最相葉月のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 宗教とは何か

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    宗教とは何かを考えるうえで参考になる名著を、4人の有識者がそれぞれ1冊ずつ紹介している本です。
    どの章も非常にわかりやすく、宗教(的な考え方)の大事さも恐ろしさも感じさせてくれる作りになっています。

    別の本で半分ファンみたいになっている釈徹宗氏の著作だったため購入。認知的不協和や自我防衛機制、成熟した宗教的人格について述べている同氏の章は、読んでいるだけで何だか安心感を覚える内容です。

    ―宗教はどうしても信じている人と信じていない人との境界を生み出します。その境界ができないようであれば、生きる力にもならないことでしょう。しかし、その境界を超える回路がどれだけ多様にあるか、そこが大切です。(

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    2024年12月29日
  • わたしの名店

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    様々な方がお気に入りのお店を、そのお店のエピソードと共に紹介してくれる1冊

    朝井リョウさんはギャグ漫画のような語彙力高すぎの表現力でガリガリ君が1本刺さってるサワーを出す早稲田大学生の定番丸八を

    孤独のグルメの作者である久住さんは佐賀の絶品餃子を南吉を

    人それぞれの名店をこれでもかとくらい惜しみなく紹介してくれる、読むための食べログ

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    2024年11月28日
  • 別冊NHK100分de名著 宗教とは何か

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    (2024/10/10 2h)

    最相葉月『証し』を読み終え、著者について調べたら本書が出てきました。
    2024年1月のNHK放送分をまとめたもののようです。

    釈徹宗「人間と宗教のメカニズム」(『予言が外れるとき』)★★★☆☆
    最相葉月「信仰に生きるということ」(『ニコライの日記』)★★★★★
    片山杜秀「絶対的な「信じる心」と戦争の時代」(『大義』)★★★★☆
    中島岳志「神はどこにいるのか」(『深い河』)★★★☆☆

    宗教にまつわる書について、さまざまな視野から選ばれ、解説されています。

    新興宗教と信者と信仰のメカニズムについて、正教の伝導について、天皇信奉(絶対観念)について、与格として

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    2024年10月10日
  • わたしの名店

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    読んで、めちゃくちゃ敷居が高いけど、銀座の久兵衛で江戸前鮨を食べてみたくなった。
    もうカウンターで食べても許される歳ではある(笑)

    佐賀には行ったことがないけれど、あの餃子食べてみたい!ゴローさんも食べたかな。

    澤村伊智さんが、コロナが明けたら真っ先に行きたいと言っていたお店、イラストの下に小さく閉店文字があって切なくなった。

    藤岡陽子さんのおばあちゃんとお姑さんの、キッチンゴンに出前を頼む時の言葉には、昼休みなのに涙がじんわり出てしまったよ。

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    2024年07月23日
  • わたしの名店

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    色んなエピソードと共に語られるそれぞれのわたしにとっての名店。読んでるだけでお腹が空いちゃう一編から、切なくて目頭が熱くなる一編、一緒に居心地の良い空間でくつろいでいる気持ちになれる一編…このページ数でここまで心を揺さぶってくるのはきっとわたしにも素敵なお店と出会った経験があるから。わたしにとってのいちばんの名店探しの旅はまだ続きそうです。

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    2024年07月04日
  • セラピスト

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    医療、心理学、教育と多方面からの歴史的背景を知れて面白かった。

    言葉にするということは、自分を理解したり、してもらったりするために、非常に重要なものではあるけれど、言葉にならない言葉以前のものが存在するのだと、そうだよね?そうだよね?とドキドキしました。

    心の病からの回復とは発病前に戻ることではなく、新しい地平に立つことだとのこと。他の病気からの回復は、例えば熱が下がったとか傷が消えたとかなんとなくわかりやすいけど、心の病が治るとはどういう状態なんだろうかと不思議に思っていたので、そう捉えたら良いのかとホッとして、なんて素敵と思いました。

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    2024年06月22日
  • 中井久夫 人と仕事

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     みすず書房から全11巻で出された『中井久夫集』の解説をもとに書かれた小伝。聞き書きを続けられていた方が書いているので、第九章以降は中井と著者との個人的なやりとりや交流の際のエピソードが随所に挟まれ、これまで中井自身の著作からだけでは見えずらかった、語る人・交流する人としての中井の姿がほんのりと目に浮かんでくる。洗礼を受けた日の情景が印象的。己の戒めとしたい。

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    2023年10月24日
  • 中井久夫 人と仕事

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    筆者は「セラピスト」で治療体験も行うことで中井氏のノンフィクションとしてまとめた。その書は著者の感情も出ていたが、本書は中井氏の前週の解説をまとめたもので、中井氏の仕事を客観的に眺められる書となっている。あらためて通読すると、今時代までの教授は博覧強記であった。その様な知にあこがれ、若いときは本を貪るように読んだものである。あらためて本書を読むことで中井氏の仕事の全体像が分かった。

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    2023年09月09日
  • 絶対音感

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    自分も昔ピアノを習っていて、先生から絶対音感があると言われたが、けどそれが何だか良くわからないまま、結局音楽からはそのうち離れてしまった。
    本書を通して、絶対音感があった方がいいのかは、様々なインタビューを通しても、必ずしも必須な能力だとは言われていない。
    そして本作が、絶対音感から最終的に、音楽とは?という根源的な話になっていくのが興味深い。

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    2023年03月22日
  • セラピスト

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    始終圧倒されっぱなしだった。登場するセラピストのみなさんの思慮深さや鋭さと、それをあますことなく表現する最相さんの筆致。

    クライエントが回復することを、手放しで喜んではいけない。心の病と向き合うことの長く苦しく、ときどき光が差しこむ道のりを垣間見た。

    口絵の、中井久夫さんの書いた風景構成法のイラストがとてもいい。じんわり、何でも受け入れてくれそうな風景。

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    2023年03月13日
  • 調べてみよう、書いてみよう

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    小中学生向け、書きたいテーマの作り方、インタビューお願い方法と作法、書き方の解説。

    1.企画書を書く
    ①タイトル②テーマ③キャッチコピー④テーマ決定理由⑤話を聞きたい人⑥知りたいこと調べたいこと

    2.インタビューお願いの作法
    ①基本は郵送依頼、企画書とともに具体的な質問項目も記載する。
    ②インタビュー後に御礼状を書く(いつ原稿完成し、確認してもらえるかの連絡。新たな質問もしやすくなる。)

    が参考になった。

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    2023年01月13日
  • セラピスト

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    著者が、心理学やカウンセリングの世界を取材し、掘り下げたルポルタージュ。しかしジャンルを「ルポルタージュ」とまとめてしまうのはちょっと違うかも、と思える。著者本人の物語も含まれているし、日本にカウンセリングが持ち込まれてから、「心の病を治す」という分野の仕事がどのように研究・発展してきたのかを掘り下げた、歴史書や分析書のようでもある。
    今や「カウンセリング」という言葉は世の中に浸透して、精神病ではなくても心が不安定になったとき、誰でも「カウンセリングが必要かも」と考えたりする。あきらかに病気ではなく、いじめや職業(職場)との不一致など、環境による不安であっても「カウンセリング」で何とかしようと

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    2021年03月22日
  • 調べてみよう、書いてみよう

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    ノンフィクションを書こうとしている小中学生に強くすすめたい本。学校の先生が読むと「調べて書くこと」を教えるためのヒントがたくさん見つかります。

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    2021年03月20日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    ショートショートの大作家、星新一の評伝。
    生い立ち・・・父・・・倒産・・・等々、
    彼の根本には人間不信があったのか!?

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    2017年10月30日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(下)(新潮文庫)

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    う?
    む~、大変な生涯だったんだなぁ。
    柔軟なようで、拘りがすごい人だったのですね。
    改めて星氏の作品が読みたくなりました。

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    2017年10月30日
  • セラピスト

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    絵画療法やロジャーズのカウンセリングを本書でメインに取り上げられており、著者自身が一昔前に風靡した療法で認知療法などを取り上げられていないことをここに言っているけども、心理史について著者なりにまとめたことがしっかり書かれているし、カウンセリングにおいては「沈黙」が大切なことなど著者がエッセンスと感じたことがしっかり書かれている。なにより、著者自身が中野久雄さんなどに直接インタビューをして、この本を書くために大学院に進学して心理学の勉強をはじめたことなどその姿勢にとても驚かされた。

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    2017年04月02日
  • セラピスト

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    心の病って何だろう、どうやったら治るんだろう、どうやって治すんだろう。このあたりの疑問に対して、カウンセリングの歴史を紐解きながら迫っています。
    心の病が「ほどけて」いく過程がなんとなくイメージできましたが、思っていたのと全然違ってびっくりです。
    医者って病気を治してくれるイメージだったんですけど、患者が自分自身の心の闇を理解し、改善する方法を見つけていくのを、カウンセラーは支援し見守っていくんですね。
    まさに「ほどけて」いく過程が臨場感たっぷりに再現されていて、自分のことみたいです。

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    2016年12月13日
  • セラピスト

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    最相葉月にしか書けない。このくどさというかしつこさというか、理論や分析で事象を切るのではなく、自身の違和感や興味を丁寧に丁寧に掘り下げていって、そこにあったのに誰も見向きもしなかった豊かな世界を見つけてしまう、というスタイル。読みながら静かな感動に包まれる。
    社会の変化と症状の変化と制度の変化と診断治療法の変化とを、鳥の目と虫の目で立体的に浮かび上がらせているのも素晴らしい。自分でカウンセリングを受けた時の様子を誌上再録しているところの臨場感ったらない。
    次回作も楽しみ。

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    2016年11月18日
  • セラピスト

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    ネタバレ

    DSMを黒船到来とは、うまく名付けたなあと思う。
    精神医学、心理学の、時代ごとの推移を本当に深く、でも分かりやすく概説してくれています。
    現代の精神医学の抱える問題も、セラピストとクライエントの両面から描き出しており、その理解が深いがためだろうが、安易に批判的なスタンスはとっていない。とはいえ、ここに見ることのできる世界は、薄ら寒いと言わざるを得ない。
    中井久夫氏の著作を読みたくなりました。

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    2017年11月17日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    星新一の偉大さは言うまでもないけど、同時代的には文壇的価値観に受け入れられなかったことに苦しんだりもしてて、後世から見ると無駄なことをと思うんだけど、とにかくそれに苦しめられておったのだなあ…

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    2016年03月13日