司馬遼太郎のレビュー一覧
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私が中学生の頃、すでにシリーズの「モンゴル紀行」が教科書に載っていた。そんな言わずと知れた大作紀行文集を、一から読み直してみる気になった。
これまで旅のお供に持って行っては、つまみ食いのように流し読みすることしかしていなかったので、今回は著者の後を追って、地図も傍らに歩みを進めてみる。
するとどうだろう。二十代で読んだ頃には大しておもしろいと感じなかったことが、三十代の今は結構染みいってくるのだ。
先は長いけど、これなら苦もなく読み進められそうだ。
「近江からはじめましょう」という司馬遼太郎の言葉から「街道をゆく」シリーズがはじまった。
その取材時期はおそらく1970年。
まだ私が生まれていなかった頃の日本の風景がそこにある。 -
Posted by ブクログ
真田十勇士のひとり、霧隠才蔵を主人公に据えた物語。真田幸村や猿飛佐助でなく、才蔵ってところがなかなかニクイです。
本書の才蔵は徹底的な個人主義というか、「この命尽きるまで地の果てまでついていきます!」という感じではなくて、「技術は売るけど心は売らない」みたいな、あくまでも自分を第一に置いてるところがすごくかっこいいなあと思う。それなのに自分の得にならない事件でも困ってる人がいると助けてみたり、「何そのヒーロー!」と言いたくなる場面が多々あったりして。
でも正直、出てくる女性キャラクターがこれでもかってほど才蔵のことを好きになる展開は、もうお腹いっぱいだなあ。2人位でやめといて欲しかったです。 -
Posted by ブクログ
全巻通読後のレビュー。
全10巻という超大作であるが、もともと毎日新聞に連載された小説であるから、多々同じ記述が見られる。
しかしながら、明治維新後の日本の姿を鳥瞰的手法で世界史と関連付けて論じられている点で、日本近現代の始まりを理解する際の基礎理解には最適の入門書であると考える。
島津久光という超保守派の考え方から、維新を支えた革新派の面々の考え方が手に取るように分かる小説である。重要なのは士族の不満、百姓の不満がどのようなものであったか、であるが、それもこの小説では網羅されている。
物語は維新開始直後から、西南戦争(明治10年)を経て翌年の紀尾井坂の変(大久保の死)、さらに川路利良の病没までを描く。
明治維新は天皇の威を借りた王政復古という形でスタートした。それが後に軍の独走いうものを招くが、この時点ではそうせざるを得なかったということも、小説中で書かれている。
後の日本を支えていく山県有朋、伊藤博文、板垣退助、軍人で乃木希典、川村純義などが登場する。
西南戦争は8巻の半ばくらいから始まる。桐野、篠原ら薩摩隼人に担がれた西郷、悲劇のような最後の激闘である。西郷が桐野や篠原といった兵児(へこ)を最も愛し、彼らと生死をともにしたことは、西郷をうかがい知る上で、見逃せない点である。
西南戦争の中身についての描写は一流である。
時間がない方にも、8~10巻は読むことをお勧めしたい。