あらすじ
まことに世界は神がつくり給うたが、オランダだけはオランダ人がつくったということが、よくわかる──いち早く自律主義や合理主義、近代的な市民精神を持ったオランダ。レンブラントやゴッホ、スピノザらを生んだ風土や日本に果たした役割を思う。
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Posted by ブクログ
単行本は1991年刊。初出は「週刊朝日」連載(89.12.1~90.8.31)。
オランダは、日蘭貿易やシーボルトをはじめとして、昔から日本とはゆかりがあり過ぎるほどある。そういや、あの咸臨丸にしたって、オランダ製だったもん。でも、ほとんどの人は、オランダのことをよく知らない。そういった人たち(私とか)のための、オランダ歴史紀行、400ページ。なお、この紀行には、歴史的にフランドル(一部はベルギー)も含めている。
なかでも、かなりページを割いているのは絵と画家。ゴッホ74ページ、ルーベンス24ページ、レンブラント12ページといったぐあい。でも、あのフェルメールは素通り(司馬好みでなかったか)。ルーベンスは、半分が「フランダースの犬」の話題。アントワープの大聖堂にある彼の祭壇画を見にゆくネロ少年と愛犬パトラッシュの悲話のこと。(現地の人はこの物語をほとんど知らない。なぜこの話が日本で受けたのか、そのことも書いている。)
文学で意外なところでは、ジョルジュ・シムノン。メグレ警視もので、これぞパリという印象があるが、ベルギーのリエージュ出身。彼には5ページを割いている。
Posted by ブクログ
あまり読まない司馬遼太郎だが、台湾に続く2冊目の海外編を読む。
紀行部分と美術史部分に折り重なっているが、私は紀行部分が面白かった。
台湾の方が印象鮮やかだが、こちらもおすすめの「街道をゆく」だ。
Posted by ブクログ
日本が鎖国して時代にも通商が認められた元祖商人資本主義の国オランダ、英仏西独と次々に戦争を仕掛けられても、レイシズムに陥らなかった、そんな偉大なる小国主義を著者が旅行し、その魅力を生き生きと描いています。オランダを旅行する前に必読書でしょう。それに、あんな小さな国なのにどうしてサッカーが強いのかというのも頷けるような気がします。
Posted by ブクログ
最近、『街道をゆく』、シリーズを集中的に読んでいますが、この回が一番おもしろかった。国内物と海外物は、なんだか趣が違うと思う。オランダの風土、国の成立ち、オランダ人気質、がよくわかった。以前から、オランダって変わった国だな、と思ってましたが、その理由がわかった。
Posted by ブクログ
司馬さんの街道をゆくも35冊目まで来ました。
今回はオランダとベルギーが舞台でしたが、海外編の中で比較的読みやすく感じました。多分アイルランドの時のようにその土地の文学をベースに思索するのではなく、鎖国期の日蘭関係史や(日本人になじみの深い)フランドル絵画やゴッホをベースにしているせいかもしれません。
それにしても山がちの日本から干拓で拡げた平たい国に行くとどんな心境の変化があるのか、ちょっと試してみたくなりました。