司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花神(下)

    Posted by ブクログ

    幕府との戦に勝った長州は薩摩と連合し討幕運動をする。戦力的に劣勢であった薩長軍であったが、慶喜の朝敵になりたくないという意志から受け身になり鳥羽伏見の戦いに勝つ。桂小五郎の周旋により江戸の無血開城後も幕府側の抵抗は続く。上野の寛永寺に籠った彰義隊との一戦を託されたのが大村益次郎。彼は軍司令官として各藩の戦力をまとめ最新式の銃やアームストロング砲などで不利と言われていた彰義隊に圧勝、その後の東北、函館での戦いも勝ち官軍軍司令官として一目をおかれる。西郷隆盛ら薩摩が最後反乱することを予期して大阪に軍施設を作るため上方に行くがそこで大村に敵意を抱いていた攘夷派の打ち込みにあう。大腿を切られ最後は敗血症で亡くなる。打ち込みをしたのは薩摩の海江田が率いる神代直人らで神代は長州にいた頃一度大村と会いたいしている。
    最後の時にイネと一緒にいられたのがなんかいい。やっぱり蔵六とイネは恋に落ちていたんだろうな。
    蔵六は自閉症なのかな。自分を機械の一部として自認したいがために薩摩とかの視線を気にせず仕事に熱中できたのだろう。

    0
    2026年08月18日
  • 花神(中)

    Posted by ブクログ

    いよいよ維新の始まり。蔵六が江戸で英語を学んだり洋楽書を翻訳している間に長州は京都を舞台に尊皇攘夷活動を進める。薩摩、会津の計略で京都から長州は追い出されその影響で蔵六も長州へと帰郷。長州では佐幕政権が倒れ幕府との対決に備えるようになる。逃亡生活をしていた桂小五郎も長州に戻り蔵六を長州の軍司令官になるように掛け合いついに長州の士族になる。そのタイミングで名前を出身の大村、父孝益から大村益次郎と改める。最新式の銃、軍艦を長崎で伊藤、井上らが坂本龍馬の斡旋で買取軍をつくり上げていく。第二次長州征伐が始まり大村益次郎は石州口方面で指揮を取り浜田藩を打ち破るところで終わり。
    攘夷を掲げている中で伊藤、井上らがイギリスに留学するシーンは緊張感があっていい。同胞に知られたら殺されるという恐怖とともに留学し外国の近代化を知ったことが長州の躍進につながってるなと。浜田藩との戦いでは戦国武将と近代軍隊の戦いの対比もいい。

    0
    2026年08月13日
  • 菜の花の沖(四)

    Posted by ブクログ

    高田屋嘉兵衛が蝦夷への好奇心から、蝦夷を航海する冒険者になっていき、幕府に取り込まれていく様子が歯痒かった。しかし、身分制度があった時代に彼の航海術を買ってくれる幕府の役人との関係は、幼少期から人に蔑まれたり疎まれた嘉兵衛にとっては心地よく感じたのではないかと感じた。
    伊能忠敬が蝦夷の測量に来た時に嘉兵衛と伊能忠敬は出会ったが交流することはなかった。伊能忠敬は私が尊敬する人物の1人だが、人としての器量はあまり良く描かれていなかったので、残念な気持ちになった。
    幕府の御用船となって、叔父のサトニラさんのように上手く使われてしまうのだろうか。次巻はガッカリするのではと思うためか、当時の説明も多くなかなか読み進めるのに時間がかかった。

    0
    2026年08月11日
  • 花神(上)

    Posted by ブクログ

    村田蔵六のちの大村益次郎が主人公。周防鋳銭司村の村医の息子として生まれた蔵六は蘭学を学ぶため大阪の緒方洪庵の塾適塾に入塾する。そこで蘭学を習得し着々と力をつける中地元で家業を継ぐために戻ることとなる。そんな中産業革命を進めようと試みていた宇和島藩は蔵六を傭い蒸気船の製造を命令、それに並行して多くの兵学書を翻訳していく。この功績から蔵六は江戸で塾を開き幕府の蕃書調所で働くこととなる。生まれてから各地を転々としていた蔵六は地元長州へ帰属することに強い憧れがあり、長州藩に召し抱えられる。これは桂小五郎が家老を斡旋した結果。
    シーボルトの娘のイネはもともと岡山で産科医として働いていたがシーボルトの弟子で父親代わりをしていた二宮敬作の図りで宇和島へ来て蔵六に師事する。一度体の関係を作ってしまうが蔵六の強い信念があり、結局はイネの片思いのような形で話は進んでいく。
    医者であったはずがオランダ語を通して多くの学問を習得し兵学者になっていくのが幕末の動乱期を表しているのか。

    0
    2026年08月08日
  • 世に棲む日日(一)

    Posted by ブクログ

    初めて司馬遼太郎先生の作品を読んだ。
    時代小説自体、初めて読んだこともあり、なかなか読むのに苦労したけど、吉田松陰という人物のことがなんとなく分かった。
    挫折したり失敗したりしながらも、それを悲観的に捉えることなく、常に前向きに考え、わくわくしていたのが吉田松陰という人物なんだな〜って思った。
    歴史上の人物としては尊敬できるけど、もう同年代に生まれていたとしたら、これほど危うい人物もなかなかいないのではないか。
    しかも表面上は温和なのに、内に秘めているものはとてつもなく熱い。

    続きを読むのが楽しみ。

    0
    2026年08月03日
  • 城塞(上)

    Posted by ブクログ

    戦国時代最後の大イベントである大阪の陣を題材にした長編。司馬遼太郎の作品で徳川家康はかなり登場しており、主役の作品である『覇王の家』もあるが、あちらではこの時期の事がカットされている(関ヶ原も)。作者の作品の時代選定としては描かくべきものなのだろう。『関ヶ原』は石田三成と徳川家康がメイン(あと島左近)だが本書は小幡勘兵衛という後の軍学者がメイン格で進む。一癖ある人物なのだがこの人物がいないと政治史及び軍事史みたいな内容になりそうなので人選は良かったのかもしれない。

    0
    2026年07月22日
  • 街道をゆく 6

    Posted by ブクログ

    沖縄を歴史的に見たとき、どうしても避けては通れない、日本という国から搾取されている歴史…現地で実際に考える著者の歴史感が見事に書かれていると思う。

    0
    2026年07月18日
  • 胡蝶の夢(一)

    Posted by ブクログ

    幕末蘭医物語。同作者の『花神』と異なり著名な松本良順と弟子で語学の天才肌である伊之助という2人の人物をメインに描いている。東洋と西洋というジャンルの異なる医学の対立とも言うべきだろうが、幕府お抱え医師たちの陰湿さに現代性を感じる。

    0
    2026年07月16日
  • 新装版 歳月(下)

    Posted by ブクログ

    日本の法律を作り上げた人物だけど最後まで何か納得できない人生だったな。

    最後まで足掻く生き方に共感できるけど、もっと違う生き方はできなかたのかな。

    0
    2026年07月05日
  • 幕末

    Posted by ブクログ

    幕末という激動の時代を、暗殺をテーマに複数の視点から捉えた短編集です。
    薩長や幕府側の人物の描き分けが巧みで、時代背景の理解が深まりました。
    政治思想や国のかたちを真剣に考えていた志士たちの姿に心を打たれた反面、著者ならではのエンタメ要素によって、美化しすぎている部分もあるように感じました。
    歴史の“温度”を感じたい人にはおすすめの一冊ですが、人物評価には一定のバイアスがあるので、自分なりの解釈も忘れずに読みたいところだなと思いました。
    個人的には、「桜田門外の変」はベタで好きですし、「最後の攘夷志士」は、考え深いものがありました。

    0
    2026年07月03日
  • 世に棲む日日(二)

    Posted by ブクログ

    吉田松陰寅次郎、高杉晋作の師弟、久保さん?桂小五郎、伊藤博文、などなど幕末志士たちが立ち代わり登場しては、消えてゆく。生き残ったラッキーなひとが成して、死んで散った者たちは、ただ散っただけではないということを示してくれる。
    江戸時代という太平の世に突如現れた宇宙人みたいな白くてデカい、知らない言葉と文化を持つ秩序を持ちつつも日本を征服あるいは奴隷、どうにもならないくらいに搾取してくることをいち早く察知した人たちの賢くも儚い話だった。
    人物があまりに多く、知らないし、あっけなくどこかへいくのがなんかわからんの。
    ほんで、小説というか、記述に近い雰囲気で、著者自身がインタビューした風景なんかも入ってくるし。
    時制が前後したり、細かい描写のところと、俯瞰で哲学的な問いを投げかけるところとが入り混じり、難しく。また、異名や別名、幼名にあだ名など、同じ人がしょっちゅう名前がかわるので、誰だったかわからなくなる。海外文学でよくあるやつ。
    と、文句を垂れつつ。長州藩がもつ、優秀なひとがいれば、その個人の行動が評価されるという風通しのよさがたまらなく良いと思った。そうでなければ、吉田寅次郎のような死罪同然の罪をもち、危険思想を携えながら、私塾をひらき、学問をおこすことなど、絶対に許されるべきものではない。それを許し、ましてや獄中の人を連れてきて師範とするなどもってのほかである。他の場所ではみられないような寛大な措置だと思う。
    さて、ついに幕末の気運が高まり、どうなるか。知ってはいるけど。そしてぼくたちはその上にたって生きてるんだけど。ありがたく思いつつ。次をまたそのうち読むとします。

    0
    2026年06月28日
  • 豊臣家の人々

    Posted by ブクログ

    司馬遼太郎の本を読んでいると、内容全てが事実のことのように思えてくる。登場人物が喋ったこともまるでそのまま再現しているかのように。
    それくらい引き込まれて面白く読めるということなのだろう。
    秀吉と秀長の父親は同じだったのではないかとの研究もあるらしい。小説は小説として楽しんで、歴史の事実は違う可能性もあると念頭に置いておきたい。

    0
    2026年06月28日
  • 坂の上の雲(四)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ほとんど戦争の話になってしまった第4巻。
    無能と何度も書かれる乃木・伊地知の指揮下で信じられないくらい多くの人が犠牲になっていく場面が読んでいて辛い。旅順の要塞に飛び込み死んでいく兵士たちの姿がやり切れない。藩閥やら人事のしがらみやら…人の命が掛かっているのにモヤモヤする。
    一方でロシア軍のバルチック艦隊も、恐怖から疑心暗鬼になり錯乱状態に陥ってしまう姿、こっちも読んでいて苦しい。これが戦争なんだなと。

    高橋是清の生い立ちだったり、彼が東奔西走する姿、意外な人物の協力を得るあたり、面白かったです。

    0
    2026年06月29日
  • 城塞(下)

    Posted by ブクログ

    主役はいちおう小幡勘兵衛だがそれほどずっと出てくるわけではなく燻り続け、徳川家康は非常に切れ物だが狡猾、対する淀殿も無能で彼女のせいでこうなったという空気があり、そもそもが大阪落城、豊臣家の最期がテーマなので仕方ないが読んでいて暗くなる。群像劇は基本的に好まないがそれでも読み応えがある。

    0
    2026年06月19日
  • 坂の上の雲(二)

    Posted by ブクログ

    1巻より内容が難しく感じて、歴史を思い出しながら調べながら読んでいて時間がかかりました。

    日本に国家という観念がまだなかった頃があった。鎖国を終えて周りは帝国主義、植民地が当然の世の中だった。そんな中で日清戦争、日露戦争が起きたのは、日本が日本であるために必然とも呼べるような状況だったんだと知る。
    この小説には、教科書では分からない、その時代を生きた人の心が描かれています。同時に、それぞれの時代を台頭した民族や国家を俯瞰で見て、多種多様な考察も述べられています。
    このどちらもがあって色んな気付きがありました。
    それから、正岡子規が綴った多くの俳句に触れるうちに、私にも写生の素晴らしさがどういうものか、少し感じ取れた気がしています。病床に付していながらも懸命に生きる子規。彼が生きた証、現代の私まで届いてるよ、なんて思いながら読みました。

    0
    2026年06月12日
  • 城塞(中)

    Posted by ブクログ

    政治的駆け引きのおもしろさがあり嫌いじゃないが小幡勘兵衛と真田幸村が出てこないところは妙に暗く陰気な雰囲気があって司馬遼太郎のそれぞれの人物に対する好みが出てる感じがする。

    0
    2026年06月05日
  • 豊臣家の人々 新装版

    Posted by ブクログ

    豊臣家に関わる人々が描かれてる。秀次はただの一般人なのに秀吉の縁戚ってだけで位を与えられそして秀吉によって殺しれるの哀れすぎる。
    北政所も自分で豊臣家を起こした自負があるからこそ淀を嫌い自分手で家を終わらせるために家康と近しくなったったのだろう。結局淀が孕ったことで尾張派閥と近江派閥ができこれが後々関ヶ原の結果へと続いていくと思うと秀吉も悔やまれるだろう?

    0
    2026年05月31日
  • 項羽と劉邦(下)

    Posted by ブクログ

    項羽の楚軍 対 劉邦の漢軍
    結果 人材をうまく活用した劉邦の勝利

    初期段階や突破局面では項羽型カリスマで引っ張り、成長・安定段階では劉邦型マネジメント(適材適所の人材配置、人に任せる)に移行すること。

    劉邦を支えた漢の三英傑
    張良(ちょうりょう):冷静な戦略家。政治・軍略の参謀として、劉邦の決断を後押しした。
    蕭何(しょうか):後方支援と行政の天才。兵站・人材管理を担い、戦争継続の基盤を築いた。
    韓信(かんしん):天才的な軍略家。劉邦軍を率い、数々の逆転劇を演じた立役者。

    0
    2026年05月31日
  • 菜の花の沖(四)

    Posted by ブクログ

    途切れ途切れに読んでしまい、一冊読み終わるのに時間がかかってしまった。司馬さんの博学すぎる脱線に因る所も多いと思う。司馬さんの良い所だが、本巻はスピード感という点ではマイナスに生じた感。さて、終盤はどんなスピードで展開していくか。

    0
    2026年05月30日
  • 竜馬がゆく(五)

    Posted by ブクログ

    長州の暴走、長州と薩摩の溝が深まり、怒涛の幕末に入ってきた。
    池田屋事件のくだり、お田鶴さまとおりょうのたいめんのくだりは楽しかったが、後半がなかなか…なぜかここに来て、ページが進まない、頭に入ってこない…。
    それにしても、おりょうの性格は私も無理だなぁ。女性に嫌われるというのがよくわかる。

    0
    2026年05月24日