あらすじ
もうそろそろ潮時である。
優しい人というのは、自分の機嫌の取り方が上手い人だ/現場のレポートの八割は意味がない/RITZを、ほぼ毎日食べている/美しさを知るほど、人は強くなる/少子化が悪いと考えていない ほか
思わず納得、ベストセラ作家の斬新な思考よりすぐり100個。
霧の向こうの未来をほんのり照らす森博嗣《クリームシリーズ》
文庫書下ろし。
実は、すべてのものが「いなくなる」運命にある。生きていることこそ、奇跡的な状況なのだ――。都会を離れ、森に暮らす人気作家が考える、社会のあり方、日々の送り方。少しだけ発想を変えれば、目の前の世界がまったく新しくなる。素朴な疑問から導かれる深い答えが衝撃的な、大人気エッセィ・シリーズ第8弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
6巻〜8巻にかけての、吉本ばななさんのあとがき「ピロチくんとオレ」がきっかけで読みました。
お2人の中にあるもののつながり、友情ということ、人生の節目に生活を変えていくこと‥読めてよかったなと思いました。
Posted by ブクログ
今までなんとなくタイトルが似ているなあというような認識だったのだけれど、まえがきに、タイトルのルール書かれていて、ようやく理解できた。美智子上皇后のことが書かれていたりして、いつもより「社会とつながっている感」が多く感じられた。老後二千万円問題、戦力放棄、「謝罪しろ」について、「交通事故が怖いから運転しない」について、選挙運動が無駄、危険の確率はゼロにできない、だらだら進めるほうが良い人もいる、考えたことの1%を文章にしている、原発より危険なもの、いよいよAIの時代。
Posted by ブクログ
このシリーズも第8弾となった。今回もそれなりに議論を巻き起こしそうな内容が散りばめられている。
思考の過程で第三者の視点から眺めてみるということは、客観性を確保する意味で重要であると理解しつつも、これがなかなか難しい。
今回、感銘を受けたのは天才に関する行である。
「知りたいことは、自分の目で見て学ぶ。この観察力に、まず非凡な才能が発揮されるのが天才である。」という。
やりたいことはすぐに実行し、試す。そこに体系化されたステップは存在しない。だから天才は上達するのが速いという。
「天才は自分で自分を評価している」とも指摘する。他人に評価されることを待つ凡人とは異なり、自分の出力を逐一チェックしているので、上達するのが速いという。
そうかも知れないと凡夫の私は感じるのみである。
Posted by ブクログ
なんだっけこれ、と思って手に取る。
このシリーズては第八弾とのこと。そんなにあるのか。
森博嗣のエッセイをきちんと最後まで読んだのははじめてかも。
パラパラとは見知っているけど。
さすがに私ももう若くないので、昔ほど感銘をうけない。(笑)
森博嗣は、小説を読むような人間にきびしめで、毎回自分が小説をかくのはビジネスなだけ、小説を読むようなひとは思い上がりのある人間で自分たちが奇特な少数派だとわかってない、小説界隈の世界は一般社会に比べればあらゆる点でオワコンである大意ときたもんだ。
まあ多分毎回これ。
一種の様式美で、読者も作者もわかったうえで毎回やってるやつです。
今回読んで面白かったのは、ここだけ熱量がちがう犬の話と工作のこと。
(そういえば、子供の科学の連載も、すこしまえに終了するまで読んでたよ。たまたまだけど。
森博嗣先生のですます文体が読めるのは、子供の科学だけ!ってかー。)
あと面白かったのは、作者本人の自作お気に入りは、まどろみ消去だったらしい!すごい、私と一緒じゃん(笑)!
そしてあのカタカナ表記も健在。カレンダ、ミステリィ、計算機センタ、センサ、そしてこの表記ではオスプレィになるのね。笑いました。
Posted by ブクログ
つまり、自分の認識は、この世の現実ではない、ということを人間だけが知っている。
40 「自分」とは、どういう意味なのか。より
「完成って、何ですか?」というのが僕の疑問だ。
僕は自分の行為を自分で評価する。自分が褒めてくれれば、それで充分である。
43 最後の引越になるかもしれない。ということはそこがゴールかな。より
簡単に言えば、発展は頭打ちになる。そうなるのが自然なのである。
47 言論を弾圧する国家が、今も成り立っていることを、真摯に受け止めるべき。より
日本には古来、朽ちゆくもの、滅びゆくものの美へ注ぐ目があった。しかし、それは弱さを求めたのではなく、着飾った虚構が崩れ、還元される本来の姿に、永遠という強さを求めようとしたものだ。
98 美しさを知るほど、人は強くなる。強くなるほど、美しくなるのだろう。より
2019年のエッセイ集、creamシリーズの8作目。
民主主義、資本主義のシステムに対する言及も少ないながらもあり、くだらない話もあり、過去7作の中で何度か出た話もありの通常営業ですが、楽しんで読むことが出来ました。
まだ未読ですが、著者のベスト1が赤目姫だそうで読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ
百のテーマを書いてみよう~01「このシリーズは最初のうちは鋭かったのに最近はそうでもない」は本当か?02欲しいものを買い、必要なものには金をかけない、という方針でこれまできた。03相談に乗って解決するときと解決しないときの差は、どこにあるのか?04電池を買い溜めするようになって、お金持ちになったものだ、感じた。05ほとんどの社会人は、大学落第者である。06戦争の体験はないが、戦争反対を強く後世に伝える責任は感じる。07「そして、誰もいなくならなかった」とタイトルはいかがか。08「そして、誰もいらなくなった」というタイトルはいかがか。09「群れるな」という教えについて。10「誰か見て」「誰か助けて」と立ち止まって前進しない幼さ。11「やさぐれる」の意味を知っている人は、あまりないと見たぜ。12「自由」とは、すなわち「不安定」な状態のことである。13老後二千万円問題を、遠くから白けて眺めていました。14「子供の科学」で連載を始めて、文章を書くことの難しさを実感している。15YouTubeで動画公開を始めて十年になる。もしかして僕はユーチューバーか?16血筋が途絶えることに、どうして抵抗するのか、理由が全然わからない。17現地に立たないと感じられないのは、ある意味、鈍い感性である。18本当に戦力を放棄していたら、今頃はどうなっていただろうか?19「謝罪しろ」という怒りは、謝罪されたら行き場を失って、困ることになる。20運転が自動化されたとき、交通事故被害者の怒りはどこへ向かうのだろうか?21「~ともあろう者が」と非難されるが、勝手にイメージしたのは誰だ?22書店には、新刊ばかり並んでいる。勝手にイメージしたのは誰だ?23亡くなった人が星になる、というが、人間は星よりはるかにちっぽけな存在だ。24現場のレポートの八割は意味がない。無駄なことはやめてはいかがか。25服は自分で買わない。すっと同じものを着ている。これぞ最適化である。26「どうしたら、そういうふうに考えられますか?」に対する答は?27「もっと早く出会いたかった」と言う人は、自分の未来を変えられない。28学者のライフスタイルはは、研究テーマの逆になることが多い。29思考の道筋を逆にたどることができるかどうか。30「炎上」と「過熱」と「白熱」を使い分けましょう。31手を差し伸べるとしたら、立ち止まっている人ではなく、歩き出している人。32「一人で死ねば良いのに」問題を考えてみよう。33当たり前すぎるが、手の届く範囲のことを毎日するしかない。34ヒット・アンド・ミス、という生き方。35自分が頑固だと感じたことはない。周りの人がみんな頑固すぎる。36世の中には凄い人がいるけれど、仕事というのは普通に凄いものである。37三十五年ぶりにラジコンヘリコプタにはまっている。38僕が育てた犬は、異様に大きくなった。大きいけれど赤ちゃん、と呼ばれている。39エッセィが売れるようになってきたが、残念ながら本人は飽きてきた。40「自分」とは、どういう意味なのか。41不動産を買ったことで、どんな得があったのか。42自分の好きなことをしていれば、自然に優しくなれるのは本当のようだ。43最後の引っ越しになるかもしれない。ということは、そこがゴールかな?44自動車の免許以外にも、返納すべきものがたくさんあるだろう。45「つながりたい」という欲求はどこから来るのだろう?46少子化の対策として、子供を産めという単純かつ頭の悪い意見について。47言論を弾圧する国家が、今も成り立っていることを、真摯に受け止めるべき。48森博嗣ともあろう方が、どうして子供など作ったのですか? と言われたが。49久しぶりにMacを購入して、新しいマシンでこれを書いている。50交通事故が怖いから運転しない、というのは、ある意味、怖い発想である。51毎日、お風呂上がりにヨーグルトを飲んでいる。52ビスケットのRITZを、ほぼ毎日食べている。53老後で考えたのは、とにかく遊ぶこと。ただ遊ぶだけの老後です。54エレクトロニクスとプログラミングを体験できた時代だった。55漫画同人誌を作っていた頃、何が面白いと思っていたのか。56結局、人に使われる経験、人を使う経験をしない人生だった。57この十五年ほどは、ネットオークションが行きつけの店だったかな。58若者の目には、沢山の「無駄」が見えている。59自分が使っている身近なものの仕組みを、ほとんどの人が知らない時代。60ブラックホール発見というニュースの凄さをみんなはわからないようだ。61どれか一冊、自分の本をすすめるとなったら、迷わず短編集である。62政治家が選挙運動をしない法案を通してほしい。あれは無駄だと思う。63十年ほど、腕時計を使っていない。いらなくなってしまった。64都会というのは、人間社会の培養実験室のようなものだ。65統計を取るだけでは、因果関係はわからない。66安全とは、危険の確率を下げること。ゼロにすることではない。67「時間の作り方を教えて下さい」への答は、「時間が作れるか?」である。68集中してやるより、少しずつだらだらと進める方がよいという人がいる。69「方法」というもので上手くなるのは、才能がない凡人である。70周囲の人たちが悲しむことが悲しくさせる、という作用はあると思う。71学問や芸術を育むことが、豊かな社会の指標といえる。72僕は、履歴書というものを書いた経験がない。73困ったときにどうするか、ではなく、困る前にどうにかしないと駄目。74考えたことの一パーセントを文章にしていたが、もう充分だとい感じている。75「今一番したいことは何ですか?」という馬鹿な質問が成立する理由。76髪が減ったので、帽子が被れるようになって、帽子を沢山買っている。77靴はスニーカしか持っていない。靴と帽子は、自分で買う例外的な衣料品。78落ち葉を集めて燃やす作業で、いろいろ学んだことがある。79一匹狼はいても、一匹羊はいない。80活発な老人が増えたが、これは医療技術の向上がもたらしたものか。81写真も文章も、僕は自分に関する資料をなにも保存していない。82人間が死ぬより、犬が死んだときの方が悲しいのは、犬が黙っているから?83僕が生きている間に、核爆弾が大量殺人をすると考えていたけれど……。84原発は絶対安全ではないが、みんなが使う家や橋やトンネルよりは安全だ。85AIが人間と勝負しなくなったのことが、いよいよAIの時代だという証拠。86「明日受け取ります」という返答に、その人の責任感が滲み出る。87子供のときによく作った秘密基地を、何故大人なって諦めたのか?88ヘリコプタって、けっこう事故が多いって、知りませんでしたか?89僕は人真似が得意だけど、誰の真似かわかるほど上手ではない。90オリンピック? 次はどこで、いつあるのかな?91田舎は人口が減ってもなんとかなるが、都会はたちまち崩壊するだろう。92後ろはどこまでも見えるのに、前は霧に閉ざされている。それが人生。93おもちゃに囲まれた生活を夢見た子供の頃。今もその夢の中にいる。94正直にいって、僕には恩人という人がいない。感謝は神様だけにしている。95少しずつ薬を飲む日を減らしている。特に変化は見られない。96死ぬまえに、皆さんの前から姿を消しましょう、雄猫のように。97結局、本当の「美しさ」というものは、学問の中にあったようだ。98美しさを知るほど、人は強くなる。強くなるほど、美しくなるのだろう。99研ぎ澄まされた一瞬の思考に、人の価値のすべてがあるのではないか。100宗教を信じないし、いらないものだと思っているが、神は僕の傍らにいる。~ああ、大変だった。本のタイトルは、飼っている雄犬たちのことで、あとがきはよしもとばなな