街道をゆく 6

街道をゆく 6

小説・文芸
638円 (税込)

3pt

沖縄県では、本島よりもずっと南西に浮かぶ八重山諸島などを「先島(さきしま)」と呼ぶ。那覇にあって太平洋戦争の傷跡から「沖縄問題」を沈思し、離島を渡り歩き、アジア文化伝来の道を確かめる。

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街道をゆく の一覧

1~43巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~43件目 / 43件
  • 街道をゆく 1
    704円 (税込)
    旅はここからはじまった! 湖西のみち、大和・竹内街道、甲州街道、葛城みち、そして長州路……司馬史観が自在に展開するシリーズ第1弾。
  • 街道をゆく 2
    726円 (税込)
    1971年の連載開始から96年2月の急逝によって未完のまま閉じた司馬さんの旅は、日本国内にとどまらない。日本に最も近い外国・韓国。2000年の長きにわたる交流の歴史を持つ国を歩き、現代から過去へと遡る旅。
  • 街道をゆく 3
    726円 (税込)
    憧れだった東北南部の「陸奥のみち」、日本史に大きな役割を果たした、南九州の肥後と薩摩という、2県を合わせて命名した「肥薩のみち」。かつて日本版図の果てであった地域で生きた人々に思いを馳せる旅。
  • 街道をゆく 4
    726円 (税込)
    近畿・北陸の周辺にのびる古道をたどりつつ、古代から現代にいたる歴史を自在に往還する旅。鞍馬で800年前と変わらぬ形で山を守る清僧と出会い、花背峠で杣料理に舌鼓をうち、武生で自然破壊を憂う。
  • 街道をゆく 5
    726円 (税込)
    少年のころ、夢想の霧の中でくるまっているほど楽しいことはない。そのころの夢想の対象は、東洋史にあらわれてくる変な民族についてだった……憧れだった草原の国を訪ね、悠久の歴史と現在を誌す。
  • 街道をゆく 6
    638円 (税込)
    沖縄県では、本島よりもずっと南西に浮かぶ八重山諸島などを「先島(さきしま)」と呼ぶ。那覇にあって太平洋戦争の傷跡から「沖縄問題」を沈思し、離島を渡り歩き、アジア文化伝来の道を確かめる。
  • 街道をゆく 7
    770円 (税込)
    甲賀、伊賀、大和、淡路島、そして山陰の砂鉄のみちへ──。歴史の裏舞台で生き、そして支えた、かなしいまでに律義な、日本の職業人、とりわけ物つくり技術者の足跡と、そのありようを語る。
  • 街道をゆく 8
    748円 (税込)
    鉄砲は、未開の孤島ではなく鉄産業が高水準の種子島にやってきた。歴史の面白さである……。熊野・古座街道、豊後・日田街道、大和・丹生川街道、種子島など、山間の道、海の道を歩く旅。
  • 街道をゆく 9
    814円 (税込)
    桜井や海野の地名から、中世信濃の武士団の興亡を思った信州佐久平みち、耕作の土地に恵まれなかった人々の苦労の歴史にひかれ、新潟の低湿地を訪れた潟のみち、空海を思った高野山など、各街道を紡ぐ旅。
  • 街道をゆく 10
    660円 (税込)
    東北とは? 中学生のころ、箱根以東はひとつの世界だと思っていた著者が初めて訪れ、念願の最上川と対面する羽州街道。書誌をひもといて、地元の人々も知らない地を訪ねるなど、独自の「佐渡観」をあらわした佐渡のみちを収める。
  • 街道をゆく 11
    638円 (税込)
    地図の中で肥前の島々や浦々をたどっていると、にわかに貿易風の吹きわたるにおいを感じてしまう──唐津から平戸・佐世保をめぐり長崎へ。肥前の浦々を歩きつつ、大航海時代のオランダや英国、ポルトガルについて思いを馳せる旅。
  • 街道をゆく 12
    594円 (税込)
    十津川の農民の不思議さは、主観的には全村が武士だと大山塊の中で思いこんできたことである──奈良・吉野の山奥に広がる十津川郷の知られざる歴史を歩く。天辻峠で天誅組の命運を、上湯で新撰組に追われた田中光顕らを思う興趣尽きない紀行。
  • 街道をゆく 13
    682円 (税込)
    朝鮮半島と日本の間に位置し、古来より鉄の海上輸送の経路となり、神話や伝承の上で不思議な様相を帯びつつ、日韓両国の人と文化の歴史的な交流の舞台となった「壱岐・対馬」。壱岐人と対馬人。性格の違う、この二つの島を訪れて、両国の関係に思いを馳せる。
  • 街道をゆく 14
    616円 (税込)
    伊予は愛比売で、文字どおりいい女という意味である。ずいぶん粋な言葉を県名にしたものだと思うが、おそらく松山の教養人が『古事記』を披いて、その判断資料にしたのではないか……大洲から宇和島、そして土佐との国境を越えて山岳地帯を辿り、四万十川沿いの土地を歩く。
  • 街道をゆく 15
    726円 (税込)
    函館を出発点に札幌、旭川、陸別へ──古代から幕末維新までの長い道のりをたずね歩く旅。原野を切り開いた開拓使や劣悪な環境で労働を強いられた囚人、屯田兵の時代を振り返り、アイヌとの抗争から台頭した松前氏の京風文化を思う。
  • 街道をゆく 16
    682円 (税込)
    「すべてが鬱金色のなかに沈んでいる。……私は、中世の光と影のなかへ連れ込まれてしまっている」。最澄が開き、後に時の権力と真っ向から対峙する一大勢力となった比叡山。法然、親鸞らの反逆者を生んだ中世最大の学林の様々な相貌を描く。
  • 街道をゆく 17
    770円 (税込)
    天草は、旅人を詩人にするらしい。まして詩人が旅人であれば、……若き日の北原白秋たちの面影を追いつつ、吟遊詩人を生む天草の風土を愛で、初期の幕藩体制を揺るがした島原の乱の遺跡をたどりながら、島原・天草の歴史を考える。
  • 街道をゆく 18
    726円 (税込)
    平泉寺の菩提林の美しさには聖と俗の痛烈な戦いがあり、それは幾重にも重なった二律背反の力学の上に成り立っていた……九頭竜川、日野川、足羽川が作り上げた越前の国を散策し、律令時代以降の歴史を振り返り、永平寺で道元を考察する。
  • 街道をゆく 19
    924円 (税込)
    蘇州の美しさの第一は、民家である。──江南(長江下流の南側に広がる肥沃な地域)は、歴史を通じて日本との関係が深かった。大いなる古代文明を築き上げた長江流域である蘇州、杭州、紹興、寧波を巡りながら、日本史とのかかわりを探る。
  • 街道をゆく 20
    748円 (税込)
    かつて劉邦が治め、諸葛孔明が活躍した地・蜀(四川省)。諸葛孔明を祀った武侯祠を訪れ、『三国志』や英雄たちに思いをはせる。また、かつて雲南省で暮らしていた民族「西南夷」が日本人の祖先ではないかとの思いを巡らせ、昆明へ向かう。
  • 街道をゆく 21
    748円 (税込)
    横浜は、時間についての意識をもちすぎているだけに神戸よりも哲学めいている。維新前夜、居留地文化が開花した2つの港の風土を探る「神戸・横浜散歩」。安芸に毛利元就と安芸門徒、備後に古代タタラ集団の足跡を訪ねる「芸備の道」。
  • 街道をゆく 22
    990円 (税込)
    バスクは浮世の国ではない。常世の、本質的な国であるような感じがする──日本史のなかでもっとも印象的だった「南蛮人」の代表、宣教師フランシスコ・ザビエルの痕跡を求め、パリからザビエルの生地であるバスク地方へと訪ね歩く。
  • 街道をゆく 23
    682円 (税込)
    ポルトガルは、いうまでもなく海に依存する国である。海の国であることがはじまったのは、周知のようにエンリケ航海王子からであった──スペイン、ポルトガルを歩き、大航海時代を築きあげた華やかな歴史とその影を追う。
  • 街道をゆく 24
    924円 (税込)
    近代の歴史の舞台、湖東平野を歩き、民家のたたずまいや近江門徒という精神的な土壌や風土から語る「近江散歩」。1000年以上も続いてきた東大寺修ニ会(お水取り)を始め、奈良の寺々を訪ね、仏教文化と哲学世界を考察する「奈良散歩」。
  • 街道をゆく 25
    748円 (税込)
    船は、どの船でも人格を感じさせる。特にジャンクは中国人の思想を具象化したものといえる──福建省の古代名である「びん」。古くは稲作の民にして漂流民でもあった越人の地、そして大航海時代には東西文明の交流の舞台となった地域を歩く。
  • 街道をゆく 26
    770円 (税込)
    古来、京都に定住し、現存する土木技術に多大な影響を与えた渡来系氏族の秦氏について考える「嵯峨散歩」。『奥の細道』に沿うように歩を進め、仙台藩の風儀の奥深さや奥州の武将、北畠顕家や伊達政宗などに思いを馳せる「仙台・石巻」。
  • 街道をゆく 27
    792円 (税込)
    「因幡の白兎」の神話で知られる白兎海岸や万葉歌人・大伴家持のゆかりの地など、古代文化が息づく鳥取地方を歩く「因幡、伯耆のみち」。坂本龍馬ら幕末の志士たちが土佐(高知県)から伊予(愛媛県)へと脱藩した道筋を辿る「檮原街道」。
  • 街道をゆく 28
    814円 (税込)
    ひょっとすると、父母未生以前に、自分はこの耽羅国にいたのではないか──シャーマン、海女、モンゴル馬など、若いころから思い続けていた古代が息づく島、韓国・済州島を2度にわたって訪れ、韓国と日本の文化の原像を探る。
  • 街道をゆく 29
    836円 (税込)
    象潟から秋田、能代を経て鹿角へ。明治の特異な学者、狩野亨吉や近代東洋史学の祖、内藤湖南を生んだ地を訪ねる「秋田県散歩」。左甚五郎作の彫り物を見て、伝説の匠を思い、高山の町に大名・金森氏の美学を感じた「飛騨紀行」。
  • 街道をゆく 30
    770円 (税込)
    アイルランドにあるのは、無気力、空元気、天才的な幻想、雄弁。また、家々や谷々にいる妖精──。ロンドン、リヴァプールを経て、アイルランドの首都ダブリンへ。隣国イギリスとの長く苦い関係からヨーロッパ文明の光と影を探る。
  • 街道をゆく 31
    748円 (税込)
    アイルランド人は、客観的には百敗の民である。が、主観的には不敗だとおもっている──ダブリンからアイルランド西部のゴールウェイ、アラン島、そそいてケリー半島へ。荒蕪の地で形成された不屈のアイルランド魂とケトル的神秘への道。
  • 街道をゆく 32
    748円 (税込)
    淡路島と四国をつなぐ大鳴門橋で念願のうず潮を眺め、一本釣り漁法やテグスを広めた堂浦の漁師の功績を思う「阿波紀行」。異端のため山を追われた元高野山座主、覚鑁が建てた根来寺から和歌山市へと歩いた「紀ノ川流域」。
  • 街道をゆく 33
    858円 (税込)
    平安朝の貴族や文人、芭蕉らの奥州への憧れの歴史から始まり、幕末の悲劇、会津藩に思いを巡らす「白河・会津のみち」。霊南坂や溜池付近を歩きながら、乃木希典の幼少期や高橋是清の人生などについて触れる「赤坂散歩」。
  • 街道をゆく 34
    792円 (税込)
    後醍醐天皇、一休、利休、狩野永徳、小堀遠州など、多くの貴族、大名、文化人と縁の深い地を散策する「大徳寺散歩」。全国に4万社余りあるという八幡神社の故郷に古代を思い、福沢諭吉の人間性を育んだ道を歩く「中津・宇佐のみち」。
  • 街道をゆく 35
    1,078円 (税込)
    まことに世界は神がつくり給うたが、オランダだけはオランダ人がつくったということが、よくわかる──いち早く自律主義や合理主義、近代的な市民精神を持ったオランダ。レンブラントやゴッホ、スピノザらを生んだ風土や日本に果たした役割を思う。
  • 街道をゆく 36
    1,056円 (税込)
    鳶の頭や木場の筏師、落語などから江戸の時代を生きた人々を訪ねる「本所深川散歩」。ニコライ堂、神田明神、神田神保町の古書店街などをたどるとともに、森鴎外、夏目漱石ら、この町に住み、関わった人々の足跡を訪ね歩く「神田界隈」。
  • 街道をゆく 37
    836円 (税込)
    近代化を急ぐ明治期の日本において、欧米文明を受け入れ地方へ配る「配電盤」の役を担い、さらに日本最初の大学が置かれた街、本郷。往時をしのぶ町並みに、夏目漱石、森鴎外、樋口一葉ら、この街を愛した文豪が書き残した面影をたどる。
  • 街道をゆく 38
    1,078円 (税込)
    私どもの血の中に、北海の怪獣狩人の血がまじっていることを知っただけで豊かな思いを持った──流氷寄せる北海道の海辺に、謎の海洋漁労民族「オホーツク人」を訪ねる旅。北辺に消えた民族を追いつつ、日本人とは何かを地球規模で考える。
  • 街道をゆく 39
    616円 (税込)
    建設中に命をおとした父のあとを息子が受け継ぎ、大事業を成し遂げたブルックリン橋を渡りつつ、勃興期のアメリカ文明を思う。また、ドナルド・キーン教授のコロンビア大学退官に立ち会いながら、豊かに広がった日本学の水脈を遡行する。
  • 街道をゆく 40
    1,078円 (税込)
    国家とはなにか──「古くは国主なき国」だった台湾は、その後、スペイン、オランダ、日本、そして大陸から来た“外省人”に支配され続けた。「奇跡」を経て、“本島人”の国になりつつある変革期の台湾を歩く。李登輝氏との対談を併録。
  • 街道をゆく 41
    968円 (税込)
    縄文の昔は「まほろば」として栄えた本州最北端の地・青森を歩き、風土に即した生活とは何かを問う。太宰治が悲しき国と嘆いた津軽・南部・下北など、「けかち(飢饉)」に悩まされてきた地に、豊饒の歴史の鉱脈を探る。
  • 街道をゆく 42
    836円 (税込)
    武家政権が生まれた地、鎌倉。軍港として、造船の町として昭和海軍を支えた横須賀。三浦半島から発した巨大は栄光の根底にあったものは何か。鎌倉の武士たちと昭和海軍から日本人のありかたの源泉をさぐり、行く末の姿に想いを馳せる。
  • 街道をゆく 43
    594円 (税込)
    名古屋については、信長から書きはじめたい──戦国の世に多くの武将を輩出した美濃、尾張、三河。桶狭間への道で信長と今川義元を思い、徳川発祥の地、松平郷で家康の生涯を考えたが……。著者急逝のため未完となったシリーズ最終巻。

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街道をゆく 6 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    これまで何冊も司馬遼太郎の本を読んできたので、彼の言葉で沖縄を語る時には、映画の人が家に来たような心地がした。

    ただ、本の半分以上は先島に割かれており、本島出身の自分としては、もう少し本島のことを話してくれるとなお嬉しかった。

    1974年と、今から約半世紀前の情景を見ての言葉だが、この半世紀変わったところもあるものの、その前の半世紀と比べると変化は小さかったとつくづく思った。

    また、私は先島へは一度八重山諸島への旅行に行っただけであるが、せっかくなら全ての友人の先島諸島を訪れたいと思った。

    【以下、印象に残った箇所・言葉】

    p19
    氏によれば、「もし首里の街が戦前のままそっくり残っていたら、沖縄は京都、奈良、日光と肩をならべる」観光地になっていたろうと言われる。

    p27
    明治後、「日本」になってろくなことがなかったという論旨を進めてゆくと、じつは大阪人も東京人も、佐渡人も、長崎人も広島人もおなじになってしまう。

    p28
    それまでの日本は二百数十個の藩-ある面では公国という感じでもある-にわかれていて、それぞれの独立性はさほど弱いものではなかった。江戸期の幕藩体制にしても、将軍家である徳川家は大名の大いなるもので、大名の君主というより諸大名連合の盟主といった見方で見るほうが、とくに徳川家と外様大名の関係の場合、実情に近いかと思える。

    p31
    「琉球処分」という言葉が、多くの琉球史では一見、琉球のみに加えられた処置のように書かれていて、同時代に、同原理でおこなわれた本土における廃藩置県の実情についてはふつう触れられていない。つまり、本土との共同体験としては書かれていない。

    p123
    われわれが人間の歴史を考えるとき、歴史教科書的な把握法からまぬがれることは、どう用心しても困難である。つまり、歴史は均等に発達するものだという迷信を理性のなかに組みこんで物事を論じてしまうことである。
    教科書的にいえば、人類が鉄器時代に入るのは気が遠くなるほどの古代で、紀元前1二〇〇年このかただという。しかしそれはごくかぎられた地域の現象にすぎない。歴史は感覚性の高い導体のようにたちまち物事や技術が伝播するという場合もあるが、逆にそうではなく、歴史は新技術に対して不導体のように受けつけることのない「地域」というものを抱きこんで存在しているものだという見方もなりたつ。

    p124
    その唯一といっていい理由は、沖縄諸島では砂鉄を産しなかったからである。
    沖縄では石でつくったべらのようなものを農具として用いるいわゆる耕文化がながくつづいた。農耕といっても生産性がきわめてひくく、自然、所有欲が小さな限界でとどまり、とくに土地所有欲は室町以前までは沖縄ではほとんど現実性をもたなかったはずである。土地所有欲が稀薄であることは、その欲望をエネルギーとする大型の闘争が必要なく、げんに沖縄史をみると、鉄器の導入以前には大征服事業というものはなかった。落島のなかでもっとも歴史の進行の速度が早かった沖縄本島においてさえ、十四世税初頭ごろまでは神話と伝説の時代といっていい。

    p130
    雑木林といえば言い足りず密林といえば言いすぎる掛々の槍のひくい叢のなかをうろつき、やがてそこから出ると、にわかに海がひろがっていた。

    p144
    沖縄は琉球王朝時代、中国に朝貢してその文化を大いに吸収しつつも、民家だけは本土の民家と概括的にはおなじ思想で仕上っているように思える。

    p156
    沖縄の神道は本土の原始神道だとおもえばいい。かつて首里王朝はこの原始神道を軽備して祝女を任命制にし、政庁で統制されたこの宗教を通じて本来治めがたいかに思われた離島の統御に成功した。
    日本の原始神道の斎主が女であったように、沖縄においてもそうで、神の前では女がより神に近く、男はより遠い。

    p181
    固隣する台湾島では、まだ他の世界の影響による変化はおこっていない。大陸の漢民族が一種の流民のかたちで台湾に入ってくるのは明末(日本の徳川初期)で、それまではいわゆる高砂族(マライポンネシア語族)の居住地であった。
    ついでながら、高砂族は剽得で小気味のいい性格をもっているが、小部族で小社会を構成し、タロイモを作ったり、採集をして食っていることに自足していたため、広域な統一社会を構成する必要性をかれらは持たなかった。
    要するに、大王朝を作らなかった。それだけの理由でかれら高砂族のこの島はのちに清国領や日本領や中華民国領にされ、かれら自身は変なことに「原住民」にされてしまった。世界史というのは、大社会を構成することにお得意な民族が主軸になって旋回するようにできているようである。

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    以下抜粋
    ・「もし首里の街が戦前のままそっくり残っていたら、沖縄は京都、奈良、日光と肩をならべる」観光地になっていたろうと言われる。

    ・竹富島は、民俗学の宝庫とされている。というよりも沖縄の心の宝庫だという意識が住民の側に濃厚にあり、外部資本に土地を売らないだけでなく、住民がいまの暮らしの文化をそのまま維持できるよう、経済的にも配慮されたのが、この徹底した民宿主義なのである。

    ・床の間はいうまでもなく室町文化の所産である。
    室町というのは乱世だが、しかし生活文化からいえばこんにちの日本の文化からいえばこんにちの日本の伝統芸能や生活文化の源流のほとんどが室町期に発している。
    食事が日に二度から三度になったのも室町末期からだし、茶道、いけ花、能狂言や謡、歌舞伎、行儀作法から結婚式のしきたりにいたるまでがそうで、われわれがごく日常のものとして馴れっこになっている生活文化の光源は室町に発し、いわば室町文化を灯台としていまもそのひかりを浴びつづけているのである。

    ・日本の原始神道の斎主が女であったように、沖縄においてもそうで、神の前では女がより神に近く、男はより遠い。

    ・真の信仰とは事実を信じることではなく虚構を信ずることによって真実に入りうるのだという意味のことを親鸞はその語録の「歎異抄」でいっているのである。

    0
    2023年09月17日

    Posted by ブクログ


    石垣島、竹富島、与那国島と黒潮文化を南下することにより、原日本人(原倭人)のルーツを探ろうとした紀行文

    朝日文芸文庫 司馬遼太郎 沖縄 先島への道




    「 街道をゆく 」の面白さは、著者の豊富な知識と現地で見聞きした情報が組み合わさって、著者の歴史ロマン的な妄想が出てくる点にある



    「本土では千年も前に滅んだかもしれない古代が、このあたりでは民俗の中に息づいていて、神々が暮らしの文化の中で舞い立ったり、舞い降りたりしているような感じがある」


    「沖縄の神々は、海から来る〜神聖者が渡来するには、出発する島が要る。南波照間島は、そういう理由で幻の出してきたものであるかもしれない」

    「日本の島々に住む者には、黒潮とモンスーンが生活を決定しているのではないかと改めて思ったりした」

    「モンスーン地帯に生まれたわれわれは〜草木な簡単に繁茂するため、樹木が都市にとって重要であることがわかりにくくなっている」









    0
    2023年02月28日

    Posted by ブクログ

    「街道をゆく」シリーズの第6巻。沖縄の神は海から来る。宗教的な空のことをアマと言い、同時に海をもアマと言うように、海は神聖者が渡来してくる道なのである。「南波照間島はそういう理由で幻出してきた・・・」自在に展開する「司馬史観」。

    0
    2022年05月10日

    Posted by ブクログ

    沖縄・先島が特殊だというなら、薩摩や津軽など、明治時代の廃藩置県前の日本列島の他のエリアと比較すれば、特別に特殊というわけではないと主張しているのは、さすが司馬遼太郎という感じ。

    確かに、例えば言葉を事例にすれば、沖縄語も津軽弁も薩摩弁も同じ系統の言葉であるとしながらも、標準語とは全く別の言葉であって、お互い会話は成り立たないだろう。

    私の想像では日本列島の住人は、明治政府による大日本帝国という近代国家ができる前は、自分は日本人だと思っている人は少なかっただろう。薩摩人であり、長州人だと思っていただろう。それも我々が無意識に今感じている近代国家のそれとは大分違っていたのではないかと思う。そもそも大多数を占める農民の人たちにとっては、支配者が誰だというような状況だったかもしれない。

    沖縄が特殊だとすれば、沖縄は日本列島の中でも距離的に他のエリアとは大きく離れたエリアであり、それが要因で、鉄の導入の遅れなどが原因で文明化が他の日本列島の地域(例えば今の近畿地方)よりも数百年遅れ、国家が形成されてからは、主に明代の中国と朝貢国の立場をとっていた点かもしれない。

    0
    2012年12月23日

    Posted by ブクログ

    沖縄を歴史的に見たとき、どうしても避けては通れない、日本という国から搾取されている歴史…現地で実際に考える著者の歴史感が見事に書かれていると思う。

    0
    2026年07月18日

    Posted by ブクログ

    再読。
    前回の読書メモにはこう書いてあった。
    『大好きな沖縄。もっと旅レポみたいな感じを期待していたけど、話が飛躍して沖縄史のことがほとんどだった。もっと沖縄の描写とか感想とかが読みたかったなー。
    2021/08/07』

    約4年ぶりに読んだんだけど、あれこれほんとに読んだっけ?ってくらいほとんど覚えていなかった…。
    でも前回にくらべて興味深く感じるところは多かったと思う(たぶん)。
    ここ数ヶ月で知った柳田国男の引用がでてきたりしたのも面白かった。
    やっぱり民俗学的なことになぜか興味をひかれるなぁ。
    そういうこともあって私は沖縄が好きなんだろうな。

    結構小難しい事書いてあって、教科書読んでるみたいなのは好きじゃないけど、勉強にはなる。
    前よりも面白く感じれたし、私もなんだかんだと大人になれているのか?!

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    沖縄旅行の帰り、機内用で買った。
    沖縄の文化や人、またそれらの影響について、司馬遼太郎の視点で書かれています。
    こういうエッセイって最近もあるのかもしれないけれど、すっかり見られなくなったなぁと感じます。司馬遼太郎の知識の懐の深さを感じることができました。

    0
    2016年02月28日

    Posted by ブクログ

    今回の紀行とは関係ありませんが、司馬さんがお話の中でチョイチョイ東大阪について語る所が好きです。
    よく、大阪の東郊の雑な町で、と表現されています。好きなのだか嫌いなのだか分からないけれども、お亡くなりになる迄住んでいらっしゃったのだから、きっと嫌いではないのでしょう。
    私も大阪市の東に住んでいますので初対面の人への自己紹介では、大阪市の東郊です、と言うことにします。

    0
    2012年12月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    司馬さんの本は小説しか読んだことがなかったんですが、紀行本がこれほど面白いとは思いませんでした。内容自体もですが、ちょいちょいこちらの鳩尾を的確に衝いてくる表現が出てくる。須田さんの糞便のくだりは爆笑してしまいました(4Pも割く話なのかと…笑)。
    ところでこれは40年以上前に書かれた本ですが、本土の不動産屋の進出について言及されていて、現状の沖縄にいたる開発がこのとき既に始まっていたことがわかります。「沖縄」って何だろう。

    ―彼女は急に眠ったような埴輪みたいな表情に化って、「それはね」と勿体をつけ、「ハテルマ、ハテルマと言うてゆくのよう」と、いった。何度繰りかえし質ねても、その呪文のようなことをいうのみで、質問者としてはらちが明かなかったが、しかし一面、古代の中にいるようで、神韻縹渺とした世に漂うような気分になった。ハテルマ、ハテルマととなえているうちに言霊の力でハテルマへゆけるというのであろうか。(200P)

    0
    2021年12月28日

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