司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新選組血風録 〈改版〉

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    新撰組隊士たちの生き様がよくわかる。あまりメジャーでない隊士にもスポットをあてているので面白いです。
    新撰組ファンなら買い。

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    2010年07月22日
  • 人斬り以蔵

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    ネタバレ

    足軽という身分に生まれ、劣等感を抱き続けてきた以蔵の姿がある。
    「不幸な男がうまれた」というのは冒頭の一語である。身分制からくる劣等感が以蔵を人斬りの道へと走らせた。が、以蔵は、己を「人斬り」に仕立てあげた師にすら卑下され、また利用されていたのだ。そこにいわば以蔵の「不幸」あるいは「悲劇」があったと言えよう。最後まで足軽として無下に扱われ続けた以蔵は、劣等感から強い怒りを抱く。その怒りこそが、以蔵という一人の人間の、心からの痛切な叫びでもあっただろう。

    本作品には、現在に渡って広く認識されている基本的な以蔵像、武市との関係が描かれている。実在した人間の人物像を、国民的歴史小説家が作り出したこ

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    2022年07月09日
  • 新装版 風の武士(下)

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    公儀隠密の柘植信吾の人柄が魅力的。裏表がなく、明朗快活。剣の腕は一流なのに、あっさりと敵方にだまされる。女性にやさしく浮気者なのに、女性をだまさない。人間味あふれた信吾という武士が巻き込まれる時代劇らしからぬ冒険譚。エンターテイメント性に優れた作品でとても読みやすい。お勢似(せい)、お弓、ちの、の三人の女性の艶っぽさや信吾との会話が物語に花を添えています。
    もし映像化するなら、この女性たちや信吾をどの俳優にするか想像しながら読んでいくのも面白いかもしれません。

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    2010年07月13日
  • 以下、無用のことながら

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    司馬遼太郎の文体は、読んでいると影響されるから困る。

    でもなんか好きなんだよなあ。
    キザっぽいからかな。このタイトルとか、もろに。

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    2010年06月19日
  • 風神の門(下)

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    この本は、霧隠才蔵が主人公である。なんといっても、才蔵がカッコよかった。しかし、才蔵だけではなく、真田幸村や、猿飛佐助なども、男として憧れるものがある。

    小説内にあった、”豊臣家は滅びることで、天下に尽くす”という言葉は、”なるほど”と思った。

    この次は、夜に棲む日々を読みたい。

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    2010年06月19日
  • 功名が辻(三)

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    この巻は、頂点に上り詰めた秀吉が落ちてゆくさまが印象的。
    そうした状況を的確に判断し、夫を導く千代の賢妻ぶりも見事。

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    2010年06月10日
  • 城塞(中)

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    何となく、知ってはいたけど歯がゆい展開です冬の陣。やるせなくて後に脱力感に苛まれる。あるある、坂の上〜読んでた時にも感じたよ。

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    2010年09月26日
  • 翔ぶが如く(七)

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    薩摩隼人たちの不気味な胎動が始まった…!!
    私学校VS政府 の 攻防…。大久保(&川路)が放った、中原尚雄はじめとする密偵のみなさん(東京獅子/ああずまじし)が西郷暗殺を企てていたのかいないのかは謎ですが、それにしても可愛そうでしたね。近代化といっても地方じゃまだまだ江戸時代が続いてるんだなぁ。私学校の取り調べの凄惨さがいように印象に残った…。
    私学校側の内情も複雑で、やたら挙兵したがる辺見十郎太のようなやつもいれば、比較的穏健派な永山弥一郎もいる、多彩な人物たちのやりとりが面白い。西郷どんはといえば、幕末の生彩を欠いてタマシイ抜けたようになって山とか温泉に引きこもりっぱなしでした。だけど私学

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    2010年05月30日
  • 菜の花の沖(五)

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    嘉兵衛に関する記述は少なく、当時のロシア事情や日本への航海、襲撃などについて主に書かれています。前半とイメージが違うのでなかなか読むペースが上がりませんでした。レザノフとクルーゼンシュテルンの航海。幕府の拒絶。カラフト、サハリン。ユノナ号とアヴォス号の日本襲撃。ゴローニンの拘束など。

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    2010年05月23日
  • 新装版 大坂侍

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    幕末期の大阪関連の短編集です。そんなに重い話がないからけっこう読みやすかったです。独特の司馬節が強い作品でもありましたが。

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    2010年05月20日
  • 街道をゆく 1

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    私が中学生の頃、すでにシリーズの「モンゴル紀行」が教科書に載っていた。そんな言わずと知れた大作紀行文集を、一から読み直してみる気になった。

    これまで旅のお供に持って行っては、つまみ食いのように流し読みすることしかしていなかったので、今回は著者の後を追って、地図も傍らに歩みを進めてみる。

    するとどうだろう。二十代で読んだ頃には大しておもしろいと感じなかったことが、三十代の今は結構染みいってくるのだ。
    先は長いけど、これなら苦もなく読み進められそうだ。

    「近江からはじめましょう」という司馬遼太郎の言葉から「街道をゆく」シリーズがはじまった。

    その取材時期はおそらく1970年。
    まだ私が生ま

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    2010年05月10日
  • 坂の上の雲(五)

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    <本の紹介>
    強靱な旅順要塞の攻撃を担当した第三軍は、鉄壁を正面から攻めておびただしい血を流しつづけた。一方、ロシアの大艦隊が、東洋に向かってヨーロッパを発航した。これが日本近海に姿を現わせば、いま旅順港深く息をひそめている敵艦隊も再び勢いをえるだろう。それはこの国の滅亡を意味する。が、要塞は依然として陥ちない。
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    読んでて、色んな立場の人が色んなものを背負って戦ってるのを改めて感じました。
    特に、上層部の面々の描写。本当に多岐に渡って取材して、魂込めて書いたんだろうなって、中身もそうだけど司馬さんに感謝を伝えたいと思いました。この人、本当にすごいですね。
    「売れる本を書こう」とか

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    2020年01月12日
  • 坂の上の雲(六)

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    <本の紹介>
    作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。だが兵力の消耗は日々深刻であった。北で警鐘が鳴る。満州の野でかろうじて持ちこたえ冬ごもりしている日本軍に対し、凍てつく大地を轟かせ、ロシアの攻勢が始まった。左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躪され、壊滅の危機が迫った。
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    この巻は、今までと違う動きが出てきた。「大諜報」って項だったんだけど、戦争で戦ってるのは前線の人間だけじゃなく、世論を有利になるよう煽る人たちもいて、その人たちのことはあまりクローズアップされないだけに新鮮でした。
    何かしたいけど、理由があってできない。そういう人は過去

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    2020年01月12日
  • 坂の上の雲(七)

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    <本の紹介>
    各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。そのとぼしい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲されて日本軍は処々で寸断され、時には敗走するという苦況に陥った。
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    「終わらせ方」がこの巻のテーマだったように思う。何かを始めるときに、それをどうしたら終わらせるのか、そこを考えることは(少なくとも自分は)少ないかもな、自省しました。
    いつも、何かを始めるときは目標を持つ前に手を出してみて、それで得るどこまでできるか、何ができないかって感

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    2020年01月12日
  • 胡蝶の夢(四)

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    時代とか状況とかそれらの作りだす空気とかって、やっぱりリアルタイムでしか味わえないものなんだなぁとおもう
    でも、それを違うところにいるひとが必死になってでも想像して、思いを馳せるのはすごくだいじなことだとおもう。
    江戸時代、そして幕末というものについて、そういう考え方をさせてくれた本ですた(´ω`)

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    2010年05月09日
  • この国のかたち(二)

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    身の回りの些細な物事から日本の文化を考えること自体が懐かしい。司馬遼太郎の海ような知識をもってのそんな営みであれば、なお楽しい。

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    2010年05月05日
  • 風神の門(上)

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    真田十勇士のひとり、霧隠才蔵を主人公に据えた物語。真田幸村や猿飛佐助でなく、才蔵ってところがなかなかニクイです。
    本書の才蔵は徹底的な個人主義というか、「この命尽きるまで地の果てまでついていきます!」という感じではなくて、「技術は売るけど心は売らない」みたいな、あくまでも自分を第一に置いてるところがすごくかっこいいなあと思う。それなのに自分の得にならない事件でも困ってる人がいると助けてみたり、「何そのヒーロー!」と言いたくなる場面が多々あったりして。
    でも正直、出てくる女性キャラクターがこれでもかってほど才蔵のことを好きになる展開は、もうお腹いっぱいだなあ。2人位でやめといて欲しかったです。

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    2010年04月30日
  • 豊臣家の人々 新装版

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     一介の百姓から成り上がった秀吉。悲しいかな、当然親族に高貴な者など居なかった。母:北政所から養子縁組した武将の子息たち、姉の子である関白秀次。司馬戦国物中の異色作品と言えよう。

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    2010年04月14日
  • 翔ぶが如く(四)

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    江藤新平ほどの頭脳を持った人でさえ、簡単に乱を起こす世の中というのは、やはり好戦的な風潮だったということだろうか。

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    2010年04月13日
  • 新装版 戦雲の夢

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    戦国時代末期から江戸時代初期を舞台に、長宗我部元親の跡を継いだ盛親を主人公とする小説。大名から牢人に転落した盛親の鬱屈した心が、次第に解放されていく様が印象的。

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    2010年04月22日