司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 幕末

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    新選組のマイブーム経由で読んでみた。
    自分はまだ幕末の知識が浅いので、背景はうっすらしか分からず本作を十分に楽しめなかった。
    また歴史の知識を身につけた後、再読してみようと思ふ。

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    2014年05月18日
  • この国のかたち(六)

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    ネタバレ

    司馬遼太郎は、1996年2月に亡くなっているが、本巻はその年の巻であり、実際は5つの章のみで、あとは随筆集が掲載されている。最後のテーマは海軍である。海軍は商船を守る形で誕生したということが語られている。
    結局司馬は、本シリーズを通して何を言いたかったのだろうと考える。
    司馬は日本をこよなく愛していると感じた。室町時代に現代に至る文化の萌芽が芽生え、育っていったが、昭和初期の統帥権解釈の拡大によって、その日本は暴走を始め、滅んだ。司馬が愛している日本は、この昭和の初期までだと感じた。その愛で様々なポイントに光を照射して浮かび上がった像を鋭く描写しているのが、このエッセイの形だと思う。
    自分の言

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    2014年05月06日
  • この国のかたち(五)

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    ネタバレ

    前巻からの流れで、複数章にまたがって一つのテーマを掘り下げる形が多くなっている。神道、鉄、宋学、看羊録。
    神道も宋学も仏にひとまとめにしてしまえ、という動きがあったことが面白かった。日本人も面倒くさがり、というか、几帳面というか、捨てられないというか、柔軟すぎというか、乱暴というか...

    神道で面白かったのは伊勢神宮のことである。伊勢神宮は内宮と外宮に分かれていて、天照大神が伊勢の五十鈴川のほとりに御魂代がやわたの鏡として祭られたのが、内宮の起源らしい。外宮は五世紀後半になってやっと造営されたらしい。外宮を造営するために食物の神が探され、丹波の比治山の頂上の麻奈井という池のほとりにまつられて

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    2014年05月06日
  • この国のかたち(四)

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    ネタバレ

    今回特に力が入っているのは統帥権の流れ。昭和の太平洋戦争を経て国を滅ぼしたのは、この統帥権の拡大解釈のなせる業だ、というのが著者の思いである。この拡大解釈の流れが何と4章にまたがって記載してある。
    幕末の藩軍を勝手に動かした西郷隆盛で統帥権のあいまいさががきざし、明治初年の薩摩系近衛兵の政治化で出発し、首相浜口雄幸が昭和五年+-月+四日にロンドン海軍軍縮条約調印に際し、「統帥権干犯」と糾弾されたのちに右翼に狙撃され、命を落とした。そこから昭和史は滅亡へと向かったというのが著者の言い分である。
    統帥権があるのは天皇だが、統帥機能の長(例えば参謀総長)は天皇に対して輔弼の責任をもち、何をやろうと自

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    2014年05月06日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    高野山に行く前に空海について知りたいと思って読んだ。
    小説というか…
    空海が考えた、見た、であろう風景を司馬さんが想像して書いてる。日記みたいな感じ。
    難しいけど下巻もがんばるぞー

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    2014年05月04日
  • 新選組血風録 〈改版〉

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    「菊一文字」「虎徹」などが面白かった!司馬遼太郎は、こんな斬れ味のいい文章を書くんですね。もっと新選組モノを読んでみたい。それぞれ個性がしっかりしているのと、長所と短所を併せ持っているように見えるのが、人間らしくて素晴らしいと思った。沖田総司は、ずっと勝手に成宮君で再生していました。のぼうの城の彼のイメージに近かったので。

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    2014年04月17日
  • 菜の花の沖(五)

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    ほぼ一冊全て、当時のロシア事情に費やされている。

    対応する日本の状況、嘉兵衛の状況・年齢は記載されているものの、4巻までの「高田屋嘉兵衛物語」とはまったく異なっている。

    この巻を単独で読んでも、ほぼ問題はないであろう。

    おそらくはこの先に起こる出来事をロシアの立場、鎖国可の日本の立場から理解させようという配慮からこの量を費やしたのであろうが、長かった。

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    2014年04月16日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    黒田勘兵衛の物語。司馬遼太郎らしい、綿密な取材と文書に裏打ちされた、リアリティ感のハンパない歴史小説。事実を見ているような感覚になる。勘兵衛のキャラはあっさり目。透明度の高いキャラとして描かれている。

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    2014年04月13日
  • 菜の花の沖(四)

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    船持船頭の高田屋嘉兵衛から、蝦夷地開拓者としての高田屋嘉兵衛と変わっていく部分の話しである。

    そして、嘉兵衛の話しではなく、横道もかなり多い。横道の多さは司馬文学の特徴であろうが、この巻は特に多かった。北方領土及び千島列島(クリル諸島)におけるロシアとの領有の歴史、日本とロシアが先住民に対してどのような政策を行ったのかについて書かれている。日本の政策が今の政府がそうであるように、トップが変わるごとに二転三転していた様子も記されている。

    北方四島といわれているが、国後島までは嘉兵衛以前でも、船も航法も技術も無く行き来が自由にできたようであるが、択捉島は遠い島であった、ということのようだ。その

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    2014年04月06日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    司馬遼太郎が気になる歴史人物や事柄を拾って行くエッセイ的な本かな?歴史を深く知らない私にはよく理解出来なかった部分があったが面白かった。日本のちゃちな戦車の話や天皇が神だとは誰も信じていなかった話など。

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    2014年04月03日
  • 夏草の賦(下)

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    四国の大名長曾我部元親の一代記。淡々と進んだ上巻と比較すると、元親本人の葛藤などが手厚く描写されているように思うが、時既に天下の情勢が定まった後なので、元親の保身と先進的な人々との感覚のズレが話題となり、なにかとあきらめ気味の彼の行動は、読んでいて悲しくなるほどである。

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    2014年04月02日
  • 夏草の賦(上)

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    四国の大名長曾我部元親の一代記。なのだが、極めて淡々と話が進んでいく。なんとも没入観に乏しいのは、人物描写にあまり魅力が感じられないためかもしれない。長曾我部氏の興亡記として考えるならば、そこそこよいか。

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    2014年03月31日
  • 新装版 真説宮本武蔵

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    表題の作品の他にも5品収録され、江戸時代の様々な時期に生きた武士が取り上げられている。2番目の作品、京の剣客は武蔵が戦った吉岡家の話。武蔵側では、兄弟2人と、門弟とを斬り倒して、吉岡家を潰したとあるが、それとは全く別の武蔵との対決が描かれている。
    武士というのはその道を極めることと、それで身を立てることが使命だったのだと思った。

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    2014年03月20日
  • 菜の花の沖(三)

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    ネタバレ

    3巻に入り、一気に話が進む。

    高田屋がはじまり、「高田屋嘉兵衛」の物語になる。

    北前船のしきたり、松前藩の状況、アイヌたちの扱われ方、など、引き込まれていく。

    厚岸に商売とは別件で向かうなど、今後に繋がるであろう話も出てきた。残り半分。ここからどう進むのか。

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    2014年03月18日
  • 風神の門(下)

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    長編とはいえ新聞連載の軽い娯楽小説だろう。大坂の陣を背景に置いてはいるが、歴史小説とするには肝となる史実をはしょり過ぎだ。霧隠才蔵たる者、風神というより風来に描かれて、それはそれで魅力はある。しかし、青子、隠岐殿、お国に小若と、源氏物語でもあるまいに、あきれるばかりのオナゴ関係が鬱陶しい。

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    2014年03月09日
  • 翔ぶが如く(十)

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    ようやく翔ぶが如くを読破。いやぁ、長かった。そして途中辛かった。元々2008年大河ドラマ「篤姫」を今年の8月に全話DVDで観終えた後、「その繋がりで薩摩藩のことをもっと知りたい」という動機で読み始めたのだが…。確かに薩摩藩士による薩摩藩士のための小説なのだが、篤姫や私のお気に入りの家老:小松帯刀は全く登場しないし、やたら政治学的な記述が多く楽しめないというまさに予想外のコンテンツ。そのため、巻によっては1ヶ月近くも要したものがあった。まぁ、その時は「新書太閤記(吉川英治著)」シリーズやら東野圭吾作品、池井戸潤作品やらに浮気していたのであるものの。
    とにかく読み終わった。今まで数多く読んできた

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    2014年02月22日
  • 翔ぶが如く(九)

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    読むスピードがぐんぐん上がってきた。前半など、1ヶ月近くかかった巻もあったのに。
    いよいよラスト2巻、クライマックスに近づいてくる。有名な田原坂の戦いも事細かに描かれている。
    私にとって嬉しいのは、佐川官兵衛や山川浩(大蔵)など今年の大河ドラマ「八重の桜」にて主要人物だった元会津藩士がしっかりと取り上げられていることである。もちろん、政府側。薩摩と会津は幕末期に血みどろの因縁があり、その怨恨を政府側は上手に利用するのである。佐川や山川にとっては憎き薩摩であり、戊辰戦争での恨みを晴らさんと意気込む。
    残念ながら佐川はこの西南戦争で戦死するのだが、大河ドラマでも中村獅童が凄絶な演技を見せてく

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    2014年02月22日
  • 菜の花の沖(二)

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    物語は長く、紀州から江戸への筏による材木運びを無事に終え、那珂湊でついに船持船頭になる嘉兵衛。

    しかし、2巻を終えてもまだ、「高田屋嘉兵衛」にはならない。

    秋田・土崎で新造船の約束をし、故郷淡路に帰り2巻を終える。この巻の終わりで弟の結婚話が出てくるのであるが、いわゆる駆け落ちをした嘉兵衛との対比なのだろうか?この時代の普通の流れとして詳細に描かれている。

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    2014年02月19日
  • この国のかたち(二)

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    司馬遼太郎は何回も同じことを言うが、切り口を変えてきているところが良い。本書で気になった点は...
     -江戸時代、天領は税金が安かったらしい。
     -明治以前の日本が全部天領だったら、日本も植民地になってただろうとのこと。そうならなかったのは、大名の統治能力が充実していて、かつ、充分な武力があったから、とのこと。

    日本が植民地になっていたら、どうなっていたのだろう。隣の国のようにだれかを恨んで生きていたのだろうか?

    バブル期に書かれたものなだからなのか、アクセクしているところが無いように思える。古き良き時代だったんだなぁ、と思う。

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    2014年02月16日
  • 菜の花の沖(一)

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    高田屋嘉兵衛の物語。全6巻の1巻では幼少期から始まり、兵庫に出て初めて樽廻船に乗り結婚するまでで終わっている。

    人物の評伝として読めば内容は薄い。が、司馬文学特有の?横道が多いというか、この1巻はそちらが重要である。時代背景、社会風土、廻船問屋、北前船などこの時代の説明が細かくなされる。

    今の感覚で言えばものすごく小さな地域間でよそ者や旅という感覚がなされていたというこの時代のことをつかんでおくことがこの先を読む上で必要になっていくのであろう

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    2014年02月11日