森博嗣のレビュー一覧
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誰しも子どもの頃から夢を持って生きている。 歳とともに諦めてしまうが。 今、どのような夢があるかと聞かれて、自分なりの夢を語るけれど、自分の夢ではなく他人に見せたい夢であったりする。 夢はあくまでプライベートのものであり、他人に誇示するようなものではない。 他人に知られると、実現できない夢になってしまうこともある。 また夢があっても、どのように実現するか、具体的な目標やプロセスが分かっていないケースもある。 著者は作家として成功したが、それは自分の夢の実現へのプロセスのひとつと考えている。 自身の経験を踏まえて、どのように夢を実現させていくのかを考察し、アドバイスする。 読んでみて、著者の考え方はトロイの遺跡を発掘したシュリーマンの考え方に似ていると思った。 シュリーマンは子供の頃に読んだトロイの物語に感動し、その遺跡を見つける夢を実現するために、語学を習得し貿易で成功して発掘費用を賄った。 貿易での成功は夢を実現するための手段でしかなかった。 作家として成功した著者も考え方は同じだろう。 ビジネスとして考えると、失ったものも多いと思うが著者は気にしていない。 正直、自分も夢はあっても、著者のようなプロセスを踏んで実現させるのは難しいと思う。 自分の夢には運が必要だからだ。(それは夢では無いと言われそうだが) でも著者の言うように、プロセスを楽しむことも夢のひとつと考えれば、やれそうな気がする。著者が言うように夢の本質は自己満足なのだ。
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整理整頓の効用について、否定的立場から考察した本。 一般論として、世の中には整理整頓すれば仕事の効率が上がり、新しい発想が生まれると言うが、著者はそういう意見には否定的だ。 整理が必要なのは、精神的な効果を求めるからであり、作業効率とはあまり関係ないらしい。 何のための整理なのかを自問することが大事。 整理することが目的になると、時間が無駄になりかねない。 この本の全編は、著者の経験をもとに、理科系の作家らしく論理的に考察されており、なるほどと思うことも多かった。 自分は整理が下手で、いつも机の中は雑然としていたが、何がどこにあるか大体分かっていたので仕事で困ることはほとんどなかった。著者が言うように、人間関係や気持ちの整理の方が重要かもしれない。 他の人を意識せず、自分が満足するやり方で良い。 整理は自己満足でいいというのが著者の考え方だ。
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ネタバレ
こういった小さなプライベート・ソサイエティ(私設社会)は、世界中でさまざまな形態が試行され、模索されている。
第1章 海はいかにして押し寄せたか より
人に支配されることが嫌いなのに、なんとか自分を支配しようとしている。
僕からの光は直進して彼に届き、彼からの光は反射して僕に届く。
第3章 王はいかにして君臨したか より
テスラが人型のロボットを作ることを発表したのが
つい先日。作品内の舞台は22世紀。アジアが遠いと話していたので、ヨーロッパのどこか? 人口は(ちょうどいいくらいに)減り、エネルギー問題もクリア。トヨタのウーブン・シティのような実験都市がそこかしこに、というイメージ。またメグツシュカ、デボウと真賀田四季との関連性があるのかな、と考えつつ読み進めました。
本作は今から約20年前の2003年刊行という驚異的な耐久力。また、そうとは感じさせない想像が尽くされているように思えました。未来は一人ひとつのAIを持つようになる、とまで話しているくらいなので、幻想小説とはいえ作者の想像上の未来が描かれているのかもしれません。
一般的にSFの未来ものはディストピアを描きがちですが、言ってしまえばそれは現実からの乖離と想像力の欠如を補った結果のようにも思えます(そしてなぜかアジアンテイスト)。少なくとも森博嗣さんの描く未来の方が現実の延長線上にある気がして、まだ読んでいないW,W2が楽しみです。
クローン、人間、ウォーカロン、機械。境界は今よりずっと曖昧になるのかもしれません。機械が人間になる、という台詞はその境界も幻だという示唆であり、ひとつの真理。だんだんスホが真賀田四季に思えてくるのが不思議です。
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作家の経済事情。 一般人にはとてもわかりにくい作家の収支について、著者の経験をもとに紹介する。
著者は元大学助教授で作家。現在は小説家を引退して、悠々自適の生活を送る。主な収入源は、印税とパートタイムの原稿料。 作品がヒットすれば、50年間の印税生活が可能。とはいえ、そういう人は一握り。 副業として、講演会やサイン会、雑誌への寄稿、対談などを行い謝礼をもらう。 著者は、趣味で書いた作品が受けて作家になったが、小説家としてのこだわりはないそうだ。 大ヒットのミリオンセラーもないけれど、コンスタントに作品を発表し、確実にファンを掴んでいる。 作家にはこれが重要。 一発屋では安定した生活はできない。アイデアとそれを生かす表現力があれば、小説家は良い職業である。元手はかからないし、当たれば大きい。 印税も本という形態をとれば10%ほどだが、電子媒体になれば印刷製本がなくなり、かなりコストダウン&収入アップにつながる。 作家にも商売の戦略が必要ということだ。
読んでみて、作家の知らない世界が紹介されており大変面白かった。作家の収支ネタの本で、著者は更に儲けたと思う。 これも著者の戦略なのかも。 作家のマネー裏事情を知りたい人は多いだろうし、、。