司馬遼太郎のレビュー一覧
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歴史小説と時代小説
史実に則り、つまり史実を調べて、それなりに忠実に書くのが歴史小説。
時代背景に則り、あとは描きたいように書くのが時代小説。代表は池波正太郎さんとかね。
前者の代表格である司馬遼太郎先生の直木賞受賞作が本作。
しかしながら、これは時代小説です。直木賞受賞の際には吉川英治さんは勉強が足らんとボロカスに貶して、
海音寺潮五郎さん等の推薦で受賞したとのこと。もとは新聞の連載小説らしい。
宮部みゆきの直木賞受賞作も新聞連載らしいから結構多いのかね。
筒井康隆によると作り話を作るのが小説家の仕事で、取材して書くだけなら小説家としてカタワである、
小説家として他の分野で書いていた人が歴史小説書くようになった -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に日本史習ってた?ってくらい歴史に疎いので、斎藤道三ね〜名前は聞いたことある〜くらいの知識で読み始めた。むしろ知識ゼロだからより楽しめてると思う。笑
言葉巧みに皆を魅了し欲しいものはすべて手にしてしまう姿が、武士らしくて魅力的と思いつつ怖いなと思った。それにしても深芳野...一体どうなっちゃうんでしょうか。あと岐阜が国としてこれだけ重要視されてた場所だということも知らなかったなぁ。
司馬遼太郎は読みやすくてイメージがしやすい。さすが歴史小説の大御所(というのも憚られるが)。所々で現れる、もはや司馬さんのコメントでしょこれ、という文章にニヤつきながら読み進めてる。
次巻も楽しみ〜。 -
Posted by ブクログ
去年忍者物にハマって色々調べてたらおすすめされてて読みたかった本。
司馬遼太郎作、そして直木賞受賞作品とあってわくわく。
これが司馬遼太郎の一作目なのかな?古い漢字や言葉がちょこちょこ出てきて少し読みづらさがあった。
忍者のことを乱破と言うの、初めて知った。
正直期待し過ぎた感があったかな。
ハラハラドキドキ大ストーリー展開!とかじゃない。
だけど面白かった。
主人公の葛籠重蔵がなんとも好もしい男。
こういうどっしり構えてる人物、時代小説に結構出てくるけどもれなく好いちゃう。読んでて気持ちの良い人物なんだもん。
期待し過ぎたけども面白かった。
また熟成させて再読したいな。 -
Posted by ブクログ
石田三成メインで進むかと思っていたがキチンと徳川家康も主役として描かれている。石田三成側だおどうしても島左近が中心というか双肩を担う印象が強いが徳川家康の場合、本田正信の様な知力と政治力に特化した謀臣がいても(本書における役回りは大きいけど)あくまでも手駒の一種の様に見据えている面が見受けられる。石田三成の方が人間性として義の人であり当時としては珍しく友情にあつく女性(多分本書創作上の人)にも純な気持ちで応えるという点で家康より清潔なのだが、気がつけば家康の方が武将の気持ちを分かっている事になっている。秀吉が晩年耄碌したからか不明だが信長死後に瞬く間に版図を摂取しているし小牧長久手の戦からみて
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Posted by ブクログ
幕末の戦乱を知力と薩摩隼人の勇猛さで勝ち抜いてきた薩軍の綻びの理由が以下の文章に集約されていると思った。
「政略(多分に希望的要素がつよかったが)は、存在したが、それを実現せしめる戦略を持たなかった。政略はいわば気体のようなものであり、それを固体化するのが戦略であったが、桐野・篠原らの感覚では、西郷その人の存在こそそのまま戦略であるとしたむきがつよかった。西郷さえ持ち出せば、その圧倒的人気(と桐野らはおもっていた)によって、戦略の機能を十分果たしうると思っていた。
要するに、桐野・篠原らは西郷という世間的価値に、世間以上にまず自分たちがまばゆく眩んでしまったということであろう。このために常識 -
Posted by ブクログ
室町時代後期に登場し、戦国時代の火蓋を切った伊勢新九郎、のちの北条早雲の物語。
北条早雲と言われれば、なんとなく戦国時代の印象だったのですが、本書では室町時代の社会構造(幕府の仕組みや実態、仏教その他いろいろ)を詳しく解説しており、なかなか馴染みのない室町の時代背景をよく学ぶことができました。戦国時代につながる混沌期。お上は自分のことしか考えず権力闘争に明け暮れる日々。ところが、支配されていた農民は農耕技術の発達に乗じて力を蓄えつつあり、お上に対する不満が蓄積するばかり。そんな情勢のなか、ひょんなことから一城の主人となった早雲は、関東への進出を果たしていく。
物語性の強い小説ではなく、先述の