森博嗣のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ10弾にして最終巻。キョートでの国際会議で、人口増加に資する研究成果を発表しようとするウォーカロンメーカー連合WHITE。発表を阻止しようとする情報局。逆に拉致されるハギリとウグイ。二人での逃避行。最初はロボットのようだったというハギリの印象とこれまでのウグイの変化が微笑ましい。タイトルはウグイにピッタリな感じ。最後の女医を通した2人の両思いの話も面白い。ヒトと技術の未来に課題を残しつつとりあえず終わり。
人口増加に資する技術。人工細胞を入れた人間の体に対して、少しずつ生殖可能な臓器や細胞に入れ替えていく技術。ウォーカロンメーカーは人間の臓器をつくるようになるだろうと。
自分の -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ第9弾。日本唯一のウォーカロンメーカーイシカワの社長や関係者を乗せた飛行機が行方不明に。一方で九州アソにあるイシカワの開発施設が武装集団に襲われ、派遣されたハギリ。そこはキガタの育った場所。中学時代の教師ロボットオーガスタ。もぬけの殻のメインコンピューターカンナ。スペースステーションに命懸けで向おうとするウグイをムキに止めるハギリ。反対するハギリに対して結局キガタが向う。カンナと交流するキガタ。身売り拒否とカンナも含めた集団自殺。行方不明も襲撃もカンナ絡みの結果。キョートの国立博物館のクジコレクション。シキが持ち去ったロボットロイディの写真。他人格な人工知能の統合システムによって -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ8弾。人間を殺した最初の人工知能と呼ばれる軍事用AIイマン。フランスの修道院のベルベットとの通信履歴。エジプトを訪問するハギリ。一方でナクチュのジュラの冷凍遺体が行方不明に。調査段階で過去に100年シリーズとのリンクが面白い。イマンの交信先の最終地である南極の民間施設へ。144基のイマンと同じコンピュータによる共通思考クリスティナと200歳以上のジャン・ルウ・ドリィ・モレル・マイカ・ジュク。再びエジプトでモレルとマガタシキ。ロイディの回収。100年シリーズとのリンクが激しくなかなか面白い。
マガタシキの共通思考。生命体を排除した人工知能による新秩序の可能性。エネルギーの最省力化 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ6弾。北極にある日本とロシアの共同基地。海底五千mに忘れられたスパコンオーロラ。データ蓄積と思考を重ねた人工知能の話。シキが設置したオーロラは、孤独からジレンマに陥り偽りのレポートを送るように。暴走防止のためハギリに依頼。人が関与せず自立で自己修正の結果。潜水艦せいげつに乗っていた人間のフーリ。フーリとオーロラの交流、フーリ死後の孤独。身体をもった人工知能オーロラ。ハギリとの共著論文。前作と逆の発想で、種々の可能性が見え面白い。ウグイが昇格しキガタ・サリノがハギリ担当に。
アミラの本当の名前はスカーレット(シキ曰く)。
テルグの住人であるフーリは、北極海でオーロラと過ごしたフー -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ5弾。フランスの博覧会から脱走したウォーカロンが潜むというアフリカ南端へ。富の谷という地下都市でのバーチャル社会。そこでは人間は村長のシン一人と脳だけのウォーカロン。体を捨て頭脳だけでバーチャル社会テルグで生きる人々。チューブがつながった頭脳だけが集まった一室。キリナバをリーダーとしてソフトの仕事をして富の谷に金をもたらす。冷凍保存、ウォーカロンに続き、ボディを捨て頭脳だけでバーチャルで生きる社会の展開。技術が進歩した究極の未来の想像がなかなか面白い。
実際はシンは人間ではなく、給仕していた老母がシンであったと思われる。
テルグの住人である、数学と物理の教師フーリは後の巻でも登 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
Wシリーズ4弾。フランスの西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスパコンアミラ。
デボラ眠っているの?の声。ニュークリアに収入したウォーカロンの少女サリノ。コンピュータ間を移動するトランスファデボラ。有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。
人工知能であるアミラとベルベットの対決。
有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。後の話で、ある特定の遺伝子を用いて量産しているためという部分もあるのかも。
カンマパはデボラの娘らしい。
トランスファだけが通れる回路を大昔から設計に密かに組み込み言葉なども含めたストッパとなっている?
修道院のオーナーはジャン -
Posted by ブクログ
ネタバレ理系と文系の対談だった。私は文系なので土屋氏への共感が大きく、森氏に対しては「このように考えられたら楽であろうな」と思わされるばかりだった。
だがひとつ。ジェンダーなどに対して考えが進んでいる文系である土屋氏の方が女性蔑視的な発言が多かった点がいただけない。森氏に関しては性別を考えていないようだった。人間に対する興味が薄い分であろうか。その点については再度考察できたらと思う。
ミステリーが苦手な筆者であるが、今作品を読んでも克服は難しかった。だが土屋氏の書くミステリーの会話文が大変リズミカルであり、彼のエッセイを拝読したいと感じた。
個人的に好きな話は森氏の「子供に人形を与えると、男児は