あらすじ
「明治」は、清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張=モラルをもっていた。明治国家という人類普遍の遺産を語る。巨匠畢生の日本文明論であり、鮮明な日本人論である。
・本書は、もっとも鮮明な日本人の歴史を書き続けてきた司馬遼太郎が、これまでの蓄積のすべてを傾けて、遠く蜃気楼の彼方に消えて行った“明治という国家”を、客観的に、机の上の物体を見るような気分で、語り尽くすものである。
・暁闇の海に一条の光を求めて、船出していった明治の時代人の人間観と時代の精神の核と髄とが、緻密な論理と温かい筆致で叙述される、これは“歴史という死者の国の旅人”となった巨匠畢生の日本論であり、日本人論である。
<注>電子版には巻頭カラーは収載されていません。
感情タグBEST3
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明治という国家は、世界史としても一つのメルクマールである。異様なので。という内容。
憲法が面白い。欠陥があって、昭和につながる。
人々も面白い。阿Qが基本で、武士と町人のみ誇りある人々だったとか。
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ぐいぐい引き込まれました。司馬遼太郎さんの本を読むのはこれが初めてです。明治に関わる本をたくさん書いておられるのは知っていましたが、この明治という時代、彼は「国家」と表していますが、その造詣の深さにただ驚くばかりです。
この本を読む前に、勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬の伝記を読みましたが、他の人物についても知りたくなりました。
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『「明治」という国家』(上)・(下)
司馬さんが明治という時代に抱いている明るい印象は、『坂の上の雲』でも示されている。確かに、大学に入ったばかりの少年が抱くようなみずみずしい、けれどもどこか気負ったような思いが、あの時代には満ちていたのかもしれない。
内容の中では、上巻の一番最初、小栗上野介の話が最も印象に残った。
あと、イギリス留学中の東郷平八郎の話も面白かった。
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これは、対談を本にまとめた形だったっけかな。
ものすごく面白いよ。
司馬さんって、もともと、幕末から明治にかけての著作が多いけど、本当に、ものすごい造詣の深さ。
そして、本当に、この時代の日本人を愛しているのだなぁ、って思います。
必読。
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明治国家。
それは、その時代を生きた熱意と、それを支えた人間による独断的な国家だったか。
明治国家のある種寛容な部分が、元老死後の昭和中期に欠陥として浮き出し、日本は一時滅ぶと考えるとなんとも言えない。
司馬遼太郎は好きな作家であるし、これ以上の歴史作家はいないが、考えには賛否を示す必要がある。
何度か読み返していこう。
Posted by ブクログ
明治国家の歴史は実はまだまだ学術的にアンタッチャブルな領域だが、英国の歴史学者が英国の文脈で日本の明治史を研究されている方が増えているので、そろそろ明治とは政治的、文化的な革命(しかも流血を伴わない名誉的な)だとする視点を受領してさらに明治国家の全体像を再定義して頂きたい。
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何度目かの再読。維新から明治新政府=近代国家成立と、安易に捉えがちだが、西郷の西南戦争ひとつを取っても内戦とは言え新政府は死力を尽くした上の薄氷勝利。廃刀令や版籍奉還・廃藩置県で武士階級を取っ払い、富国強兵の名の下、「中央集権国家」の樹立を目指し、近代国家の象徴とも言うべき「大日本帝国憲法発布」まで、維新から僅か22年。260年間の鎖国から目覚めて以降、にわかに外国語を学び会得した付け焼刃のコミュニケーションで他国の政治・経済・憲法・法律を学び、憲法という国家運営の支柱を創出した。僕はこの一連の行為に日本人として強い誇りを持つ。ゆえに改革を謳う政治家とついつい比較してしまう。時代変われど改革の対象者からの抵抗・軋轢は激しい。それに立ち向かうリーダーと推進派に一点の曇りの無い大義があれば、支持層も増えるんだろうけど。大義が安倍政権打倒では…。
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内容(「BOOK」データベースより)
「明治」は、清廉で透きとおった“公”感覚と道徳的緊張、モラルをもっていた。明治国家という人類普遍の遺産を語る、日本論であり、卓越した文明論である。海外取材の成果をもとに、“明治国家”を巨細に捉えなおす!