司馬遼太郎のレビュー一覧
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司馬遼太郎の長篇。
源頼朝と源義経を軸に、源氏が平氏の天下を覆して鎌倉幕府の基礎を築いていく様を描いた小説。
義経は、父・義朝が平氏との争いに敗れたことで、身分を隠して鞍馬山に入れられ、そこで幼少期を過ごす。元服後、奥州藤原氏に一時滞在した後、挙兵した頼朝の下に参集した。
義経は生まれながらに天才的な武将・軍略家であった。その素質によって木曾義仲を破り(一ノ谷の戦い)、続いて屋島と壇ノ浦の戦いで、戦力的に圧倒的不利だったにも関わらず、平家追討を成し遂げた。
しかし、義経はその軍才とは裏腹に、致命的に政治感覚がなく、それが故に最終的には頼朝に殺されてしまう。
義経には感嘆すべき勇敢さはあ -
Posted by ブクログ
cotenラジオで取り上げられていた+司馬遼太郎ということでチャレンジ。
作品中一貫して項羽と劉邦の2人の違いが明確に書かれていた。自身の武や価値観を絶対のものとして天下を狙う項羽(力は山を抜き、気は世を覆うという言葉にそれが如実に現れている。てかこの言葉カッコ良すぎでしょ)と武などなく自分の欲求を優先しつつも周りの人間の意見を素直に聞き助けられながら結果的に天下を取ってしまった劉邦。そして誰もが項羽の天下を取ると思っていた(読者だけでなくおそらく項羽自身が1番思ってたと思う。)それがいつのまにか形成が逆転し劉邦のものになっていたという結末にも驚かされた。
劉邦は意識していないが作品中何度 -
Posted by ブクログ
読書仲間が鹿児島に帰省した時に読んで、強く感じるものがあったと聞いた。その話に触発されて久し振りに司馬遼太郎の世界に触れることになった。
若い頃、彼の小説にのめり込んで身につまされながらよく読んだがこの作品は題名が気になりながらもついつい読まずにきたものだ。
歴史的な紀行文とでもいうのだろうか、翻弄される
民族精神やナショナリズムについて考えさせる。
45歳頃の作家として乗りに乗った時期の作品で、
冴え渡る文章と独特の表現が心のひだを刺激する。
沈寿官は370年前秀吉の朝鮮出兵で、薩摩軍団に南原城の戦いに敗れて捕虜となり、日本に連れてこられた高麗人陶工の末裔である。彼は集団の代表家系の14 -
Posted by ブクログ
サラリーマンの悲哀を描いている。と言えば四捨五入し過ぎだが、この稼業が、いかに理想として人生を燃えたぎらせるものがないか、ましてや出世だけがロイヤルロードでもなくなった今(当時)、仕事はこなして、アフターファイブを充実させるのが吉、という達観が本書には通底している。
そのうえで、曰く、愚痴ほど生産性のないものはない、議論モードはロクなことがない、時には人生意気に感じるといった感性を持つべきだ、との持論展開。さすがに昭和三十年当時の著者の持論であり、真新しくはもちろんないし、今となっては通じない考え方も多いが、とにかくも人生の大先輩の言として愉しくは読めた。
後半の女性蔑視全開のパート(女性は職