あらすじ
公儀隠密を命じられた信吾は江戸から東海道を経て熊野の秘境へ向かう。安羅井国の財宝を独り占めしようとする紀州藩の隠密、幕府のお庭番が入り乱れるなか、信吾はついに安羅井国への道程(みちのり)を描いた丹生津姫(にぶつひめ)草紙を手に入れる。凄惨な血闘の果てにたどり着いた地で信吾が見たものは? 司馬伝奇長編の傑作!
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Posted by ブクログ
公儀隠密の柘植信吾の人柄が魅力的。裏表がなく、明朗快活。剣の腕は一流なのに、あっさりと敵方にだまされる。女性にやさしく浮気者なのに、女性をだまさない。人間味あふれた信吾という武士が巻き込まれる時代劇らしからぬ冒険譚。エンターテイメント性に優れた作品でとても読みやすい。お勢似(せい)、お弓、ちの、の三人の女性の艶っぽさや信吾との会話が物語に花を添えています。
もし映像化するなら、この女性たちや信吾をどの俳優にするか想像しながら読んでいくのも面白いかもしれません。
Posted by ブクログ
上巻に続き主人公が抜けているところがよい。安羅井人が主人公を評するところ(258-259ページ)が的を得ている。読者を飽きさせない展開がさすが司馬さん。
Posted by ブクログ
物語の終盤になって、やっと面白くなってきた。
最後の種明かしは楽しめたが、司馬さんの小説にしては、登場人物の人間的魅力がちょっと少なかったように感じる。