セラピスト

セラピスト

小説・文芸
990円 (税込)

4pt

『絶対音感』『星新一』の著者が選んだ次なるテーマは、〈心の病〉だった――。河合隼雄の箱庭療法を試み、中井久夫から絵画療法を受け、自らもカウンセリングを学んだ。心の治療のあり方に迫り、セラピストとクライエントの関係性を読み解く。そして五年間の取材ののち、〈私〉の心もまた、病を抱えていることに気づき……。現代を生きるすべての人に響く、傑作ドキュメンタリー。文庫版特別書き下ろし「回復の先に道をつくる」を収録!

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

セラピスト のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     日本の心理学の発達過程を詳細に学べた私にとっては良書。冷静かつ第三者的な視点で描かれていて、強いバイヤスが入っていないのが良い。日本の心理学の発展に貢献した逸材の努力とその価値、カウンセリングの父、カールロジャースの軌跡も知ることが出来る。

    0
    2025年09月18日

    Posted by ブクログ


    医療、心理学、教育と多方面からの歴史的背景を知れて面白かった。

    言葉にするということは、自分を理解したり、してもらったりするために、非常に重要なものではあるけれど、言葉にならない言葉以前のものが存在するのだと、そうだよね?そうだよね?とドキドキしました。

    心の病からの回復とは発病前に戻ることではなく、新しい地平に立つことだとのこと。他の病気からの回復は、例えば熱が下がったとか傷が消えたとかなんとなくわかりやすいけど、心の病が治るとはどういう状態なんだろうかと不思議に思っていたので、そう捉えたら良いのかとホッとして、なんて素敵と思いました。

    0
    2024年06月22日

    Posted by ブクログ

    始終圧倒されっぱなしだった。登場するセラピストのみなさんの思慮深さや鋭さと、それをあますことなく表現する最相さんの筆致。

    クライエントが回復することを、手放しで喜んではいけない。心の病と向き合うことの長く苦しく、ときどき光が差しこむ道のりを垣間見た。

    口絵の、中井久夫さんの書いた風景構成法のイラストがとてもいい。じんわり、何でも受け入れてくれそうな風景。

    0
    2023年03月13日

    Posted by ブクログ

    著者が、心理学やカウンセリングの世界を取材し、掘り下げたルポルタージュ。しかしジャンルを「ルポルタージュ」とまとめてしまうのはちょっと違うかも、と思える。著者本人の物語も含まれているし、日本にカウンセリングが持ち込まれてから、「心の病を治す」という分野の仕事がどのように研究・発展してきたのかを掘り下げた、歴史書や分析書のようでもある。
    今や「カウンセリング」という言葉は世の中に浸透して、精神病ではなくても心が不安定になったとき、誰でも「カウンセリングが必要かも」と考えたりする。あきらかに病気ではなく、いじめや職業(職場)との不一致など、環境による不安であっても「カウンセリング」で何とかしようと考えたり。
    私も不安感に耐えかねて、職場が紹介している窓口に問い合わせたことがある。(実際に受診するまでには至らなかったが)。
    今ではそのように一般的になった「カウンセリング」だが、日本に持ち込まれてまだ70年しかたっていないらしい。心の病を引き受けるのは医者(精神科医)なのか?心理学者なのか?教育者なのか?そもそもそのような線引きもなく、”自称セラピスト”のような人も多数存在した。今でも民間の団体が主催する研修を数時間受けた程度で、もっともらしい看板を掲げてセラピーやカウンセリングを行う人がいる。今では「臨床心理士」という国家資格があるが、資格を取るのは大変難しく、経験が必要なのにも関わらず、待遇はあまりよくない。
    それでも現代社会には、心に不調を抱え、カウンセリングを求める人がたくさんいる。社会はどのように対応していけばよいのだろう?求められる「セラピスト」とは?
    本書の大部分は、かつて注目を浴びた「箱庭療法」や「絵画構成法」といった芸術療法の解説や、河合隼雄に影響を受けた研究者たちを取材した内容が占めており、日本の”心の診療”がどのような歴史をたどって発展したかをひもといている。箱庭療法はいかにして日本に持ち込まれ、どのように発展したのか。どんな人がどんな箱庭を作ったかの興味深い事例も少々取り上げられている。私も箱庭療法にとても興味がある!やってみたい!・・・しかし、今はそのような手法は下火になったようで、認知行動療法が主流だ。(これは私も仕事上多少の知識はある)。
    残念ながらカウンセラーとクライアントが箱庭や絵画を通して心に向き合い、深いところに降りていくような治療は、もう現在はできないということだ。時間がないから。一人のカウンセラーが一日に何十人も診ている。数分間の診察で、抗うつ剤や睡眠導入剤を処方して終わり。それが当たり前になってきている。
    本書を読んで、本当に病気で、薬の処方が必要な場合でなければ、一番のセラピストは身近にいる親しい人なのではないかと私は思った。そばにいて、相手の話に耳を傾け、深く共感したり、一緒に悩み悲しんだりして時には深く降りていってしまい(時にそれは危険なことでもあるらしいが)、そして一緒に上がってくる。
    今は心療内科などの看板を掲げるクリニックに行っても、そんなに時間をかけて話を聞いてもらえないのならば、よっぽど素人であろうとそばで話を聞いてくれる人の方が心の回復の支えになるだろう。
    私の友人に、個人でサロンを経営しており、とてもカウンセリングマインドがあり聞き上手な人がいる。時々無性に彼女に会いたくなり、友人として、ときには顧客としてサロンに通っている。先日会ったとき、「ねえ、あなたはサロンをやっていくために、なにかカウンセリングの勉強や研修をしたの?」と聞いてみた。本人曰く、傾聴ボランティアをするときにほんの少し研修を受けたがたいしたものではなく、もともと人の話を聞くのが好きなのだと言っていた。
    傾聴っていうのも、誰にでもできそうで、できないよな。やっぱり彼女はもともと、向いているんだろうな、人の心を癒やす、何かを持っているんだろうな、と思った。
    そういう興味もあって本書を読みました。数十年前の研究や、心理学の歴史の記述などは少々難しかったけど、とても興味深く読めました。

    0
    2021年03月22日

    Posted by ブクログ

    絵画療法やロジャーズのカウンセリングを本書でメインに取り上げられており、著者自身が一昔前に風靡した療法で認知療法などを取り上げられていないことをここに言っているけども、心理史について著者なりにまとめたことがしっかり書かれているし、カウンセリングにおいては「沈黙」が大切なことなど著者がエッセンスと感じたことがしっかり書かれている。なにより、著者自身が中野久雄さんなどに直接インタビューをして、この本を書くために大学院に進学して心理学の勉強をはじめたことなどその姿勢にとても驚かされた。

    0
    2017年04月02日

    Posted by ブクログ

    心の病って何だろう、どうやったら治るんだろう、どうやって治すんだろう。このあたりの疑問に対して、カウンセリングの歴史を紐解きながら迫っています。
    心の病が「ほどけて」いく過程がなんとなくイメージできましたが、思っていたのと全然違ってびっくりです。
    医者って病気を治してくれるイメージだったんですけど、患者が自分自身の心の闇を理解し、改善する方法を見つけていくのを、カウンセラーは支援し見守っていくんですね。
    まさに「ほどけて」いく過程が臨場感たっぷりに再現されていて、自分のことみたいです。

    0
    2016年12月13日

    Posted by ブクログ

    最相葉月にしか書けない。このくどさというかしつこさというか、理論や分析で事象を切るのではなく、自身の違和感や興味を丁寧に丁寧に掘り下げていって、そこにあったのに誰も見向きもしなかった豊かな世界を見つけてしまう、というスタイル。読みながら静かな感動に包まれる。
    社会の変化と症状の変化と制度の変化と診断治療法の変化とを、鳥の目と虫の目で立体的に浮かび上がらせているのも素晴らしい。自分でカウンセリングを受けた時の様子を誌上再録しているところの臨場感ったらない。
    次回作も楽しみ。

    0
    2016年11月18日

    Posted by ブクログ

    白衣の写真の表紙は少し冷たい印象だが、中身は一線で活躍するホンモノのセラピストに実際に会って取材した温かい出会いの記録。
    専門的な箱庭療法や風景画を描く治療法などの体験談も大変興味深い。心理学は新しい学問だと言われるが、この本には巻末の文庫版書き下ろしも含めて直近20年くらいの日本の心理療法についてのトピックスが詰まっている。

    0
    2026年09月07日

    Posted by ブクログ

    神経症、精神病について本格的に書かれた一冊。病気の解説をするのではなく、病気を治すとはどういうことか?、精神科医の世界はどんなものかを深いところから捉えた本。素晴らしい精神科医に共通するのは、相手の立場に立ってどれだけ考えられるか、自分の解釈や世界観で判断せず傾聴できるか、これらの能力が高いように思う。また、沈黙に耐える力がある。

    0
    2026年08月27日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションライターの最相葉月による、箱庭療法について。

    箱庭療法もさることながら、カウンリングについて深く知ることができた。

    0
    2024年05月19日

セラピスト の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

最相葉月 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す