司馬遼太郎のレビュー一覧
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乃木希典の一生を冷ややかな筆致で描く。日露戦争のくだりは『坂の上の雲』を読めばいいとして、後半部、明治帝の崩御に殉じ妻と自死する場面だけでもこの本は読む価値がある。
『坂の上の雲』では触れられていなかったが、乃木希典の陽明学への傾倒についての言及と考察が興味深い。陽明学派にあっては、【おのれが是と感じ信じたことこそ絶対真理であり、それをそのようにおのれが知った以上、精神に火を点じなければならず、行動をおこさねばならず、行動をおこすことによって思想は完結するのである。行動が思想の属性か思想が行動の属性かはべつとして行動をともなわぬ思想というものを極度に卑しめるものであった。】
物事に客観的態度を -
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黒田官兵衛の生涯を描いた歴史小説第三巻。
以下引用~
・高山右近が、この時代にあって倫理的行動という、めずらしい行動律をもった男であることは、右の消息がよく物語っている。
・・・官兵衛の倫理的姿勢は、右近における刃のようなするどさはもたないにせよ、根は同じかもしれない。天主(でうす)のみをおそれ、自己を信仰と信念で成立させ、みずから信ずるところに従って死をも怖れないというのは、この時代の奉教人に共通している気分であった。
・竹中半兵衛の才能は、栄達への野心を捨てたところに息づいていた。錯綜した敵味方の物理的状勢や心理状況を考え続けて、ついに一点の結論を見出すには、水のような澄明な心事をつねに -
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第二巻。
播州緒将領が織田側か毛利側か後ろ盾に迷う中、秀吉の傘下で織田方として奔走する若き官兵衛の姿を描く。
以下引用~
・信長のつよい癖として、家来に期待するのに無私であることを希んだ。
無用に私財を蓄えたがる男を憎み、極端に憎む場合はそういう人物を追放さえしたらしい。秀吉は信長のそういう癖をよく心得ていて、自分の身近を簡素にし、私欲は皆無ということをみせ、無欲をつねに大きく表現した。
・武将たちが少々やりかたが間違っていても信長はそれを責めず、その将が時間の無駄なく働き、くるくると隙間なく旋回していることをよろこぶ。このことは織田家を特徴づけているもっともつよい個性といっていい。 -
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高校生の頃、「坂の上の雲」を読んだ。秋山兄弟や啄木のことより、バルチック艦隊のことより、乃木将軍の無能ぶりが印象強かった。
最近では、それほど無能ではなかったとする研究もあるようだが、どうなんだろう。
読書している感じは普通の司馬遼太郎作品とさほど変わらないが、司馬さんは小説以前の覚え書として書いたとしている。主人公に感情移入したくないということだろうか。
旅順攻略については参謀、伊地知幸介も酷いのだが、やはり屍が累々と重なったのは乃木将軍の所為だろう。砲撃の当たりそうな処にフラフラ出ていこうとする自殺行為も度々。こんな困り者を死なせまいと何故か山県有朋や児玉源太郎は助けの手を差し出す。
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ネタバレ「雑賀の舟鉄砲」☆☆
石山本願寺から三木城の別所家の援軍のため
雑賀市兵衛
宗教の力は恐ろしい
飢えは人をも狂わせる
「女は遊べ物語」☆☆☆
織田家の家来・伊藤七蔵政国には浪費家の嫁がいた
彼女が作る借金を返すため
嫁のために功名をたててきた
読み終わったあとに題名の意味がわかり笑いました
「めかけ守り」☆☆☆☆
関が原戦前、家康は大事な女性たちを置いて大阪を離れた
そのときに女性たちの命を守るよう命じられた佐野綱正
いろいろ難癖ある女性たち
女は怖いな・・・男こわいなと思った作品でした
「雨おんな」☆☆☆☆☆
関が原前夜。出雲の歩き巫女・おなんは二人の男性に抱かれた
一人は西軍・もう一