最相葉月のレビュー一覧

  • セラピスト

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    ネタバレ

    「心の病はどのように治るのか」がテーマのノンフィクション。
    河合隼雄さんも、中井久夫さんも『待つ』ことが大事なのだと教えてくれた。
    『傾聴』って言葉が今言われてるけど、お二人は大分前からそれを実践してらしたんだ、と思った。
    ちょっと私には難しかったけど、とても興味深く読めた。

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    2017年08月29日
  • セラピスト

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    普通にかんがえるなら取材対象として、精神領域は難しいと思う。患者、治療者の内面にここまで踏み込めているのは、著者の力だと思う。著者が独白した自身の患っている病の為か。患者や医療関係者が読んでも深く感じるだろう。それでいて初めて、基礎知識のない人が読んでも新たな見識をもたらしてくれると思う。

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    2017年06月30日
  • 絶対音感

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    絶対音感に関する、渾身のノンフィクション。歴史的な経緯に触れつつ、その日本での熱狂ぶり、問題点、絶対性のゆらぎ。五嶋家の話だけはなじまない感じがするが、組み込まれたスピンオフとしてはあり、だろう。

    ・丸山圭三郎:ロゴスとしての言葉は、すでに分節され秩序化されている事物にラベルを貼りつけるだけのものではなく、その正反対に名づけることによって異なるものを一つのカテゴリーにとりあつめ、世界を有意味化する根源的な存在喚起力としてとらえられていた
    ・五嶋節:私、子どもに対して理解はないけど、反省はある。

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    2017年03月28日
  • セラピスト

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    この本を読んで、精神医学についてなにかがわかったとか理解したという感じではないけれど、読みものとしておもしろかった。なんだか読後感がすがすがしいような。
    絵画療法を実際おこなったときの記録を読んで、なぜだかすごく心やすまるというか、心がひろがるような、静かに感動するような気がした。著者がセラピスト役、絵画療法の第一人者である精神科医中井久夫氏がクライアント役、となって、絵を描いたときの記録が、なんでもないやりとりのように読めるんだけど、中井氏のひとことひとことがなんだかとてもよくて。口絵に載っている、そのときの絵もとてもよくて。
    河合隼雄氏もたびたび登場する。
    どのセラピストも、治すとかそうい

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    2017年01月31日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(下)(新潮文庫)

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    数年前の『龍馬伝』で話題になった坂本龍馬は、その二面性が魅力である。善人でもあり悪人でもあるという二面性だ。
    そして、星新一はいくつもの二面性を持っている。まず、理系であり、作家である。だからこそSF作家になれた。
    そして、自由奔放でありながら、完璧主義である。〆切の前にきっちり原稿を書き上げる完璧主義である。
    さらに、家の顔と外の顔が違う。気さくなように見えて、人を信用しなかった。
    もともとは金持ちのおぼっちゃんである。将来は星製薬を継ぐ予定だった。
    東大大学院の同級生は日本を引っ張るリーダーたちだったろう。同級生たちに負けたくないというプライドもあったのではないか。
    完璧主義でプライドの高

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    2016年11月03日
  • セラピスト

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    河合隼雄とエリザベス・キュープラー・ロスの本は好きでたくさん読んだ。心の中の風景や精神が寄って立つ何かが浮かんで来る気がして。
    心の病を治す為に力を貸そうとする人たちに感謝する。そして、その世界の一面を見せて下さった葉月さんにも '′ありがとう''

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    2016年10月30日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    最相葉月の本を読みたくて調べたときにこの本の存在を知り、購入した。
    星新一のショートショートは読んだことがある。その星新一は星製薬を創業した星一の息子であり、森鴎外の妹の孫である。
    そして星新一自身も東大の大学院まで出た秀才である。
    やはり新しいものを生み出す人は、膨大な知識があり、努力している。
    そして、時をつかんでいる。
    星新一の場合は、米ソを中心とした核開発と宇宙開発が世界的に起こり始めたタイミングであり、SF小説が日本に起こり始めた時期である。
    時をつかめるかどうかは運の問題だが、時をつかんだ人しか、大きな仕事はできない。

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    2016年10月02日
  • ナグネ 中国朝鮮族の友と日本

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    最近ご無沙汰しているけど、私にも中国朝鮮族の知り合いが数人いる。この本に書かれている具恩恵(仮名)さんのような非常にアグレッシブの生き方にこちらが戸惑ったりもする。北京、韓国、日本、そして他の大陸へと彼らの動きはダイナミックで本拠地の中国東北部では人口減が進んでいるらしい。それはそれで問題だろうけど、彼らの動きを見ていると自分自身のステージは狭いと思ったりもするのである。

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    2015年04月06日
  • ナグネ 中国朝鮮族の友と日本

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    私たちのすぐそばに暮らす
    外国の友がいる
    はたして 私たちは
    どれほど 彼(彼女)のことを知っているだろう

    「目の前にいるたった一人の中国人のことすらしらない。いや、これまで知うとすらしなかったではないか。その無関心は、ふだん苦々しく思っている一部の偏見や差別的言動と実は紙一重なのではないか。」

    最相さんの言葉に
    どきっ と させられてしまう

    自分のすぐそばにいる
    異国からの友のことを
    思わず思ってしまった

    きっと
    そんなことを
    意識するとこから

    国際理解
    とか
    異文化交流
    とかの
    言葉が初めて言えるのだと思う

    先ずは
    ひとりから…
    始めたい

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    2015年04月04日
  • 絶対音感

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    中学生のときに読んでからの再読。
    当時は難しくてわからなかったことがわかるようになった。理解できることが増えた。

    私は絶対音感を持っています。
    ですが、相対音感もありますし移動ドで気持ち悪さを感じたことはありません。

    色々な音楽家が絶対音感についてどう考えているか理解できて面白かった。

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    2013年06月10日
  • 絶対音感

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    実によく歩き回った作品である。
    なにげなく使っている言葉が、実はかなり深い歴史を持っていた。
    「絶対音感」;その響きは、何かを想像させる。

    五島みどりのおっかけストーリーを織り交ぜながら、
    日本の「絶対音感」をもつ人の多いことについての考察
    ヤマハそしてそのさきがけたる人物像。
    「絶対音感」が、なくても、ある程度の演奏家になれる。
    しかし、日本で絶対音感をもつことによって、
    国によって、絶対音感が違ってくる。
    ラ音 440ヘルツ
    音というのは、ヘルツなんだよね。
    ○ピアノの平均率で出来ている純正律の音程
    ○440ヘルツ、442ヘルツ

    音とは人と人の間の空間をどれだけ揺り動かすことが出来るか

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    2017年06月24日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(下)(新潮文庫)

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    晩年の葛藤はなんとも嘆かわしい…
    まさか、文学賞を欲していたとは。

    1001という数字に圧倒されるばかりだが、
    なぜその数字なのかを知って、より重みを感じざるをえない。

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    2012年10月21日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    星製薬なる会社が、そんなに有名だとは知らなかった。
    父親である星一という人物は大変魅力的である。

    ぼっちゃん、という人柄なのか。
    デビューするまでの軌跡にさほど悲壮感はない。

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    2012年10月14日
  • 絶対音感

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    10年以上前に話題になった、氏のデビューレポを今ようやく読んだ。五島家をメインとした幼児教育論に話が始まり、各界音楽家へのインタビューねたをもとに、絶対音感について徹底調査した内容。結論としては予想通り(今の流れを知っているからかもしれないが)であるが、裏取りもしっかりとしてあり、読み応えあるものだった。自分には相対音感はあるということも、本書を読んで理解できた。

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    2012年10月04日
  • 絶対音感

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    ネタバレ

    意外と面白かった!

    余談ですが著者は関西学院大学出身、
    「東京大学応援部物語」も書いている彼女の
    母校の応援団の思い出はというと

    試験前に当時の団長にノートを貸せと言われ
    顔は知ってるもののろくに話したこともないので
    断ると、俺を誰だと思ってる的な発言をされた

    らしい…(もちろん最相さんは吹奏楽部でもない)

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    2012年02月24日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(下)(新潮文庫)

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    ショートショートの神様としての苦悩。文壇との確執。下巻は現在も活動しているSF作家が次々登場します。
    星新一のショートショートに中学生の頃はまって読んだことは私の拙い読書歴の中で大変幸せなことだったと改めて思いました。著者の膨大な資料の読み込みと長期に渡る取材、そして星新一に対しての思いには感服する。

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    2010年12月31日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    ショートショートの神様、星新一の評伝。上巻の前半は父星一のお話しが中心。昭和史に名を残す人物が多数登場します。後半は星新一がデビューする辺りまで。

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    2010年12月31日
  • 絶対音感

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    音を聴いて、その音名を言えるという「絶対音感」。

    音楽に関わるものには非常に便利な能力。
    だけど、絶対音感を持つ者には周り中の音が全て音名で聞こえてきてやっかいなものだとも言われる。

    私には絶対音感はない。
    だが、相対音感はあるし、絶対音感に近いものは持っていると思う。

    その中途半端な音感が身についた理由がこの本である程度明らかになった。

    私は4歳からバイオリンを習い始めた。
    そして和音の音名を言う練習もさせられ、15前後の和音を区別し3つの音名を言えるようにはなっていた。
    ただしドイツ語で。
    「ドミソ」なら「ツェーエーゲ」と言うように。
    もちろん子供の私にはその意味は理解出来ない。つ

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    2010年10月22日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(下)(新潮文庫)

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    星新一の本をもう一度読まなきゃと思った。
    星新一の都会的な文章、膨大な量の物語、品質の良さから
    それは難なく書かれたものかと思っていた。
    星新一はショートショートの神様だから。

    でも彼は人間である。
    泣いたりもしたのかな、そう思うと、
    もう一回、次は大切に、読みたいと思う。

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    2010年07月17日
  • 星新一―一〇〇一話をつくった人―(上)(新潮文庫)

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    数々の賞を受賞した、星新一の評伝。星新一は言わずと知れたショートショートの神様だが、実はこの本を読むまで、彼がかつて日本一の製薬会社だった星製薬の御曹司だとは知らなかった。

    前半の星製薬と父 星一に関する記述は、戦前、戦中の雰囲気を伝えて興味深いところがあるものの、概ね冗長。

    しかし、上巻の後半、矢野徹がSF大会参加のために渡米し、柴野拓美が「宇宙塵」を創刊するあたりから話は急に面白くなる。戦後日本が若く、やがて大御所となる大作家たちもまだ若く、そして何よりも日本 SF 界自体が若い、否、幼かった時代の物語だ。SF に魅せられた男たちが、一躍スターダムへと昇りつめる星新一とともに、世間の誤

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    2010年07月01日