司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花妖譚

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     司馬遼太郎が小説を発表した1950年(昭和25年)、作者名は福田定一だった。本書は司馬遼太郎への移行する前の記念すべき作品である。

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    2015年04月11日
  • 花神(中)

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    ネタバレ

    大河ドラマになっていたというのは全く知らなかった。

    "表舞台"に登場しない村田蔵六。

    上中下の三巻に渡る物語の内の中巻。
    多少冗長に感じるところもある。

    司馬氏は地の分に普通に自分の考えを入れたり、
    わからないことはわからないと書いたり、憶測を入れたりする。
    それがまた、筆者の文章の独特の魅力にもなっているのだろうと思う。

    武士ではない人間たちが動かした瓦解(明治維新)。
    この時期の長州人の議論は過激なほど支持され、
    過激であるほど内容が空疎であるというのは非常に納得。
    関ヶ原からの因縁を持ち続け、海外への視点が広く、
    徳川を敬う気持ちがないところが長州の特徴だと思

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    2015年04月07日
  • 花神(下)

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    ネタバレ

    大村益次郎という人について不勉強なので、あまり知らない。
    ただやはり、司馬先生は長州というか、薩長土肥贔屓だなと感じる。
    東軍贔屓の自分は読んでいて色々と複雑になるところが多々ある。

    筆者の視点が文中に入り込み、知らぬことは知らぬと言い切ったり
    こう思う、とか現代ではこう、といったような注釈が入ったりするので、
    これが史実・事実でフィクションではないと思ってしまう人が多いのではなかろうか。

    時代もあって、この21世紀には当然でも、
    当時は明らかになっていなかった『史実』があるのは致し方ないとしても
    事実として断言されている書き方は相変わらず少々気になるところ。

    下巻でも、長州弁ではない普

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    2015年04月07日
  • 花神(下)

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    村田蔵六の生涯の最後まで。龍馬が行くの様な池や討ち入りでは無く、逃げ回って最後に敗血症で亡くなるが、その短い間に明治の陸軍の骨格を全て行ってしまったというのは凄い人出会った。話の盛り上がりが少ないのが星三つだが、内容的にはまあまあ明治の時代が長州の側から見えてこれはまたこれで面白い。 今度は松蔭か・・

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    2015年03月16日
  • 十一番目の志士(下)

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    ネタバレ

    架空の人物天堂晋助を描く。
    いわゆる長州系の人斬りって某漫画のモチーフかもしれないなと思いつつ。でもこちらは高杉系で向こうは桂系とその違いのみ。
    司馬の小説は大体主人公の死でさらっと終わるのだが、本作は違った。人斬りが殺されるのではなく、その後どうしたの?という想像力が掻き立てられるのも某漫画のモチーフかもと思った。

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    2015年07月15日
  • 対談 中国を考える

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    少し古かったけど、さすがに博識の2人。一緒に中国に行った人の名前が何人か出てたけど錚々たるメンバーでした。

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    2015年03月08日
  • 功名が辻(四)

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    解説は成る程と思った。確かにあはれではなく、をかしという感じかもしれない。
    人間なんてそんなものと言われればそうなのだが、千代も一豊も思考や性格が安定していないように感じた。感情に関する描写があまりないので、何を考えてその言動なのか、よくわからない時があった。
    にしても、時代物っておもしろい。地名と照らしあわせて考えると、未だに昔からの流れが続いているのだと感じられる。

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    2015年03月06日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    北条早雲の伝記。上巻は京で「作りの鞍」を作っていた伊勢新九郎が骨皮道堅という足軽と組んで闘うところが印象に残った。世の中がメチャクチャになる前夜の様子や雰囲気がよく伝わってきた。

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    2015年02月21日
  • 幕末

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    暗殺者、田中顕助が主な短編集。
    翔ぶが如くの後に読んだので物足りなさがあった。
    田中顕助の人となりがわかったのは良かった。

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    2015年02月07日
  • 翔ぶが如く(六)

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    まだつまらない。けど、次回、西南戦争がはじまりそう…!?西南戦争前夜のきな臭い時期の日本の空気が伝わってくる。



     藩閥政治に辟易し始める頃合い。結局いつの世も、政権は嫌われる。それは今の世も。

     一番狙いのは、自分の生きる時代を、自分の理想のために、全力で生き抜く人間たちである。

     それにしても、昔も今も、前原はカッコ悪いなぁ。

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    p24 薩摩の農民
     薩摩藩は他の土地と違って、富農がいない。他藩では農業生産が飛躍的に伸び、富農が生まれ読書階級になったが、薩摩では戦国時代から変わらず藩によって厳しい搾取が行われてきた。それゆえ薩摩の農民は教育を受ける時間が無く、軽侮さ

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    2015年02月05日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    空海と最澄が決別するクライマックスは面白かった。全編を読んで、空海という人物が人気の理由、密教と他の仏教との違いがハッキリ感じられた。

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    2015年01月28日
  • 新装版 箱根の坂(中)

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    伊勢新九郎が伊豆を乗っ取る中巻。とても渋くて、あまりおすすめできないというオススメの本である。



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    p29 頼朝が頭領になれたわけ
     頼朝が関東八州の棟梁に推戴されたのは、彼の人望や実力というわけではない。
     力を付けた関東の農民や武士団は、西の朝廷にいつまでへりくだっていなければいけないのか、不満が膨れている。そこで、自分たちで蜂起するのにふさわしい頭目を求めた。その頭は、格式高い貴種の出であることが望まれた。源頼朝は、いうても天皇家から臣籍降下した雅な人間である。ちょうど良い存在である。
     鎌倉幕府の成立の頃から、頭領は担がれた神輿でしかないのである。それが、神輿を担ぎもし

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    2015年01月25日
  • 功名が辻(二)

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    山之内一豊という凡庸な亭主をして、城持ち武将へと押し上げるという、上げマン一代記であるが、主人公 千代の知性を含めた人間的な本質の高さと必要以上に驕ることのない一豊の純朴さが読み手に安心感を与える。羽柴秀吉という登り龍を見極め、その家中で安定して禄を得ることは容易ではない、ましてや徳川の時代にしたたかに生き延びていくのであるから奇跡というより他はないと思う。

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    2015年01月19日
  • ペルシャの幻術師

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    やはりチンギスハンを描くと井上靖的になってしまう。
    そちらの印象が強烈すぎる。
    兜卒天の巡礼はぶっ飛んでる。

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    2015年07月15日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    戦国大名の奔りである北条早雲のおはなし。応仁の乱がわかってないと、面白さ半減だ。武士の世とはなんだったのか、その終わりの時代の物語。


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    p88 礼儀作法
     小笠原貞宗が『大鑑清規』を参考にして殿中作法を再編した。この応仁の乱の時代に日本の礼儀作法の基礎を確立した。

    p178 通婚の文化
     この時代の男女関係は男が女のもとへ通う通婚が常であった。しかし、関東の武士の文化が広まることで一夫一妻制が関西にも広がった。

    p196 当時の恩
     室町時代に農業技術が飛躍的に向上した。それ故に食うに困ることがぐっと減ったのがこの時代である。
     「恩の主より、情けの主」ということわざがあるが

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    2015年01月14日
  • 功名が辻(三)

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    三巻は、秀吉に待望の男子が生まれ頃からはじまる。秀頼誕生は、いろいろな波紋と影を天下に投げかける。秀吉が跡目としてで関白に据えた秀次、秀次は、関白になり実権を実質的に握り天下に号令したいと考えているが、そもそも、その器ではない。その事がよく解っている秀吉は決して実権は渡さない。秀吉は、豊臣の天下のため秀次を関白にし、そしてその沙汰を悔やんでいる。その行き違いからは「怨み」しか生まれない。そして、秀頼の誕生により権勢を増した淀君と北の政所が角を付き合いそこに派閥がうまれていく、この要となる秀吉が老い、要として朽ちると共に豊臣の天下が傾いていく様を千代の目を通して時代の変換点が描写される。

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    2015年01月07日
  • 功名が辻(四)

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    四巻は、関ヶ原の前哨となる奥州、上杉討伐のころから描かれる。
    史書によると関ヶ原では山之内一豊は、さしたる槍働きがないとされるのにもかかわらず、土佐一国を与えられている。このくだりは、本巻のハイライトとも言えるものであろう。読者は、凡庸の中の非凡を山之内一豊の中に感じ、近親感を持って一巻から読み進めてきたと思う。千代の操縦にも上手く嵌り、誠に良く出来た山之内夫婦に理想を重ねていたかもしれない。しかし、司馬遼太郎は、そのような偶像視がいかにも人間の本質を捉えてないことを諭す。人間の器と地位との関係のバランスが崩れるといろいろ難しいということを最終巻では語っている。いろいろ考えさせられる一冊である

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    2015年01月07日
  • 殉死

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    作者はこれを小説でなく事実としているが、やはりこれは物語でしかないと感じます。作者の怨念によって書かれたんだなぁと。乃木さん好きには複雑な内容。ただ、そうと分かりながら読んだので不満はありません。どんな酷評も、乃木さんの弱さを含め好きな私にはある意味良い作品でした。

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    2015年01月07日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。官兵衛の足が悪くなる事件から中国攻略までの物語。大きなチカラの前で、窮屈ながらも自分の才覚をふるって家族を家臣を守ろうと頑張る官兵衛。だんだん盛り上がってきた。

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    2015年01月04日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    NHK大河ドラマになっているので読んでみた。全4巻。黒田官兵衛が若いころの物語。織田、毛利の大国の狭間で必死に生きる苦悩と葛藤を描いている。官兵衛の活躍は次巻以降かな。

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    2015年01月04日