司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 世に棲む日日(三)

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    「狂」の思想、松陰から引き継いだ「狂」の思想の時代が終わり集団の時代が来た。「動けば電雷のごとく、発すれば風雨のごとし」と伊藤博文に言わせた高杉晋作も、密かに反撃の時を待っていた。

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    2017年12月27日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    全3巻。
    北条早雲。

    やっぱ。
    早雲は若いころがキモ。
    ほとんど分かってない若い頃に
    どんな風な設定持ってくるかが
    小説としての醍醐味だと思う。

    早乙女版みたいなスーパーヒーローでなく、
    割と事実っぽい設定が好感。
    その分、改めてこの人の中年からの巻き返しがリアルに感じる。
    長生きし過ぎ。
    異常に思えるくらい。
    相続してたりしてんじゃないかってくらい。
    名前。

    ただ、やっぱり資料が出てくる後半生は
    やや小説としては失速感を感じた。
    早乙女版ほどではないけども。

    説教臭ささはあんまり気にならんかった。
    ずっと疑問だった応仁の乱も知れたし。
    よかった。

    ただ、物語として作り込む途中で、
    歴史小説にしなきゃ感が勝っちゃった印象。
    物語の序章の期待感が、
    後半全く活かされてない。
    仲間をもっと活躍させてよ。
    こういう中途半端さがやっぱ嫌。
    上手いだけに。

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    2010年11月22日
  • この国のかたち(三)

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    「人集めの実力のある者が関東平野を中心として諸国の未耕地に入植し、律令制からの脱走者をあつめて田園をひらいたのである。それを当時の用語で、開発といった。開発地主が、武士とよばれるようになる。」これは、なるほど分かりやすい。

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    2010年11月20日
  • この国のかたち(二)

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    日本の歴史に関する書籍を読み始めて1年近くなるが、どんどん深みにはまって現代作家の作品に興味を示せなくなってきた。特に新聞広告の宣伝にある「最高傑作」「話題沸騰」「不朽の・・・」など軽軽とした表現が鼻に付いて仕方がない。本当に素晴らしい作品と自信をもって出版したのであれば、左記のような美辞麗句は不必要だ。

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    2010年11月20日
  • 街道をゆく 1

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    司馬遼太郎が街道を旅する。そして各地の歴史について大いに語る。一巻は湖西のみち、甲州街道、長州路など。読むと、その土地土地に染み付いた歴史や人々の想いが伝わってくる。

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    2010年11月15日
  • 世に棲む日日(二)

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    「革命の初期は詩人的な預言者が現れ必ず非業の死を遂げる...松陰がそれにあたるであろう....革命中期には卓抜な活動家が現れ.....高杉晋作、坂本竜馬....それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なくすて、処理可能な形で革命の世を作り....伊藤博文がそれにあたる。」松陰は死に高杉晋作に話は引き継がれた。「おもしろきこともなき世をおもしろく」彼が死の間際に書いた上の句、下の句は息が切れて書けなかったそうである。

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    2017年12月27日
  • 新装版 アームストロング砲

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    司馬遼太郎先生の短編集。 幕末のお話ばかりです。 表題作の「アームストロング砲(肥前・佐賀藩)」も好きですが、個人的には「倉敷の若旦那(第二奇兵隊隊長・大橋敬之助)」が好きかな。 ・・・情熱だけでは英雄にはなれないというか。

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    2010年09月23日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬先生の短編集。「貂(てん)の皮(賤ヶ岳七本槍の1人、脇坂安治)」が特にお気に入りです。 「喧嘩早雲」「重庵の転々」も面白かったです。 司馬先生は短編で注目する人がなんとも良い感じですね。

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    2010年09月23日
  • 新装版 おれは権現

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    読むのは3度目ほどでしょうか。 司馬先生の短編集の中でも、結構好きな1冊です。 主に関ヶ原、大坂の陣の頃の人物を主題にした作品が収録されています。 「若江堤の霧(木村重成)「信九郎物語(長宗我部康豊)」「けろりの道頓(安井道頓)」の3本が最近のお気に入りでしょうか・・・。

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    2010年09月23日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    起承転結でいえば転にあたる三巻目。いよいよ面白くなってきました。「新史太閤記」で敵に囚われて散々な目にあったのは半兵衛なのか官兵衛なのか記憶が曖昧になっていたけど、なるほどこういう背景があったんですね。智謀の人としてこれまで小寺家を切り回してきた官兵衛が、こんな形で主に裏切られて罠にはめられてしまうとはなんとも皮肉。エコノミー症候群でも起こしそうな狭くて日も当たらない牢屋に長期間監禁されてしまうことになった官兵衛。牢屋の窓からある日奇跡のように藤のつるが伸び花を咲かせるくだりは感動的。平静な官兵衛も思わず「いのちよ」と心の叫びを発してしまいます。部下の栗山が苦労の末、官兵衛のもとに忍んできて、二人が再会を果たすシーンも泣けますね。
    いつも思うけど、司馬遼太郎の小説は読んでてモチベーションがアップするなあ。

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    2010年09月08日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    信長・秀吉との出会いから荒木村重の謀反まで。今一盛り上がってこないですねえ。天下統一に大きな影響を及ぼす戦局とはいえ、やはり一地方の一人物に偏った目線で描くとどうしてもミクロに入り込んでしまうのでしょうか。官兵衛も物語の中で秀吉が嫉妬するほどの才能と評されているけど、実際には播州の調略さえろくにできずに右往左往しているようにしか見えません。それも播州が地元で良く知ってるから官兵衛に任せたという事情があって、秀吉も任せてうまくいかなくてちょっと後悔してるし。
    以前読んだ「新史 太閤記」でも、官兵衛に対する司馬遼太郎の思い入れは伝わってきたけど、どうも影が薄くてどんな実績を上げた人なのか思い出せない。
    秀吉に命運を託して姫路城を献上してしまったのはなかなかできることではないけど、それをいうなら流浪の身で何の実績もなかった黒田家の将来性を見抜いて、自分の屋敷を与えた上に重臣となった竹森新右衛門の方がすごいぞ。今のままでも十分楽な暮らしがしていけるのに、あえて家財一切を放り出して黒田家に仕えて侍の道を選ぶとは、戦国とはいえ半端ないチャレンジャーだ。
    まあ官兵衛の考え方や人物像には共感を覚えるので、三巻以降の活躍に期待しよう。

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    2010年09月06日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    北条早雲の物語。先に読んだ「早雲の軍配者」で北条早雲に興味を持ち、この本を購入した。上中下の3巻構成の上巻。北条早雲がまだ伊勢新九郎と名乗り、京都で馬の鞍をつくっていてが、細川勝元と山名宗全の戦いに巻き込まれてしまうまでのストーリー。正直、そんなに面白くないので、さっさと中巻に行こう。

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    2010年09月05日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    女真人アビラと共に大陸に渡った平戸武士の桂庄助の生涯を描くことで女真人・中国人(当時は明)・朝鮮人・ひいてはそれと比較した日本人の性格を映し出した物語。

    庄助は女真人の軍に加わることで、人口わずか50~60万人の女真人が数億の人口を擁する明をいかに倒していくのかをその眼で直に目の当たりにする。さらに、ヌルハチ・ホンタイジ・李自成・呉三桂・鄭成功といった世界史でも耳にする人物と交わることで彼らの性格・行動・苦悩までもが分かりやすく描かれている。

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    2010年07月17日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬遼太郎の長編小説を読み、この作品のような短編集を読むと、サイドストーリーを読んでる気分となり、関連する登場人物や事柄が出てきて興奮する。

    あの裏では、こんな出来事が起こってたんや!という感激。

    それを与えてくれた一冊。

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    2010年07月12日
  • 新装版 軍師二人

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    短編集。
    おもしろかったのは、女性を主人公に描いた物語が結構あったこと。
    当時の女性も、女性らしい戦いで生き抜いていたんだと改めて感じた。

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    2011年09月04日
  • 花妖譚

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    花にまつわる短編集。
    少し似通ったオチの話もあったけど全体的に素敵でした。
    奇異な事項を当然のように話す描き方が格好良い。

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    2010年05月14日
  • 「明治」という国家

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    こういう内容の本にしては、ダントツに読みやすく面白いのは対談であり語り口調であり、司馬遼太郎という方ならではなのでしょう。

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    2010年05月13日
  • ペルシャの幻術師

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    司馬遼太郎のデビュー作となる表題作を含む短編集。
    チンギス・ハーンの元帝国、ネストリウス派キリスト教(景教)の
    一族の末裔、戦国時代伊賀の下忍の村など、その膨大な資料に基づく
    歴史的背景の描写に圧倒される。
    洋の東西を問わず、幻術というモチーフを軸にさまざまな物語を紡ぎ出している。

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    2010年05月04日
  • 花妖譚

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    タイトルを見て、これは珍しい、シバリョ先生の伝奇物?…と買ったのですが。
    “文豪の怪談”がけっこう好きなんです。
    B級ホラー的なものは映像向きだと思うので、読むのはちょっとレトロで雰囲気があるものが好き。

    さて、この作品はすごく古い。
    最初のナルキッソスの話などは、別にこの人が書かなくてもいいじゃない、な感じだったのですが、10編の短編のうち、先に進むにつれてどんどん、歴史にまつわる豊富な話題や知識が披露されて『らしく』なってきます。
    そもそも、この短編集は最初に発表されたときは「司馬遼太郎」のペンネームを使っていなかったそうなので、作者的にも何か思うところが会ったのではないでしょうか。
    すべてタイトルの花の名前が使われているのは、華道の家元が発行している機関紙に掲載されていたと言う理由によるものらしいです。

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    2010年04月09日
  • 新装版 軍師二人

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    表題作他7編の短編集(計八編)です。

    表題作「軍師二人」について:大阪の陣での、後藤又兵衛・真田幸村の話です。
    同じ司馬さんの「城塞」では、もう少し、又兵衛と幸村の関係が良かった印象なので、個人的には、この話での二人のすれ違いが少し哀しいです。それにしても、城方の譜代どもはアホですな~!

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    2010年03月31日