司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 軍師二人

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    短編8編。『嬖女守り』はせつなくも可笑しい。女ってある意味無敵だなーと思いました。表題作『軍師二人』はグッときました。又兵衛も幸村も武士らしい生涯をどこで終えるか、そんな生き方の二人の話。

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    2009年10月04日
  • 翔ぶが如く(九)

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    政府軍の進撃を早からしめた理由のひとつは、各地で降伏した薩軍の小部隊が、降伏するとともに政府軍の道案内をつとめ、薩軍の配置などを教えたからであった。べつに政府軍が強制したわけでもなく、「降伏したからには、官兵として働きたい」と、かれらが積極的に望んだからであり、その口上はさらに情緒的で「万死を冒して前罪を償いたい」というものであり、一種、奇妙というほかない。このことは日本古来の合戦の慣習であったであろう。降伏部隊は鉾を逆にして敵軍の一翼になるというものであり、駒を奪ればその駒を使うという日本将棋のルールに酷似している。ついでながらこの古来の慣習はその後の明治陸軍の弱点として意識されつづけ、日露

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    2009年10月04日
  • 翔ぶが如く(八)

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    アーネスト・サトウは薩摩士族が現政権に対し反乱へ立ちあがった不平の諸条項について以下のようにのべている。一、現政府がおこなった士族への金禄公債化による秩禄処分の強行(註・士族の経済的特権の剥奪)。一、廃刀令などによる士族の身分的特権の剥奪。一、四年前に西郷らの征韓論が現政府によって一蹴されたこと。一、さきの佐賀ノ乱が終了したあと、大久保が首魁江藤新平に対し、不必要なほどの苛酷さで処刑したこと。

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    2009年10月04日
  • 翔ぶが如く(六)

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    薩摩人は幼少のころから「議ヲ言フナ」という教育を受ける。理屈をこねたがる人間はその性癖そのものをもって不道徳とされるという他郷にはないモラルの基準がある。

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    2009年10月04日
  • 胡蝶の夢(一)

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    時は幕末

    幕府お抱えの事実上の蘭学医師松本良順と、恐るべき記憶力を持ったその弟子伊之助。旧時代から開かれた世界へと時代は動き、二人はその流れに流されかつ流れを生み出していく。

    初★司馬遼太郎!
    大河ドラマみたいなかんじで読みやすいんだけどいかんせん長い(笑)四巻までがんばります。

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    2009年10月04日
  • 城塞(中)

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    幸村きたよ幸村。あと盛親。
    ぶっちゃけBASARA関連武将が見たくて読んでます(ええ
    カッコイイカッコイイ…!

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    2009年10月07日
  • 胡蝶の夢(四)

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     幕末の医者たちの話。主人公たちはみんな医者だし、基本的に物語は彼らの行動に沿って展開されるんやけど、結局のところ人物は点景として一枚絵に添えられているだけ、という印象を受ける。たぶんそれで間違いない。もちろんその「一枚絵」は「明治維新」という時代なんだけど、言葉としてはこれよりも「幕末」のほうが正しい。主人公たちが幕府に寄っていたから、というわけでなく、司馬が作品で意図したのは新時代の幕開けではなくて、旧秩序の崩壊であったに違いないから。

     作中で語られるこの時代の医者、特に蘭医というのをふたつの側面から切ると、まず身分制度の埒外にいる。それから、蘭学を通していちはやく西洋思想に触れている

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    2009年10月04日
  • 風神の門(上)

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    主人公は霧隠才蔵。真田十勇士の…、と思って読み始めた。
    男前で笑うと超が付くほど魅力的になってしかも佐助より忍術上で…。かか、格好良すぎッ!!

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    2009年10月07日
  • 「明治」という国家

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    近代国家を創るために様々な立場の日本人が夢と希望に燃え、精一杯の取り組みをした時代。
    純真に国を考えた指導者が多くいた時代。貧しかったが凛としていた人々へ現代の人はなにを感じるか。

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    2009年10月04日
  • 国盗り物語(三)

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    本当は「国盗り物語」は全4巻だけど、歴史に疎い私は斉藤道三という人をよく知らないので、知っている織田信長の方だけを読んだ。
    そうかそうか、斉藤道三は信長の舅だったのか。
    私は歴史上の人物の中では、今まで織田信長が一番好きだった。
    なんかこう、潔いというか、パキッとしてるというか、決断力も早そうで、戦に出るときはいつも一人で馬に乗って飛び出して、途中途中で馬を止めて部下が到着するのを待っていたとか、今までの武士とは違う考え方だったとか、そういうエピソードがすごく「かっこいい!」と思っていたから。
    この本を読んでもやっぱり「信長はすごい」という考えは変わらなかったけど、でももし信長のような人が社長

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    2023年08月28日
  • 韃靼疾風録 (上)

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    どこにあるのかすら定かではない国、韃靼から流れ着いた公主アビアを送り届けるという任務につく庄助。この時代に外国なんて、想像もつかなかったのでは。全2巻。

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    2009年10月04日
  • 花神(下)

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    一世をうごかすには、人気が必要であるであろう。が、同時に一世をうごかすには、まったくひとから黙殺されているという在り方も必要であるかもしれない。(p.97)
    蔵六は仕上げ人として歴史に登場した。仕上げ人は、西郷のような革命家たちの仕散らした物事を一挙に組み立てて一つの国家を短時間でつくりあげねばならない。
    このため非情であることを要した。蔵六が天から贈られてきた者であることを、勝ほどの眼力の者ならさとったにちがいない。(p.388)

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    2020年07月15日
  • 花神(上)

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    私は、自分の情欲を制することができると思っていたし、げんにそうしてきた。しかし一つ思わぬ伏兵がいることを知りました。人間が人間を好きになってしまうと、なまなかな意思の力ではどうにもならぬということを知ったのです。それも不幸なことに、いまの今、気づいた。(p.272)

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    2020年07月15日
  • この国のかたち(四)

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    「日本は、明治以来、西洋のものを何でも入れてきましたが、文学だけは入れませんでしたね。」(4巻p.255)

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    2020年08月18日
  • 翔ぶが如く(一)

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    明治維新後の日本の話しで、幕末に活躍した人達のその後の生き方を知れるということが面白い。続「竜馬がゆく」を読んでいるような感覚だ。作者の個人的感情がだいぶ入っているが、伊藤博文や大隈重信や板垣退助など、エラいことをやったと思われている人達の欠点を欠点としてはっきりと書いていて、彼らもその他と大差ない人間だということが感じられるというのは新鮮な感覚だ。教科書はその人間が行った実績や事実は書くけれども、その人はどういう人間であったかということまでは書かない。どこまでが真実でどこまでが司馬遼太郎の私見なのかはわからないけれども、明治の、今に名が残っている人々の生き方を知ることが出きるというのは面白い

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    2020年07月15日
  • ビジネスエリートの新論語

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    中身の話ではなくて、酷い話

    池波さんの表紙で、路上でタバコ咥えている写真が載っているのがあります。
    紙版の司馬さんの小説でも見たことがある。確か裏表紙。
    携帯灰皿なんてない時代だから、ほぼ間違いなく、吸殻は道路にポイ。
    この本の表紙も、電車の中で新聞広げてる写真が出てます。
    電車の中で新聞広げる行為も、いっとき随分叩かれた行為です。
    邪魔ですよね、特に混んでる時は。故に、今日ほとんど見ることはない。
    作家さん本人にとって、出版側からの指示とはいえ、
    こうした今日ではルールに反する写真を掲載するのは、あんまりな話です。
    作者さんは故人だからどうしようもない。
    タイトルもすごいですね。
    のちの書籍のタイトルが概してスッキリし

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    2025年07月10日
  • 故郷忘じがたく候

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    賛否両論があるかもしれない

    腹蔵なく具申させていただけば本作品は毀誉褒貶が激しいかもしれない。歴史観の乖離は誰にもある故、必ずしも司馬史観と一致しないことがかんがえられるゆえに。されど司馬作品には享楽できるような述懐が必ずあるようなので読んで後悔するとも限らないと思われる。

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    2020年06月07日
  • 「明治」という国家[新装版]

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    過大評価

    明治の暗い麺やはすべて目をつぶり、1部のエリートのみを取り上げて、駄作、

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    2021年03月10日
  • 翔ぶが如く(一)

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    大隈重信の描写に難あり

    司馬氏が早大出身者に私怨でもあるのだろうか。必要以上に大隈重信のことをあしざまにけなしている点が見苦しかった。司馬ファンであるだけに実に残念だった・・・。

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    2017年03月11日