司馬遼太郎のレビュー一覧
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三巻は、朝鮮出兵から上杉征伐あたりが舞台です。
千代を中心とした話の運びが軽快で、読み進めるのが楽しいです。
山内一豊と千代とは大きく関わりのない部分ですが、
面白かった点を以下に記載しておきます。
瓜畑あそびの記述がありました。蒲生氏郷の登場にかんして、
「大奥の婦人にもっとも人気のある会津宰相蒲生氏郷である。
(中略)しかも爽快な性格のもちぬしであり、
この時代におけるいわば完成男子のようなおとこであった。」と、
司馬遼太郎さん突然の大絶賛。蒲生氏郷がかっこいいです。
「爽快」であるという賛辞は、
司馬遼太郎さん最大の賛辞なのではないかと思います。
蒲生氏郷の次は織田有楽斎の登場。
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空海というニンゲンのスケールが、余すところなく
書かれていて、読み終えて しばし呆然とした・・。
24歳(18歳)までの 『三教指帰』をかくまで
31歳の 空白の期間から 遣唐使になるまで
33歳の 唐での生活
唐から日本に戻って 空海のしようとしてきたこと
空海と最澄・・・空海の入定
この5つの部分が 太い タッチで描かれる。
この空海は タダモノではない・・・。
15歳で讃岐の国を出て 24歳で『三教指帰』をかいた
それが、戯曲風で、その代表的な意見がはっきりする中で、
『儒教』『道教』『仏教』の3つの宗教をつかまえていたこと。
空海は 儒教の限界を見抜いていた。
それが、大きな思 -
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空海というニンゲンへの知識は
満濃池と弘法大師という二つだけである。
私の知識は 小学校で学んだだけでとまっている。
『空海』という名前は 空と海 をあわせもった男としての
スケールの大きさを感じさせるものがある。
空海の道を開いた・・理趣経。
宗教という枠ではなく 人間の中に宗教を見出す。
自然から生まれた宗教があれば・・・
人間から生まれた宗教があってもいい。
空海は 欲望をみとめて 大きな道を切り開いた。
司馬遼太郎は 『空海』を書くにあったって
空海の風景という題名にしているのが卓越している。
空海というニンゲンをその時代の風景をかきながら、
浮かび上がらせるようにしている・・。