【感想・ネタバレ】迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUSのレビュー

あらすじ

百年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたミチルとウォーカロンのロイディ。一夜にして海に囲まれたと言い伝えられる島には、座標システムも機能しない迷宮の街が広がり、かつて会った女性に酷似した女王がいた。あらゆる前提を覆す、至高の百年シリーズ第2作!

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Posted by ブクログ

百年シリーズ第2弾
百年もの間、外部との交流を遮断してる国イル・サン・ジャックを訪れる人間ミチルとウォーカロンのロイディ。

めちゃ良かったー( * ॑꒳ ॑*)
前作よりも人間臭くなってるロイディかわいいよ˙ᴥ˙
ミチルとロイディのやり取りが相変わらず素敵

人間、機械、クローン、ウォーカロンが混在する世界だからこそ湧き出る疑問。生きてるとは?死とは?頭脳と躰の役割は?

特殊な出生のミチルだからこそ感じるそれらの疑問に、すごく感情移入しました。ラストでメグツシュカが出した答えが素敵。

メグツシュカの雰囲気や言動が、真賀田四季そのものでドキドキする。どこかで本シリーズと繋がっていないかな。真賀田四季の子孫か、冷凍睡眠しながら百年後も生きてる本人か。

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2025年07月30日

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一作目よりさらに面白いと感じました。
百年ほど前に作られた背中にパイプが飛び出ており、空気圧で動く人形…
これはβの、棺に入っていたあの人形か、その作者のものなのかと疑っちゃいますね。

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2021年05月09日

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『女王の百年密室』と同様、あっという間に読んでしまった。デボウ・スホが再び登場するのは驚き。
ウォーカロンのロイディの成長からも目が離せませんでした。現代もAIが発達してきているけど、ロイディのように新しい回路が形成され、自分の意思で行動できるように変わっていくのだろうか。そうしたら人間がいなくなっても、今度はロボットが人間となり、社会はそのまま保ち続けられるのだろうか。

また二人の旅が見てみたいと思いました。
森博嗣さんすごい。

人が死にたいと思うのを何によって抑制することができるのかという問い。
このストーリーの末尾でミチルがメグツシュカに問う
「生きているのと、そうでないのと、両者の違いはどこにありますか?」
「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら。」
この会話にヒントがあるのではないかと思った。

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2019年12月10日

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百年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたミチルとウォーカロンのロイディ。一夜にして海に囲まれたと言い伝えられる島には、座標システムも機能しない迷宮の街が広がり、かつて会った女性に酷似した女王がいた。あらゆる前提を覆す、至高の百年シリーズ第2作!

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2025年06月01日

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百年シリーズは3部作だけど一応書かれた順に追っているので2部まで読んでGシリーズに入りました。
ミチルとロイディのテンポ感のいい会話が好きです。百年後の未来、生きる死ぬの概念は今よりもあやふやで、人間みたいなウォーカロンが、この世を支配し(支配という言い方すらもはや違和感ありますが)当然のように共存する未来を違和感なく想像できます。
さすが森さんの素晴らしい建築描写...といいたいのに私の脳内では想像できない複雑な造りで、一体どこに何があるのか途中から分からなくなってしまいました。
3作目も楽しみです。

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2024年10月18日

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ネタバレ

前作よりもより難解でSF感の強い作品だった。
まさか途中で一年も経過するとは…
というか、メグツシュカ様、四季では…?
ミチルとメグツシュカ様の海のシーンは、なんだか「有限と微小のパン」の犀川先生と四季のラストシーンを彷彿とさせられました。
「あなたの頭脳にキスしたいわ」って、四季も言ってませんでしたっけ…?気のせいかもだけど…
どうやらWシリーズに話が続いてる?繋がってるみたいなのでそちらも読まなければ…!

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2024年08月28日

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ネタバレ

再読。数年前に訪れたモンサンミッシェルを思い出しながら読みました。人が首を斬られて死んだりしてるのに、幻想的でなぜかロマンチックな世界観になるのがさすが森ワールド。ロイディがとてもとても愛らしい。

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2023年02月02日

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ネタバレ

文字通り、睡魔と迷宮に突き落とされ沈められた気分。

ひとつの躰に、ふたつの独立した精神がある。
理解と同時にじわじわとゾッとした。多重の人格の意味、そしてそれは、実験。
結局、頭脳だけを抜き取られた状態では半永久的に死ぬことがない?wシリーズがこの先の未来であるのなら人類はすべて、ゆるやかな自殺を強いられていて、例え実行したところで結局死ぬことがない。みんながみんな、夢の中にいる。

頭脳を生かすために躰は存在している。
人間が機械になるのでなく、機械が人間になり得るということ。
「人間としての誇りを持ちなさい」と繰り返すメグツシュカ。
機械が人間になるのが怖いのではなく、人間という名前の椅子取りゲームに敗北する恐怖。共存ではなく、淘汰される存在になるのか。

それにしても「人間として認識できなかった」から攻撃された、というのは背筋を這いのぼる寒気を感じるな…。人間という定義を徐々に人がはみ出しているのか、ウォーカロンと人の区別がつかなくなっているのか。ただ純粋なバグか。浦沢直樹のPLUTOでいう「機械が人に近づき過ぎた」のか。

人間、機械、クローン、ウォーカロン。
クローンの定義が掴めなくて、終盤に向かうにつれて大混乱。
やっぱり名前が共通してたことには意味があったのか

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2022年09月22日

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100年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディ。伝説の島で起きた事件に2人は巻き込まれていきます。

百年シリーズ第2作。生とは何か、人間とは何かを問う物語。

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2021年11月14日

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再読。百年シリーズ第二弾。再読だけれど内容はすっかり忘れていたので終盤のメグツシュカとミチルの会話にはまた痺れることができた。ミステリとしては第一弾の「女王の百年密室」より低めだが本書の核心的な部分はそこらへんにあるのではないようには感じた。ここらへんからすっかりWシリーズとリンクしていたんだなぁとWシリーズを読み終わってから思える。

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2021年06月16日

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前作を読むと世界観やキャラクターの登場する意味がしっかり分かる。
殺人事件のトリックはさほど重要ではなく、人間とは何かというのが大きなテーマとなっている。
ロイディがどんどん人間臭くなってきているのがいい。

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2020年01月09日

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ネタバレ

よくよく考えたら、ミチルがクローンなのはS&Mシリーズ読んでたら「そらそーだ」って思うけど、読んでる最中は驚いたw
メグツシュカって名前もWシリーズかどこかで見覚えがある気がするけど忘れてしまった。こうやって、微妙に繋がっているから森博嗣ノートとか作らないとあかんなーと思う。手塚治虫のスターシステムとはまた違うし。

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2019年06月16日

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百年シリーズ第2作。
ミチルとロイディの関係性が明確になってきて、世界の理も現れだす。
死とは?生とは?眠りとは?自分の存在は何をもって規程されるのか?
最終作へと続く。

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2018年11月04日

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相変わらず    
いったい   
何を考え  
どう行動し  
何を想い  
どう暮らし  
何を思慕し  
どう生きていれば  
こんな小説が書けるのだろう

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2017年03月31日

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百年シリーズのこの本もコミックで読んでいる。
が、改めて本書を読むと、もっと前に読んでおくべきだったなと後悔した。
近未来のSFなのだが、古い時代のファンタジーの印象。
主人公のミチルのモノローグ。普通の作家の文章だったらさっさと読み飛ばす処だが、森先生に絡めとられるイメージ。
ミチルとロイディの会話の面白さ。緩急の付け方が素晴らしい。
恐らく森先生は、頭脳と肉体の分離の可能性を小説の中で考えていたのだと思う。

「面白い」彼女はまた微笑んだ。
昔、森先生の著作をはじめて読んだ時を思い出す。
あの彼女から始まる物語。あれから森先生の著作を沢山読んだ。

彼女は微笑んだ。「私が、ここにいると思う?私が生きていると思う?」

ミチル本人は判っていないが、ミチルはあのミチルだよな。
アキラは、あのアキラなんだろうか?

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2017年03月17日

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女王は繋がりあって、遡るとどこにたどり着くのしょうか。四季じゃないかな、だったらいいな、と思っています。
殺人に動機がないのは森ミステリィの王道ですが、今作では合理性がありました。よくこんなこと思いつくなと関心しきりでした。

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2023年04月03日

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ネタバレ


こういった小さなプライベート・ソサイエティ(私設社会)は、世界中でさまざまな形態が試行され、模索されている。
第1章 海はいかにして押し寄せたか より


人に支配されることが嫌いなのに、なんとか自分を支配しようとしている。

僕からの光は直進して彼に届き、彼からの光は反射して僕に届く。
第3章 王はいかにして君臨したか より


テスラが人型のロボットを作ることを発表したのが
つい先日。作品内の舞台は22世紀。アジアが遠いと話していたので、ヨーロッパのどこか? 人口は(ちょうどいいくらいに)減り、エネルギー問題もクリア。トヨタのウーブン・シティのような実験都市がそこかしこに、というイメージ。またメグツシュカ、デボウと真賀田四季との関連性があるのかな、と考えつつ読み進めました。
本作は今から約20年前の2003年刊行という驚異的な耐久力。また、そうとは感じさせない想像が尽くされているように思えました。未来は一人ひとつのAIを持つようになる、とまで話しているくらいなので、幻想小説とはいえ作者の想像上の未来が描かれているのかもしれません。

一般的にSFの未来ものはディストピアを描きがちですが、言ってしまえばそれは現実からの乖離と想像力の欠如を補った結果のようにも思えます(そしてなぜかアジアンテイスト)。少なくとも森博嗣さんの描く未来の方が現実の延長線上にある気がして、まだ読んでいないW,W2が楽しみです。

クローン、人間、ウォーカロン、機械。境界は今よりずっと曖昧になるのかもしれません。機械が人間になる、という台詞はその境界も幻だという示唆であり、ひとつの真理。だんだんスホが真賀田四季に思えてくるのが不思議です。

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2021年08月29日

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