司馬遼太郎のレビュー一覧

  • この国のかたち(三)

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    「ここで、遊びとしての作業をしてみたい。まず、『江戸時代をそのままつづけていてもよかったのではないか』ということである。答えは、その場合、十中八九、どこかの植民地になっていただろう。(p.21)
    酒も、伊丹・池田・灘五郷の醸造業者によって大量につくられ、廻船船で江戸に送られた。江戸付近でも酒はつくられたが、水がわるいのと技術の遅れのためにまずかった。このため、江戸では下り(上方から江戸へ)の酒がよろこばれ、下らない酒はまずい、とされた。このことからつまらぬコトやモノを「くだらない(江戸弁)」というようになったという説もある。(p.199)

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    2020年08月18日
  • この国のかたち(一)

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    雑談的に、日本の様々な歴史についてあっちへ行ったりこっちへ行ったり色々なテーマについて書き連ねている。本人にとってはほんとうに雑談のような気軽さで書いているのだろうけれども、それでも、この著者の、歴史についての豊富な知識を充分うかがわせる内容になっている。
    毎回題材として挙げられる内容も、その展開も、まったくのアトランダムで、その縦横無尽さがいい。明治維新の話しをしていたかと思うと突然戦国時代や平安時代の話しになる。ふらふらしているようで、最後には一本の筋が通って話がまとまる。読んでいてなるほどと感心することばかりで、一つの筋道だった物語を読む時とはまた違った面白さがある。
    一つ一つのテーマは

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    2020年08月18日
  • この国のかたち(二)

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    思想というのは、結晶体のようであらねばならない。あるいは機械のように、ときには有機化合物のように論理が整合されていなければならないのだが、その意味で、日本における最初の「思想」は、九世紀初頭、空海(774〜835)が展開した真言密教であるといえる。(p.217)
    こんにち親鸞といえば、ヘーゲルとならべさせても、印象的に違和感を感じさせないというようにしたのは、清沢の力によるものであった。(p.225)

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    2020年08月18日
  • 竜馬がゆく(三)

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    清河は非常な尊王家でもあったが、同時に自分をも世間に押し出したかった。独り策謀をめぐらし、その策謀で世間を踊らせ、しかも策士らしく背後で帷幕を垂れこめているのではなく、功をひとり占めにし、常にその策謀の中心にすわりたがった。
    徳がない、ということになろう。
    この稀代の才子の生涯を決定した不幸は、そういう欠陥にあった。(p.88)
    幕末の史劇は、清河八郎が幕をあけ、坂本竜馬が閉じた、といわれるが、竜馬はこの清河が好きではなかった。
    たったひとつ、人間への愛情が足りない。
    万能があるくせに。
    そうみている。ついに大事をなせぬ男だ、と竜馬はみていた。(p.96)
    「半平太、まあ、ながい眼で見ろや」

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    2020年07月15日
  • 竜馬がゆく(五)

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    勝には、妖精のにおいがする。そのいたずらっぽさ、底知れぬ智恵、幕臣という立場を超越しているその発想力、しかも時流のわきにいながら、神だけが知っているはずの時流の転轍機がどこにあるかを知っている。さらに竜馬と西郷という転轍手を発見し、さりげなく会わせようとするあたり、この男の存在は、神が日本の幕末の混乱をあわれんで派遣したいっぴきの妖精としかおもえない。(p.219)
    西郷というひとは人間分類のどの分類表の項目にも入りにくい。たとえば西郷は、革命家であり、政治家であり、武将であり、詩人であり、教育家であったが、しかしそのいずれをあてはめても西郷像は映り出てこないし、たとえむりにその一項に押しこん

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    2020年07月15日
  • 竜馬がゆく(六)

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    長次郎は才子ではあるが、組織でもって協同して事をする感覚が欠けているようである。貧家の秀才で無我夢中で世間の表通りに出てきた者のもつ悲哀といっていい。われがわれがとおもう一方で、仲間の感情を思いやるゆとりがないのである。
    (しかし、城下の水道町のまんじゅう屋のせがれも、薩長両藩を相手に大仕事ができるまでになったか)
    とおもうと、竜馬はあのまんじゅう屋の冷たくとぎすましたような秀才づらが、いとしくてたまらなくなるのである。(p.160)
    「私は根が町人のうまれで、戦争はあまり好みませんが」
    「ばかだな、お前は。そういうことをいうちょるから、あたらそれほどの才分をもちながら人にばかにされるのだ。男

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    2020年07月15日
  • 坂の上の雲(七)

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    この巻は奉天の戦いぶりや戦艦移動の詳細な流れの説明的な内容が多く、冗長な感じも受けながら筋を追い何とか読み切った。
    宮古島の章だけは興味深く読んだ。当時の島の暮らしや離島同士の移動、通信状況などとても面白かった。

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    2026年05月07日
  • ペルシャの幻術師

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    以前、短編全集で読んだことがある作品だけど著者のデビュー作

    特に古代日本に景教徒がいた説は面白い。
    常識的に考えて難しとは思うけど、宗教の底力を考えるとありえない話じゃないのかな。

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    2026年05月05日
  • 以下、無用のことながら

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    晩年のエッセー集
     司馬遼太郎は1996年に亡くなったが、それまで未収録だったエッセーが集められてゐる。特に必見といふものはない。日本のバブルを憂ふ文章が数篇あり、文章は端正で、しかし飾らない。

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    2026年05月05日
  • 項羽と劉邦(上)

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    宦官一人で秦を潰したのが、天下統一が大変だったのを見てきただけにむごかった。。。

    項羽が20万人の秦の捕虜を崖から落として埋めたことで人心が離れ劉邦に人が寄り付いたというのが、儒教国家の中国らしい。

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    2026年04月23日
  • 坂の上の雲(三)

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    いよいよ日露戦争開戦。それぞれの指揮官の心情や思考、価値観を考えると、現代人には希薄になった覚悟や勇ましさのようなものを感じ、色々と考えさせられる。

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    2026年04月23日
  • 坂の上の雲(七)

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    この巻で印象深かったのは、軍人と戦火の話が事細かに続くなか、最後のほうの宮古島に住む漁民のエピソード。ロシアの艦隊に中国人と間違われ危機一髪を魔逃れた話、宮古から石垣まで必死で機密を届けた話。

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    2026年04月23日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    大清帝国の起こりが女真人から建国されたものとは知らず、とても勉強になりました。
    ヌルハチ、ホンタイジ、マンダーツetcどこかで聞いたような名称が物語の中で意味を持って記憶する事が出来ました。

    ただ、、やっぱり読み物としては難解で、司馬遼太郎先生の作品にしては、読みづらい部類に感じました^^;

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    2026年04月22日
  • 韃靼疾風録 (上)

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    韃靼を舞台にした庄助とアビアの恋物語…を期待して読んでましたが、物語からだんだん歴史書的な内容が増えてきて。。

    もっと物語中心で読みたかったかな^^;
    あと、漢字が難しくて物語に集中出来ず(汗)

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    2026年04月22日
  • 世に棲む日日(一)

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    1975年に書かれたものらしい。
    司馬遼太郎の文章を読むのは初めてだ。読みにくさを先に挙げておきたい。
    まず登場人物がひたすら多い。
    事実と感想と感嘆などが混合されていること。
    時勢も、現代の話になってタクシーで墓参りにいったり、阪大在籍時代の話になったりしながら幕末の話にもどる。

    ただ、最初に、小説のようなエッセイのようなものとして書き始めている宣言があるため、咎め抜き通すことはできない。そう断っている以上、そのような構造の文章になるのは織り込み済みで、読者にリテラシーが求められるのだ。

    断片的に知っている松下村塾の吉田松陰のことを掘り下げたいために読み始めた。若くして散った維新の獅子た

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    2026年04月21日
  • 街道をゆく 4

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    福井県のくだり、きっと司馬さんも宿の人の対応に不愉快な思いをしたのだろうけど、それを面白がる方向で処理したり、ホテル業の構造の問題にしたりして扱っているのが興味深かった。

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    2026年04月13日
  • 国盗り物語(三)

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    美濃を征服した斎藤道三だが義理の息子義竜の反乱にあい死亡する。斎藤道三の天下統一の夢は義理息子である織田信長と弟子のように可愛がっていた明智光秀へと受け継がれていく。信長は斎藤道三の窮地を救うため兵を出すも屈強な美濃兵に惨敗し、その後も美濃への侵攻は失敗を繰り返す。そんな中駿河の今川義元が京へ上る最中に奇襲をし見事打ち破ることに成功。一方明智光秀は斎藤道三から逃げてお万阿へ自身の美濃での生活を伝えるように指示して京へと逃げることとなる。自身の立身を考えながら世間を放流するうちに足利将軍家の側近細川藤孝と関係を持つようになり足利将軍を再度復興させることに尽力する。一時は朝倉家に身を寄せるもの将軍

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    2026年04月12日
  • 覇王の家(下)

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    織田信長が本能寺の変で消えてくれたら今度は羽柴秀吉が台頭。律儀者でも信長死後はキッチリ甲斐国辺りを接収している辺りにこの男の本質がある。信長の後継者たる秀吉と小牧長久手の合戦で激突。詳細に経緯が描かれている。下巻にしてはだいぶ分量を割いていると思ったら何と関ヶ原と大阪夏と冬の陣はカット。キチンと完結はしているし、他の著作で描いているからだろうが打ち切り漫画のダイジェスト展開みたいな感じで釈然としなかった。

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    2026年04月11日
  • 坂の上の雲(六)

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    旅順に実際に行った後に読みました。この巻で1番興味深かったのは大諜報のところ。明石元二郎、広瀬武夫と違ってロシア女性には人気なかったみたいだけど、諜報活動では大仕事を果たし功績は大きいと改めて思いました。

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    2026年04月05日
  • 国盗り物語(二)

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    土岐頼芸を引き立てて美濃を統一する庄九郎の後半が描かれている。小守護で藤左衛門こと長井利安を謀反人とて討つが美濃地侍の反感をかい道三として一度出家するも彼の人望や同門の日護上人の運動で再度美濃に舞い戻る。頼芸を欲に没頭されるために城を奥地へと移動させ自身は金華山に城を築き磐石の体制を整えていく。頼芸の弟たちや息子頼秀らが反乱を起こそうとした際にもすぐに鎮圧し、頼芸自身も追い出し名実ともに美濃の主となる。隣国尾張の織田信秀は幾たびも美濃に出兵するが斎藤道三の策略により連戦連敗するところでおわり。
    庄九郎のすごいところはやっぱり身軽さ、京と美濃を健脚で移動することが彼の活躍を支えていると思う。あと

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    2026年04月04日