにおいて西軍を裏切り、家康方に勝利をもたらした余りにも有名な武将であるが、戦いから二年後に病没という、家康に利用されるだけで終わってしまった。まぁ、歴史に名を残しただけでも大したものか…。

    第三話 宇喜多秀家
    前二者とは異なり、秀吉との血縁関係はない。秀吉が信長の武将として毛利攻めをする際の途中に寝返らせた宇喜多家の嫡男を猶子(準養子)としただけである。なので、厳密には豊臣家の人々ではないが、秀吉の庇護を受けたという意味では当てはまるのだろう。
    彼も戦国の世を生き抜くための能力はあまりなく、結局は関ヶ原の戦いにおいて敗れ、死罪は免れたものの八丈島に流されて不遇な老後を送っている。やはり秀吉がいないと駄目な男である。

    第四話 北政所
    本書に、ようやく豊臣家の賢者が登場した。いや、賢女と言うべきか。北政所は秀吉の出世を後押ししてきた功労者だが、同時に家康が躍進して天下に覇を唱える働きもしている。秀吉没後、いやその前から、淀殿、石田三成、長束正家という近江勢を牽制し、加藤清正、福島正則らの尾張勢とサロンを築いて家康の天下取りを後押しした。歴史に名を残した女性といっても過言ではないだろう。

    第五話 大和大納言
    秀吉の実弟、秀長を描いたもの。彼は秀吉血縁男子の中では珍しく、無能ではない。と言っても、秀吉のような人たらしが出来る訳でも柔軟な思考力を持つ訳でもなく、単に決められたことを忠実に実行する能吏のような者であるが。さきの大河ドラマでは、袴田吉彦が中々良い弟ぶりを好演していた。

    第六話 駿河御前
    秀吉の妹、旭姫。せっかく結婚していたのに、秀吉の家康対策のために離縁させられて家康に嫁がされたという悲運の姫。秀吉の天下統一にはこうした身内の犠牲無しには成し遂げられないのだ。

    第七話 結城秀康
    家康の実子であり、秀吉の養子。彼は秀吉よりも家康に利用されただけの人。終始、その運命から逃れられなかった。家康は徳川家存続のため、実子を利用し尽くしている。長男信康(信長の信)、次男秀康(秀吉の秀)、三男秀忠(秀吉の秀)の名前を見れば一目瞭然。

    第八話 八条宮
    秀吉が皇族と血縁関係を築くために一時的に養子とした八条宮智仁親王の話。今までと異なる視点から秀吉を見ることが出来た。

    第九話 淀殿・その子
    さきの大河ドラマの舞台である。もっとも、「関ヶ原」「城塞」など同じ司馬作品で既知の内容であるため、真新しさはなかった。

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    2012年09月21日
  • 手掘り日本史

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    なぜ南北朝時代の小説を書かないのか、どうやって小説を書き始めたのか、自身の系図的ルーツについて、自作の中でどれが好き、どうやって歴史上の人物の人となりをつかんでいくのか、というようなことについて。日本人観についても語っているが、司馬さんが日本史とどう向き合っているかというテーマの方が色濃い。メイキングオブ司馬作品という感じで、ある程度読んだことのある、ファン向け。

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    2012年09月19日
  • 菜の花の沖(二)

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    淡路島の貧家に生まれた高田屋嘉兵衛は古船ではあるが、念願叶って一艘の船を得る。一旗上げて故郷に帰る嘉兵衛ではあるが、過去には1年間の期限付きで村八分になり、網本の娘と駆け落ちして所帯をもつという悲しい出来事があった。そんな過去に悩まされる本人とは裏腹に、村民はいたって友好的である。それに加えて、庄屋の娘を弟の嫁にしないかという縁談まで持ち上がる。江戸後期の豪商、高田屋嘉兵衛の物語、3巻以降では益々、嘉兵衛の周辺がいそがしくなってくる予感がする。

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    2012年09月14日
  • 草原の記

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    モンゴル大好き司馬サンのモンゴル訪問記。たまたま紹介されたガイド兼通訳「ツェベクマさん」の人生を通してモンゴルの歴史に思いを馳せる。寡欲な民族は近代の始まりとともに大国の大欲によって過酷な運命を辿る。それでも草原で寡欲に暮らす。変わらぬ人間の営み。

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    2012年09月13日
  • 菜の花の沖(四)

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    千島列島に住むアイヌ人を松前藩の搾取•奴隷的扱いから解放する。アイヌ人は島の外から来る人は全てカムイ(神)として崇め、歓迎する。日本人はシャイだから、そういう接し方をしないことが多いんだろうな。主人公は、アイヌの土地や人を見て、忌み嫌っている組意識とか、役人などの上下関係に押しつぶされている人間の美しさを感じているんだろうな。

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    2012年09月11日
  • 新装版 軍師二人

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    大坂の陣に散った後藤又兵衛と真田幸村の表題作をはじめ、名将奇将を描く短編計8点。短編は起承転結がすっきりしてて焦らせないから好き。主役の「その後」に触れるクダリもいい豆知識。秀吉の茶坊主から大名に成り上がった古田織部正の「割って、城を」が殊更面白い。

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    2012年09月10日
  • 新装版 真説宮本武蔵

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    表題作のほか千葉周作、森要蔵、吉岡憲法など兵法者を扱った短編集。宮本武蔵のニ天流は技が凄すぎて弟子がついてこれず、流派としては大成しなかった。先生は天才じゃダメってことだな。戦国期に肥前平戸にやってきたバスク人剣客「ユイズ」の話も面白かった。

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    2012年09月07日
  • 新装版 王城の護衛者

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    1.王城の護衛者 会津若松藩主の話
    2.加茂の水 玉松操(幕末、岩倉具視が頼った人物)
    3.鬼謀の人 大村益次郎(村田蔵六)の概要
    4.英雄児 長岡藩の河井継ノ介
    5.人切り以蔵 岡田以蔵

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    2012年09月10日