司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
四国統一を成し遂げた、長宗我部元親の生涯。上巻が嫁取り~四国統一、織田と敵対。下巻が本能寺の変~九州出兵、元親の死まで。
臆病だからそれゆえにと戦の才。癖があるけど人間くさい人柄が描かれつつ、勝つための準備を万全に整えてこそ勝つ、ということを実践していく。しかし、他の有力な地方大名と同じく、生まれた立地の運に直面せざるをえなかった人。また、優れた行政官としての一面も伺えて興味深い。
戦国の四国と秀吉の統一下を生きた元親の目には何が映ったのだろう。「家」を基盤とする大名であり、優れた才を示した人物が、息子の信親を失った九州出兵以降の晩年には何にも興味を示さず、長宗我部家が短くして滅んだということ -
Posted by ブクログ
徳川慶喜の不遇さと傑物さを歴史に埋もれさせなかった作品。慶喜のことを見直してしまいます。
10年くらい前のNHK大河ドラマの「徳川慶喜」の原作だそうです。
知らなかった。知らないで、買って読んでみた。
幕末に関しての知識もそれほどなく、有名な人物の名前くらいしか
知らない程度なんですが、それでも面白く読めました。
なるほどなぁ、こんなふうに明治維新へと流れていったのか、ということが
よくわかります。攘夷だの佐幕だのという気運がどう人々や時代に
影響していっていたかがわかります。
たぶん、この時代の攘夷のくすぶりが、その後の軍国主義に多少なりとも
影響を与えている気がします。そう考えると、今の