司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 街道をゆく 42

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    実は街道をゆくシリーズを読んだのは初めて。(大楠山へ行くという私にやはりかつもとさんが貸してくれた。)
    最初は地味すぎてつまんないかと思ったけど読み進めていくうちにおもしろくなった。
    ほとんど鎌倉時代のことが中心。平安末期はもはや武力に頼らざるを得なくなってきて、平家の力はすごかったけど、都で遊んでるうちに戦いそのものでは力を失っていく。源氏といっても一瞬だけで結局北条家なのね。まさこ怖い。

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    2011年03月04日
  • ペルシャの幻術師

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    「ペルシャの幻術師」千夜一夜物語を読んでるようだ。忍者もの短編は、他の文庫にも入っている。11.2.24

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    2011年02月25日
  • 花妖譚

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    花にまつわる、少し不思議な物語集。
    むせかえるほど匂い立つ花の生が、
    妖しげだったり、生々しかったり、美しかったり、儚かったり。
    生の人と花との絡まりが良いです。

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    2011年02月18日
  • 新装版 最後の伊賀者

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    伊賀忍者もの3編と他4編。漫画ヒーローにあるような格好良さとは裏腹の忍者の扱われ方が身近に感じる。同じ講談社文庫の「おれは権現」にも本書収録の「けろりの道頓」が収められているのはいかがなものか。11.2.11

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    2011年02月11日
  • 新装版 アームストロング砲

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    佐賀鍋島藩の産業革命。発狂者を出すほど激烈に推し進め、見よう見まねでアームストロング砲を内製。砲は12発打ったのみ、大きな歴史の波は沈黙のまま過ぎる。11.1.29

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    2011年01月29日
  • 胡蝶の夢(四)

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    かつて長崎でポンペの下学んだ仲間たちはそれぞれの立場で明治維新にかかわってゆく。3巻と比べるとスピード感、臨場感に欠け、読むのに時間がかかった。司馬遼太郎の小説の主人公は、天才でかつ先見の明のある人物が多いのだが、この小説の島倉伊之助は例外。天才ではあるが、その才能を発揮する場がなく、さらに時代に対する感性も鈍い。「ああ、こういう人もいたんだなぁ」という人物。
    こんな人物を作者はどんな史料から見つけ出したのだろう? ほとんど史料がないと思われる中から、このようキャラクターをどうして生み出せるのか? そういう面にも非常に興味を持った。

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    2011年01月27日
  • 街道をゆく 33

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    司馬さんの本を読むのはこれが初めて。短文で魅せる文章はわかりやすく切れがよい。本当に文章が上手い人だったのだと感じる。
    研修でせっかく福島にいるのだからということで、福島にまつわるエッセイを選んでみた。日本史にまったく疎い私にとって分かりやすい日本史入門書という役割も思わず兼ねることになった。赤坂散歩も興味深かった。東京に帰ったら坂を意識して一度歩きに行きたい。
    旅をする度に、その地にまつわる司馬さんのエッセイを読むというのもなかなか良い案な気がする。

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    2010年12月12日
  • 世に棲む日日(三)

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    「狂」の思想、松陰から引き継いだ「狂」の思想の時代が終わり集団の時代が来た。「動けば電雷のごとく、発すれば風雨のごとし」と伊藤博文に言わせた高杉晋作も、密かに反撃の時を待っていた。

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    2017年12月27日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    全3巻。
    北条早雲。

    やっぱ。
    早雲は若いころがキモ。
    ほとんど分かってない若い頃に
    どんな風な設定持ってくるかが
    小説としての醍醐味だと思う。

    早乙女版みたいなスーパーヒーローでなく、
    割と事実っぽい設定が好感。
    その分、改めてこの人の中年からの巻き返しがリアルに感じる。
    長生きし過ぎ。
    異常に思えるくらい。
    相続してたりしてんじゃないかってくらい。
    名前。

    ただ、やっぱり資料が出てくる後半生は
    やや小説としては失速感を感じた。
    早乙女版ほどではないけども。

    説教臭ささはあんまり気にならんかった。
    ずっと疑問だった応仁の乱も知れたし。
    よかった。

    ただ、物語として作り込む途中で、

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    2010年11月22日
  • この国のかたち(三)

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    「人集めの実力のある者が関東平野を中心として諸国の未耕地に入植し、律令制からの脱走者をあつめて田園をひらいたのである。それを当時の用語で、開発といった。開発地主が、武士とよばれるようになる。」これは、なるほど分かりやすい。

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    2010年11月20日
  • この国のかたち(二)

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    日本の歴史に関する書籍を読み始めて1年近くなるが、どんどん深みにはまって現代作家の作品に興味を示せなくなってきた。特に新聞広告の宣伝にある「最高傑作」「話題沸騰」「不朽の・・・」など軽軽とした表現が鼻に付いて仕方がない。本当に素晴らしい作品と自信をもって出版したのであれば、左記のような美辞麗句は不必要だ。

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    2010年11月20日
  • 街道をゆく 1

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    司馬遼太郎が街道を旅する。そして各地の歴史について大いに語る。一巻は湖西のみち、甲州街道、長州路など。読むと、その土地土地に染み付いた歴史や人々の想いが伝わってくる。

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    2010年11月15日
  • 酔って候

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    幕末の革命期を描いた小説といえば、たいがいは志士を主人公に、一介の藩士や浪人の視点から描かれることが多いけれども、この「酔って候」はそれとは逆に、藩主を主人公にして、大名の視点から維新を見た短編集になっているという構成が面白い。
    収録された4編の主人公は、四賢侯の中から土佐藩山内容堂、薩摩藩島津斉彬(と久光)、伊予宇和島藩伊達宗城と、もう一人は松平春嶽の代わりに肥前藩主の鍋島閑叟。

    表題作の「酔って候」は、土佐藩主山内容堂の一代記で、この短編が半分くらいの割合を占める。
    同じ土佐藩の中でも、身分制度の厳しさのために、郷士として活動した坂本龍馬とはまったく交わることも、顔を合わせることすらなく

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    2020年07月15日
  • 世に棲む日日(二)

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    「革命の初期は詩人的な預言者が現れ必ず非業の死を遂げる...松陰がそれにあたるであろう....革命中期には卓抜な活動家が現れ.....高杉晋作、坂本竜馬....それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なくすて、処理可能な形で革命の世を作り....伊藤博文がそれにあたる。」松陰は死に高杉晋作に話は引き継がれた。「おもしろきこともなき世をおもしろく」彼が死の間際に書いた上の句、下の句は息が切れて書けなかったそうである。

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    2017年12月27日
  • 夏草の賦(上)

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    土佐の長宗我部元親を主人公にして、四国制覇から京への中央進出を狙って戦いに明け暮れた生涯を描いた小説。
    ただ武力と知略のみを元手にして、天下への野望を持つというのは、戦国時代の大名らしい生き様だけれども、それがどのような形で表れるかというのは、その大名の性格によってだいぶ変わってくる。

    長宗我部元親については、ただ、四国で名を馳せた戦国大名というぐらいのことしか知らなかったけれど、この人物も、だいぶ個性的な性格だったことがよくわかる。
    勇猛よりも謀略を好んで、慎重すぎるぐらいに神経質で臆病。しかし、土佐の田舎からのし上がっていくという野望だけは、人一倍苛烈なものを持っている。

    この小説のす

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    2020年07月15日
  • 夏草の賦(下)

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    「ながい歳月、ご苦労さまに存じあげ奉りまする」
    「言うな」
    「申しあげる言葉もございませぬ」
    「おれの生涯はむだであった」
    元親は、あおむけざまにころんだ。なんのための二十年であったであろう。
    「死者二万」
    すさまじい数である。この岡豊から身をおこして以来、元親のために死んだ者は二万前後というおびただしい数にのぼっている。かれらの骨は四国の山野でむなしく枯れ朽ちてゆくだろう。
    「おれが酒に痴れ、女に痴れるようなただそれだけの男にうまれておれば」と、元親はつぶやいた。
    「土佐のものは幸いだったろう。人は死なず、それほどの苦労もせずにすんだ。いささかの志を持ったがために、かれらの死屍はるいるいと野

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    2020年07月15日
  • 新装版 アームストロング砲

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    司馬遼太郎先生の短編集。 幕末のお話ばかりです。 表題作の「アームストロング砲(肥前・佐賀藩)」も好きですが、個人的には「倉敷の若旦那(第二奇兵隊隊長・大橋敬之助)」が好きかな。 ・・・情熱だけでは英雄にはなれないというか。

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    2010年09月23日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬先生の短編集。「貂(てん)の皮(賤ヶ岳七本槍の1人、脇坂安治)」が特にお気に入りです。 「喧嘩早雲」「重庵の転々」も面白かったです。 司馬先生は短編で注目する人がなんとも良い感じですね。

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    2010年09月23日
  • 新装版 おれは権現

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    読むのは3度目ほどでしょうか。 司馬先生の短編集の中でも、結構好きな1冊です。 主に関ヶ原、大坂の陣の頃の人物を主題にした作品が収録されています。 「若江堤の霧(木村重成)「信九郎物語(長宗我部康豊)」「けろりの道頓(安井道頓)」の3本が最近のお気に入りでしょうか・・・。

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    2010年09月23日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    起承転結でいえば転にあたる三巻目。いよいよ面白くなってきました。「新史太閤記」で敵に囚われて散々な目にあったのは半兵衛なのか官兵衛なのか記憶が曖昧になっていたけど、なるほどこういう背景があったんですね。智謀の人としてこれまで小寺家を切り回してきた官兵衛が、こんな形で主に裏切られて罠にはめられてしまうとはなんとも皮肉。エコノミー症候群でも起こしそうな狭くて日も当たらない牢屋に長期間監禁されてしまうことになった官兵衛。牢屋の窓からある日奇跡のように藤のつるが伸び花を咲かせるくだりは感動的。平静な官兵衛も思わず「いのちよ」と心の叫びを発してしまいます。部下の栗山が苦労の末、官兵衛のもとに忍んできて、

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    2010年09月08日