あらすじ
より深く、より広く、より自由に。
人気作家が初めて明かす読書の極意。
なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある─。著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは? 「つまらない本」はどう読むべきか? きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二の一冊!
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Posted by ブクログ
本は、友だちみたいなもの。ベストセラーとか、人のおすすめで選んではいけない。自分の友だちは自分で探すー
とのことなので、帯含め、人が勧めているものを選ばず、自分の感性だけを頼りに選ぼうと本屋に入るとなかなか選ぶのが難しい
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この本を読んだ後、本選びがわくわくする様になりました。
今までは興味のある分野の本しか読んでこなかったけれど、もっと幅広いジャンルの本を読んでみようと思いました。
誰も知らない自分の中だけの名作を探してみたいと思います。
本を通して色々な人に出会うのが楽しみです。
Posted by ブクログ
よくある読書術の内容とまるで違うので面白い
年間読書数を気にしていたのだが、本書を読むと「じっくり読書をすることの大切さ」がわかる。
薄っぺらい本を数時間で読んでも記憶に残らない。たまには難解で理解できない本と出会いたくなった。
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読書によって得られる情報を『展開』し、自身の連想と発想の手がかりとする。今年いくつか読みにくい、、と感じた本もあったけど、それすらも価値なのだと捉えられました。
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本は自分で選んで自分で読む。どんな内容でも自分の中に溜まって、それは自分の能力となる。新しい発想の種となる。とにかくインプットし続け、アウトプットも怠らないこと。
著者の少し変わった人となりとあわせて、非常に共感を持って読める。少し変わっているところ、周囲のまねを決してしないこと、少し変わっていることをちゃんと自覚しているところ、その辺がとてもよい。
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読書に関しての森さんの考え方がまとまって読めてとても価値がある。デジタルになり、マルチメディアになるという本の未来予測は想像するとすごいね。我流でなく正式なブラインドタッチを体得すれば、森さんみたいにキー入力早くなるのかな。プログラミングをするからひらがな入力に切り替えるのは私も難しそう。
Posted by ブクログ
読んでいてわからないとわかるとか、わからないけどすごいと感じることができるのはAIには無理ってのは、そのとおりやと感じた。あと、読無事と書くことは単に方向が逆じゃなくて裏返ってもいるってところも共感した。
ここ最近の新書で1番
著者の作品や新書はほとんど読んでいるけれど、ここ最近書かれた新書の中では個人的に1番面白かった。読書にフォーカスしているものの、それよりももっと広義で深い話をしている。本当に良かった。
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少し鼻につく記載もあったけど、全体的には割と納得できる内容でした。
特に本の選び方はこの方法がベストだと思います。ここ数年は時代の流れもありその選び方が出来ていなかったから、早速本屋に行って試したいです。
読書の魅力については共感できるところもあり、作者の意向とは違うけど本の感想を書きたいという考えが生まれました。
家庭教師の大学生とのエピソードは心に残りました。
また、「生き甲斐」という言葉の解釈は目から鱗が落ちました。
本を読みたい、文章を書きたいという気持ちにさせてくれる本です。
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本を読むことに対して、鋭く切り込んでいて面白かった。
中でも、「本の選び方」や「読み方」は、共感できて、ますます本屋さんに行くのが楽しみになりました。
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著者曰く、本選びの方向性には「未知」と「確認」があり、前者の方が大事ではないかとのこと。
つい楽をして後者を選びがちだが、やはり前者にこそ纏わりつく閉塞感を打破する秘訣があるように思う。
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著者の読書歴と本の読み方やアウトプットの仕方についての指南本。 著者のエッセイはほとんど読んでいるので、半分ぐらいは知っている内容だった。
アドバイスで気になった項目は、
・速読は、新幹線から風景を見ているようなもので、あまり意味がない。
・本は新しい異世界への扉であり、知らない世界を知る楽しみがある。
・つまらない本にも価値はある。 反面教師として使える。
・本は自分で選べ、読み方は自由。
色々納得できることも多かったが、彼の読み方も自己流なので、あくまで一個人の意見と考えるべきだろう。
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読書本といえば、オススメ本の推薦があったり、あの本は実は…という解釈があったりするものですが、この本では「 読む本は自分で吟味し、自分で決めましょう」と強調します。
また文章を書くことについての項も長く、良い文章を書くコツも記載されています。
本を読む価値は、本を読んでおくことで引き出される着想や連想が大事であると。そこから得られる情報の記憶ではないと。
ネット上に本の感想を上げるなら…というくだりが面白い。本の引用だけするのは違法だし、読んで自分はどう感じたか何を考えたかを記載しておけばいくらか記憶に残るのではないの?そもそもそんな感想文や評論を書くより、小説を自作すればよい、、という指摘があった。森さんはしばしばこうして極論で凡人を引き離すところがひろゆきみたい。
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なんというか、すごく羨ましい境遇にある人だな、自分からすると。人に薦めるのも薦められるのも嫌だという人らしいから、一冊もおすすめの本がない。このタイトルからして幾冊かはあるだろうと思っていたら全然なかった。でも、それはそれで全然良くて、タイトルで言う「価値」についてこの人はどういうことを言うのだろうと思ったから、本を人に喩えたり、読みながら想像をすると言うことだったり、なかなか読んで良かったなと思わせることがあって、これはこれで良い時間だったなと。
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初めての森博嗣作品。
本探しは友達作りと似ている。この言葉は深いと感じた。人はおススメ本を気にするし、聞かれたがっているけど、自分で琴線に触れる本を探して読むことが読書の価値の一部である。
また、本を読むことで生じるインプットは何の役に立つのかということについてだが、インプットした情報をそのまま披露する物知り博士としての価値はスマホの登場と共に失墜している。そもそも知っているだけで何の価値がある。本質は知っていることではなく、「知っていることで生じる思い付き」にある。すなわち読書をして頭にその情報をインプットしたうえで、何らかの形でアウトプットされた時に、読書の価値が発揮される。
本との生き方を考えさせられる
本との生き方を考えさせられると共に、本を大切に読みたいと思わせてくれる一冊。
【印象に残ったこと】
・著者の読書人生について
文章を読むスピードが遅いこと、漫画との出会い、両親の教育方針
・「自由な読書」について
本の選び方
電子書籍の利点
今後の本の在り方
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作者のキャラが垣間見える作品でした。
すごくいい作品とはなかなか言い難いですが、天才が故に創造も特殊なのかな、、、と理解したような出来ないような、、、。
凡人には難しい。
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大学の工学部教授兼小説家の著者が読書についての考えを書いた本。
小説を読んだことがないのに、小説を書いてヒットさせていたり、読書感想文は文字にした瞬間こぼれるものがあるから無意味ととなえたり,,少し偏っているが面白かった。
本と出合うことは人と出会うこと。人と出会うことは自分と出会うこと。それこそが読書の価値。
つまらない本も、この本のどこに価値があるのか?という視点で読むと気づきが得られる。
自分の知らない領域、読みづらい本こそ価値があるという点は納得だが、実践していくのは難しいな~と思った。
どんなことにも抵抗を持たず、受入れていく姿勢を心がけよう。
Posted by ブクログ
理系の人はこういう考え方で本を読むのかという驚きがあった。何となく人気作家の方は文系で子供の頃から国語が得意な人がなるのだろうと思っていたが、森氏は全く想像と違う本との向き合い方の人だった。だから森博嗣作品は面白いのか。一度読んだ本の内容は忘れないとあったが、すぐに忘れてしまう自分は本の世界にしっかり入れていないのだな。作者の読書感が知れて面白かった。
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色んな分野の本を読むことは楽しい、知らないことを知るのは楽しい、本を読むというのは「役に立つ」とかじゃないかもしれない。役に立たなくても自分が楽しいで良いのかも、そう思えた。
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森博嗣さんの本は3冊目。 この著者の文章は誰が書いたものかすぐわかります。(小説以外) 「あー森さんらしいな」とにやけながら読んでいました 笑 無作為に本を選んで読む。 まさしく僕が実践していること・し続けていきたいことです。 齋藤孝さんも言っていましたが、読書において「広く深く」は現実的に可能であると思います。 一般的に絶対とされている物事に疑問を持つ森さんの姿勢は、見習いたいものです。 世間、あるいは自分の固定観念や現状から解放されて自由に読書を楽しんでいきたいですね。
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幾らでも文章が書ける人は、根が饒舌なのだろうか。森博嗣は著作が比較的多い割に、養老孟司と対談した別著で、識字ができないディスレクシアのように自分の事を言っていたので、一体どういう事なのだろうか気になっていた。答えは本著にあった。何のことはない、森博嗣は遠視だったのだ。
読書論というだけで私は軽くテンションが上がるのだが、森博嗣に関しては、その価値観が異なる点でも面白い。私は比較的、多読派だが、森博嗣は量より質のタイプ。どんな本でも熟読すれば、得るものがあるという。アウトプットは相手へのインプットを意識して、しかし、自らのインプットは読書以外からの方が重要と言い切る。
スマホ一つで知らない単語を検索できる世の中だから、知識を詰め込む意味は相対的に低くなるが、読書の価値は知識を得る事ではなく、体験を得る事。そして、脳内の体験を結びつけてアイデアに繋げていくという考えが重要。難しい本ほど、その意味を解釈する事に味わいがある。読書の最中に思考が逸れて、別の事を考えることにも読書の意味がある。これらの発言は、共感できる所があった。
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印象に残った箇所!
エッセィは、予想外に面白かった。日記から入ったのだが、日記でないものも面白い。語り口が軽妙であったり、発想や感想が常識とずれていたりすると、それだけで興味深い。つまり、他者の思考を覗けるような面白さがある、ということがわかった。
人生は多めに見積もっても三万日だから、毎日一冊読んでも、僅か三万冊しか読めない。だいたい国内では、平均して一日当たり二百冊の新刊が出ているそうだ。一日に二百冊を読んだとしても、これから出る本が読めるだけで、過去の本までは手が回らないし、本を出しているのは日本だけではない。
もちろん、たとえば映像的なもの、つまり目で見たものは、情報量としてはより大きい。だが、そこから人間の思考に抽象化されるものは、非常に僅かであり、しかも曖昧なものになる。見たものを言葉で表現してみれば、それがわかる。綺麗な人、美しい風景、といった映像情報が、どれほど伝達できるだろうか。
僕が読むものは、できればまだ誰も読んでいない本であってほしい。それはさすがに無理な話だが、かぎりなくそれに近いものを読みたいのである。 そうすることで、自分が得たものの価値が相対的に高まる。
インプットする側は、このようにアウトプットする側に、いわば支配されているといえる。振り回されやすい、と言い換えても良いだろう。だが、支配されることの心地良さがたしかにある。それは、自然に任せられる、ついていけば良い、導かれるまま、信じていれば良いことがある、そんな宗教の香りがするような反応といえるだろう。というよりも、人間のこの特性から、宗教というものが生まれたのだ。
そのうちに、問題集や参考書なども「簡単便利」を謳うようになったし、ビジネス書の類を見ても、「これだけ ~」とか、「たった七つの方法」みたいな容易さを強調するようになった。手軽でなければ人は手を出さない、と言わんばかりで、なめられたものだ、と大衆は感じるべきなのでは?
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本嫌いなわたしの読書生活は突然はじまった。
通りすがりの書店で『すべてはFになる』に出会い、犀川先生に恋をして、シリーズ一気読み。
それから数か月の間、毎日犀川先生に「会いに」行った。
脳内で妙にリアルに動き話す登場人物。
それは自然体な著者からの伝染だったのかもしれない。
あれから20年。自然体で「本を読む」ことと向き合っていきたい。
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読書論というよりは、第1~3章は読書を基調にした半生記。第4・5章は読書と執筆、本というメディアをめぐる随筆。
1時間に6000字を書き、読んだ本は忘れないから捨てるという著者。頭の回転の速さと抜群の記憶力、そして思い切りの良い性格。とても真似できない。でも憧れる。
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本は自分で選べーー。
人気作家、森博嗣さんが説く「読書の価値」。
一冊から得られる体験を最大限に生かして自分の成長につなげること。
たとえ読んだ本がつまらなくても「つまらない理由」を探す。
頭に入らない時でさえその理由を考える。
本は人とほぼ同じ。
第一に出会いに感謝すること。
人生で出会える本はごくわずかだが、一回一回の出会いを大切にしたいと思えた。
ちなみに森さんは、一度読んだ本の内容は忘れないそう。
両利きのエピソードなどからも非常に頭が柔軟でスマートな方なんだなと感じた。
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき
第1章 僕の読書生活
第2章 自由な読書、本の選び方
第3章 文字を読む生活
第4章 インプットとアウトプット
第5章 読書の未来
<内容>
作家であり、元大学教授の読書論。遠視で文字が読めなかった子供時代。雑誌フリークといい、創刊号は興味関心ではなく、買って読むという。小説は海外ミステリーと詩歌専門。それでいて漫画を描くという奇才ですね。私は著書の本を1冊も読んでいないが、視点のユニークさは面白かったし、物を覚えるのは、教えるのが一番という経験談は、「然り」であった。変わり者だが、その視点と指摘は、なかなか鋭い。
Posted by ブクログ
工学部の助教授から作家へ転身し、その後自分自身の人生におけるアプトプットを完結させるため、そのいずれもを卒業し、工作や庭造りなどを謳歌しておられるという著者。
自由な発想で生きておられる自由人的なイメージがあり、そういう人の読書論はどのようなものだろうかと興味があり読んでみた。
これは、森氏の得意とする書き下しスタイルの本のイメージだ。「1時間に6000文字を打つ作家」ということは自他とも認識されているようで、本書もネタの仕込みやなんかを除いて、ただ文章を書いている期間としては1週間程度であったということがどこかに書かれていたと思う。
これは著者のロング・エッセイだなというのが、読後の感想だ。得意の自由な発想を飛ばし、次々と思い浮かんだことを綴っていく、そんな風にして書き上げられた一冊ではないか?
森氏は、読書とは場所や時代を超えて著者と対話することというニュアンスのことを述べていた。たくさんの友人を手軽に作るようなものだもと言われていた。
本選びについて、本は自分で選べ。それ以外ありえないと。自分の友人を人に選んでもらうのかというような話だった。
しかし、これらは真っ当な意見で、特別ユニークさを感じるものでもなかった。自身もほぼ同じ考えだ。
人に勧められて本を読むとか、新聞・雑誌の書評を読んで本を選ぶとかそういうことはしないそうであるが、そこまで徹底することには少しユニークさを感じる。
小説家であるが、小説家であるがゆえに、他人の小説は一切読まないそうである。これは、自身のオリジナルな自由な発想を生み出すためのご自身の方法なのだと思う。そういうところにも少しユニークさを感じる。
最も印象に残ったのは、どんな本にも「感謝する」と言われたところだ。どんなくだらない本にも、少しは興味深いところがある。何か新しいものを知ることができたり、何かの気づきが得られたり、新たな発想が生まれるもととなったりと、そういう収穫があれば、それで感謝に値すると言われていた。
逆に、そのような気持ちで読書を楽しめるのが森氏の自由さであり、さらにその特長をより強化していけるのだろうと思えた。
後半、これから電子書籍の時代がさらに発展し、AIなどと連動し、未来型の本が登場するというSF的な展開の話があったが、このあたりは著者が仕込んだネタから小説化していくプロセスをわずかに体験できたような感触である。
本書を執筆された時点で60歳。ますます興味は広がるばかりとおっしゃっていた。
本書から読書術のようなテクニカルな面での新情報は特になかったように感じるが、「自由な発想」で読書する姿勢が、多くの価値創造につながるのだという生き方みたいなところが参考になった。
従って「読書の価値」というタイトルには納得。