司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ足軽という身分に生まれ、劣等感を抱き続けてきた以蔵の姿がある。
「不幸な男がうまれた」というのは冒頭の一語である。身分制からくる劣等感が以蔵を人斬りの道へと走らせた。が、以蔵は、己を「人斬り」に仕立てあげた師にすら卑下され、また利用されていたのだ。そこにいわば以蔵の「不幸」あるいは「悲劇」があったと言えよう。最後まで足軽として無下に扱われ続けた以蔵は、劣等感から強い怒りを抱く。その怒りこそが、以蔵という一人の人間の、心からの痛切な叫びでもあっただろう。
本作品には、現在に渡って広く認識されている基本的な以蔵像、武市との関係が描かれている。実在した人間の人物像を、国民的歴史小説家が作り出したこ