司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 大坂侍

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    大阪=商人 というイメージは、江戸時代には、すでに出来上がってたのか。
    幕府よりもお金が大事。
    商人魂が物語りをグイグイ引っ張り、そこに男と女の話が絡んできて一気に読めました。

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    2011年09月01日
  • 翔ぶが如く(九)

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    薩軍が消耗戦に終始するのに対し、増援する政府軍。しだいに力の差が明らかになっていった。
    しかし例えば、飫肥藩の小倉処平の献策を実行していれば、歴史は変わっていたかもしれないと思うと、小倉の案に何の決断も示さなかった西郷の奇妙さや、反対した桐野の戦略家としての能力のなさに注目しなければならない。

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    2011年08月17日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    「村上海賊の娘」とかを読んだせいで、だいぶ3巻から間が空いてしまった。だけど、村上海賊の娘と同時代で、官兵衛がこうしている頃、大阪は・・信長や毛利氏の武将たちは・・・と思い浮かべられて面白かった。関が原の戦いが起きた時に、九州を斬り従え、天下を取ろうとした事は知らなかったので、とても興味深かった。田んぼから上がる米中心の考え方の家康と、土地に縛られない貨幣中心の考え方の秀吉や官兵衛。秀吉や官兵衛が天下を取っていたら、現代に近い商品経済が出来上がっていたのかと思うと、そんな世界も見てみたかった。

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    2017年10月16日
  • 菜の花の沖(五)

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    5巻では、嘉兵衛の話を離れ、当時のロシア事情や間宮林蔵について紙面を割いている。脱線と思いきや、6巻で嘉兵衛がロシアに行くことになる背景に繋がってくるのだが。

    ピョートル大帝がロシアの近代化の開祖であるが、当時、その近代化を進めたのは北欧やドイツ系の人だったりする。
    エカテリーナ2世もドイツ人だ。
    また、コサック、農奴などロシアの特殊性に関しての考え方は「坂の上の雲」にも繋がっている。
    ロシアだけなく、欧州の近代国家について興味深い考察が散りばめられている。

    『ポーランドはロシアと同じくスラブ人であるが、宗教は(ロシア正教でなく)ローマ・カトリックを国教としている。
    欧州や中近東における宗

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    2011年08月06日
  • 草原の記

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    財宝が何であろう
    金銭が何であるか
    この世にあるものはすべて過ぎ行く

    永遠なるものとは何か
    それは人間の記憶である

    人間はよく生き、よく死なねばならぬ
    それだけが肝要で、他は何の価値もない


    チンギスハーンの子孫、オゴタイハーンの言葉


    大草原に憧れて、出会いに導かれて、モンゴルへ行ってきた

    今でも遊牧をして生活をする人がいて
    狩猟や釣りを日常的に行う人もいる

    動物の糞を燃料にしてテントに泊まり、星空の下で寝、
    夜明けとともに起きる
    そしてまた放牧と、狩猟と、釣りをする

    ビルの雑踏の中で、毎日パソコンとにらめっこしている現状とは違う、
    全く違った生活を体験したくて、モンゴルの友人

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    2011年07月30日
  • 菜の花の沖(四)

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    幕府が蝦夷(北海道)の戦略的位置付けを徐々に理解し始めると共に嘉兵衛もそこに巻き込まれていく。田沼意次時代に蝦夷に商業価値を見出したところも興味深い。

    嘉兵衛自身は、私欲のためではなく、蝦夷人の人柄に憧れ、そこでの暮らしを豊かにしたい、という一念がモチベーションとなっている。
    (蝦夷人の被支配者としての悲劇も描かれている)

    伊能忠敬も登場するが、北海道に関わる歴史知識など、随所にある司馬遼太郎の”余談的”解説が面白い。

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    2011年07月30日
  • 菜の花の沖(三)

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    いよいよ、嘉兵衛は自らの巨船で蝦夷(北海道)に渡る。当時の蝦夷における松前藩及び幕府の対応についての記述は興味深い。
    既に、幕府(田沼意次)がロシアという外圧を意識し始めていた。

    司馬遼太郎の小説は、所々に史実及びその考察が入る。
    ・朝鮮は中国以上の儒教国家になり、20世紀初頭になるまで貨幣がなく、自ずと商品経済は発達しなかった。(日本は室町時代から旺盛な商品経済の世になり、これが封建制度の亀裂となっていく)

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    2011年07月24日
  • 義経(下)

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    やっぱり頼朝は嫌な奴だ。でも彼じゃ無ければ幕府が成り立たないこともわかる。でも藤原氏が本気になれば鎌倉を倒せた気はします。

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    2017年08月15日
  • 義経(上)

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    言わずと知れた義経です。
    ちょいちょい文章の流れを止めて、蘊蓄を傾けてくれるので、義経のことを大体のことは知っている人が読むとへえ〜ということが多いです。

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    2017年08月15日
  • 翔ぶが如く(八)

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    薩軍と政府軍の戦闘が始まる。
    桐野利秋が「熊本城はこの青竹で、ひとたたきでごわす」と言ったが、薩軍は必ずしもそのようにはいかなかった。
    戦国最強と言われた薩摩が、近代兵器の登場や綿密な作戦の欠如によって劣勢に立たされる。

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    2011年07月04日
  • 城塞(中)

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    真田幸村、後藤又兵衛などをかかえるものの、女に権力を握られているがために滅んでゆく大坂側の哀れさが感じられる。もし、秀頼に発言力があったら、どう歴史が動いていたのだろうか、要所要所の場面で妄想を描きながら、読み進めることができ、非常に楽しめる作品の一つであると思う。

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    2011年06月26日
  • 翔ぶが如く(七)

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    ついに薩摩が暴発する。薩摩が決起に至るまでが克明に描かれていて興味深い。政府が西郷暗殺を企てたかいなか、そこから引き起こされる暴発にともない、読みすすめるスピードが一気に加速。「吉野郷へ駈けてゆく休ニは、薩摩という火薬庫の中を、火をくわえて駈け回るねずみに似ていた」など司馬遼太郎節が炸裂。

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    2011年06月15日
  • 翔ぶが如く(六)

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    やっと6巻まで読み終えました~
    字が小さくて多いので時間がかかるのと、電車の中では老眼に辛いです(^^;
    萩の前原一誠が川路警視の放った密偵に騙されるあたりは悲壮感が漂っていましたね。
    続いて7巻に突入します。なんとか夏までには読破できそうです(笑)

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    2011年06月14日
  • 花神(中)

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    上巻では医師としての村田蔵六(のちの大村益次郎)を描いていたが、桂小五郎など様々な縁があって長州軍の重要ポストに就任し、軍人人生としてのスタートを切っていく。この蔵六がそれまで戦争未経験者であるのみならず、武芸、喧嘩等の類いも触ったことがないという背景が興味深い。あくまで医師として、学者としての道を歩んできた人間が軍事の道で力を発揮するのである。この点が、一貫して軍事教育を受けてきた上で軍人として功績を残した「坂の上の雲」の主人公である秋山兄弟とは異なるところである。ある分野を極めた者が、他分野においても成功するという現象は非常に興味深い。
    後半は第二次長州征討戦記となるが、通勤の行き帰りに読

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    2011年06月04日
  • 菜の花の沖(二)

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    ・嘉兵衛は、遂に船頭となり、実績を積み、巷の評価を上げ、いよいよ千石船の建造に取りかかる。そんな中でも過去、苦い思い出しかない故郷を大切にする。
    ・兵庫の北風屋のビジネスモデルは興味深い。無料のサービスで船乗りを惹きつけること、それは当時の情報を集める手法であった。
    ・国産木綿は江戸初期から広まる。木綿を作るための肥料として蝦夷からの鰯が登場してから綿の取れる量が増えた。保温性と耐用力をもった衣料を身につけることができるようになり、「木綿以前」とくらべて日本文化が大きく変わった。(人口増?)
    ・日本社会の上下をつらぬいている精神は、意地悪というものであった。「意地悪・いじめる・いびる」といった

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    2011年05月29日
  • 花妖譚

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     花にまつわる幻想小説集。
     
     「司馬遼太郎」になる前、新聞記者時代に本名で書かれていた作品たちだそうで…。

     司馬遼太郎の根底は、<わかりやすさ>なのだなと思った。
     「花神」読んでから、しばらくどっぷりつかっていた司馬遼太郎なのだけど、どの作品でもシンクロできるというか、シンパシーを感じる人物であり、シーンがあった。過去に生きた人たちなのだけど、人間である基礎というものはゆるぎないものであると感じてきた。

     それがようするに<わかりやすさ>なのだろう。

     いや、人としての軸を明確にしている、といえるのかもしれない。

     花が題材なので、妖艶で耽美な短編だ。
     が、そこには赤江瀑のよ

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    2011年05月22日
  • 新装版 戦雲の夢

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    長宗我部元親の嫡男、盛親の不運続きの生涯。元親が晩年情熱を失ったため、長宗我部家は世代交代が上手く進まなかった。そこに太閤秀吉の死、そして元親の死と続き盛親が大名となるが、すぐさま関ヶ原の戦いを迎え、東軍徳川方につくため使者を送ったが関所を通過できなかったため、西軍石田方につき周囲に翻弄され何もできないまま敗戦し浪人の身となった。年が経ち猫は牙を向き虎となり、自分を賭けるため大坂の陣に挑む。この戦いを読むのは初めて。真田幸村・後藤又兵衛といった猛者が大坂城の豊臣秀頼の元に集結。有名な真田丸とか出てきてわくわく。大坂方が不利な状況をわかっているのに、最後の戦いで一旗挙げるため、智勇の限り全てを出

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    2011年05月21日
  • 夏草の賦(下)

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    「男は、夢のあるうちが花だな」悲運に見舞われた戦いで信親を失い、夢破れた男の一言に哀愁を感じる。元親は脅威となっていた信長が斃れたにも関わらず、情勢を見抜く事が出来ずに機会を逃し、新たな脅威となった秀吉の戦力と度量に領土も心までも呑まれてしまった。一領具足制度は農民の気持ちを奮い立たし四国全土へと領土を拡大していったが20年もの間戦いに明け暮れ国土が疲弊してしまった。でも無駄ではなかったのだろう。天下を目指した、長曾我部武士のその情熱と誇りが幕末での土佐の郷士たちの風雲に繋がったのではないだろうか。

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    2011年05月18日
  • 新装版 軍師二人

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    関ヶ原、城塞、戦雲の夢と同時期、東軍がわで関ヶ原の終戦を迎えた勇将達の豊臣家滅亡までのサイドストーリー。合わせる事で同時期のパノラマが浮かび上がる感あり。長編に無い日常のスナップにより、東西無い時代の漢たちの清々しい息づかいを感ずる事で来た、色までも清々しく。渡辺甚兵衛了、夏の陣にて藤堂高虎に帰参した猛将の侍大将の胸毛、小説らしい時代小説の小片に、本来の司馬遼太郎さんの、生な人としての感覚が滲んでいるのかも。実に艶がありますね。桑名弥次兵衛の下りも、同一の合戦を戦雲の夢で両方向から語る場面に。古田織部、最後のクーデター構想、更に他の書籍求めたい。

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    2011年05月08日
  • 風神の門(上)

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    誰にも縛られたくない、個人事業者のような生き方を是とする伊賀の忍者、霧隠才蔵は、真田幸村と出会い、徳川家康の首を狙うに至ります。下巻が楽しみです。

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    2011年05月02日