あらすじ
近藤勇、土方歳三、沖田総司、斎藤一から妖しい前髪の美剣士や薩摩の間者……。混沌たる状況を切り、斃れていった隊士一人一人の哀歓を冴え冴えと浮彫りにする名作。
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新撰組関係の書籍を読み漁っているけど、流石の司馬遼太郎先生という、文章から想像される迫力や艶かしさが凄い。
最初が篠原泰之進で始まるのも、伊藤甲子太郎推しの私にはとても良かった。どのエピソードも魅力的、兄に勧められた大島渚監督の御法度もみてみよう。
ただ、新撰組を知れば知るほど近藤が好きじゃなくなるのは何故だろうか。
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竜馬を読んだ時にススメられた本。新撰組のこぼれ話というか、短編集。大変血なまぐさい話が多いのですが、総司の恋話にほっこりしたり。話が前後することが多いので、新撰組のだいたいの話を知っておかないと読みづらいですね。
司馬シリーズには元号と西暦の対照表をつけてほしい。。。
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≪あらすじ≫
幕末という大動乱期を生きた新撰組。隊士一人一人の生き様を描いた15編の連作短編集。
≪感想≫
この小説を初めて読んだのが中学生の頃。緑布カバーの司馬遼太郎全集に収められていたこの短編集を夢中になって一気に読み耽った記憶がある。大学生になった今、懐かしさとともに再読して思うことは、力のある小説というのは何度読んでも色褪せることなく、むしろ読み返すほどに深くその世界に引きずり込まれるということだった。
中学生の頃に一番好きだったのが「沖田総司の恋」という一篇で、若くして天才剣士と謳われた彼の純朴で人間味溢れるエピソードがとても気に入っていた。しかし今回読み返して一番心に残ったのが「胡沙笛を吹く武士」という話。守るべき人ができたことで鹿内薫という隊士に起こった心情の変化は、中学生の自分にはいま一つピンとこなかったのかもしれない。
第三者視点で描かれたそれぞれの章に共通してみられるのは、人間を動かす様々な感情と、その感情に動かされる人間像。近藤、土方、沖田などの中心人物だけでなく、あまり有名ではない隊士にまで焦点を当てた本作は、歴史小説というよりも彼らの人間性を中心に描いているように感じられる。
人間の本質というのはどんな時代も変わりないのかもしれない。だからこそ、人間心理を巧みに描いたこの小説は、時代を超えて評価されていくのだと思う。
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読み終った・・・
歴史に疎い私ですが、夢中になって読んだ。
「歴史に名を刻んだ偉人も、無名の士として消えた人々も、同じ人間である」魅力を伝えてくれたところがこの本の素晴らしいところなのではないだろうか・・・
一人ひとりに焦点を当てた臨場感ある描写を夢中になって読んでいるうちにパラパラと耳にしたことのある人物達の点が線でつながった。という感じ。
紙とペン付きで読み返している。
既にボロボロ。
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歴史小説の泰斗が新撰組を描いた短編集。
近藤、沖田、土方はもちろん
井上、斉藤、山崎
さらに脱退した隊士や密偵とした潜入した隊士など
様々な視点から見た新撰組を味わうとともに、
その栄光と限界を深く理解できます。
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「油小路の決闘」新撰組から離脱した伊藤甲子太郎(かしたろう)派の7人vsその抹殺を狙う新撰組40人の大乱闘を篠原泰之進を中心に描く。現代人と違った死生観・武士のダンディズムについて思う。
当時沖田総司よりも腕がまさると云われていた服部武雄の死に様がすさまじい。民家の門柱を背に腰に提灯を差して足元を照らしながら長物で敵を切りまくり、足元に死体を築き上げ、そのために動きがとれなくなって長槍でしとめられたという。こういうエピソードって頭で考えてるだけだと出てこないなぁ。
甲子太郎派の7人は、敵が40人以上待ち伏せしている事を分かった上で、油小路に晒された甲子太郎の死体を引き取りに出かけるのだが、「敵を討ってやる」というのでも、「なんとか奪い返そう」というのでもなく、はなから多数相手に勝ち目もなく全滅するであろうと知った上で出発する。
そして、具足を身につける仲間に対して「どうせ死ぬのに、具足をつけていたのでは卑怯者とそしられて潔くない。どうせ死ぬなら素肌の方が潔いだろう」「それもそうだな」と、あえて何も身につけずに出かける。伊藤に対して「死んでからまで手間をかける男だ」と思う。武士のダンディズムはすさまじい。
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新撰組初・中期を中心とした短編集。タイトルからは「剣林弾雨をものともせず、血風を吹かす新撰組」というイメージだが、どちらかといえば「陰惨、血雨を降らし、風ために濁る」といった生々しい新撰組の姿が描かれている。
とはいえ、そこには生き死にを際どく渡っていくひとびとの姿が描かれていて、非常に鮮やかだ。
沖田と土方の「そうですか」「そうさ」といった、「燃えよ剣」でもたびたび交わされるやり取りが私は好きだ。なんとなく好きだ。
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餅を焼いている土方が山崎に「手を出せ」と言う。餅をくれるのか、と素直に手のひらを差し出すが、「餅はやらんよw」
その件について「手を出せ」(介入しろ)って言うことだ、っていうくだりが笑える。文体も平易で読みやすいです。
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中学の時、幕末に興味を持ち始めた頃に読んだ本でした。
友人が新撰組に嵌っていたので、よく話しましたね…。
当時、家の物置から、ちょうど古いこの本が出てきたんです。誰のだかわかりませんが、背表紙を開いた所に鉛筆で日付が書かれていて。
ちょうどそれが、私の生まれた年だったのが、偶然でした。
最近、何年かぶりに読み返していますが、すごく面白いんですよね。
多分、中学の頃に読んだのよりも、ずっと面白く感じています。「こんなに面白かったっけ」なんて思いましたもん(笑)
ありきたりだけど、「沖田総司の恋」なんていいな。
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初めて買った小説。新撰組大好き。短編集みたいになっていて、ご法度っていう映画にもなりました。菊一文字がすきなのはあたしが沖田さんがすきだから。
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高校時代、授業中教科書の影に隠して、机の下に隠して、あらゆる手段を用いてこっそり読んでいたのがこの本です。後にも先にも、そんな荒業を用いてまで読みたいと思ったのはこの本だけです。大好きな新撰組の話が大好きな短編の形で大好きな司馬遼太郎氏によって書かれている、比類なき一冊です。ちょっと興味があるという人も、もっと深く触れてみたいという人も、どちらも同時に満足させるちょっと他にはないタイプの本だと思います。是非一度ご賞味アレ。
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短編集の新撰組。『燃えよ剣』とはまた違った新撰組の姿が見える。
沖田が主役の短編がなかなかに面白い。近藤・土方・沖田の仲の良さが微笑ましい。「菊一文字」の沖田がほんとにらしい。
「虎徹」の近藤は一見頑迷に見えるけどそうでないのが良い。「油小路の決闘」での近藤・土方の伊東に対する認識に納得。「池田屋異聞」の山崎が良い。「長州の間者」は土方と山崎の遣り取りが好き。
短編だからこそ色々な角度から隊士達の姿が見える気がする一冊。
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私が初めて読んだ司馬作品。なんかねー、ほのぼのしい。沖田の恋の話とかも、土方と近藤は親バカというか、余計な事しすぎでねー。バカ。
私が特に好きなのは「菊一文字」。山崎が面白い。あと「四斤山砲」はもう、歯がゆい思いで読んでた。
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剣に生き剣に死んでいった新撰組の話。銀魂程度の知識しかない状態で読んだけど、めちゃくちゃのめり込んだ。こんなにも色んな人達がいて各々の物語があったことに当たり前やけど気付かされた。今では分からないこの価値観の中で生きて散っていく新撰組に焦がれる。
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これまで歴史小説が苦手で敬遠していた司馬遼太郎さんの本を読む。面白いじゃないか…!思っていたよりずっと言葉がわかりやすく、軽妙な語り口、新撰組隊士たちの人間模様がとても鮮やかに描かれている。
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かつての再読。15の異聞短編集。時間軸で進むのではないが、連作と言ってよい。解説は、角川文庫の解説より興味深い。連載と同年に「竜馬がゆく」「燃えよ剣」の連載が始まっていたというのは驚き。2017.1.1
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新選組の方々の様々なエピソードが連作で語られている。みんなすぐに殺されて大変な組織だわい、と思いながら読んでいた。たまに死なない人がいたらほっとしてみたり。
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大学に入って、明らかに読書時間が減りました。悲しいです。悲しい限りです。
新選組血風録を読むのに、こんなにも時間がかかってしまうとは。不覚。しかし、本は読む速さではないですし。本はじっくり読むものでござんしょう。
新選組血風録は短編集で、あまりスポットの当たらないような人物の話とかもありました。自分のなかで司馬遼太郎の新選組小説、と言えば、燃えよ剣でしたが、こっちも好きです。なかでもいちばん好きだなぁ、と思ったのは、沖田さんが主人公の菊一文字。おもしろかったのは、槍は宝蔵院流という、谷三十郎と斎藤さんの話。斎藤さん好きだ。何か、どんな作家が書いても、彼はけっこう浮世離れしてる気がする。
次は、司馬遼太郎の尻くらえ孫市読みます。
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新撰組のマイナー志士に焦点を当てた
短編集
マイナー志士に焦点をあてその視点から描く事で
新撰組に対する一人一人の思いの違い、がみられて
よかった
当たり前のことだが
同じ経験をしても感じる思いは皆違う
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やっぱり司馬さんの本は読みやすいです。ぐいぐい引き込まれるというか。こちらは短編集。あまり有名じゃない隊士さんにもスポットライトが当たっています。私が好きなのは「池田屋異聞」、「虎徹」、「沖田総司の恋」、「菊一文字」です*
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浅田次郎の「壬生義士伝」を読んで、新選組に興味が沸き、兄の蔵書から拝借。使われている用語や漢字が難しくて少し難儀したけど、おなじみの近藤勇、土方歳三、沖田総司、その他隊士たちの日常や人間性が描かれていて、面白く読みました。
特に土方歳三が魅力的だった。土方は、現代の世ならものすごく出世したタイプだろうと思った。できる男、それに顔もかっこいいと来た。芹沢鴨の愛人に声をかけられてドキドキしたり、俳句の趣味があったり、なかかなお茶目な人間臭さも感じられてよかった。次は「燃えよ剣」も再読しようかな。
Posted by ブクログ
「菊一文字」「虎徹」などが面白かった!司馬遼太郎は、こんな斬れ味のいい文章を書くんですね。もっと新選組モノを読んでみたい。それぞれ個性がしっかりしているのと、長所と短所を併せ持っているように見えるのが、人間らしくて素晴らしいと思った。沖田総司は、ずっと勝手に成宮君で再生していました。のぼうの城の彼のイメージに近かったので。