司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 故郷忘じがたく候

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    読書仲間が鹿児島に帰省した時に読んで、強く感じるものがあったと聞いた。その話に触発されて久し振りに司馬遼太郎の世界に触れることになった。
    若い頃、彼の小説にのめり込んで身につまされながらよく読んだがこの作品は題名が気になりながらもついつい読まずにきたものだ。

    歴史的な紀行文とでもいうのだろうか、翻弄される
    民族精神やナショナリズムについて考えさせる。
    45歳頃の作家として乗りに乗った時期の作品で、
    冴え渡る文章と独特の表現が心のひだを刺激する。

    沈寿官は370年前秀吉の朝鮮出兵で、薩摩軍団に南原城の戦いに敗れて捕虜となり、日本に連れてこられた高麗人陶工の末裔である。彼は集団の代表家系の14

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    2026年01月06日
  • この国のかたち(一)

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    司馬遼太郎氏の文藝春秋に連載していた随筆集。

    あとがきに氏のこの本への思いが語られている。絶望感で終戦を迎えた20代のご自身への「手紙」として書いたこの随筆は、文化や人、風習、東アジアなど様々な視点でこの国のかたちなるものを書かいている。

    いろいろ騒がしい世の中になり、司馬氏がご存命なら今の状況をどう思うだろうか、とぼんやり夢想しながら読みました。

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    2025年12月20日
  • 夏草の賦(下)

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    ネタバレ

    強盛を誇った織田信長も本能寺で明智光秀に打たれる。しかし、その跡を襲った豊臣秀吉による四国征伐で土佐一国に押し込められた長宗我部元親。秀吉に屈服した元親は息子・信親に期待を込める。
    秀吉による島津討伐の先陣として仙石秀久の元で戦う長宗我部親子。

    信親が真っ直ぐで微笑ましい。下巻は菜々やお里の出番が少なくてちょっと残念。

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    2025年11月13日
  • 翔ぶが如く(四)

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    西郷従道の行動力

    ・心即理(しんそくり)は、宋明理学における命題の一つ。心こそ理であるとする[1]。中国南宋の陸象山や明の王陽明が定義した。
    人間は、生まれたときから心と理(体)は一体であり、心があとから付け加わったものではない。その心が私欲により曇っていなければ、心の本来のあり方が理と合致するので、心の外の物事や心の外の理はない。よって、心は即ち理であると主張した。
    ・君子は器ならず

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    2025年11月08日
  • 関ヶ原(下)

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    いよいよ、関ヶ原の合戦の場面になる。
    信州上田城で徳川秀忠を足止めにした真田昌幸、黒田長政が家康からの褒辞を父如水に報告した時の一言「家康から右手を押しいただいた時、そちの左手は何をしていたのだ」と言った黒田如水、有名なエピソードを改めて読み、歴史の旅を楽しんだ。
    もしも関ヶ原の合戦が長期戦になり、黒田官兵衛(如水)が天下取りに乗り出したら、もしも小早川秀秋が裏切らなかったら、その後の歴史はどうなっていたのか。
    歴史って面白い。

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    2025年11月08日
  • 項羽と劉邦(上)

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    宦官 趙高
    秦王朝の二世皇帝 胡亥

    陳勝・呉広の乱 前209年
    中国史上初の農民反乱
    王侯将相いずくんぞ種あらんや
    (王や貴族も所詮同じ人間ではないではないか!)

    定陶の戦い 前208年
    秦の章邯 対 楚の項梁

    鉅鹿の戦い 前207年
    楚の項羽 対 秦の章邯

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    2025年11月05日
  • ビジネスエリートの新論語

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    サラリーマンの悲哀を描いている。と言えば四捨五入し過ぎだが、この稼業が、いかに理想として人生を燃えたぎらせるものがないか、ましてや出世だけがロイヤルロードでもなくなった今(当時)、仕事はこなして、アフターファイブを充実させるのが吉、という達観が本書には通底している。
    そのうえで、曰く、愚痴ほど生産性のないものはない、議論モードはロクなことがない、時には人生意気に感じるといった感性を持つべきだ、との持論展開。さすがに昭和三十年当時の著者の持論であり、真新しくはもちろんないし、今となっては通じない考え方も多いが、とにかくも人生の大先輩の言として愉しくは読めた。
    後半の女性蔑視全開のパート(女性は職

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    2025年10月26日
  • 竜馬がゆく(三)

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    移動手段が馬か徒歩かしかない時代にここまでたくさんの地に足を運べたが竜馬の強さだと感じた。まさに竜馬がゆくのタイトル通り。

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    2025年10月23日
  • 関ヶ原(中)

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    狐の三成と狸の家康がバチバチに情報戦をしているが家康が一枚も二枚も上手。
    家康の謀にまんまと三成が乗せられ、戦さに持ち込まれてしまうのはわかっているストーリーだけどヒリヒリする。
    この中巻ではいよいよこれから関ヶ原の戦いがはじまるぞという場面で下巻に続くのである。

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    2025年10月22日
  • 関ヶ原(上)

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    歴史小説だが、人物の考え方や性格までよく書き込まれていて、まるで史実を読んでいるよう。よく研究されている。だからこそ、より面白い。
    家康や三成だけでなく、本多や直江らの策略も細かく豊富で、この時代に官吏政治ができていれば、もっと早くいい国が作れたのではないかと思ってしまう。
    まだあと中巻、下巻があるのを思えば、関ヶ原の戦になるまでにまだかかりそうだ。

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    2025年10月18日
  • 翔ぶが如く(二)

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    ・彼(西郷)には私憤というものがなかった(無私の精神)
    ・足利尊氏には天性の人間的魅力があった。寛容とその子供っぽさと反省心の強さと、そして人にかつがれた場合の座りのよさと大きさは、すべて西郷と酷似していた。

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    2025年10月10日
  • 大盗禅師

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    豊臣秀吉を倒し江戸幕府が開かれた。その徳川家の政策をこけ下した表現が面白い。とある禅師が全国の浪人となった元武士に江戸幕府の謀反を呼びかけ、とある町で流浪の民となっていた仙八がひょんなことから選ばれし者としてあらよあらよという間に中国大陸に大将として招かれ、明朝のために働き、また明朝を助けるべく日本からの援軍を集いに日本に舞い戻る。師として仰いだ禅師に、はたまたは旅中に出会った由比正雪という軍師にたぶらかされてはあっちに心を奪われ、こっちに説得され、と意志軟弱ぶりが滑稽に描かれているのが可笑しくなってくる。明朝の使いの蘇一官という人物もよくわからない存在で最後はこの人物に主人公と禅師が中国船に

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    2025年09月30日
  • 関ヶ原(上)

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    豊臣家の行政をなす奉行や賤ヶ岳七本槍とよばれた武将らから徹底的に嫌われた石田三成というイメージどおりの三成像。
    豊臣家の頭脳として、秀吉の没後、秀頼が成人になるまで豊臣家を守らなければと必死に家康に抵抗するが家康&本多正信コンビの奸計が悉く計画通りに進むのだ。上巻の後半は三成を佐和山城へ蟄居させたあとは家康がとうとう大阪城に入り、当主のように振る舞いはじめる。その傍若無人ぶりが悪どい。そして、前田利長に豊家に謀反の罪で討伐に向かう。言いがかりであることは誰の目にもわかっているのに豊臣恩顧の諸将たちはだれも異論を唱えない。
    清正、正則よ!なさけない。と思ってしまう。

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    2025年09月27日
  • 竜馬がゆく 12

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    巻ごとの感想が特にある訳でなし、数巻ごとに登録するにとどめる作品あり。本作もその一つ。原作を読み返すほどに好きでもないから、漫画化はちょうど良し。

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    2025年09月24日
  • 花神(上)

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    朴訥ながら能力と、時運によって一気に国の中心に向かっている村田蔵六。全く知らない人物でした。でもここからどう大村益次郎に成り上がっていくのか。

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    2025年09月23日
  • 菜の花の沖(二)

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    やっと東北まで行きましたね。司馬さん、ここまで長すぎ!でも、このしつこさが後で効いてくるんでしょうね!
    まさに粘膜の一冊。文化論入ってましたね。本巻で都志浦の纏めはできたのでは?次巻は広く羽ばたく巻になることを期待しています。

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    2025年09月19日
  • 梟の城

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    歴史小説と時代小説

    史実に則り、つまり史実を調べて、それなりに忠実に書くのが歴史小説。
    時代背景に則り、あとは描きたいように書くのが時代小説。代表は池波正太郎さんとかね。
    前者の代表格である司馬遼太郎先生の直木賞受賞作が本作。
    しかしながら、これは時代小説です。直木賞受賞の際には吉川英治さんは勉強が足らんとボロカスに貶して、
    海音寺潮五郎さん等の推薦で受賞したとのこと。もとは新聞の連載小説らしい。
    宮部みゆきの直木賞受賞作も新聞連載らしいから結構多いのかね。
    筒井康隆によると作り話を作るのが小説家の仕事で、取材して書くだけなら小説家としてカタワである、
    小説家として他の分野で書いていた人が歴史小説書くようになった

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    2025年09月19日
  • 果心居士の幻術

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    2ヶ月くらい前に読んだ本に「果心居士」が出てきて、てっきりその本の創作人物だと思ってたら実在(かは謎だけど)の人物だったのね。
    戦国時代の幻術師らしく、でもあんまり史料は残ってないのかなあ?
    とは言えあり得ないような術を使うし、昔の人の創作人物なのか?

    果心居士以外にも全6篇の短編集。
    壬生狂言の夜が面白かった!
    最初の2篇は似てたけど、あとは全部毛色の違う話で結構面白く読んだ。

    前回読んだのも今回のも司馬遼太郎の初期作品だから、もうちょっと後の作品も読んでみたいな。

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    2025年09月14日
  • 胡蝶の夢(四)

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    幕末の医療従事者を中心に時代の人々のものの見方、振る舞いを詳細に語る。きっと膨大な資料を読み込んだのだろうと想像する。

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    2025年09月14日
  • 国盗り物語(一)

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    ネタバレ

    本当に日本史習ってた?ってくらい歴史に疎いので、斎藤道三ね〜名前は聞いたことある〜くらいの知識で読み始めた。むしろ知識ゼロだからより楽しめてると思う。笑

    言葉巧みに皆を魅了し欲しいものはすべて手にしてしまう姿が、武士らしくて魅力的と思いつつ怖いなと思った。それにしても深芳野...一体どうなっちゃうんでしょうか。あと岐阜が国としてこれだけ重要視されてた場所だということも知らなかったなぁ。

    司馬遼太郎は読みやすくてイメージがしやすい。さすが歴史小説の大御所(というのも憚られるが)。所々で現れる、もはや司馬さんのコメントでしょこれ、という文章にニヤつきながら読み進めてる。
    次巻も楽しみ〜。

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    2025年09月08日