司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花妖譚

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    歴史にまつわる花についての短編集です。どれも短い話ですが、妖しく印象深い話ばかりでした。美しい花が持つ妖しい二面性と、その花に魅惑されていく人々の姿が、歴史の中で幻想的に垣間見えます。

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    2011年09月29日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    19世紀の中央アジアの話なんて、司馬じゃないと書けないな。 相変わらず小説としての体裁はまるでなってないが、 素材の新しさで読ませる。 後半、明の話になってから少々物語が停滞するのが難。

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    2011年09月20日
  • 花咲ける上方武士道

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    司馬せんせい、初期の作品。
    軽快な感じで面白い。
    主人公の公家密偵使、高野則近少将がちと格好良過ぎですが。
    その分、脇を固めるキャラたちが愛おしいほどに個性的。
    司馬遼版「東海道中膝栗毛」、必読です。

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    2011年09月20日
  • 胡蝶の夢(四)

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    人間の機微を理解しなかった伊之助の人生については考えさせられるところがある。
    幕末における幕府と新政府での医者・医学の立場と、当時の西洋医学の発展状況が興味深かった。

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    2011年09月13日
  • 街道をゆく 42

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    三浦半島は隣の伊豆半島と共に数々の歴史の表舞台になったことで知られる。古くは日本史上最初の武家政権である幕府の開かれた鎌倉や、近世では日露戦争で活躍した戦艦「三笠」の碇泊する横須賀など、歴史のエピソードも交えて紹介している。

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    2011年09月03日
  • 新装版 大坂侍

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    大阪=商人 というイメージは、江戸時代には、すでに出来上がってたのか。
    幕府よりもお金が大事。
    商人魂が物語りをグイグイ引っ張り、そこに男と女の話が絡んできて一気に読めました。

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    2011年09月01日
  • 菜の花の沖(一)

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    まだ一巻しか読んでいないが、司馬遼太郎ファンにとっては外せない一冊。

    司馬遼太郎の本を読んでいて思うのが、この人は歴史の研究者だなあということ。記述に事実の裏付けがある。
    歴史的事実の料理の仕方がうまい。

    そんな解釈もあったのか、とはっとさせられることも多いし、何より歴史の流れ、時代背景に精通している。司馬小説は面白いなと思う瞬間である。

    この小説は江戸時代の船乗りの話なのだが、「ボウスン」が「水夫長」だということを初めて知った。まめ知識。

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    2011年08月14日
  • 翔ぶが如く(九)

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    薩軍が消耗戦に終始するのに対し、増援する政府軍。しだいに力の差が明らかになっていった。
    しかし例えば、飫肥藩の小倉処平の献策を実行していれば、歴史は変わっていたかもしれないと思うと、小倉の案に何の決断も示さなかった西郷の奇妙さや、反対した桐野の戦略家としての能力のなさに注目しなければならない。

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    2011年08月17日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    「村上海賊の娘」とかを読んだせいで、だいぶ3巻から間が空いてしまった。だけど、村上海賊の娘と同時代で、官兵衛がこうしている頃、大阪は・・信長や毛利氏の武将たちは・・・と思い浮かべられて面白かった。関が原の戦いが起きた時に、九州を斬り従え、天下を取ろうとした事は知らなかったので、とても興味深かった。田んぼから上がる米中心の考え方の家康と、土地に縛られない貨幣中心の考え方の秀吉や官兵衛。秀吉や官兵衛が天下を取っていたら、現代に近い商品経済が出来上がっていたのかと思うと、そんな世界も見てみたかった。

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    2017年10月16日
  • 菜の花の沖(五)

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    5巻では、嘉兵衛の話を離れ、当時のロシア事情や間宮林蔵について紙面を割いている。脱線と思いきや、6巻で嘉兵衛がロシアに行くことになる背景に繋がってくるのだが。

    ピョートル大帝がロシアの近代化の開祖であるが、当時、その近代化を進めたのは北欧やドイツ系の人だったりする。
    エカテリーナ2世もドイツ人だ。
    また、コサック、農奴などロシアの特殊性に関しての考え方は「坂の上の雲」にも繋がっている。
    ロシアだけなく、欧州の近代国家について興味深い考察が散りばめられている。

    『ポーランドはロシアと同じくスラブ人であるが、宗教は(ロシア正教でなく)ローマ・カトリックを国教としている。
    欧州や中近東における宗

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    2011年08月06日
  • 草原の記

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    財宝が何であろう
    金銭が何であるか
    この世にあるものはすべて過ぎ行く

    永遠なるものとは何か
    それは人間の記憶である

    人間はよく生き、よく死なねばならぬ
    それだけが肝要で、他は何の価値もない


    チンギスハーンの子孫、オゴタイハーンの言葉


    大草原に憧れて、出会いに導かれて、モンゴルへ行ってきた

    今でも遊牧をして生活をする人がいて
    狩猟や釣りを日常的に行う人もいる

    動物の糞を燃料にしてテントに泊まり、星空の下で寝、
    夜明けとともに起きる
    そしてまた放牧と、狩猟と、釣りをする

    ビルの雑踏の中で、毎日パソコンとにらめっこしている現状とは違う、
    全く違った生活を体験したくて、モンゴルの友人

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    2011年07月30日
  • 菜の花の沖(四)

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    幕府が蝦夷(北海道)の戦略的位置付けを徐々に理解し始めると共に嘉兵衛もそこに巻き込まれていく。田沼意次時代に蝦夷に商業価値を見出したところも興味深い。

    嘉兵衛自身は、私欲のためではなく、蝦夷人の人柄に憧れ、そこでの暮らしを豊かにしたい、という一念がモチベーションとなっている。
    (蝦夷人の被支配者としての悲劇も描かれている)

    伊能忠敬も登場するが、北海道に関わる歴史知識など、随所にある司馬遼太郎の”余談的”解説が面白い。

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    2011年07月30日
  • 菜の花の沖(三)

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    いよいよ、嘉兵衛は自らの巨船で蝦夷(北海道)に渡る。当時の蝦夷における松前藩及び幕府の対応についての記述は興味深い。
    既に、幕府(田沼意次)がロシアという外圧を意識し始めていた。

    司馬遼太郎の小説は、所々に史実及びその考察が入る。
    ・朝鮮は中国以上の儒教国家になり、20世紀初頭になるまで貨幣がなく、自ずと商品経済は発達しなかった。(日本は室町時代から旺盛な商品経済の世になり、これが封建制度の亀裂となっていく)

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    2011年07月24日
  • 菜の花の沖(六)

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    あー、ようやく読み終わった!
    5巻はえんえん当時のロシア事情が語られるのみでちょっときつい…ですが、この本に書かれた高田屋嘉兵衛の生きざまには勇気を与えられます。苦労がおおいかぶさってきても、めげずにそこに活路を見出し、必死に生きる人の姿は、力強くて励まされるものです。

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    2011年07月18日
  • 義経(下)

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    やっぱり頼朝は嫌な奴だ。でも彼じゃ無ければ幕府が成り立たないこともわかる。でも藤原氏が本気になれば鎌倉を倒せた気はします。

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    2017年08月15日
  • 義経(上)

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    言わずと知れた義経です。
    ちょいちょい文章の流れを止めて、蘊蓄を傾けてくれるので、義経のことを大体のことは知っている人が読むとへえ〜ということが多いです。

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    2017年08月15日
  • 翔ぶが如く(八)

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    薩軍と政府軍の戦闘が始まる。
    桐野利秋が「熊本城はこの青竹で、ひとたたきでごわす」と言ったが、薩軍は必ずしもそのようにはいかなかった。
    戦国最強と言われた薩摩が、近代兵器の登場や綿密な作戦の欠如によって劣勢に立たされる。

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    2011年07月04日
  • 城塞(中)

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    真田幸村、後藤又兵衛などをかかえるものの、女に権力を握られているがために滅んでゆく大坂側の哀れさが感じられる。もし、秀頼に発言力があったら、どう歴史が動いていたのだろうか、要所要所の場面で妄想を描きながら、読み進めることができ、非常に楽しめる作品の一つであると思う。

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    2011年06月26日
  • 翔ぶが如く(七)

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    ついに薩摩が暴発する。薩摩が決起に至るまでが克明に描かれていて興味深い。政府が西郷暗殺を企てたかいなか、そこから引き起こされる暴発にともない、読みすすめるスピードが一気に加速。「吉野郷へ駈けてゆく休ニは、薩摩という火薬庫の中を、火をくわえて駈け回るねずみに似ていた」など司馬遼太郎節が炸裂。

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    2011年06月15日
  • 翔ぶが如く(六)

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    やっと6巻まで読み終えました~
    字が小さくて多いので時間がかかるのと、電車の中では老眼に辛いです(^^;
    萩の前原一誠が川路警視の放った密偵に騙されるあたりは悲壮感が漂っていましたね。
    続いて7巻に突入します。なんとか夏までには読破できそうです(笑)

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    2011年06月14日