【感想・ネタバレ】読書の価値のレビュー

あらすじ

より深く、より広く、より自由に。
人気作家が初めて明かす読書の極意。

なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある─。著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは? 「つまらない本」はどう読むべきか? きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二の一冊!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての森博嗣作品。
本探しは友達作りと似ている。この言葉は深いと感じた。人はおススメ本を気にするし、聞かれたがっているけど、自分で琴線に触れる本を探して読むことが読書の価値の一部である。
また、本を読むことで生じるインプットは何の役に立つのかということについてだが、インプットした情報をそのまま披露する物知り博士としての価値はスマホの登場と共に失墜している。そもそも知っているだけで何の価値がある。本質は知っていることではなく、「知っていることで生じる思い付き」にある。すなわち読書をして頭にその情報をインプットしたうえで、何らかの形でアウトプットされた時に、読書の価値が発揮される。

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2022年05月02日

ネタバレ

本との生き方を考えさせられる

本との生き方を考えさせられると共に、本を大切に読みたいと思わせてくれる一冊。

【印象に残ったこと】

・著者の読書人生について
文章を読むスピードが遅いこと、漫画との出会い、両親の教育方針

・「自由な読書」について
本の選び方
電子書籍の利点
今後の本の在り方

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2020年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
まえがき
第1章  僕の読書生活
第2章  自由な読書、本の選び方
第3章  文字を読む生活
第4章  インプットとアウトプット
第5章  読書の未来

<内容>
作家であり、元大学教授の読書論。遠視で文字が読めなかった子供時代。雑誌フリークといい、創刊号は興味関心ではなく、買って読むという。小説は海外ミステリーと詩歌専門。それでいて漫画を描くという奇才ですね。私は著書の本を1冊も読んでいないが、視点のユニークさは面白かったし、物を覚えるのは、教えるのが一番という経験談は、「然り」であった。変わり者だが、その視点と指摘は、なかなか鋭い。

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2020年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

工学部の助教授から作家へ転身し、その後自分自身の人生におけるアプトプットを完結させるため、そのいずれもを卒業し、工作や庭造りなどを謳歌しておられるという著者。

自由な発想で生きておられる自由人的なイメージがあり、そういう人の読書論はどのようなものだろうかと興味があり読んでみた。

これは、森氏の得意とする書き下しスタイルの本のイメージだ。「1時間に6000文字を打つ作家」ということは自他とも認識されているようで、本書もネタの仕込みやなんかを除いて、ただ文章を書いている期間としては1週間程度であったということがどこかに書かれていたと思う。

これは著者のロング・エッセイだなというのが、読後の感想だ。得意の自由な発想を飛ばし、次々と思い浮かんだことを綴っていく、そんな風にして書き上げられた一冊ではないか?

森氏は、読書とは場所や時代を超えて著者と対話することというニュアンスのことを述べていた。たくさんの友人を手軽に作るようなものだもと言われていた。

本選びについて、本は自分で選べ。それ以外ありえないと。自分の友人を人に選んでもらうのかというような話だった。

しかし、これらは真っ当な意見で、特別ユニークさを感じるものでもなかった。自身もほぼ同じ考えだ。

人に勧められて本を読むとか、新聞・雑誌の書評を読んで本を選ぶとかそういうことはしないそうであるが、そこまで徹底することには少しユニークさを感じる。

小説家であるが、小説家であるがゆえに、他人の小説は一切読まないそうである。これは、自身のオリジナルな自由な発想を生み出すためのご自身の方法なのだと思う。そういうところにも少しユニークさを感じる。

最も印象に残ったのは、どんな本にも「感謝する」と言われたところだ。どんなくだらない本にも、少しは興味深いところがある。何か新しいものを知ることができたり、何かの気づきが得られたり、新たな発想が生まれるもととなったりと、そういう収穫があれば、それで感謝に値すると言われていた。

逆に、そのような気持ちで読書を楽しめるのが森氏の自由さであり、さらにその特長をより強化していけるのだろうと思えた。

後半、これから電子書籍の時代がさらに発展し、AIなどと連動し、未来型の本が登場するというSF的な展開の話があったが、このあたりは著者が仕込んだネタから小説化していくプロセスをわずかに体験できたような感触である。

本書を執筆された時点で60歳。ますます興味は広がるばかりとおっしゃっていた。

本書から読書術のようなテクニカルな面での新情報は特になかったように感じるが、「自由な発想」で読書する姿勢が、多くの価値創造につながるのだという生き方みたいなところが参考になった。

従って「読書の価値」というタイトルには納得。

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2020年09月19日

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