司馬遼太郎のレビュー一覧
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備中高松城攻めから隠居まで。
山崎合戦や関ヶ原合戦の描かれ方は淡白だが、それは官兵衛自身事前準備や段取りの役割を終えたという感情を反映しているのかもしれない。
信長死後の秀吉の変節は、単に下劣な本性が出たものと思う。日本では古来、大陸や朝鮮半島の文化を進歩したもの、鮮やかなものとみなしていたが、朝鮮出兵以降それらを見下すようになってしまったのだ。大阪で太閤などと持て囃すのが理解できない。
石田三成も然り。先日、歴史討論番組で「三成が関ヶ原で勝っていれば、日本人は島国根性を持たずに済んだ筈 云々」を発言していた歴史家がいたが三成の度量では誰も着いてこないだろうと思う。 -
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ネタバレ司馬遼太郎になる前、福田定一時代の花にまつわる幻想短編集。花の香りは妖しく、歴史の心象風景に欠かせないものだったのだな。
花を知っている人間になりたい。間違いなく、花を知っている人間は本をたくさん読んでいる。そう感じる。
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「水仙」 … ナルキッソス。美しい。どこもまでも美しい。美しいという言葉はいかにも妖しい。
「チューリップ」 … 別所長治の自害した遺骸の側に生けられていたという奇譚。チューリップは明治になってから日本に入ったはずだろ?
(別所長治:織田家臣だったが、信長が上月城を見捨て秀吉を取り立てたことで離反した。荒木村重のように三木城に籠城して対抗したが、秀吉に敗北。別所家一族の自害で開城)
「牡丹」 … 『聊斎志異』を著した清の蒲松齢の死に様。美人局で死ねるなら本望だろ。
「雛芥子」 … 虞美人草という所以。美女の死には華がある。芥子ってアヘンだよな。やはり妖しい…。
「沈丁花」 … この作品の一節がスゲーいいんだ。
-まぁ恐ろしい言い分。まだ、わからないのね。ね、お聞きなさい。あなたがどんなに間違った人生をしているか。科挙の試験なんて悲しい執念。どうせ通りっこないわ。そんなものに、人生で一番楽しい十年を、惜しげもなく磨り潰しちゃうなんて、どういう了見かしら。人生に未来なんてない。あるといえば死だけじゃないの。たしかに実在しているのは、死と、そして瞬間の生だけよ。わかる?
瞬間瞬間の集積だけが人生なの。
その瞬間瞬間を楽しめば、やがて人生をちゃんと楽しんだということになるんじゃない?たとえ通ったところで、どれほどのこともないわ。さ、楽しむのよ。-
そして子青は沈丁花の花咲く沼に飛び込んで、科挙の試験から解放された。
「睡蓮」 … 役小角(えんのおづぬ)は修験者の祖。司馬先生の別の本でも出てきた。不二の山は小角にとって大した山ではない。しかし、麓の沼で出会った睡蓮は、彼を惹きつけ、無我の境地へいざなった。彼は睡蓮に出会って、悟りを開いた。
「菊」 … 菊は美しすぎない。匂いも良いというわけではない。甘さというよりも青臭い生々しさがある。そこにエロスがある。そんな臭いのする女が菊の典侍だった。室町の貴族武士たちの複雑な政争に花を添えている。
「椿」 … 椿は山茶ともいう。病は気からという作品。君はこの花だ。チョッ キン!はい、きみ死んだ。
「サフラン」 … 笑。まったく花が出てこない。花言葉は「歓喜」「度を慎め」だと。強すぎるアブル=アリの切ない話に思った。自分を殺すのも自分しかいないなんて、どこまでも孤独。強さとは、孤独なのだろうか。
『ペルシャの幻術師』の布石か?読まなきゃ。
「桜草」 … ユーラシア大陸全域に迫ったモンゴル帝国。欧州遠征に出たバトゥが二代皇帝オゴタイ=ハンの崩御を知ったのは、死後たった十日後だった。
連絡役のエルトム=バートルは元で最高の伝騎である称号「鷲の羽」を持つ男だった。彼は休むことなく駅ごとに馬を乗り継ぎ疾走した。そんな乗馬に人体が耐えられるわけがない。しかし、彼は走りきった。内臓をつぶし血反吐を吐きながらも。
彼を影で支えたのは、恋人サラの祈りだった。森の精霊に教えてもらった、エルトルの命を具現した「桜草」を抱きながら、祈った。桜草が生気を失いそうになったとき、サラは自分の太ももに刃を入れ、桜草を突き刺した。サラの血を吸い桜草は息を吹き返した。
バトゥのもとにたどり着き、エルトルは訃報を告げ血を吐き死んだ。サラは森の中で真っ赤に染まった土の上で、草のように青くなり死んだ。
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まぁ、全体的に美人局が多い。花の妖しい香りは女のフェロモンに喩えるのがイチバン!!
こういう短編集を読むと自分も執筆したくなるよね。花と歴史はいいなー。 -
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信長が殺された。秀吉は「主の仇」光秀を山城山崎で討ち、その二年後には、豊臣政権を確立した。
官兵衛は自分の天下構想を秀吉という素材によって、たとえ一部でも描きえたことに満足だっただろう。
この戦国の異才が秀吉に隠居を許され、髪をおろし入道し「如水」と号したのは、四十八歳のときであった。
(当書裏表紙あらすじより)
お盆休みが予想以上に悪天候に恵まれた(?)おかげで、読書に勤しむ時間が普段以上に取れました(笑)
かつ、本著の前半から中盤過ぎまでが、中国大返しから山崎の合戦を予想以上に細かく書いてあったので、ついつい先が気になって読むスピードが一気に速まってしまい、結果として10日ちょっとで読み終えることが出来ました♪
全四巻の中で、この巻が一番勢いがあるような書き方でした。
2014年大河の「軍師・官兵衛」では、本能寺の変の事を毛利の交渉役・安国寺恵瓊に明かして助力を得、官兵衛・恵瓊の2軍師で天下を回天させる、という脚色していました。
それを見て「斬新だな」と思っていたんですが、本著の中に「毛利方、あるいは、安国寺恵瓊は知っていた」「知っていて秀吉に恩を売った」「後年、安国寺恵瓊は吉川家から嫌われていた」といった説があることが書かれていました。
大河ドラマの独創じゃなかったんですねぇ。
・・・まだまだ知らないことって一杯あるなぁ、と妙なところに感心しました(笑)
次は「勝海舟/子母澤寛」の予定でしたが、ちょっと口直しをします(^^ゞ
次は「パラドックス13/東野圭吾」です。全く予備知識無しで読みます。楽しみです(^^♪ -
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官兵衛を信長に取り次いでくれた荒木村重が信長に謀反を起こし毛利についた。翻意させるべく伊丹を訪れた官兵衛は囚われてしまう。
信長は官兵衛も裏切ったと錯覚し、子の松寿丸を殺せと命じた。竹中半兵衛の策で救われるが、官兵衛が牢を出た時は、半兵衛、既に病死。
牢を出てからの官兵衛は身も心も変わる。
(当書裏表紙あらすじより)
相変わらず読むスピードが遅いので、大河ドラマに後れを取ってしまいました(笑)
と言うか、この本のスピードが遅いような感じがしています。
全四巻の内、三巻まで進んだ状態で未だに高松城水攻めまで辿りついていないんですから(^^ゞ
予備知識なしで読み始めたんですけど、この本は一体どういう終わり方をするのか気になり始めました(笑)
播州騒乱から御着城の織田方離反。
それを鎮める為に官兵衛が動き始めたところから三巻は始まり、巻末は高松城城主・清水宗治との折衝でした。
本能寺の変すら起きていません(^_^;)
終わり方が気になりつつ最終巻へ♪ -
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明治から太平洋戦争勃発期にかけて、オーストラリア北部の離島木曜島では高級ボタンの材料とされる白蝶貝を採るべく日本人ダイバーが活躍していた…
インタビューを元に当時の記憶を活き活きと切り取った取材録。日本版「老人と海」とも言える。
安全かつ高給な「親方(今でいう現場監督?)」ではなく、サメや潜水病の恐怖が付きまとう「ダイバー」を選ぶ日本人の性。
今でも木曜島に居住する元ダイバーの藤井氏の発言が興味深い。
「海底では、もう金銭も何も念頭にない。何トン水揚するかということだけやったな。紀州者も伊勢者も(日本人は)みな鬼になってしまう。」
「今の日本人は知らんけれども、あのころの日本人はそういう性やったのかもしれんな。いや、性は治るものではないから、今の日本人もそういう性かもしれんな。」
まこと端的に日本人の性を捉えていると思う。西欧人のように合理的でなく、だからといって感情のままに動く訳でもない。ただ、内なる自分と戦うことに美しさを感じる。功罪併せ持つ性であるとは思うが、忘れてはいけない日本人の美徳ではないだろうか。
考えさせられる。 -
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官兵衛は信長に新時代が出現しつつあるというまぶしさを感じていた。
「だからこそ織田家をえらんだ」のだ。
信長に拝謁した官兵衛は、「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ秀吉に会う。秀吉は官兵衛の才を認め、官兵衛も「この男のために何かをせねばなるまい」と感じた。
ふたりの濃密な関係が始まった。
(当書裏表紙あらすじより)
二巻も読むスピードは遅かったです(^_^;)
なかなか波に乗れない歯がゆさを感じながら読んでいました。
それでも後半、播州騒乱から村重謀反まではスピードが速まりましたね。
二巻は、信長に拝謁するところから始まり、秀吉の播州入り、そして播州での騒乱が勃発し上月城の尼子残党の滅亡。さらに村重が謀反に走るところまでが描かれていました。
いよいよ次巻では有岡城での幽閉とその後が展開されていきます。
2014年大河ドラマに追いついてきました♪