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瓦解する幕府の海陸軍軍医総裁となった松本良順は、官軍の来襲とともに江戸を脱出し会津に向かう。他方、ともにポンペ医学を学んだ関寛斎も、官軍野戦病院長として会津に進軍し良順と対峙する。そして、激動のなかで何らなすところなく死んでゆく伊之助。徳川政権の崩壊を、権力者ではなく、蘭学という時代を先取りした学問を学んだ若者たちの眼を通して重層的に映し出した歴史長編。
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Posted by ブクログ
全4巻、幕末から明治にかけて医学の進展に奮闘した蘭医たちを描いた松本良順を中心とした群像劇。 幕末、封建社会の因習に苦労しつつも、オランダ人ポンペから学んだ医学を武器に奮闘する人々。手塚治虫の「陽だまりの樹」でも描かれるテーマ。薩長や幕府からの視点の作品は多いが、いずれにも完全には属さない立場から...続きを読むの明治維新も面白い。 司馬遼太郎作品は何度読んでも面白いが、本作は初めて。まだまだ未読本も挑戦していきたい。
ポンペのもとで蘭学・医学を学んだ3人は幕末の瓦解から明治へと時代に翻弄されながらも新しい社会の中で生きて行った。 司馬凌海(伊之助)明治12年 39歳 肺結核 松本良順 明治40年 75歳 心臓病 関寛斎 明治45年 83歳 自死 筆者のあとがき 「『胡蝶の夢』を書くについての作者の思惑のひと...続きを読むつは江戸身分制社会というものを一個のいきものとして作者自身が肉眼で見たいということだった。それを崩すのは蘭学であった。」 「社会という巨大な容易に動きようもない無名の生命体の上にとまったかすかな胡蝶(蠅であってもよい)にかれらはすぎないのではないかと思えてきたりもする。」 『荘子』斉物論第二 原文 昔者莊周夢爲胡蝶。栩栩然胡蝶也。 自喩適志與。不知周也。俄然覺、則蘧蘧然周也。 不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。 周與胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。 書き下し文 昔者荘周夢に胡蝶と為る。栩々然として胡蝶なり。 自ら喩しみて志に適えるかな。周たるを知らざるなり。 俄然として覚むれば、則ち蘧々然として周なり。 知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。 周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。此を之れ物化と謂う。 訳文 以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。喜々として胡蝶になりきっていた。 自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。荘周であることは全く念頭になかった。はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。 ところで、荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。 荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。しかし主体としての自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。(ウィキペディアより)
幕末期を松本良順、関寛斎、島倉伊之助という三人の医師・蘭学者の目線から描かれているために幕末物はたくさん読んでいたが、新鮮でとても面白かった。徳川慶喜、新選組などが後半登場して、より面白くなった。 この『胡蝶の夢』の本質は江戸身分制社会を描き、その身分制社会を突き崩す大きな要因が蘭学であったというこ...続きを読むとを司馬遼太郎さんは描きたかったのだと思う。
二人の主人公の、一方は華々しき、もう一方は無残な、そんな最後が。。 西洋医学という共通点はあるけれども、生まれも性格も、まったく違う二人を見事に書き並べていて、興味深いです。 司馬遼太郎の著作は大好きだけれども、そのなかでも、今まで読んだ本の中でぴか一な話です。
最終巻が一番面白かった。特に新撰組との絡みが。他の方も書いているが、僕の中で伊之助の大村益次郎が被る。
幕末の身分制の崩壊を蘭方医学の側面から描いているのが面白かった。 どうしてもっと早く読まなかったんだろう、と後悔するくらい私の中でベストに入る司馬遼太郎の名作になった。 この作品を読んで改めて思ったのは、幕末小説の面白さは「封建制度、身分制度の崩壊」ってところだな、ということ。 幕末テーマはやめられ...続きを読むんわ、しばらく。
最終巻で荘子の胡蝶の夢が出てくる。日本画三山の一人加山又造のカバー絵と内容の取り合わせが、とても贅沢に思う。 明治に入ってからは良順ら蘭学が古いものに変り、常に社会からは浮いてしまっていた伊之助は縛られることなく、アメリカからドイツにと医学の翻訳言語を変えていく。 大きな時代の変化のなかで、た...続きを読むだ舞うしかない蝶。舞って後世の人の目に留まるだけでも私は凄いと思う。 エタ、非人が江戸時代無税だったことや、大名並みの非人がいたこと、良順の努力で平民になったことをしった。前巻に続き江川太郎左衛門と江原素六、もっと調べたくなった。
松本良順,伊之助、関寛斎を主人公に幕末から明治維新にかけての身分制社会の崩壊を描く。司馬さんの歴史への造詣の深さ、表現力に酔う作品である。10.5.5
激動の時代に大いなる功績を残した人物の足跡を辿る。松本良順がそうした幕末小説のテンプレートに沿ったキャラクターとするならば、伊之助は独特の立ち位置に存在する男だ。目をみはる栄達をしたわけではないし、書き連ねられるのは、社交性に著しく欠けるため相手を苛立たせるというエピソードばかり。そんな伊之助も、歴...続きを読む史のうねりの中で、何がしかの役割を果たしている。作中で痛快なことを成し遂げるわけではないが、何だか自分の周りにももしかしたらいそうに思えて、伊之助のくだりになると少し和んだ気にさせられた。 司馬遼太郎も、書き進めるに従って伊之助に最も感情移入したのかもしれない。『国盗物語』で一番人間味を感じたのが、私にとっては道三でも信長でもなく明智光秀だったように、本書では戦と聞いただけで震えてしまう伊之助に最も親近感を覚えた。まあ実際、あんな人間が近くにいたら、手ごたえがなくて、始終イライラさせられるかもしれないけど…。
幕末期に日本に西洋医学を導入するべく奮闘した松本良順、伊之助、関寛斎の話。胡蝶の夢とは荘子から持ってきている。「荘子―荘周―は夢に胡蝶に化った。荘周自身、自分は人間だと思っていたが、実態が胡蝶であって胡蝶が夢を見て荘周になっているのか、荘周が夢を見て胡蝶になっているのか。」
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