Posted by ブクログ
2017年06月13日
司馬遼太郎さんは、僕にとっては極めて「アンパイ」な作家さん。
ほぼ、個人的には外れがないので、安心して読めます。
その代り、何しろ10歳くらいから延々と読んでいるので、若干新鮮味には欠けます。
なので、疲れているときとか、落ち着かないとき。
「読書に体力を使いたくないけれど、ちょっとした隙間で現実...続きを読む逃避の快楽が欲しいなあ」という季節には、とても重宝します。
2017年は、4月5月となかなか落ち着かなかったので、意図的に司馬遼太郎さんで癒されていました。
「馬上少年過ぐ」。短編集。これは、初読でした。
以下、備忘メモ(と言ってももうかなり経つので忘れていますが)
「英雄児」
長岡藩家老、河井継之助の生涯を駆け足で。
これはやがて「峠」という長編小説になります。
「慶応長崎事件」
長崎で、刃傷事件があった。
坂本竜馬の海援隊のひとりが下手人の疑いが。
結局、しらを切って逃げ切るという話になります。歴史のこぼれ話。
「喧嘩草雲」
幕末維新。小さな小さな藩の家老でもあった、絵師のおはなし。
大藩に生まれていれば、英雄になったのかも知れない。
そういうちょっとした哀愁が後味か。
「馬上少年過ぐ」
伊達政宗の人生をスケッチ風に。
細部は忘れたけれど、この人も家族のどろどろが凄いなあ。武田信玄といい、そういう人ばかりですね。戦国。
これは矢張りなかなか面白かった記憶が。
「重庵の転々」
伊予、宇和島。土佐出身の医師がふとしたことから政治に巻き込まれていく悲劇、喜劇。面白かった。
「城の怪」
大阪城の落城前後の、ぐっちゃぐちゃの牢人たちの人間模様。
なんともやるせない、乾いた男女の物語。
実はこういうの、司馬さん上手いんですよね。
「貂の皮」
戦国時代の脇坂だか、そういう小大名の奇縁の話だったような...ほぼ失念。