司馬遼太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
黒田官兵衛の生涯を描いた歴史小説第三巻。
以下引用~
・高山右近が、この時代にあって倫理的行動という、めずらしい行動律をもった男であることは、右の消息がよく物語っている。
・・・官兵衛の倫理的姿勢は、右近における刃のようなするどさはもたないにせよ、根は同じかもしれない。天主(でうす)のみをおそれ、自己を信仰と信念で成立させ、みずから信ずるところに従って死をも怖れないというのは、この時代の奉教人に共通している気分であった。
・竹中半兵衛の才能は、栄達への野心を捨てたところに息づいていた。錯綜した敵味方の物理的状勢や心理状況を考え続けて、ついに一点の結論を見出すには、水のような澄明な心事をつねに持っていなければならない、と官兵衛はつねに考えている。
・官兵衛は、栗山善助にもいった。
「合戦というのは、元来が異常なことだ。この異常なことをおのれらとともにやっているのは敵だけであり、それを思えば戦う者にとって敵ほど可愛いものがあるか」
・官兵衛は盗人に言い渡したのは罪の量刑だけであり、執行するとはいっていない。また奉行たる者は赦してやってほしいと頼みにくるのが本筋であるべきなのに、逆に刑の執行をせまるとは何事か、ということであった。戦国期の高名な大名というのは一般に人を殺すことが少なかったが、人命は貴い、と積極的に、思想として言ったのは官兵衛ぐらいのものかと思える。 -
Posted by ブクログ
第二巻。
播州緒将領が織田側か毛利側か後ろ盾に迷う中、秀吉の傘下で織田方として奔走する若き官兵衛の姿を描く。
以下引用~
・信長のつよい癖として、家来に期待するのに無私であることを希んだ。
無用に私財を蓄えたがる男を憎み、極端に憎む場合はそういう人物を追放さえしたらしい。秀吉は信長のそういう癖をよく心得ていて、自分の身近を簡素にし、私欲は皆無ということをみせ、無欲をつねに大きく表現した。
・武将たちが少々やりかたが間違っていても信長はそれを責めず、その将が時間の無駄なく働き、くるくると隙間なく旋回していることをよろこぶ。このことは織田家を特徴づけているもっともつよい個性といっていい。 -
Posted by ブクログ
高校生の頃、「坂の上の雲」を読んだ。秋山兄弟や啄木のことより、バルチック艦隊のことより、乃木将軍の無能ぶりが印象強かった。
最近では、それほど無能ではなかったとする研究もあるようだが、どうなんだろう。
読書している感じは普通の司馬遼太郎作品とさほど変わらないが、司馬さんは小説以前の覚え書として書いたとしている。主人公に感情移入したくないということだろうか。
旅順攻略については参謀、伊地知幸介も酷いのだが、やはり屍が累々と重なったのは乃木将軍の所為だろう。砲撃の当たりそうな処にフラフラ出ていこうとする自殺行為も度々。こんな困り者を死なせまいと何故か山県有朋や児玉源太郎は助けの手を差し出す。
日露戦争後は明治帝の心情的な従者であったという。ひたむきに誠実でることが、おかしみになり、天皇から愛されたという。そんな天皇と乃木将軍の関係は本書で初めて知った。
そして殉死について。司馬さんは淡々とその事実をルポしている。陽明学の影響なども取り上げているが、自身も共感してはいないのだろう。
何か奇妙さばかりが胸に残ったようだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「雑賀の舟鉄砲」☆☆
石山本願寺から三木城の別所家の援軍のため
雑賀市兵衛
宗教の力は恐ろしい
飢えは人をも狂わせる
「女は遊べ物語」☆☆☆
織田家の家来・伊藤七蔵政国には浪費家の嫁がいた
彼女が作る借金を返すため
嫁のために功名をたててきた
読み終わったあとに題名の意味がわかり笑いました
「めかけ守り」☆☆☆☆
関が原戦前、家康は大事な女性たちを置いて大阪を離れた
そのときに女性たちの命を守るよう命じられた佐野綱正
いろいろ難癖ある女性たち
女は怖いな・・・男こわいなと思った作品でした
「雨おんな」☆☆☆☆☆
関が原前夜。出雲の歩き巫女・おなんは二人の男性に抱かれた
一人は西軍・もう一人は東軍
その後彼女は二人の男の運命が気になり
それぞれ訪れることに
西軍の彼の行方しらず
東軍は立派に出世して大きなお屋敷に住んでおり
おなんは無理やり妾にさせられます
その後、ある乞食に出会います
実は西軍の彼だったのです
実は西軍の彼は東軍の彼を助けてやったんだとわかります
運命っておもしろいなぁと思えたお話でした
「一夜官女」☆☆☆☆☆
旅の途中、小若は住吉明神のお祭りに参加することに
その際に一夜契りを交わした男とのラブロマンス
おもわずぽっと顔が赤くなるストーリ^でした
「侍大将の胸毛」☆☆☆☆☆
戦にはめっぽ強い渡辺勘兵衛は女大好き!そして何かと癖があり
その彼を藤堂高虎は家臣に迎えようと交渉
藤堂軍に迎えられるのだが
これもなかなか良いラブロマンスでした
「割って、城を」☆☆☆
めだった功名をたてたことのない浪人・鎌田左衛門に
家臣にとお声がかかった
茶人として大名になった古田織部だった
自分がなぜ家臣に迎えられたのか疑問に思いながらも
仕えるうちに
実は自分が何気なく使っていた茶碗だとわかった
そのほかにもあったのだろうが
それは謎のまま終わっているのが良い
キーワードは織部と鎌田は顔がそっくりだった
「軍師二人」☆☆☆
「城壁」の番外編的作品
智将・真田幸村と勇将・後藤又兵衛をもちながら
なぜ豊臣は滅びたのか
滅びの美学がこの数ページで描かれているのがすごいと思った