【感想・ネタバレ】歴史を紀行するのレビュー

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Posted by ブクログ

絶妙なバランスのうえに書かれた本。
あとがきにもあるが、風土をステレオタイプ化することはナンセンスだが、人が集団になった時に現れてくる特性は、風土なしでは語れない部分がある。
こうした風土に本人は無自覚で、他の集団と出会ってこそ比較が出来る。
司馬さん自身も執筆の際に、自身の育った地の風土から完全に解放されていないとも思っている。
司馬さんが現代のグローバリゼーションによる均一化をどう見るのか、聞いてみたかった。

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2019年08月20日

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内容紹介

幕末――吉田松陰を筆頭に過激な思想、行動に突っ走った長州。西郷隆盛、大久保利通と大人の智恵を発揮した薩摩。松平容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物のかかわり合い、その秘密、ひいては日本人の原形質を探るために、日本各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。

内容(「BOOK」データベースより)

幕末―松陰を筆頭に過激に突っ走った長州。西郷、大久保と大人の智恵を発揮した薩摩。容保を頂点とした会津の滅びの美学。危機の時ほど、その人間の特質が明瞭に現れる時はない。風土と人物との関りあい、その秘密、ひいては日本人の原形質を探るため、日本史上に名を留める各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

司馬遼太郎 大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

本の感想
目次より「竜馬と酒と黒潮と」「会津人の維新の傷あと」「近江商人を創った血の秘密」など日本史で重要な12か所を巡る旅をした著者の紀行文である。

この本は1976年に刊行されたものの新装版で、交通手段などで著者が旅した時と異なる部分はあると思われるが、観光名所を巡るのが好きな人または歴史好きの人に勧めたい本である。

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2016年09月14日

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昭和43年の文藝春秋連載のまとめ本。歴史に名を留める土地を歴訪した紀行文で、のちの街道をゆくシリーズの原点といえる。土地ごとの風土が人間性や歴史に与えた影響を探る。長州はなぜ維新の起爆力となったか、会津はなぜ敗者となったのか、など。面白かった。

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2012年09月13日

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大作家・司馬遼太郎氏が日本史上に名を留める各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。風土と人物を考えることなしに日本歴史を理解することはできない!

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2021年08月13日

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その土地が持つ歴史的背景と、その人の性格や思考を結びつけて考えるのがこんなにも面白いとは。
歴史への興味が一層湧いたとともに、日本各地に足を運びたくなった。

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2020年12月17日

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この本が書かれた(連載された)のが昭和43年なので「街道をゆく」が始まる3年前にあたるようです。「私自身は小説さえ書いていればいいという簡単明瞭な暮らしを愛する者」だと司馬さんは後書きに記しているように、この頃はこうした紀行文は滅多に書かなかったようです。これがきっかけとなって「街道をゆく」シリーズに繋がったのかな…と感じました。いわば「街道をゆく」の第0巻の趣がありました。

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2020年02月14日

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元は昭和40年代に連載されたエッセイをまとめたものだそうだが、これが長期連載となった「街道をゆく」の原型になったんだろうなぁと思う。

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2016年09月08日

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司馬遼太郎の紀行文。
戦国時代や幕末において重要な意味をもった土地を中心としている。
ザ・司馬史観といった書き方だが、あとがきで述べられているように、風土で個人を判断するのは危険だが、集団となったときにあらわれる気質は存在し、地方の住人を総括して理解する上で風土を考える必要がある、という考え方は納得がいった。
街道をゆくシリーズもそのうち全部読破したい。

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2014年07月02日

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 その風土性に一様性が濃く、傾斜がつよく、その傾斜が日本歴史につきささり、なんらかの影響を歴史の背骨にあたえたところの土地を選んで訪ねた紀行エッセイ。
 主として、近代に直接つながる江戸時代、特に幕末に個性を発揮したところが選ばれている。
 具体的には、高知、会津若松、滋賀(近江商人)、佐賀、金沢(加賀100万石)、京都、鹿児島、岡山、盛岡(南部気質)、三河、萩、大阪の12箇所。

 実際の旅は昭和43年とのことだから、当時は各県=各藩の風土、気質というものがいまだ色濃く残っていた頃かと思われる。維新以降の時代の変化を体験した祖父母の世代から直接話を聞いた世代が多かっただろうし、県人会や上京した学生用の寮など、同郷の繋がりが強かった時代だったから。

 司馬さんらしく興味深いエピソードも多く、ほとんど行ったことのない土地でも何となくイメージが湧いてくる。

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2023年04月05日

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自分の出身地が取り上げられていたので手に取ってみた。風土はあてにならないと思っていたが、なるほど…となる記載が多々。

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2022年07月13日

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歴史にゆかりのある地方を著者がめぐって、その地の歴史に想う。土佐人の論議好きで大酒のみ。会津人の足のひっぱりあい。近江商人は帰化人。腐っても佐賀人。眠れる加賀。京おんなは好いても惚れぬ。薩摩人の外交上手。岡山の桃太郎伝説。南部のなさけぶかさ。三河侍の律儀さ。逆さひょうたんの長州。大坂は薄命な権力の土地。

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2017年12月02日

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戦国や幕末の歴史の舞台となった地の風土や慣習から人物、歴史を観る。司馬史観の原点とも言うべきスタイル!人間、土地の上には歴史が積み上がる。歴史を探る事はルーツにアプローチできる。そんな土着ロマンが日本人を物語る。

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2013年02月16日

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