【感想・ネタバレ】迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUSのレビュー

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Posted by ブクログ

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再読。数年前に訪れたモンサンミッシェルを思い出しながら読みました。人が首を斬られて死んだりしてるのに、幻想的でなぜかロマンチックな世界観になるのがさすが森ワールド。ロイディがとてもとても愛らしい。

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2023年02月02日

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ネタバレ

文字通り、睡魔と迷宮に突き落とされ沈められた気分。

ひとつの躰に、ふたつの独立した精神がある。
理解と同時にじわじわとゾッとした。多重の人格の意味、そしてそれは、実験。
結局、頭脳だけを抜き取られた状態では半永久的に死ぬことがない?wシリーズがこの先の未来であるのなら人類はすべて、ゆるやかな自殺を強いられていて、例え実行したところで結局死ぬことがない。みんながみんな、夢の中にいる。

頭脳を生かすために躰は存在している。
人間が機械になるのでなく、機械が人間になり得るということ。
「人間としての誇りを持ちなさい」と繰り返すメグツシュカ。
機械が人間になるのが怖いのではなく、人間という名前の椅子取りゲームに敗北する恐怖。共存ではなく、淘汰される存在になるのか。

それにしても「人間として認識できなかった」から攻撃された、というのは背筋を這いのぼる寒気を感じるな…。人間という定義を徐々に人がはみ出しているのか、ウォーカロンと人の区別がつかなくなっているのか。ただ純粋なバグか。浦沢直樹のPLUTOでいう「機械が人に近づき過ぎた」のか。

人間、機械、クローン、ウォーカロン。
クローンの定義が掴めなくて、終盤に向かうにつれて大混乱。
やっぱり名前が共通してたことには意味があったのか

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2022年09月22日

Posted by ブクログ

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よくよく考えたら、ミチルがクローンなのはS&Mシリーズ読んでたら「そらそーだ」って思うけど、読んでる最中は驚いたw
メグツシュカって名前もWシリーズかどこかで見覚えがある気がするけど忘れてしまった。こうやって、微妙に繋がっているから森博嗣ノートとか作らないとあかんなーと思う。手塚治虫のスターシステムとはまた違うし。

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2019年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ


こういった小さなプライベート・ソサイエティ(私設社会)は、世界中でさまざまな形態が試行され、模索されている。
第1章 海はいかにして押し寄せたか より


人に支配されることが嫌いなのに、なんとか自分を支配しようとしている。

僕からの光は直進して彼に届き、彼からの光は反射して僕に届く。
第3章 王はいかにして君臨したか より


テスラが人型のロボットを作ることを発表したのが
つい先日。作品内の舞台は22世紀。アジアが遠いと話していたので、ヨーロッパのどこか? 人口は(ちょうどいいくらいに)減り、エネルギー問題もクリア。トヨタのウーブン・シティのような実験都市がそこかしこに、というイメージ。またメグツシュカ、デボウと真賀田四季との関連性があるのかな、と考えつつ読み進めました。
本作は今から約20年前の2003年刊行という驚異的な耐久力。また、そうとは感じさせない想像が尽くされているように思えました。未来は一人ひとつのAIを持つようになる、とまで話しているくらいなので、幻想小説とはいえ作者の想像上の未来が描かれているのかもしれません。

一般的にSFの未来ものはディストピアを描きがちですが、言ってしまえばそれは現実からの乖離と想像力の欠如を補った結果のようにも思えます(そしてなぜかアジアンテイスト)。少なくとも森博嗣さんの描く未来の方が現実の延長線上にある気がして、まだ読んでいないW,W2が楽しみです。

クローン、人間、ウォーカロン、機械。境界は今よりずっと曖昧になるのかもしれません。機械が人間になる、という台詞はその境界も幻だという示唆であり、ひとつの真理。だんだんスホが真賀田四季に思えてくるのが不思議です。

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2021年08月29日

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