「葦原の瑞穂の国は神ながら言挙げせぬ国」(万葉集)――神ながらということばは“紙の本性のままに”という意味である。言挙げとは、いうまでもなく論ずること。神々は論じない。――神道や朱子学はわが国の精神史にいかなる影響を与えたか。日本人の本質を長年にわたって考察してきた著者の深く独自な史観に基づく歴史評論集。
Posted by ブクログ 2020年04月18日
▼2020年4月現在、新型コロナ禍に蹂躙されている世界および日本ですが、1年後、5年後、10年後、どう位置づけられるものでしょうか。
▼個人的に読んだ本の備忘録的なものを残すように習慣づけてからもう7~8年経ちます。昔の備忘録を読み返すとそれはそれでオモシロイ。将来、何年か先、この文章を読み返して...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月30日
今回は、「神道」「鉄」「宋学(儒教)」について、連続して突っ込んだ内容が綴られる。なるほどとうなずけるとこと、そういうことなのかと気づかされる。中国・朝鮮が儒教の中の朱子学により形骸化された思想に陥り近代化に遅れ、朱子学には中途半端だった日本が近代化に成功するという対比は、このシリーズの中での通奏低...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月30日
この巻では、「神道」、「鉄」について多くが書かれている。
古のこの国の人々は、自分たちが生きていく、また生活していく上で「自分たちを生かしてくれるもの」、即ち、大地や空、山や川、海などの自然こそが最も尊い存在である事実を感じ、奉って来たのだろう。
神道は、その思想を興した者を崇めるわけでなく、また...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年12月30日
色々な…自然だったりタイミングだったり…それはもう一言では言い表せない事柄がつなぎ合わさって、歴史がある。
教科書の歴史ってのは、ものすっごく薄切り状態なんだけれど、興味を持つきっかけになればいいと思う。あとは自分次第でどんどん本を読んでいったり、大学を目指してみたり。
この年齢まで読んでいなかっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月18日
神道、鉄、宋学など、日本人の精神の土台形成に大きな影響を与えた事柄に対する司馬の解説。指摘の通り、神道には教義もなく、元々は社殿もない。山や岩、古木などが自然と畏敬の対象となり、清められてきた。だから、何々をしなければならないなどという教義はないという。これはすんなり理解できる。お天道様はいつも見て...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月08日
神道や宋学についてまとめて書いてある。なので思想というものについて考えさせられた。
宋学は宋の時代漢民族が自分は文明人(華)で、北方の異民族(蛮)に圧倒されて屈折した気分を何とか晴らしたいと考えだされた考えだったようだ。ものの考え方としては悪くはないだろう。どうせ考えるのなら気分が良くなるように考え...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月14日
神道の話。教義も偶像もない。宗教というよりかは、文化なのか。だからこそ、神道は、こと挙げぬこそ相応しいのだろう。
朱子学という型を大事にする空論は、やがて、太平洋戦争にも。
朝鮮の日本への見方。夷としてみているのだろう。
昭和は、やはり突然変異だったのだろう。なぜ、合理主義を失ったのか?
日露戦争で...続きを読む
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