胡蝶の夢(三)

胡蝶の夢(三)

781円 (税込)

3pt

ポンペの帰国とともに江戸の医学所の頭取となった松本良順は、緊張した時局の中で不眠に苦しんでいる一橋慶喜の主治医となり、阿片を用いてこれを治す。一方、語学の天才・伊之助は「七新薬」という蘭方の医書を刊行するまでになったが、その特異な性格が周囲に容れられず、再び佐渡に逼塞する。また、赤貧のなかでポンペ医学を修めた関寛斎は、請われて阿波蜂須賀家の侍医となる。

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胡蝶の夢 のシリーズ作品

1~4巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~4件目 / 4件
  • 胡蝶の夢(一)
    781円 (税込)
    黒船来航で沸き立つ幕末。それまでの漢方医学一辺倒から、にわかに蘭学が求められるようになった時代を背景に、江戸幕府という巨大組織の中で浮上していった奥御医師の蘭学者、松本良順。悪魔のような記憶力とひきかえに、生まれついてのはみ出し者として短い一生を閉じるほかなかった彼の弟子、島倉伊之助。変革の時代に、蘭学という鋭いメスで身分社会の掟を覆していった男たち。
  • 胡蝶の夢(二)
    825円 (税込)
    幕末海軍の教師団にポンペという軍医のいることを知った松本良順は、あらゆる圧力を断ち切って長崎に走る。やがて佐渡から語学の天才である弟子の伊之助を呼びよせた良順は、ポンペを師に迎え、まったく独力で医学伝習所を開講し、あわせて付属病院を建てる。ひろく庶民に門戸をひらいたこの病院は、身分で閉ざされた社会に、錐でもみ込むように西欧の平等思想を浸透させてゆく。
  • 胡蝶の夢(三)
    781円 (税込)
    ポンペの帰国とともに江戸の医学所の頭取となった松本良順は、緊張した時局の中で不眠に苦しんでいる一橋慶喜の主治医となり、阿片を用いてこれを治す。一方、語学の天才・伊之助は「七新薬」という蘭方の医書を刊行するまでになったが、その特異な性格が周囲に容れられず、再び佐渡に逼塞する。また、赤貧のなかでポンペ医学を修めた関寛斎は、請われて阿波蜂須賀家の侍医となる。
  • 胡蝶の夢(四)
    781円 (税込)
    瓦解する幕府の海陸軍軍医総裁となった松本良順は、官軍の来襲とともに江戸を脱出し会津に向かう。他方、ともにポンペ医学を学んだ関寛斎も、官軍野戦病院長として会津に進軍し良順と対峙する。そして、激動のなかで何らなすところなく死んでゆく伊之助。徳川政権の崩壊を、権力者ではなく、蘭学という時代を先取りした学問を学んだ若者たちの眼を通して重層的に映し出した歴史長編。

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胡蝶の夢(三) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    長崎医学伝習所開設に続き、小島養生所開設に向けてポンペや松本良順が奔走する。地元長崎に日本初の西洋式病院が開設されたことは初めて知りました。長崎という街は独自の歴史があって、長崎の街をまた散策してみたくなった。
    奥御医師の視点から幕末という時代を見ているのが、今まで読んだ幕末物と違ってとても面白い。

    0
    2014年02月11日

    Posted by ブクログ

     本筋から離れるが、良順つかえる将軍一橋慶喜は、無能な人物と思っていたが、朝廷、薩長との駆け引き、さらには腹を据えた人が垣間見られ、もっともっと知りたい人物となった。関寛斉もそう。
     他国の価値観が蘭学を通じて入り、今までの階級や社会制度の崩壊。興味深いのが良順の父、佐藤泰然。実子をすべて養子にし、

    0
    2013年02月03日

    Posted by ブクログ

    第三巻から徳川慶喜や新撰組が登場し、話が急展開する。松本良順はあくまで幕府の立場で活躍する。もう一人の主人公の島倉伊之助は故・佐渡に帰り時勢の中に現れない。今後彼がどう活躍するのかが非常に楽しみ。
    十四代将軍・徳川家茂について詳しく触れられているのが印象に残った。家茂は大変な時代に十代で将軍になって

    0
    2011年01月21日

    Posted by ブクログ

    文久2年(1862年)ポンペは日本を去った。松本良順もその年西洋医学所(東京大学医学部の前身)へ移る。着任早々今までの学制を廃止し長崎医学伝習所の制度をそのまま持ち込んだために守旧派の伊東玄朴によって追い詰められていた。しかしある失態から玄朴が罷免されため良順の西洋医学所は玄朴の拘束から解放された。

    0
    2020年05月17日

    Posted by ブクログ

    ポンペは、ただ一人で長崎の医科大学7教科を教授した(彼の学生時代のノートを頼りに)比類がない。しかし主人公伊之助が彼の蔵書を勝手に読むのが不快で、ついに放逐した。その主人・松本良順もストレス解消の面もあったろうが遊女が好きで、葵の御紋服を与えるとは只事でない。しかし「落籍して妾とする」という便法をあ

    0
    2019年03月21日

    Posted by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより)

    ポンペの帰国とともに江戸の医学所の頭取となった松本良順は、緊張した時局の中で不眠に苦しんでいる一橋慶喜の主治医となり、阿片を用いてこれを治す。一方、語学の天才・伊之助は「七新薬」という蘭方の医書を刊行するまでになったが、その特異な性格が周囲に容れられず、再び佐

    0
    2015年02月22日

    Posted by ブクログ

    江戸に戻った松本良順は、幕府の中枢に近づいていく。
    良順が治療した一橋慶喜、徳川家茂、または新撰組(近藤、土方)などについて、それらの要人の素顔を見事に描写していて興味深い。
    特に新撰組については、衛生面を守らせ、豚や鶏を飼わせたというエピソードは面白い。(豚や鶏に残飯を食わせ、且つそれらを食とする

    0
    2011年11月04日

    Posted by ブクログ

    長崎から江戸に戻った松本良順は伊東玄朴らが創立した西洋医学所の頭取となる。そこでポンペ式の授業を取り入れようとするも保守的考えが根強い当時の書生から反発を受けることとなる。その後幕末の動乱の中、京都に滞在していた一橋慶喜の主治医として京都に上る。その後江戸に戻るも、征長戦争のため将軍家茂が大坂に向か

    0
    2024年02月25日

    Posted by ブクログ

    右往左往する幕府。伊之助は存在感無し。関寛斎などほかの人物も掘り下げられる。後半、新選組が出てくる。
    脱線・小ネタが多く、どこまでが史実でどこからが創作なのかわからない。歴史書を読んでいる感じ。

    0
    2020年06月23日

    Posted by ブクログ

    正義・因循の両論は、争いの段階になればもはや根も葉もない。逆に、根も葉もないからこそ争いが血を見るのであろう。実態のあるものには、ひとは決して他人を殺すほどの昂奮はしないものだ(176頁)

    吾等は、樹木を崇拝するにあらず。…沙漠に立つれば一目分明のごとく、森林は人々に崇高の念をおこさしめ、黙思沈考

    0
    2009年10月04日

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