司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    戦国時代を代表する人物、織田信長や羽柴秀吉との邂逅。小寺と比べると織田の先進性が際立つ。
    同じ司馬遼太郎の太閤記よりも秀吉のダークサイドな面が現実的に描かれておりむしろ本作の方が魅力的かもしれない。
    黒田官兵衛に決定的な影響を及ぼす荒木村重も登場。

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    2025年06月07日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    豊臣秀吉に警戒された異能の軍師黒田官兵衛を主役にした大河小説。司馬遼太郎はやたら余談が多いが本作は冒頭からが余談。官兵衛の先祖から始まっている。多分調べているうちに楽しくなっちゃったんだろうなぁ…と思う。それでも官兵衛の親父が登場してくる辺りから面白くなってくる。官兵衛自身が優秀だったのは歴史が示す通りだが親父の影響も大きいし何よりキャラクターが良かった。

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    2025年06月07日
  • 関ヶ原(下)

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    豊臣秀吉の没後~関ヶ原の決着までの時代の移り変わりを、石田三成と島左近、徳川家康と本田正信という東西の主役の視点から描く。上中下巻の大作で、主人公だけでなく彼らと接する諸将に順にスポットライトを当てて人物を丁寧に照らし出している。
    最後の関ケ原の合戦では、光成の無二の親友でありほぼ唯一の理解者の大谷刑部も特攻をかけて散ってしまう。ままならない世の中に翻弄されながら最後まで光成に義理立てして西軍の意地を貫く姿には心打たれる。
    本書は全編通して「義を利が圧倒する」というテーマがあるように思える。義に生きた武将たちの無念の生き様が赤裸々に描かれた大作である。

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    2025年06月03日
  • 関ヶ原(中)

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    豊臣秀吉の没後~関ヶ原の決着までの時代の移り変わりを、石田三成と島左近、徳川家康と本田正信という東西の主役の視点から描く。上中下巻の大作で、主人公だけでなく彼らと接する諸将に順にスポットライトを当てて人物を丁寧に照らし出している。
    中巻では関ヶ原の合戦の準備が進んでいくが、世渡り上手で人心掌握術に長けた家康と切れ者だが人づきあいが下手で嫌われ者の光成の対比がなんとも切ない。

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    2025年06月03日
  • 関ヶ原(上)

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    豊臣秀吉の没後~関ヶ原の決着までの時代の移り変わりを、石田三成と島左近、徳川家康と本田正信という東西の主役の視点から描く。上中下巻の大作で、主人公だけでなく彼らと接する諸将に順にスポットライトを当てて人物を丁寧に照らし出している。
    上中巻の人間ドラマが下巻の関ケ原の合戦で収束していく構図で、教科書的でない歴史の一面をたくさん知ることができた。

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    2025年06月03日
  • 街道をゆく 6

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    再読。
    前回の読書メモにはこう書いてあった。
    『大好きな沖縄。もっと旅レポみたいな感じを期待していたけど、話が飛躍して沖縄史のことがほとんどだった。もっと沖縄の描写とか感想とかが読みたかったなー。
    2021/08/07』

    約4年ぶりに読んだんだけど、あれこれほんとに読んだっけ?ってくらいほとんど覚えていなかった…。
    でも前回にくらべて興味深く感じるところは多かったと思う(たぶん)。
    ここ数ヶ月で知った柳田国男の引用がでてきたりしたのも面白かった。
    やっぱり民俗学的なことになぜか興味をひかれるなぁ。
    そういうこともあって私は沖縄が好きなんだろうな。

    結構小難しい事書いてあって、教科書読んでる

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    2025年06月01日
  • 坂の上の雲(一)

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    記念艦三笠を見に行ったので、この本も読む時期が来たと思い読み始めました。学問を追求している身として、この時代の人々のお陰で今の学問があると考えると感慨深いです。

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    2025年05月30日
  • 功名が辻(一)

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    伊右衛門は自分が凡人であることを知った上で、努力を惜しまなかった。
    部下の吉兵衛や新右衛門の言う
    ・前だけ見なされ。生きて今日の夕餉が食えぬかもしれぬ我ら、その時いかに功名を立てるかですぞ。
    ・持ち場持ち場で懸命ならば武運もひらける。
    と言うフレーズが刺さるなぁ

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    2025年05月01日
  • 新装版 歳月(上)

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    初めて司馬遼太郎の小説を読んだのは40年以上前、中3の時に「竜馬がゆく」に出会った時だ。それ以来、歴史小説の面白さに目覚め、色々な司馬遼太郎の作品を読んだ。今でも一番好きな作品は何度も繰り返し読んだ「竜馬がゆく」だ。
    司馬遼太郎に限らず歴史小説や大河ドラマは戦国時代や幕末を舞台にしたものが圧倒的に多く、維新後の明治の創成期を取り上げたものは少ない。国全体が生まれたばかりで混沌としたカオスの状態で、どうやって中央集権的な明治政府が作られていくのか。難解だが興味深いモチーフだ。
    そういう意味では本作はまさに維新直前から西南戦争前までの国家が形成される様子がよく分かって面白い。
    しかしながら、如何せ

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    2025年04月16日
  • 覇王の家(下)

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    秀吉を、陽とするならば、家康は、陰に分類されるのでしょう。共通項を強いてあげるのであれば緻密な計算力、その計算によって導かれた解を実行する力といったところなのかな。

    小牧・長久手の戦いは、家康のその後の生涯にとって最大の資産。三河衆の団結力、一体感は圧巻。徳川幕府は、進歩と独創を最大の罪悪として、三百年間、それを抑圧。異を立ててはならないというのが徳川幕府史をつらぬくところの一大政治思想、そのもとを家康がつくった。

    脇を固める、石川数正、酒井忠次、本多平八郎、榊原康政、井伊直政。

    家康と秀吉の外交が描かれたのち、すぐに最期のシーンに移ってしまう。間にある出来事については関ヶ原、城塞の順に

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    2025年05月03日
  • 菜の花の沖(三)

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    高田屋嘉兵衛が蝦夷に進出する三巻目。
    蝦夷人を構造的に搾取し続ける松前藩の傍若無人ぶりは驚きを感じる。

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    2025年04月12日
  • 覇王の家(上)

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    信長、秀吉とは異なる人物像として丁寧に描かれていました。質朴、困苦に耐え、利害よりも情義を重んずる。商人尾張衆と農民三河衆の対比。浄土宗の信者。織田家の同盟者でありながら、信長にはまなばず、敵の信玄に心酔。三方ヶ原の戦いは特異点。現実主義者の家康がなぜ不利とわかって武田信玄と対峙したのかは不明でした。妻である築山殿の計画は恐ろしかったです。岡崎城内のどろどろとした人間関係の描写がとても気味の悪いものでした。日本の歴史に対し先覚的な事業をすこしも遺さなかっためずらしい存在、と記していることから司馬さんの家康評はあまりよくないのでは、と解釈しました。

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    2025年04月08日
  • 翔ぶが如く(三)

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    大久保と西郷が完全に決別した。
    西郷+桐野vs大久保+川路という構図
    だんドーンから興味を持ち始めた自分としては辛い。次巻は遂に戦争始まるのか?

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    2025年04月06日
  • 坂の上の雲(八)

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    物語的な動きのある部分は面白く読めたが、やはり戦況の説明や戦力の説明部分は読み進めづらさがあった。
    歴史の知識がもっとあればそこも楽しめたのかも。
    最後のあとがきが面白く、そこを読んでこそこの物語のよさが分かるように思う。

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    2025年03月25日
  • 翔ぶが如く(十)

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    「飛ぶが如く」10巻。完結。

    ただただ滅びるために戦うことになってしまった城山での籠城。こういう戦いは一種の介錯であって、儀式として行うことを敵方(ここでは政府軍)に願わなければならないのだろうか。その覚悟を知りながら、それでも遺漏なく擦り潰そうと日向から丹念に作戦を立案した山縣の執念深さに戦慄。
    巻は違いますが、乃木希典の体たらくもいかがなものか。司馬遼太郎は乃木希典を愚将である、と『坂の下の雲』で断じていたはずですが、「飛ぶが如く」でも同じような論調であったと思います。これは小説としての設定なのでしょうが、フィクションが作り出すイメージというのはとにかく強いので、それを踏まえて史実を学ぼ

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    2025年03月24日
  • 翔ぶが如く(九)

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    「飛ぶが如く」9巻。田原坂周辺の戦い、熊本撤兵、日向撤退。

    物量・補給の偉大さを理解する9巻。
    『素人は戦術、玄人は戦略、プロは兵站を語る』という言説をどこかで目にしましたが、兵站の差がそのまま実力の差になってしまうのだな、ということを再確認。
    先の言説は、兵站も戦略の一部分なんだから、キャッチーな言い方として作ったんだろうな、と思ってます。

    ここまで、軍のお飾りにしかなっていない西郷隆盛。彼が狩猟中の怪我でかつてのような頭脳を発揮することがができなくなっていたのでは、という描写がありましたが、そういう理由でもなければ無為無策の彼を説明できないのでしょう。

    「飛ぶが如く」を読んでいて思う

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    2025年03月24日
  • 翔ぶが如く(八)

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    「飛ぶが如く」8巻。反乱勃発、熊本城攻囲、高瀬周辺の戦闘。

    理念だけが先走って、しかもその理念が象徴を抱いているというだけの根拠に基づいた蜂起。戦略もなく、個人武力を戦術の基本に置いたのでは、先行きのない戦争でしかない。
    どこまでも、西郷隆盛一人におんぶにだっこの戦争だったのか、という気持ちです。臆病であることを最大の恥とする文化のもとで育ち、勇敢であることを示すために戦い死ぬという思想が何よりも大事とされる人たちが指揮官である軍隊の脆さ、なのでしょう。

    なんというか、薩摩藩に抱いていた強者の幻想が砕かれてゆくな。『ドリフターズ』しかり『薩摩転生』しかり。戦略の立案者は他にいて、あくまで一

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    2025年03月24日
  • 翔ぶが如く(七)

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    薩摩不平士族の決起前夜の「飛ぶが如く」7巻。
    川路利良が企図したとされる西郷暗殺についてが、メインになっている感じです。

    反乱を「防ぐ」のではなく、あえて暴発させてしまえ、といったような雰囲気でしょうか。こう、中央も薩摩も歩み寄る気配が出ずに、ことが起こるきっかけを探しているかのように思うのは、のちの歴史を知って読んでいるからなんでしょう。

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    2025年03月24日
  • 坂の上の雲(七)

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    日露戦争も終わりに近づいている。日本、ロシアの事情が詳しく描かれ、この巻だけではないが臨場感あふれている。

    小村寿太郎の言葉「この国家に金や兵が備わり、その独立が十分に出来ていたら、戦争などをするには及びません。そんなものがないから、気が狂ったようにこんな戦争をしているのです。」が、ズシンと響いた。

    奥浜という青年が、バルチック艦隊を発見したことが記されているところを読んだとき、「いよいよだ!」と気持ちが高揚した。

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    2025年03月12日
  • 坂の上の雲(六)

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    明石元二郎のエピソードが記されているところ、特に印象残った。彼とロシア革命の関連をはじめて知った。明石の活躍が日本の勝利に一役かったのだと思うと、歴史って面白い!外交の重要性をあらためて痛感!

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    2025年03月12日