司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 城塞(中)

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    一気に読み進める。
    大阪冬の陣終了。

    この城塞は司馬戦国4部作の最後らしい。
    そうとはしらず、ばらばらに読み進めてはいるが、
    国盗り物語、新史太閤記、関が原、そして城塞。
    この中で新史太閤記がまだ未読である。

    それにしてもタイトルの城塞。
    今タイプして気づいたが、城砦ではなく城塞なのだな、というのがこの中巻を読んで思う。
    中国語でいうと塞車で渋滞。
    そのあたりの言葉使いの巧さがある。
    賽の意味もっと違うのがあるのかもしれないが。

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    2015年07月14日
  • 新装版 北斗の人(下)

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    北辰一刀流を開いた千葉周作の半生。父親、幸右衛門の愛情がすごいです。竹刀、胴、面、籠手。今日の剣道様式を定着発展させたのでした。組太刀稽古の対。

    それ剣は瞬速
    心気力の一致

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    2012年04月29日
  • 歴史の夜咄(よばなし)

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    「日本人はどこから来たか」「日本人はいかに形成されたか」をお二方の豊富な知識でおもしろく語っています。日本の歴史についてもっと知りたくなった。

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    2012年04月11日
  • 歴史と風土

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    もう何冊読んだかわからない、司馬遼太郎。
    (数えたら、もうそろそろ100冊でした)

    何がそんなにいいのかというと、まったくもってわかりやすいの一言に
    つきると思う。
    歴史を歴史として話すのではなく、現在を通して歴史を伝える。
    そして歴史も当時の現在の一瞬一瞬の積み重ねが歴史なのだということを
    気づかせてくれる。
    あと5年くらいしたら、全部読んでしまうだろうな。
    そしたらまた竜馬がゆくでも読もうかな。

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    2015年07月14日
  • 果心居士の幻術

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    司馬遼太郎の短編集全六編からなる。

    表題の「果心居士の幻術」は、戦国時代の有名な居士が起こす幻術に翻弄される戦国大名たちの姿を描く。
    松永久秀、筒井順慶、豊臣秀吉など、果心居士を通したそれぞれの個性が描かれており、非常に面白かった。

    また、戦国時代の有名な忍者を描いた「飛び加藤」も素晴らしい。
    忍者の技試しをコミカルに描きつつ、戦乱の世を生きる人々が求め続けた「力」への憧憬と畏怖という表裏一体をコンパクトにまとめている力作。

    個人的に非常に興味深かったのが、「壬生狂言の夜」。
    新撰組の跋扈する京で起こった殺人事件を、名もなき目明かしが土方歳三と供に真相を糾明する話。
    殺人事件を通して、新

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    2012年03月27日
  • この国のかたち(三)

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     司馬遼太郎 「この国のかたち」全六巻を読み終えた。いつもながらの司馬さんの足で稼いだ生の史実、鋭い洞察、先を見る眼、それらを表わすひょうひょうたる文体に感じ入る。この人の小説は基本的に読まないが(この人のだけではないが)、こうした随筆、「街道をゆく」などの紀行文、各界の人たちとの対談集など、読んでいて唸らせられる本はなかなかあるものではない。今回の「この国のかたち」シリーズも実に内容が深い。体系的に語るというのではなく、まさに随筆調、日本各地を訪ね歩いて得た情報、それらの点と点をつなぎ合わせて、線にそして面にしてみせる。日本がかたちづくられた様々な要素を、多角的に展開してみせる、この腕前はい

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    2012年03月13日
  • 新装版 歳月(下)

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    ネタバレ

    維新に出遅れた感満載の江藤新平が下野して佐賀の乱を起こす。今までいろいろな戦闘ものを読んできたが、この佐賀の乱ほど「へちょい」ものはないのではないか、と感じた。まんまと政敵大久保利通にやられているという感じ。これじゃ佐賀もんは浮かばれんなぁ・・・大隈重信ががんばるのかな?この本での大久保の悪役ぶりったらありゃしない。

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    2012年03月13日
  • 新装版 風の武士(上)

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    伊賀忍者一族の末裔が富に溢れる「安羅井国」を探す奇怪時代物語。司馬さん初期の作品で、殺人から始まって最期は謎解きと、まるでミステリ小説。今となれば新鮮で良いが、初司馬さんがこれだったら続かなかったかも。

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    2012年02月29日
  • 菜の花の沖(五)

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    結構時間がかかってしまった。
    途中筆を殴りこむかのように、永遠とロシアの説明がはいる。
    もうそれがめまいのするように情報量が多い。
    少し、坂の上の雲を思い出した。
    まったく終わる気配はないが、ついに最終巻へ。

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    2015年07月14日
  • 新装版 軍師二人

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    架空の人物を主役にしても面白いというのはさすが司馬さんだと思います。本来だったら主軸にするような事柄をその人物を語る一部分として引き出しているのも興味深いです。

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    2012年02月17日
  • 故郷忘じがたく候

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    司馬さんの短編3作。
    ちょっと飛び飛びに読んだので、
    入り込みはしなかったけど、時に淡々と時に臨場感をもった
    文を堪能した。
    ガラシャ=たま、昔のおんなは大変だね

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    2012年02月14日
  • 豊臣家の人々

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    天下統一後の北政所や秀吉の親戚、養子たちなどを扱った短編集。

    秀吉が天下人からただのおじいちゃんになってしまう過程が、色々なひとたちの視点から書かれていて非常に切なくなります。

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    2012年02月08日
  • 翔ぶが如く(二)

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    「国が凌辱されるにおいては、たとえ国も人も斃れるといえども、正道を踏み、義を尽すのが政府の本務である。ところが、政府の高官たちは平素、金穀や理財のことを議するときだけは英雄豪傑のようだが、いったん血の出る類のことに臨むと頭を一処に集め、ただ目前の平安だけを謀るのみである。戦の一字を恐れ、政府の本務を貶めるようでは、政府は商法支配所であって政府ではない」
    「政府は正道を踏み、国も人も斃れるだけの精神がなければ、外国との交際はうまくゆかない。外国から軽侮され、好親がかえってやぶれる」

    木戸は西郷の人望好きがいまいましい。
    「一国の政治をおこなう場合、八方美人式に大向うの声望を得ようとするのはむし

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    2012年02月05日
  • 馬上少年過ぐ

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    英雄児
    慶長長崎事件
    喧嘩草雲
    馬上少年過ぐ
    重庵の転々
    城の怪
    貂の皮

    の七編

    戦国時代にあたるのは、「馬上少年過ぐ」、「貂の皮」の二編でした。

    「馬上少年過ぐ」は、伊達政宗の短編。
    伊達政宗の登場する小説は初めて読みましたが、
    詩作に堪能で大らかさも持ち、
    また、博打を好むようで裏では緻密な計算を行う、
    名役者のような人物像を受け取りました。

    「貂の皮」は、賤ヶ岳の七本槍の一人、脇坂安治を描いたものです。
    派手な活躍のない人物を取り上げているのですが、
    「貂の皮」を軸にして面白く描かれています。

    「貂の皮」のほか、
    歴史上で大きく描かれないような人物に光を当てていて、
    とても興味

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    2012年02月05日
  • 新装版 箱根の坂(下)

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    ネタバレ

    箱根の坂とは北条早雲の話。北条といっても鎌倉時代からの北条家ではなく、元々は伊勢新九郎という名で、足利将軍家に仕える伊勢家の末流で京都の出身。末流ということで貴族意識が薄く、いち早く貴族が没落し、地侍、農民、足軽が力を付けてくる新しい兆候に気づき、かつ、礼節の家元伊勢流の伊勢家の出だけに、運命のいたずらを鋭い洞察力と古くからの礼節を持って際どい政局を乗りきっていく。この礼節と言うのはビジネスの世界というかサラリーマン社会にもしっかり根付いている。少しでも欠けようものなら足元をすくわれる、ある意味陰湿なものでもある気がする。こういうことをドライにやれる人は相当な人格者か策士のどちらか両方だな。。

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    2012年01月28日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    個人的には微妙だった。決してつまらなくは無いが、面白くないのは、おそらく主人公に(あく)が少ないからかなと思

    う。

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    2012年01月28日
  • 故郷忘じがたく候

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    秀吉の朝鮮出兵のさいに薩摩の武将島津義弘によって日本に拉致された朝鮮人達がいる。かれらは陶器を作り生活している人々。茶器がある種のステータスとなっていたこの時代の日本にとって朝鮮の陶器は価値が高く、それゆえにそのために日本に拉致されたようだ。
    彼らは現在の鹿児島県串木野あたりに漂着し、故郷を思って生活の場を求め歩き、故郷の風景に似た場所を選んでそこに住み着き 陶器を焼いて生活した。
    薩摩藩からは厚遇を受けながらその苗代川という地においてその後代々生活し、白薩摩 御前黒といった素晴らしいできの陶器を作っていく。
    その生活の中における日本人からの差別。世代を越えた故郷への思い。日本で生まれ日

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    2012年01月25日
  • この国のかたち(三)

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    非常に読みやすい。
    2巻目を飛ばしてしまったのだが、この調子であれば地の果てまでも読めて
    しまいそう。
    古代の奈良と長安との考察。
    往年の長安の情景がみてとれるよう。
    今の西安に面影がひとつもないのが悲しくてしょうがない。

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    2015年07月14日
  • ひとびとの跫音 下

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    正岡子規の養子である正岡忠三郎とその友人である西沢隆二とその周辺について交流のあった筆者がその生き方、死に方を書いた本。ストーリーを楽しむ本ではなく、その人たちへのレクイエム的本。

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    2012年01月15日
  • 果心居士の幻術

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    「いずれへ行く」
    「行くのは、おぬしじゃよ」
    弾正が死んだのは、その日の翌日である。

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    その目の前にある板が、わずかにうごいた。板が、ゆっくり翻って、広嗣をみた。顔がついていた。人であった。

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    上述のような、司馬遼太郎特有の急調子の展開やユーモアたっぷりの文章が好き。

    いまではとても考えられない風習や文化が伺える六編。
    なかでも「牛黄加持」には、言葉を失くした。
    「現代となんも変わらないじゃないか」と一笑に付すことも出来るけど、真顔であんなことしてるんだもんなぁ。

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    2012年01月09日