司馬遼太郎のレビュー一覧
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英雄児
慶長長崎事件
喧嘩草雲
馬上少年過ぐ
重庵の転々
城の怪
貂の皮
の七編
戦国時代にあたるのは、「馬上少年過ぐ」、「貂の皮」の二編でした。
「馬上少年過ぐ」は、伊達政宗の短編。
伊達政宗の登場する小説は初めて読みましたが、
詩作に堪能で大らかさも持ち、
また、博打を好むようで裏では緻密な計算を行う、
名役者のような人物像を受け取りました。
「貂の皮」は、賤ヶ岳の七本槍の一人、脇坂安治を描いたものです。
派手な活躍のない人物を取り上げているのですが、
「貂の皮」を軸にして面白く描かれています。
「貂の皮」のほか、
歴史上で大きく描かれないような人物に光を当てていて、
とても興味 -
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ネタバレ箱根の坂とは北条早雲の話。北条といっても鎌倉時代からの北条家ではなく、元々は伊勢新九郎という名で、足利将軍家に仕える伊勢家の末流で京都の出身。末流ということで貴族意識が薄く、いち早く貴族が没落し、地侍、農民、足軽が力を付けてくる新しい兆候に気づき、かつ、礼節の家元伊勢流の伊勢家の出だけに、運命のいたずらを鋭い洞察力と古くからの礼節を持って際どい政局を乗りきっていく。この礼節と言うのはビジネスの世界というかサラリーマン社会にもしっかり根付いている。少しでも欠けようものなら足元をすくわれる、ある意味陰湿なものでもある気がする。こういうことをドライにやれる人は相当な人格者か策士のどちらか両方だな。。
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秀吉の朝鮮出兵のさいに薩摩の武将島津義弘によって日本に拉致された朝鮮人達がいる。かれらは陶器を作り生活している人々。茶器がある種のステータスとなっていたこの時代の日本にとって朝鮮の陶器は価値が高く、それゆえにそのために日本に拉致されたようだ。
彼らは現在の鹿児島県串木野あたりに漂着し、故郷を思って生活の場を求め歩き、故郷の風景に似た場所を選んでそこに住み着き 陶器を焼いて生活した。
薩摩藩からは厚遇を受けながらその苗代川という地においてその後代々生活し、白薩摩 御前黒といった素晴らしいできの陶器を作っていく。
その生活の中における日本人からの差別。世代を越えた故郷への思い。日本で生まれ日 -
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解説で平川祐弘氏が「アメリカ文学の中でいちばん熱中して読んだ本は『風とともに去りぬ』なので、わが司馬遼太郎氏も一冊の書物として上げていることに、ひたしさを覚えたとある」と記載あり。明治維新後の西南戦争とアメリカ建国後、国を二分する南北戦争は、その国が本当の民主国家を手に入れる過程で必要不可欠なものだったのだろう。次は『風とともに去りぬ』を読むことにする。こうしてわたしの知識量は確実に増えていくのである(笑
ところで、『翔ぶが如く』を読み終えた感想であるが、この戦争は武士が武士らしく生きた証を記すために必要であったのだと理解に至る。10巻読み終え、無理にまとめると、そんな風な感想を述べてみ -
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西郷どんは温泉町によく見かける狸の置物なのか、それも人物大の巨大な狸を思わせる。死に場所を求めて戦をするにしては、あまりに犠牲者が多すぎはしないだろうか、そこを考えると政府軍と戦をして勝利するつもりでいたのは明らかである。ならばこの体たらくはいったいどうしたことか、どこの国の革命家も晩年は誰もがさえない幕切れを迎えるのだ。
8巻で、西郷どんが木の切り株で頭を強打したとある、その後15日ほど寝たことはあまりしられていないという内容の手紙が残っているらしい。9巻では全てのページを割いて、西南戦争の悲惨さを記している。そんな状況を尻目に、呆けた西郷が奥座敷に狸の置物になっている姿はあまりに痛々