司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 殉死

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    司馬史観の本領発揮

    怜悧で英邁かつ鋭敏なる司馬先生による歴史館は目から鱗の世界のようである。この乃木に対する犀利で客観的な分析は思わず嘉悦してしまうほどだ。

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    2020年05月29日
  • 胡蝶の夢(一)

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    幕府の医療界にイラッ。
    ガッチガチの身分制度にイラッ。
    今でいう自閉かアスペかなんかの伊之助にイラッ。
    というわけであまり楽しくはありません。ストレスのみ多め。

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    2020年05月25日
  • 酔って候

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    幕末の賢候たちの話。
    それぞれ主人公は、土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟。
    維新志士でも新選組でもない、ちょっと変わった視点の幕末を。

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    2020年05月12日
  • 殉死

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    乃木の理想主義。形式主義。そして無能。その無能さにもなかなか自分で気付いていない。悲劇。
    その空っぽさは、空っぽさゆえに人が讃える。美しいものを正義としてしまうのだ、われわれ、民衆は。そこに中身がない分、どこまでも清らかな人に見えてしまうのだ。この日本人の感性は、どうにかならないものだろうか? 理性的ではないよなあ。
    西郷は理想主義であるが、形式には拘らず、現実を伴ったものであった。だが、清廉なもの、人格に人は寄ってくるという点では同じ。どちらも悲劇だし、いまだにその幻想を抱く日本人も現在進行形の悲劇だ。

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    2020年04月29日
  • 城塞(下)

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    戦国絵巻のクライマックス。登場人物が多く、長いのでそれなりに読み進めるのが大変ではあります。あくまで司馬史観ではありますが、大坂の陣で豊臣家を滅亡させたことが徳川三百年の太平の世を作ったことがよくわかります。大阪の地名がたくさん出てくるので、大阪に縁のある方は楽しく読めるかもしれません。

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    2020年04月26日
  • 酔って候

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    土佐藩独特の階級制度、それは関ケ原の戦いでの(微妙な)武勲による土佐領地のやり取りまで遡るわけだから、歴史の長い遺恨になるのも当然で、そりゃちょっとやそっとでは解決しないよなぁ、と。武市半平太や坂本龍馬のような郷士出身の志士を最後まで全く相手にしなかったという容堂候の、お殿様としてはちょっと変わった男気に溢れ義士的で徳川幕府に対する忠信を持ち続け、当時の諸国大名の中では珍しい才覚をもった豪快なひとりの男の人生、という意味で非常に面白かった。
    とにかく土佐の男はいごっそうで酒豪なんだわなぁ。

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    2020年04月20日
  • 竜馬がゆく(六)

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    やはり本筋が霞んできましたなぁ、でもこれこそがこの作家を読むという意味でしょう。色々今までいちゃもん(?)つけてきましたが、こういうもんだと腹に落とせばokです。
    でも、他の作品でも既に説教(?)されている内容ゆえ、正直新鮮さは無いです。読んでいる順番の問題なんでしょう。

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    2020年04月19日
  • 竜馬がゆく(五)

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    とうとうよく知る司馬遼節全開と相成りました。
    つまり主人公を中心にストーリーが回ることはないということで。やっぱり小説ではないんですよね、このお方の本は。
    独自路線ではあります、それがこの作家の最大の魅力でしょう。
    竜馬って実在の人物なの?っていう感じがする、繰り返しですが主人公がだんだん傍流になっていくんですから。

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    2020年04月16日
  • 翔ぶが如く(六)

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    ネタバレ

    p.257
    「おれの説が変わったのではない。進んだのだ」

    意見がコロコロ変わると言われたら、この言葉を使ってみようと思います。

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    2020年04月16日
  • 世に棲む日日(二)

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    吉田松陰とその弟子である高杉晋作を描いた長編小説で、文庫版は全4巻。その第2巻である本書の中盤で有名な「安政の大獄」が起こり、吉田松陰が処刑されてしまう。そして、もう一人の主人公である高杉晋作がいよいよ登場する。本書で繰り返し述べられている思想家・革命家・政治家という分析は興味深いものがあった。

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    2020年04月15日
  • 翔ぶが如く(四)

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    ネタバレ

    p.219
    「文明が極まれば神なきに至る。開化がきわまれば、戦争なきに至る。必ずそういう日が来るであろう。」

    そういう日への道のりは、まだまだ遠そうですね…。

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    2020年04月06日
  • 翔ぶが如く(三)

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    ネタバレ

    p.315
    「上に向つて申述する器量なく、下に向つて上を非とし、下に人望を求むる者」というのもにせものだ、という。

    いつの世の中も、人の有り様、捉え方は同じみたいですね。

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    2020年04月04日
  • 翔ぶが如く(二)

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    ネタバレ

    p.369
    この連中の過去を動かしてきた志ーあるいは精神の肉腫ーのようなものが邪魔をするのかもしれない。

    様々な思惑が蠢いているようです。いつの時代もその辺は変わらないんでしょうね。次巻も楽しみです。

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    2020年04月01日
  • 城塞(中)

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    冬の陣終了まで。
    徳川家康の卓越した心理術と忍耐力が随所に感じられる。司馬遼太郎は余談が多いのが少々難点。

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    2020年02月20日
  • 果心居士の幻術

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    2020.2.11完了
    司馬氏の話がはずすわけがない
    最後の話はおぞましかった
    子を成さなければ坊主の手も借りるというのが、文字通りで気味悪い
    実際もそうだったのかと思わせる内容

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    2020年02月11日
  • 功名が辻(四)

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    信長、秀吉、家康に仕え、土佐藩主に上り詰めた山内一豊とその妻 千代の物語。(小説では)ボンクラな一豊を千代が励まし、煽て、苦言しながらもワンチームで生きていく姿が、なんとも微笑ましい。
    一豊のボンクラっぷりが、自分を見ているようで、なんだか親近感だわ。

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    2020年02月07日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    感心することはたくさんあったけど、なんとも、盛り上がることなく読み終えてしまった。この本を読み通すのは、けっこう苦行でした。(2019年12月30日)

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    2020年02月03日
  • この国のかたち(四)

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    この刊は、紙面のほとんどを太平洋戦争に費やし、統帥権について司馬遼太郎さんの意見を述べておられる。
    もちろん、あのような戦争は2度とあってはならないし、主張しておられる内容も多分に理解は出来るのだが、当時の軍部が全て悪いというのは、当事者は真剣にこの国の未来のことを考え抜いていたであろうから、余計悲しい。

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    2020年01月31日
  • 国盗り物語(四)

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    最期の淡白さ、道三がネタ振りかと思いきやほとんど無関係など、ストーリーテラーでないこの作家の特徴がよく出てます。
    色々破綻していると思われる本作ですが、本能寺が単なる思いつきという結論は、色んな意味で適当かと思います。小物は小物という認識が必要なんだろうけど、そう認識できること自体、それなりの能力が必要で、まぁどの時代も生きるのは大変だということかなぁ。
    さぁ、明日から麒麟がくる始まる、楽しみやのぅ。

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    2020年01月18日
  • 義経(上)

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    少し意外だったのは、義経像をビジュアル面では決して美丈夫としては書いていない、言わば今風の表現でいう雰囲気イケメンの類として描写し、かつ特異であっても才覚の人物として書いていない点だろうか。
    歪、あるいは異物と呼ばれるものは必ずしも自ずからそう産まれるものでなく、空気の滞留した環境とそれに根ざす人々とが升形になって形造られるのが本作に於ける牛若であり遮那王であり九郎義経と言える。
    あと鞍馬寺ちんちんフェスタ

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    2020年01月16日