司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(十)

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    長かった。。。

    幕末の小説をいくつも読んできて最後にこの本を読んだ。
    黒船がきて日本が沸き上がって、何十人もの名士や愚物が生まれ、各々の正義を貫く中で、陰謀や暗殺、戦争がありようやく明治維新がおこって、世界に立ち向かえる国づくりの為に動き出した日本。
    改革の強行により失うものが多かった士族。維新の反動が各地の一揆や西南戦争となって現れるのは納得する部分も大きかった。

    士族や封建時代の精神的象徴の西郷vs現実の世界情勢を知り日本を進化させたい大久保率いる太政官。(精神vs現実みたいな感じか?)

    薩摩藩閥の私闘ととらえられていたのかもしれないけど、そんな小さい戦いじゃない。

    上手く言えない

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    2013年02月01日
  • 新装版 おれは権現

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    『愛染明王』…福島正則の話
    『おれは権現』…可児才蔵の話
    『助兵衛物語』…宇喜多家家臣、花房職秀の話
    『覚兵衛物語』…加藤家家臣、飯田直景の話
    『若江堤の霧』…木村重成の話
    『信九郎物語』…長宗我部盛親の弟、長宗我部康豊の話
    『けろりの道頓』…道頓堀を作った、安井道頓の話

    司馬遼太郎の小説を読んでると、物語の主人公の行動が、
    この人はこうするしかなかったんだなぁ、と腑に落ちます。
    実際の選択肢としても、心情としても、生来のものとしても、
    それを選ばざるを得なかったという納得感があります。
    必然的なかんじがします。

    しかもその必然の種が、その前にちゃんと蒔かれています。
    不本意だとしても蒔か

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    2013年01月31日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    高校で日本史を選択しなかった私には、空海は真言宗の開祖、弘法大師というくらいの知識しかありませんでした。
    この本を読むと、空海が巨人であり天才である様がありありと目の前に広がってくるようです。人間空海を感じるし、それでいて人間離れした空海も感じる。
    空海の凄さを、司馬遼太郎が削ることなく書き下ろした作品だと思います。
    下巻が楽しみ。

    年間30冊を目標にしていますが、2011年が18冊、2012年が22冊。今年こそは!と正月に誓ったのですが、1冊目が1月の終わり・・・
    幸先悪し。これから頑張ります。

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    2013年01月31日
  • 新装版 おれは権現

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    福島正則、可児吉長、木村重成、安井道頓などの「有名だけど歴史の主役にはなれない」「無名だけど魅力的」な人物を主人公にした短編集。

    マイナーな人物にも活き活きとした表情を与えるのが著者の作品の魅力であるが、これもそんな中の一冊である。

    これと併せて、彼らが端役で登場する著者の長編を読むとより楽しめるのではないだろうか。

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    2013年01月29日
  • 夏草の賦(下)

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    晩年の元親は切ないけど、人間らしくていいと思う。信親の戦死のシーンは泣ける。元親が秀吉を心の広い方と認めるのはさすがだと思う。それにしても司馬さんは秀吉好きなんだなぁ。

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    2013年01月27日
  • 街道をゆく 39

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    ネタバレ

    昨年日本に帰化した、日本学者のドナルドキーンさんの退官記念での訪米。ほとんど移動がなく、タイトル通り「散歩」がぴったり。ブルックリン橋を作った親子やアイルランド移民の話、タウンゼント・ハリスの話など、相変わらず薀蓄満載ですが、アメリカはやや苦手分野?

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    2013年01月27日
  • この国のかたち(六)

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    司馬遼太郎の文章が好きだという嗜好が根底にあるのだが、
    このシリーズを読破してこの国が愛おしくなったことは間違いない。
    同時に、今この時点のこの国を哀しく思う気持ちも大きくなる。


    周囲から学んで吸収するチカラの大きさをそのままに精神の貧しさを払拭する方法ってないのか。
    過去を懐かしんでばかりいるのは無意味だけど過去も未来も関係なく堅持すべきものってあるんじゃないのか。

    彼は、この連載を終えるときにどんな総括をしてくれるはずだったんだろう。

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    2013年01月26日
  • 故郷忘じがたく候

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    司馬遼太郎著「故郷忘じがたく候」を読みました。

     司馬遼太郎作品は久しぶりで、じっくり読み味わいました。

     3編からなる短編小説で、タイトルの「故郷忘じがたく候」は、16世紀朝鮮の役で日本の薩摩へ陶器の技術を手に入れるために拉致された朝鮮の民の子孫の運命を描いた作品でした。

     彼の作品の中では、現代に生きている人を扱った唯一の作品だそうです。

     ちなみに、この子孫の方は健在で、先日テレビにも出ていて、この本を読むきっかけにもなりました。

     この人の語った次のような言葉が載っています。

     「あなた方が36年をいうなら
      私は370年をいわねばならない」

     この言葉

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    2013年01月24日
  • 夏草の賦(上)

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    菜々さんの軽率っぷりが笑える!司馬さんの書き方もユーモラス。元親さんは、ほんとは臆病と言えるとこがすごいな。

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    2013年01月19日
  • 幕末

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    幕末とひとくちに言っても生き残って栄達を手にした人については
    美談が山のようにあっていかにも偉人伝のように語られ
    歴史の教科書にすら名前が残っている。
    ただ、「そんないい話ばっかりなわけないじゃん」とナナメから観てしまう人間にとっては
    この本に描かれた景色こそ幕末だったんだと思えてしまう。

    ひとかけらの運やタイミングのズレ以外に彼らの明暗が分かれた理由がなさそうなところがまた、何とも言えない遣る瀬なさ。

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    2013年01月19日
  • この国のかたち(四)

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    一つの話題について淡々と語り始める司馬遼太郎、ランチの誘いを断り
    読みふけってしまった。
    李朝と明治維新はなるほどと。
    同僚に朝鮮民族が多いので、なんだか根本から知れる気がして非常に勉強になる。

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    2015年07月14日
  • 翔ぶが如く(七)

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    脚色されているんだろうけど、130年前実際にこの人達が存在して、各々が悩み苦しんだかと思うと胸が詰まりそうになる。。。

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    2013年01月15日
  • 菜の花の沖(六)

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    高田屋嘉兵衛さんを主人公にしたお話の最終巻です。
    嘉兵衛さんがゴローニン事件のとばっちりでロシア船に拿捕されちゃって、その後ロシア側のおじさんと心を通じ合い(向こうのスパイになったとかではないよ!)日本側に幽閉されていたゴローニンさんを解放し、日本とロシアの間にわだかまりをつくらずに事件を解決しました。
    何があっても、人を信頼しようとする嘉兵衛さんの姿は素晴らしかった♪

    でも高田屋は結局、蝦夷地(北海道)が幕府の直轄地から松前藩に返還された後、松前藩に仕返しをされて、潰されちゃうんだよね。
    このお話では、かなり松前藩はダメダメな自分さえよければ藩になっています。
    実際は、どうだったんだろうね

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    2013年01月11日
  • 翔ぶが如く(四)

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    【本82】佐賀ノ乱から始まる大久保の対応は冷徹だが、西南戦争に向けた準備なのだろう。注目すべきは「勅許」という魔法が通用し始めたこと。

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    2013年01月06日
  • 風神の門(上)

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    梟の城の方が完成度は高い。新聞連載のためか、盛り上がってはとぎれ、盛り上がっては途切れを繰り返すが、さすが遼太郎先生、最後までしっかり読ませる。何歳でこれを書いたのだろう。

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    2013年01月05日
  • 十一番目の志士(上)

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    高杉晋作に見出だされた剣豪が幕末に暗躍する話。創作とは思えぬほど主役にテロリストとしてのリアルな個性あり。

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    2012年12月28日
  • 菜の花の沖(三)

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    ネタバレ

    江戸幕府は、東蝦夷地をアイヌを奴隷のように酷使することによって一方的に搾取することしかしない松前藩から直轄地へとチェンジ!
    その直前に幕府の要人と偶然親交を結んでいた嘉兵衛さんに大きなチャンスがやってきます。
    しかし、それはハイリスク&ハイリターン。

    もちろん嘉兵衛さんは突き進むんだろうな…。
    いろんな意味で大きな流れが時代を新しい局面に向かわせようとしている力を感じました。

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    2012年12月25日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    ほとんど空海については予備知識もなく読んだ。
    俗名が「佐伯真魚」であった(らしい)ことさえ、知らなかった。

    その時代や、空海の人となりについて、司馬遼太郎的解釈かもしれないけれど、イメージができてきた。

    上巻は、空海の唐での留学生活までが描かれる。
    同じ遣唐使船で渡った最澄とは、境遇から人柄まで、対照的。
    「弘法筆を選ばず」という言葉ひとつで、勝手にストイックな人物というイメージを持っていたが、むしろ溢れる才能を見せ付けることに躊躇しない、あくの強い人物であったようだ。

    読んで楽しいのは、やはり唐へ渡るあたりから。
    文章もいきいきとしてくる。
    一緒に唐に渡った橘逸勢との関わりも加わって、

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    2012年12月24日
  • 街道をゆく 6

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    沖縄・先島が特殊だというなら、薩摩や津軽など、明治時代の廃藩置県前の日本列島の他のエリアと比較すれば、特別に特殊というわけではないと主張しているのは、さすが司馬遼太郎という感じ。

    確かに、例えば言葉を事例にすれば、沖縄語も津軽弁も薩摩弁も同じ系統の言葉であるとしながらも、標準語とは全く別の言葉であって、お互い会話は成り立たないだろう。

    私の想像では日本列島の住人は、明治政府による大日本帝国という近代国家ができる前は、自分は日本人だと思っている人は少なかっただろう。薩摩人であり、長州人だと思っていただろう。それも我々が無意識に今感じている近代国家のそれとは大分違っていたのではないかと思う。そ

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    2012年12月23日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    竹中半兵衛が松寿丸を助けるところと、官兵衛が牢から奇跡の生還をするところに感動。信長の世が長くないことを見抜いているところもさすが。頷きながら読んでしまいました。

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    2012年12月21日