司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 義経(下)

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    源義経が何故頼朝と反目しなければならなかったのか。義経には天才的とも言える軍事的才能がある一方で、幼稚とも言えるほど、政治的才能は欠落していた。
    義経は京都の朝廷を中心とした従来の常識から抜け出せないでいた。彼が東国での、所領をもち家人を多数抱えてる御家人の世界の常識を知るはずがなかった。これが悲劇である。

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    2026年10月05日
  • 覇王の家(下)

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    面白いー!!と思ってたら関ヶ原とか大阪の陣とかなくてショック!!
    家康に興味なかったけど、もっと知りたくなった。
    そもそもの軍の成り立ちが信長とかと違うというのが分かって、行動原理に納得できた

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    2026年10月04日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    空海の風景という題名だけあって、空海の生涯を司馬史観に沿って思いを馳せた。筆者も後書きに空海を歴史書に沿って自分に感じて観て書いたとあり、司馬遼太郎と共に空海の生涯を沿っていけたのか。

    密教という、私はかなり考え方として生きていく上で好きな、参考にしている考え方なのだが、その空海はどんな人物だったのだろうかと、、
    とにかく努力はありきではあるがあらゆることに秀でた人物だったのだろうことは確実だろう。
    その中には確固とした想いがあったことがきっかけだったのだろうか。
    密教に対する見え方も少し違って見えるか再度検討してみたい。

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    2026年10月03日
  • 義経(上)

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    司馬遼太郎の源義経。
    義経は幼い時に母、兄弟と離れ、鞍馬に預けられており、自らの血縁に対し熱いくらいの情念を持っていた。一方、兄の頼朝は、父義朝や兄と共に平治の乱を闘っており、北条一族を頼りにしており、政治的な駆け引き、東国を中心とする武家の王国を築かんと精力的であり、義経との温度差は最初から明らかであった。
    悪いことに、義経は純粋に、ただ平家打倒ばかりを考えており、頼朝の存念をわかっていなかったのである。

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    2026年10月03日
  • 功名が辻(四)

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     山内一豊と千代の逸話は小学館出版の漫画(様々な戦国武将の物語を10ページ程でまとめたもの)で初めて知ったのだが、その漫画では土佐24万石の大名になった所で締めくくられていた。本シリーズもそこまでかなと思っていたが、4巻の後半は土佐の大名になった後の話で、全く知らない話ばかりで興味深く読み進めることができた。
     ただ、後半の内容は、これまでの夫婦楽しく(?)戦国時代を生き抜いた話に比べるとどこか物寂しい。誤解を招くかもしれないが、劉邦の晩年の物語を彷彿とさせる。「種崎浜」の章で千代の山内家に対する感情を吐露したシーンは、読んでいて胸が苦しくなったものの、うまくいかないのも人生なのかなと、とにかく考えさせられる。ただフィクションの部分もあるので、これから読む人は史実との擦り合わせをおすすめする。

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    2026年10月02日
  • 坂の上の雲(一)

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    秋山好古、秋山真之、正岡子規、明治の機運にのってはばたく才気煥発の傑物達の雌伏の時代の話。大きなことを成し遂げる伏線となる描写が多くてワクワクする。歴史小説は初めてのジャンルだったが、じっくり腰を据えて味わうべき本だと感じた。

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    2026年09月24日
  • 菜の花の沖(一)

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    以前読んだはずなんですが、記録になく。光太夫の小説の中でも触れられていたので改めて。
    初っ端としてはこの作家にしては脱線が抑制されていて、物語を進めようとしている感じがあって珍しいかも。もしかすると著者後期作でもあり、少し変容があるのかも。
    でもあとがき然り、独特の詩情感満載の表現・描写はところどころ発揮されていてファンもご納得ではないでしょうかね。

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    2026年09月17日
  • 坂の上の雲(一)

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    8巻揃いで1,500円という爆安で買いました。掘り出し物に出会える昔ながらの古本屋はいいねやっぱり。2019年版だから綺麗でほぼ新品!ゆっくり読みます。

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    2026年09月10日
  • 新装版 アームストロング砲

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    全9編の短編からなっており、それぞれ短く読みやすい作品だった。
    幕末当時の人々が何を考え、どのように行動していたのかが描かれており、司馬遼太郎らしい歴史小説としての読み応えも感じられた。

    また、これまであまりスポットライトが当たってこなかった人物たちに焦点を当て、彼らの視点から幕末の出来事を描いている点も面白かった。知らなかった人物や出来事に出会えたことは、この作品を読む大きな収穫だったと思う。

    一方で、短編それぞれが読みやすい反面、読み終えた後に作品全体を振り返って余韻に浸れるかというと、少し物足りなさが残った。どの話もそれなりに楽しめたものの、「特に印象に残っている話は?」と聞かれると、すぐに思い浮かぶものがないのは残念だった。

    読みやすさや、これまで知らなかった人物を知ることができた点は良かったが、強く心に残る作品というよりは、幕末という時代をさまざまな人物の視点から覗くことのできる一冊だった。

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    2026年09月01日
  • 花神(下)

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    幕府との戦に勝った長州は薩摩と連合し討幕運動をする。戦力的に劣勢であった薩長軍であったが、慶喜の朝敵になりたくないという意志から受け身になり鳥羽伏見の戦いに勝つ。桂小五郎の周旋により江戸の無血開城後も幕府側の抵抗は続く。上野の寛永寺に籠った彰義隊との一戦を託されたのが大村益次郎。彼は軍司令官として各藩の戦力をまとめ最新式の銃やアームストロング砲などで不利と言われていた彰義隊に圧勝、その後の東北、函館での戦いも勝ち官軍軍司令官として一目をおかれる。西郷隆盛ら薩摩が最後反乱することを予期して大阪に軍施設を作るため上方に行くがそこで大村に敵意を抱いていた攘夷派の打ち込みにあう。大腿を切られ最後は敗血症で亡くなる。打ち込みをしたのは薩摩の海江田が率いる神代直人らで神代は長州にいた頃一度大村と会いたいしている。
    最後の時にイネと一緒にいられたのがなんかいい。やっぱり蔵六とイネは恋に落ちていたんだろうな。
    蔵六は自閉症なのかな。自分を機械の一部として自認したいがために薩摩とかの視線を気にせず仕事に熱中できたのだろう。

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    2026年08月18日
  • 花神(中)

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    いよいよ維新の始まり。蔵六が江戸で英語を学んだり洋楽書を翻訳している間に長州は京都を舞台に尊皇攘夷活動を進める。薩摩、会津の計略で京都から長州は追い出されその影響で蔵六も長州へと帰郷。長州では佐幕政権が倒れ幕府との対決に備えるようになる。逃亡生活をしていた桂小五郎も長州に戻り蔵六を長州の軍司令官になるように掛け合いついに長州の士族になる。そのタイミングで名前を出身の大村、父孝益から大村益次郎と改める。最新式の銃、軍艦を長崎で伊藤、井上らが坂本龍馬の斡旋で買取軍をつくり上げていく。第二次長州征伐が始まり大村益次郎は石州口方面で指揮を取り浜田藩を打ち破るところで終わり。
    攘夷を掲げている中で伊藤、井上らがイギリスに留学するシーンは緊張感があっていい。同胞に知られたら殺されるという恐怖とともに留学し外国の近代化を知ったことが長州の躍進につながってるなと。浜田藩との戦いでは戦国武将と近代軍隊の戦いの対比もいい。

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    2026年08月13日
  • 菜の花の沖(四)

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    高田屋嘉兵衛が蝦夷への好奇心から、蝦夷を航海する冒険者になっていき、幕府に取り込まれていく様子が歯痒かった。しかし、身分制度があった時代に彼の航海術を買ってくれる幕府の役人との関係は、幼少期から人に蔑まれたり疎まれた嘉兵衛にとっては心地よく感じたのではないかと感じた。
    伊能忠敬が蝦夷の測量に来た時に嘉兵衛と伊能忠敬は出会ったが交流することはなかった。伊能忠敬は私が尊敬する人物の1人だが、人としての器量はあまり良く描かれていなかったので、残念な気持ちになった。
    幕府の御用船となって、叔父のサトニラさんのように上手く使われてしまうのだろうか。次巻はガッカリするのではと思うためか、当時の説明も多くなかなか読み進めるのに時間がかかった。

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    2026年08月11日
  • 花神(上)

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    村田蔵六のちの大村益次郎が主人公。周防鋳銭司村の村医の息子として生まれた蔵六は蘭学を学ぶため大阪の緒方洪庵の塾適塾に入塾する。そこで蘭学を習得し着々と力をつける中地元で家業を継ぐために戻ることとなる。そんな中産業革命を進めようと試みていた宇和島藩は蔵六を傭い蒸気船の製造を命令、それに並行して多くの兵学書を翻訳していく。この功績から蔵六は江戸で塾を開き幕府の蕃書調所で働くこととなる。生まれてから各地を転々としていた蔵六は地元長州へ帰属することに強い憧れがあり、長州藩に召し抱えられる。これは桂小五郎が家老を斡旋した結果。
    シーボルトの娘のイネはもともと岡山で産科医として働いていたがシーボルトの弟子で父親代わりをしていた二宮敬作の図りで宇和島へ来て蔵六に師事する。一度体の関係を作ってしまうが蔵六の強い信念があり、結局はイネの片思いのような形で話は進んでいく。
    医者であったはずがオランダ語を通して多くの学問を習得し兵学者になっていくのが幕末の動乱期を表しているのか。

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    2026年08月08日
  • 世に棲む日日(一)

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    初めて司馬遼太郎先生の作品を読んだ。
    時代小説自体、初めて読んだこともあり、なかなか読むのに苦労したけど、吉田松陰という人物のことがなんとなく分かった。
    挫折したり失敗したりしながらも、それを悲観的に捉えることなく、常に前向きに考え、わくわくしていたのが吉田松陰という人物なんだな〜って思った。
    歴史上の人物としては尊敬できるけど、もう同年代に生まれていたとしたら、これほど危うい人物もなかなかいないのではないか。
    しかも表面上は温和なのに、内に秘めているものはとてつもなく熱い。

    続きを読むのが楽しみ。

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    2026年08月03日
  • 城塞(上)

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    戦国時代最後の大イベントである大阪の陣を題材にした長編。司馬遼太郎の作品で徳川家康はかなり登場しており、主役の作品である『覇王の家』もあるが、あちらではこの時期の事がカットされている(関ヶ原も)。作者の作品の時代選定としては描かくべきものなのだろう。『関ヶ原』は石田三成と徳川家康がメイン(あと島左近)だが本書は小幡勘兵衛という後の軍学者がメイン格で進む。一癖ある人物なのだがこの人物がいないと政治史及び軍事史みたいな内容になりそうなので人選は良かったのかもしれない。

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    2026年07月22日
  • 街道をゆく 6

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    沖縄を歴史的に見たとき、どうしても避けては通れない、日本という国から搾取されている歴史…現地で実際に考える著者の歴史感が見事に書かれていると思う。

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    2026年07月18日
  • 胡蝶の夢(一)

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    幕末蘭医物語。同作者の『花神』と異なり著名な松本良順と弟子で語学の天才肌である伊之助という2人の人物をメインに描いている。東洋と西洋というジャンルの異なる医学の対立とも言うべきだろうが、幕府お抱え医師たちの陰湿さに現代性を感じる。

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    2026年07月16日
  • 新装版 歳月(下)

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    日本の法律を作り上げた人物だけど最後まで何か納得できない人生だったな。

    最後まで足掻く生き方に共感できるけど、もっと違う生き方はできなかたのかな。

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    2026年07月05日
  • 幕末

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    幕末という激動の時代を、暗殺をテーマに複数の視点から捉えた短編集です。
    薩長や幕府側の人物の描き分けが巧みで、時代背景の理解が深まりました。
    政治思想や国のかたちを真剣に考えていた志士たちの姿に心を打たれた反面、著者ならではのエンタメ要素によって、美化しすぎている部分もあるように感じました。
    歴史の“温度”を感じたい人にはおすすめの一冊ですが、人物評価には一定のバイアスがあるので、自分なりの解釈も忘れずに読みたいところだなと思いました。
    個人的には、「桜田門外の変」はベタで好きですし、「最後の攘夷志士」は、考え深いものがありました。

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    2026年07月03日
  • 世に棲む日日(二)

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    吉田松陰寅次郎、高杉晋作の師弟、久保さん?桂小五郎、伊藤博文、などなど幕末志士たちが立ち代わり登場しては、消えてゆく。生き残ったラッキーなひとが成して、死んで散った者たちは、ただ散っただけではないということを示してくれる。
    江戸時代という太平の世に突如現れた宇宙人みたいな白くてデカい、知らない言葉と文化を持つ秩序を持ちつつも日本を征服あるいは奴隷、どうにもならないくらいに搾取してくることをいち早く察知した人たちの賢くも儚い話だった。
    人物があまりに多く、知らないし、あっけなくどこかへいくのがなんかわからんの。
    ほんで、小説というか、記述に近い雰囲気で、著者自身がインタビューした風景なんかも入ってくるし。
    時制が前後したり、細かい描写のところと、俯瞰で哲学的な問いを投げかけるところとが入り混じり、難しく。また、異名や別名、幼名にあだ名など、同じ人がしょっちゅう名前がかわるので、誰だったかわからなくなる。海外文学でよくあるやつ。
    と、文句を垂れつつ。長州藩がもつ、優秀なひとがいれば、その個人の行動が評価されるという風通しのよさがたまらなく良いと思った。そうでなければ、吉田寅次郎のような死罪同然の罪をもち、危険思想を携えながら、私塾をひらき、学問をおこすことなど、絶対に許されるべきものではない。それを許し、ましてや獄中の人を連れてきて師範とするなどもってのほかである。他の場所ではみられないような寛大な措置だと思う。
    さて、ついに幕末の気運が高まり、どうなるか。知ってはいるけど。そしてぼくたちはその上にたって生きてるんだけど。ありがたく思いつつ。次をまたそのうち読むとします。

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    2026年06月28日