司馬遼太郎のレビュー一覧
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cotenラジオで取り上げられていた+司馬遼太郎ということでチャレンジ。
作品中一貫して項羽と劉邦の2人の違いが明確に書かれていた。自身の武や価値観を絶対のものとして天下を狙う項羽(力は山を抜き、気は世を覆うという言葉にそれが如実に現れている。てかこの言葉カッコ良すぎでしょ)と武などなく自分の欲求を優先しつつも周りの人間の意見を素直に聞き助けられながら結果的に天下を取ってしまった劉邦。そして誰もが項羽の天下を取ると思っていた(読者だけでなくおそらく項羽自身が1番思ってたと思う。)それがいつのまにか形成が逆転し劉邦のものになっていたという結末にも驚かされた。
劉邦は意識していないが作品中何度 -
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サラリーマンの悲哀を描いている。と言えば四捨五入し過ぎだが、この稼業が、いかに理想として人生を燃えたぎらせるものがないか、ましてや出世だけがロイヤルロードでもなくなった今(当時)、仕事はこなして、アフターファイブを充実させるのが吉、という達観が本書には通底している。
そのうえで、曰く、愚痴ほど生産性のないものはない、議論モードはロクなことがない、時には人生意気に感じるといった感性を持つべきだ、との持論展開。さすがに昭和三十年当時の著者の持論であり、真新しくはもちろんないし、今となっては通じない考え方も多いが、とにかくも人生の大先輩の言として愉しくは読めた。
後半の女性蔑視全開のパート(女性は職 -
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豊臣秀吉を倒し江戸幕府が開かれた。その徳川家の政策をこけ下した表現が面白い。とある禅師が全国の浪人となった元武士に江戸幕府の謀反を呼びかけ、とある町で流浪の民となっていた仙八がひょんなことから選ばれし者としてあらよあらよという間に中国大陸に大将として招かれ、明朝のために働き、また明朝を助けるべく日本からの援軍を集いに日本に舞い戻る。師として仰いだ禅師に、はたまたは旅中に出会った由比正雪という軍師にたぶらかされてはあっちに心を奪われ、こっちに説得され、と意志軟弱ぶりが滑稽に描かれているのが可笑しくなってくる。明朝の使いの蘇一官という人物もよくわからない存在で最後はこの人物に主人公と禅師が中国船に
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豊臣家の行政をなす奉行や賤ヶ岳七本槍とよばれた武将らから徹底的に嫌われた石田三成というイメージどおりの三成像。
豊臣家の頭脳として、秀吉の没後、秀頼が成人になるまで豊臣家を守らなければと必死に家康に抵抗するが家康&本多正信コンビの奸計が悉く計画通りに進むのだ。上巻の後半は三成を佐和山城へ蟄居させたあとは家康がとうとう大阪城に入り、当主のように振る舞いはじめる。その傍若無人ぶりが悪どい。そして、前田利長に豊家に謀反の罪で討伐に向かう。言いがかりであることは誰の目にもわかっているのに豊臣恩顧の諸将たちはだれも異論を唱えない。
清正、正則よ!なさけない。と思ってしまう。