【感想・ネタバレ】風神の門(下)のレビュー

あらすじ

大坂冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。そして、駿府城内にしのび込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが……。人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、“忍び”の世界を現代の眼で捉えた長編小説。

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Posted by ブクログ

抜群におもしろかったです。伊賀忍者と甲賀忍者の対比を交えながら、徳川方の風魔獅子王院との決闘も魅力的に描写されています。紙面上で作中の登場人物が本当に動いてるかの如く、読者に相続させる筆致力が凄まじい。

「わしは生涯、行く雲、流るる水を相手に生きてゆく」

「従いはせぬ。霧隠才蔵は、あくまで天下一人の霧隠才蔵じゃ。たれの所有物でもない。(後略)」

            『風神の門(上)』より

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2025年09月27日

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いやーホントに面白かった。司馬遼太郎さんの名著を読むたびに感動する。忍者ものが好きな私には、特にこの作品は刺さった。
ざっくり本音で分けると
【好き】才蔵(主人公)、佐助、後藤又兵衛、真田幸村
【嫌い】大野治長、秀頼、淀、淀のヘタレ側近供
言われてみればそうなんだけど、最後にしっくりきた才蔵の言葉がある。
「徳川が勝ち、豊臣が滅びるのも天命であろう。腐れきった豊臣家が、もし戦いに勝って天下の主となれば、どのように愚かしい政道が行われぬともかぎらぬ。亡びるものは、亡ぶべくしてほろびる。」
腑に落ちた。

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2025年07月29日

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あり得ない忍術が描かれていても、司馬さんが書くとそんな術があるんだろうな…とリアルに信じてしまいそうになる。これってつまり伊賀の目眩しで、一番の術使いは才蔵でも佐助でもなく司馬さんだったというお話です。楽しくて上下巻、一気読みしました。

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2023年07月20日

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上、下巻の長編でしたが、読みやすく、面白かったです。
物語そのものも良かったですが、豊臣、徳川の対立の背景やそれを取り巻く武将たちのことなど、昔、学校で習ったのかもしれないけれど、あらためて知ることができて、読み応えがありました。
色恋もあり、さらにあの剣豪と才蔵が立ち会う場面では、妙にどきどきしました。良かったです。

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2011年03月26日

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おもしろかったです!!忍者モノo(`▽′o)
霧隠才蔵とか猿飛佐助とかをちゃんと読んだのは実は初めてです。
才蔵の伊達男っぷりが小気味よく♪
伊賀者と甲賀者の違いとかが興味深かったです。
風魔との闘いや数々の美女との駆け引き(?)はワクワクドキドキvv
さりげなく描かれる真田幸村の智将っぷりも素敵です。
もう少し真田の最期まで描いてほしかったです…!
ラストは〈え!?そう終わる!?!?〉っていうあっけなさで、なんかいっぱい喰わされた感じ。。

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2017年03月20日

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純粋に面白かったし、読みやすかった。
才蔵が最後までとにかくモテてたし、かっこよくて強い。
佐助や幸村はあくまで脇役だから仕方ないけど、下巻は結構あっさりめな出番しかなかったのが私としては少し残念。

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2015年06月24日

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ちょっとメジャーすぎる忍者その他登場人物が多すぎて、いまいちリアリティに欠ける?と思っていたけど、しかしやっぱり読み直すと、おもしろいなぁ・・。
「高価な恋」に落着して、なんかとってもうれしい感じになります。

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2013年03月31日

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下巻は合戦の様子が伊賀忍者 才蔵を通して描かれ おもしろい。忍者の当時の合戦の中での役割がよくわかる。日本独特の歴史。なぜ、日本にだけ忍者が出没したのか、戦国の中で如何に諜報活動が重要であったかなどから伺える。 横山光輝の伊賀の影丸の影響も受けているようでした。

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2012年10月08日

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ネタバレ

(上巻に記載したものの続きです)
小説版は、ドラマ版と違って「あるじは持たない」と言っていた才蔵の主義を変えさせた(かに見えた)幸村とは、最後の挨拶を交わすシーンも無し…。(又兵衛とのそれっぽいシーンはありまするのに…)
小幡勘兵衛のエピソードを入れるくらいなら、その辺をちゃんと書いて欲しかった気が…。
まぁ、情緒に流れず、独特の『軽ろみ』とドライ感があるのも司馬作品の特徴なので、ウェットなシーンはあえて省いているのやも知れませぬな。(第一、『成長物語』というつもりでお書きではないのでござりましょうし)

たぶん原作では、佐助もどこかで生きていることでしょうし、孫八さんに至っては伊賀で悠々自適の余生を送っているのでは…と思えます。
悲しい別れが無くてホッとはするものの、ドラマを堪能した後でござりますると、一抹の物足りなさも…。

技術のみを売り、クールで淡々としていて、世の中と正面から関わろうとしない原作版・才蔵は最初から『大人』でござりましたし、物語終幕後もきっとそのスタンスは変わらないままなのでしょう。
ただ、「恋なんか…」と言っていた彼が、一人の女性を大事に生きて行こう…と思うようになった事のみ大いなる変化だった、と申せましょうか…。

途中幾つかの恋はあるものの、原作では『最初に恋うた女(隠岐殿)』を最後に手に入れる、というところで一本の筋を通している印象がござりまする。(その点ドラマは『揺らぎ』が感じられます)(『初恋実らず』…。リアルと申さば、リアルな『揺らぎ』)
ドラマ版の変更キャラクターを思い出さなければ、原作は原作で爽やかな終幕でござりましょう。

ドラマ版大好き者として、畏れ多くも原作にあれこれモノ申してしまいましたが、この原作に忠実な映画か、単発モノのドラマも観てみたい気がいたしまする♪

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2012年04月23日

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すごく面白い!そして、霧隠才蔵のなんて格好いい事か。戦国の世を最後まで生き抜く才蔵に、あまり見たことのない新たな戦国ヒーロー像を見ました。

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2012年02月12日

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ファンの多い有名な歴史小説作家だというのに、私が自主的に読んだ司馬遼太郎作品はこれが初めてかもしれません。

女に始まって女に惚れられまくり女に終わったせいか、結果的に「霧隠才蔵の嫁探し道中記」のような読後感が・・・もちろんちゃんと面白かったですけど。
ドライな才蔵もよかったんだけど、佐助の食えない人の好さとか熟年の真田幸村の泰然とした策士ぶりのほうに段々目移りしていきました。

追記:訂正。自主的に読んだのは『夏草の賦』が初めてだというのを思い出しました。

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2012年02月14日

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歴史の流れとか、意味いとかそんなものは置いておいて、ただ単純に面白かった。

忍術を駆使し、歴史の中で必死に戦う主人公。
戦えば強く、また女にモテ、完全にヒーローです。

奇想天外な忍術をなんとなく現実にありそうに描写するその世界観も素晴らしかった。

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2012年01月01日

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司馬遼太郎の忍者ものの後編。梟の城の次に書いたものらしい。風魔との対決はあっけなく、家康暗殺も盛り上がらなかった。冬の陣・夏の陣で知っている武将がいくつか出てきたのが盛り上がりか。ちょっと長すぎた感じがする。人間何をやりたいかがないと、流されてしまうということか。

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2011年10月15日

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この本は、霧隠才蔵が主人公である。なんといっても、才蔵がカッコよかった。しかし、才蔵だけではなく、真田幸村や、猿飛佐助なども、男として憧れるものがある。

小説内にあった、”豊臣家は滅びることで、天下に尽くす”という言葉は、”なるほど”と思った。

この次は、夜に棲む日々を読みたい。

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2010年06月19日

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自分の思うままに生きる主人公を描いた本作はエンターテイメント要素が大きく、歴史知らずなので読みやすく面白かった。
また、才蔵の男っぷりには魅了された。
主人公が魅力的だとそれだけでラクラク読めてしまう。

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2010年02月19日

Posted by ブクログ

互いに微妙な距離を保ち反目しつつも認め合い惹かれ合う才蔵と佐助の関係性が絶妙。ラストの伊賀と甲賀の共闘には涙が。

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2009年10月13日

Posted by ブクログ

※上下巻併せてのコメントです。
エンターテイメントとして大いに楽しめますし、
霧隠才蔵と猿飛佐助らの戦闘、忍術シーンは読んでてワクワクします。
ただ、才蔵が女性にモテすぎるのが、女の私からすれば却って鼻白んでしまいます(後半は“誰とくっつくか”的な感じになってるし)。
それに個人的には才蔵より、素直で飄々とした佐助の方が好きですね(笑)。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

冒険活劇又は歴史ファンタジー楽しく読ませてもらった、著者の初期の作品ということも興味を持った、そこし間をおいて「梟の城」読んでみようと思う。

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2020年11月15日

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ある意味司馬遼の出発点なのかもしれない、この作品は。
連載モノのようだけれども、次第にその独自性が濃厚に発揮されつつある感じ。
歴史小説の王道への決別とも作家の決意とも思え、重要な作品なのかもしれんですな、本作は。

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2017年01月21日

Posted by ブクログ

読み終わったのが(多分)2016年の初め。その後、大河ドラマ「真田丸」を見ながら、このレビューを書いている。ドラマとこの小説、真田幸村、後藤又兵衛、猿飛佐助、みんな描かれ方が全然違って面白い。幸村と又兵衛は老練なカリスマだったのに、ドラマでは純粋だったりやんちゃだったり。佐助なんて甲賀忍者だったはずが、真田家の信州以来の家臣だったりして。大野治長は似たような感じかな。

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2016年11月01日

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新聞連載だったためか、とってもあっさり終わった感。
どの人物も印象に残らないし、エピソードもおぼえてない。
出て来る女性たちに割いた重さも同じで、最後の最後のさじ加減でどうにでもなる感じ。

このなにも残らない感が忍者としての忍びの術か……!

ってなりました。

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2016年10月30日

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霧隠才蔵がモテすぎです。美女、しかも若い女に逆プロポーズされすぎ(笑)
忍者が主人公なので、歴史の中心にはいないわけで、 話の盛り上がりにはやや欠けます。でも戦闘シーンは色々な忍術が出てきて面白い。

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2016年02月12日

Posted by ブクログ

下巻では、いよいよ才蔵と佐助の忍術の出番が多くなります。
しかしながら、才蔵と佐助の「忍者」というキャラクターの特性に頼るだけではなく、人間模様や、才蔵の伊賀忍者としての硬派さ、佐助の棟梁としての胆力……そのような面でも面白さが溢れています。
久々に再読してみても、楽しく読める司馬作品でした。

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2015年04月30日

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長編とはいえ新聞連載の軽い娯楽小説だろう。大坂の陣を背景に置いてはいるが、歴史小説とするには肝となる史実をはしょり過ぎだ。霧隠才蔵たる者、風神というより風来に描かれて、それはそれで魅力はある。しかし、青子、隠岐殿、お国に小若と、源氏物語でもあるまいに、あきれるばかりのオナゴ関係が鬱陶しい。

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2014年03月09日

Posted by ブクログ

『梟の城』(直木賞受賞)に続く忍者ものですが・・・。やはり前作の方が良いですね。才蔵はともかく、彼を彩る女性陣が今ひとつ。もう少し数を減らして掘り下げた方が良かったと思います。

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2013年06月11日

Posted by ブクログ

これは忍者小説。普通に面白かった。なんとなくストーリーの構成が課長島耕作を彷彿させるものがある。一匹狼的なところと、ストーリー上、キーになる美女にモテモテなところがクリソツだな。

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2012年07月21日

Posted by ブクログ

霧隠才蔵の話。読み物としては面白いし、人物も描けている。
でも、スケールを比べると隆慶一郎と司馬遼太郎では格が違うと思う。隆さんの圧倒的な世界観、人物観に比べると本書はただの読み物の枠内に留まる。

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2010年02月17日

Posted by ブクログ

間を空けつつ読んだので、ちょっとおもしろさが削がれてしまったかもしれません。
才蔵は、大活躍というほどの活躍もなく、かといって何もしないでもなく、面白可笑しく立ち回って世を渡ってゆく感じです。
そもそも、才蔵という忍びは、大活躍するような心意気はなく、またそういう立場でもないのでしょう。
さりげなく役に立っている、という点で、確かにこの才蔵はリアリティがあるのかもしれません。

夏の陣における幸村の討死は、あっさりと語られ、苦しいと思うこともありませんでした。
でも、佐助はどこへ行ったのかな?

実は司馬遼太郎を読んだことがなかったのですが、柴錬くらいのがちがちの歴史文体だと思っていました。
それほどでもなく、読書をしない人でも読みやすい感じで、ちょっと拍子抜けというか、びっくりしました。

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2010年01月15日

Posted by ブクログ

 結局才蔵さんはもてもてやった……。なんだかんだで救いのある終わりだったのでよかったです。ただ、日本史に暗いので、ちょっと難しいこと言われるとすぐにわかんなくなっちゃったです。あと、土地勘もないので地名がわからんです。

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2009年11月01日

Posted by ブクログ

亡びるものは、亡ぶべくして亡びるのだそうです。そうかも。
才蔵がお国と別れるときに、そなたを想うたこともあった、って言って潔く去ってしまうところが印象に残ってます。
それにしても才蔵かっこよすぎでした。

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2009年10月07日

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