森博嗣のレビュー一覧

  • 悲観する力

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    悲観とは
    「物事は予測や予定通りには運ばない」と考えること。
    本書で伝えたいのは、この「思わぬこと」に対する考察の重要性だ。重大な過ちを繰り返すことへの歯止めは悲観することしかない。「機械はいずれ壊れる」「人間は必ずご操作する」という工学の設計には当たり前のフェールセーフの思想が、人間の心理や感情には決定的に不足している。
    エラーの想定が不十分なのだ。
    もちろん単なる心配や諦めは悲観ではない。「これでは駄目かもしれない」と思ったら次にどう対策するのか。
    豊かな社会ゆえの楽観を排し、有効な悲観の技術を伝授する。
    (あらすじより)

    今の職場はエネルギッシュで非常に挑戦的だ。

    入社して3ヶ月、圧

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    2019年03月31日
  • 森遊びの日々

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    ネタバレ

    著者の小説は未読だが、エッセイなどが気に入っている。
    受け手にどうしたら良い経験を提供できるか?というミッションが認識できていて、読んで後悔したことがない。
    p.60の以下の一節が実に良い。

    読者は、小説を読んで自分なりのイメージを抱きます。そのイメージの中で、なにかを感じるのですが、その感じたことが、自身にとって楽しかったのかどうか、そのイメージの経験が有意義に感じられたかどうか、ということが評価ポイントになるはずです。

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    2019年04月14日
  • 悪戯王子と猫の物語

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    ささきすばるさんと森博嗣さん夫妻のコラボによる大人向けに書かれたミニ絵本です。うーん、さだまさしさんの笑える血液型の歌「恋愛症候群」ではありませんが、それぞれにO型とB型のお二方の性格・感性がA型の私には少し合わない嫌いがあったのかも知れません。徹底的に暗いという程ではないのですが、でもとてもご陽気とは言い難いダークな雰囲気が全編を覆っているのですね。通り一遍の結末やオチではなく読者の感性に訴え掛けて考えさせるガチガチでなくゆる目の締め方は新鮮で良いのですが、不気味な絵と時折の死の影に気が滅入りましたね。

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    2019年03月25日
  • 月夜のサラサーテ The cream of the notes 7

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    風見鶏的な不安定さ 人それぞれ拠り所が違う 理屈で考えればこうだ 仲間外れを罵る事で結束が保たれる 無関心が反逆と映る いくらでもプロパガンダで捏造できるものなのだ 火山の水蒸気爆発 表向き装う 自信に必要なのは「悲観」だ 今や天然記念物クラスの死語である いつの間にか「むらむらした」と犯罪者が言い訳する言葉なに落ちぶれてしまったということか 単なる個人的感情などを吐露している 「誰でも良かった」と語られることが多いが、それにしては、やりやすい相手を選んでいるように見える。 一矢報いる気持ちで事を起こす 加害者の生い立ちや被害者の嘆きなどを広く公開しない方が良い。演じられた彼が主役のフィルムを

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    2019年03月10日
  • 月夜のサラサーテ The cream of the notes 7

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    著作の小説と同様に、なるほど、おっ、と思わされる話がちらほら。
    読み足りない、まだ読みたいと思わされる話がなく、ちょうどよい長さ
    になっているのも流石だと思う。流石慣れていらっしゃる?
    意外だったのは、読者の感想をとても意識されていること、そこがヒット作連発の秘密なのでしょうね。
    自信をもつなと励ます


    リストラで駄目な部分が切られるが、原因は駄目だからではない

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    2019年02月26日
  • MORI Magazine

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    森博嗣の思う「雑誌」を森博嗣が作った感じなのか?
    雑誌というよりはムックじゃね?
    むしろ、後に文庫化するだろうし、もうこれは本じゃね?
    となると、Magazineというタイトルの本じゃね?
    と思わないでもない

    今までの他の本の企画(エッセイ、質問受付、趣味、架空のキャラクター等)を色々と混ぜた感じ
    ああ、だから「雑」誌なのねと納得

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    2019年02月12日
  • 探偵伯爵と僕 His name is Earl

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    ネタバレ

    淡々と語る子供の文だけど、ラストに意外なドンデンがあってビックリ。
    今までとは違う森博嗣。
    でも森博嗣感は残ってる。

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    2019年01月14日
  • 人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?

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    ネタバレ

    『なぜ、いつまでたっても夜は眠れずに』

    読み終わってなぜか悲しくなった。お話は確かに終わったはずなのに。きっと丸く終わったのに。いますぐ、最初から読み直したい。なにが、私を悲しい気持ちにさせているのか知りたい。

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    2019年01月14日
  • イナイ×イナイ PEEKABOO

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    Xシリーズに突入。
    凄惨な事件が発生する割に、登場人物たちはどこか能天気さを感じる会話を交わしているところが独特の雰囲気です。まずは平穏な滑り出しといったところでしょうか。
    森作品のレギュラーメンバーが所々に顔を覗かせているので、今後の絡み方に期待したい。

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    2018年12月21日
  • 人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?

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    このシリーズ完結なんですね。もっと読んでいたい気もするけど、ちょうどいい頃合いかも。次の展開の可能性を想起させて終わるという。コミックの単行本みたいな刊行頻度もよかったです。前作の内容を完全に忘れないうちに次作が出てくれるという。10冊まとめ読みしてみてもいいな。

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    2018年12月19日
  • 六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientists

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    ネタバレ

    事件のトリック自体は古典的だった。クリスティの『オリエント急行』のパターンだ。動機も森作品としては割と穏当で、単発の作品としては地味な印象を受けた。

    むしろこの巻で感心したのは、殺人事件以外のトリックだ。ひとつはVシリーズの『朽ちる散る落ちる』との絡み。この研究所の物理的構造が次の事件のトリックに活かされていて、この巻自体がいわば前哨戦なのだ(なので『超音波』と『朽ちる』の2つはセットで読むと面白い)。

    もうひとつは、テクノロジーを利用したトリック。橋が爆破されて研究所が孤立した時、「なぜ誰も携帯を持ってないんだ」と思ったのは私だけではないと思う。山奥だから使えないという一見もっともらしい

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    2018年12月15日
  • ゾラ・一撃・さようなら

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    ネタバレ

    ハードボイルドと銘打たれているが、少々物足りない。
    ミステリィとして捉えても物足りない。中途半端な作品に仕上がってしまったのが残念である。
    然し乍ら、登場人物の描写や心象はいつも心打たれる。
    さて、本作ではシリーズ外の作品であるが、S&Mシリーズ7作目の「夏のレプリカ」で登場したキャラクタが登場する。
    大きな伏線ではないが、その登場人物が知りたいようであれば、そちらを読んでおくといいだろう。

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    2018年11月29日
  • 常識にとらわれない100の講義

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    森博嗣という人間の考え方を垣間見ることのできる作品。
    同時に, 今まで彼の小説を読んできて, 「森博嗣の死生観に触れた気がした…, 森博嗣っぽい…」などなど感想に書いてきたが, 非常に的外れで恥ずかしいということに気付かされる。森博嗣という人はどこまでも私からは離れた思考回路の人間なのだと感じた。気持ちが良い位スパッと割り切った考え方をしていて, 共感できることも少なくないし, なるほどそう考える人もいるのねと「はっ!」とさせられることもある。
    小説ではない森博嗣のこの世界観, 個人的には好きなので次のシリーズもチャレンジする予定です。

    以下備忘録。
    *不満を持っている方が, 満足しているよ

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    2018年11月21日
  • 女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN

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    神の正体は予想通りではあったが、ミチルについては予想外だった。考え方次第で死のとらえ方が変わり、平穏に暮らせる、という街の姿は、SFの衣を被っていたけどまさに宗教だったな…。

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    2018年11月14日
  • キウイγは時計仕掛け KIWI γ IN CLOCKWORK

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    Gシリーズ第9作。前作同様、もやっとする読後感。一般的なミステリのように、犯人は誰、動機はなに、トリックはこれと回答があえて明示されないから。でもシリーズを読み進めてくると、次が読みたくなる不思議。早速本屋で次作「χ(カイ)の悲劇」を探したけど、文庫版はまだ出版されていない事がわかる…

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    2018年11月12日
  • 人間は考えるFになる

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    対談している二人の話が微妙にかみ合っていないのは、対談としてはどうかと。
    森先生は、孤高すぎて対談には向かない感じですね。(ほめ言葉にあらず)
    それに引き替え土屋先生は良く最後まで我慢できたものだと。(^^;
    おまけの短編の方が楽しめたかなぁ。
    ちなみに、短編はやはり森先生に軍配が。(^^;

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    2018年11月12日
  • 女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN

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    ややこしいけど、面白かった

    どうやらシリーズ物らしく、果たしてこの話から読んでよかったものか…
    森博嗣さんの本を読むのは初めてで、面白かったので
    他のも読んでみようかな。

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    2018年11月08日
  • 目薬αで殺菌します DISINFECTANT α FOR THE EYES

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    劇薬入りの目薬が発見された。 目薬には「α」の文字が。
    さらに、墓地で発見された他殺体が握りしめていたのは、やはり目薬「α」。 共通するのはギリシア文字。

    真賀田四季の壮大な実験の一部分が見え隠れしているような演出。
    Wシリーズで語られる共通思考の実験がここから始まっていたのか?

    デカい、デカいよ真賀田四季!

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    2018年10月27日
  • 血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?

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    人工知能、ウォーカロン、トランスファーと出てきて、誰が誰だか、何が何だか混乱気味。

    そもそもウォーカロンは人間とほとんど区別つかないものとして登場していたはずなのに、いまではウォーカロンがロボット寄りの設定になってしまって、ハギリ先生の研究はどうなっているのやら。

    100年シリーズを読んでから、もう一度このシリーズも読み返したほうがいいんだろうけど、内容がミステリーというわけでもなく、その時間をとるべきか微妙なところです。

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    2018年10月18日
  • 人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか

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    「客観的に考える」ないし「抽象的に考える」ということについて、著者自身がふだんから心がけていることを紹介しながら、自分で考えるための方法を読者に向けて語っている本です。

    けっして語り口はむずかしくないのですが、著者特有の概念の用いかたになれず、しばしば戸惑いをおぼえました。たとえば、「考えてみたら変な話だが、言語という具体的なもので、抽象的なことを表現するのである。きっと「~のような」という表現を多用することになるだろう」と書かれているのですが、言語というのは抽象的な概念を表現するものであり、「~のような」というのはイメージの連絡をかたちづくっていくことを意味するのではないか、といったような

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    2024年10月23日