あらすじ
大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る30人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが……。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。
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どの物語も短いのに不思議な雰囲気で、何となくじんわり心に残るような感じがした。
S&Mシリーズの2話は、萌絵や犀川先生の頭脳戦が楽しくて、ミステリー好きにはワクワクする感じがあった。
数学や科学の要素がチラッと出てくるのも森博嗣の作品らしくて面白いが、もちろん、自分のような数学的な知識がない人でも楽しく読めるような短編集だった。
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森博嗣さんの長編は何度も読んでいるが短編集は初めて読む。いつもの森先生らしさも残しつつ、短編ではあまりはっきりしない結末で終わる短編が多かった印象。ミステリアスな雰囲気を纏った話が多かった。どんでん返しとまではいかないが、こうだと思っていたものが一文でひっくり返されることが何度があり、不思議な感覚に陥った。
S&Mシリーズの西之園さんが出ている短編も2作あり、それらの作品を読むことが本来の目的であったが、その他の短編も面白く読むことができた。西之園さんはS&Mシリーズのときよりは落ち着いていた様子であった。
「キシマ先生の静かな生活」と「真夜中の悲鳴」が特に印象に残った短編であった。
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S&Mシリーズ以外では初の森博嗣作品。
萌絵たちが描かれている「誰もいなくなった」を目当てに読んだけど、他の作品も独特の雰囲気で楽しかった。特に「やさしい恋人へ僕から」と「悩める刑事」が好き。
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今まで長編は沢山読んできましたが短編集は初めてでした。
あの長編の感じから短編が全く想像つかなかったのでどんな感じなんだろう?とワクワクしながらページを捲ってみたのですが……まぁ面白すぎて一気読みでした。
今までのキャラクター達だけでもあんなに個性豊かなのにまだこんなに沢山個性的なキャラクターが出てくるんだ!?という気持ちとストーリー展開がとにかくぶっ飛んでる話が多くて(いい意味で)、「最後はどういう風に着地するんだろう?」なんて考えながら読んでいたらあっという間でしたね。
個人的に好きだったのは「優しい恋人へ僕から」だったんですが、それ以外にもいい話が沢山ありすぎて……「虚空の黙禱者」の静かな狂気も好きだったし「ミステリィ対戦の前夜」とかは完全にコメディだったしドラクエを思い出す話もあったし……「彼女の迷宮」は何かホラーっぽくて終わり方怖かったですね、世にも奇妙な物語とかでありそう。
そして全てを読み終わって思うのは「あー私やっぱり犀川先生が好きだなー!」ですね。
ほんの少しの登場であんなインパクトを与えていくなんて凄すぎない?
何だかまた犀川先生に会いたくなってきてしまいました。
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森さんの本は何冊か読んでいたけど、
久しぶりに森さんの小説を読みたくなりまして。
読む順番をネットで検索したときに、
S&Mシリーズの間?終わってから?(記憶曖昧。笑)に読むと良いという本書。
リハビリがてらの短編として選びました!
感想…おおおお、久しぶりの森さん!!笑
が第一でした。笑
そして萌絵ちゃんとも再会できてうれしかった。
印象的だったのは、
「虚空の黙祷者」「真夜中の悲鳴」「悩める刑事」
の三篇です。
あれ、萌絵ちゃんいない。笑
ちょっと怖くて奇妙でぞわぞわする感じでした。
ここから私の森さん読書が再スタートです!笑
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「これはミステリー作品だ」
2作品目を読み終えたあたりで、この本の志向と楽しみ方がわかり、物語に流されていく中で一生懸命、どんな真実が隠されているのかを考えた。なるほどねって時もあれば、やっぱりって時もあって、なぜだか宿題で算数ドリルをやっている時のことを思い出した。(自分の答えに自信がなくて、最後のページで答えをカンニングする感じって伝わるのかな)
久しぶりに森博嗣の短編小説を読んで、やっぱり好きだな。って思った。一つひとつが重たくて、主人公一人ひとりが活き活きしていて、自分の中の反響や余韻を楽しみながらゆっくり読んだ。忘れたころにまた読みたい。
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N大学のミステリィ研究会が企画したミステリィツアーの謎に迫る「誰もいなくなった」など、ミステリアスな11の短編小説が収録された本。
「誰もいなくなった」にはS&Mシリーズの犀川創平と西之園萌絵が、「ミステリイ対戦の前夜」には西之園萌絵が登場します。
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3.5
S&Mのミステリー研のエピソード2編や物理・数学系の研究者や大学の話を含む短編集。各々叙述トリックなど工夫が凝らされておりなかなか面白い。真夜中の悲鳴では、結婚したので阿竹効果ではなく石阪効果とか。やさしい恋人へ僕からでは、一人称僕が女性だったり。悩める刑事では、専業主婦と刑事の話と思わせつつ、女性刑事と作家の話。妻の夫を盛り上げ悩む所が微笑ましい。キシマ先生の静かな生活では、純粋に数学を追求する研究者の話。最期は奥さんの自殺と音信不通だが数学を考える面白さが描かれる。学問には王道しかない。森博嗣のミステリィ工作室によると、強いて言うならこれが著者の一番のお気に入りらしい。
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シリーズの中の短編だと思っていたので少し拍子抜けしたが、それでもどの話も面白かった。「純白の女」のインパクトはなかなかだったし、「真夜中の悲鳴」は思わず笑みがこぼれる。「やさしい恋人へ僕から」「悩める刑事」はなるほど!という感じで、「心の法則」だけはどうしてもわからなかった。難しい。
やっぱり森博嗣は、ちょっと異質ですね。
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再読。短編集。西之園萌絵や犀川先生が出てくる話も収録されている。久しぶりに読んだけどオチも含めて内容を覚えてる話が多くてちょっとびっくり。最後に載っている「キシマ先生の静かな生活」は後に長編になるのだけどこの短編も結構好き。気に入った話は「虚空の黙禱者」「真夜中の悲鳴」「キシマ先生の静かな生活」かな。
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森博嗣さんの作品はS&Mシリーズ以来じゃなかろうか。それも読んだ当時はそこまで内容を噛み砕く力もなかった時期だったので、今読み返したらもっと楽しめるかもしれない。
通勤電車で読むのに丁度良い長さの短編集。相変わらず文章の端々からもの凄い知性が、それも全く嫌味ではない知性が感じられて読んでるこっちまで頭良くなった気分になるというアホの発言。上に書いたS&Mシリーズの登場人物が出てくる話もあったりして、ああ自分はやっぱりお嬢様キャラが大好物だなあと西之園萌絵を見て思った。
個人的に好きなのは「彼女の迷宮」「誰もいなくなった」「キシマ先生の静かな生活」で、特に3つ目の作品は後半の文章で染み入るように感動しかけてたところで、最後の一ページにズドンと突き落とされた。同時に、何か一つのことを究めようとする人間はえてして社会の輪からどんどん脱線していくものだよなぁ……と、奇妙な憧れを抱いてしまったりもするもんだからやっぱりアホだ俺は。
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初めて読む森博嗣。読書家のお友達のお勧め。
「やさしい恋人へ僕から」が好き。最後の最後まで騙されたまま読んでしまって、ラスト一行で世界が反転する衝撃を受けた。
Posted by ブクログ
まともに読んだのは20年ぶりだろうか。
森博嗣本人が1番気に入ってる短編集だと言っていた気がするが、私もこれが1番好きだ。気が合うね。
長編バージョンの『喜嶋先生の静かな世界』を読んで、オリジナルの短編集はどんなんだったっけ、と調べたらこれがヒットした。
というか、こんな初期の短編集にあったとは思わなくてビックリ。(てっきり地球儀のスライスか、パラシュート博物館に入ってるかと思ってた…人間の記憶なんてそんなもんすね)
さて、本書の全体の3割ほどを占める、わけわからない系のストーリーは苦手なのでここでは割愛。(笑)
・ミステリィ対戦の前夜
・誰もいなくなった
萌(と犀川たち)が登場する短編2つ。
いま読んでもけっこう笑える。
ミステリィ対戦では、イホエのところで声を出して笑ってしまう。
(でも森博嗣自身の作品にもギリギリってか無理のある名前のこじつけがあったね〜)
誰もいなくなったの犀川先生はかっこいいよね。
訓戒のところ、大好きです。
ミステリィ対戦はサリンジャーのパロディだったのよね。
・真夜中の悲鳴
これのスピカさんも後で『喜嶋先生〜』に出てきたよね。最後のオチは20年前には意味が分からなかった(笑)。夫婦別姓、はよ。
・やさしい恋人へ僕から
森博嗣らしい話。スバルは、作者の奥さん、ささきすばるさんから来てるんだろうな。
名古屋ー大阪の遠恋だったのも同じ。
・何をするために来たのか
大学生ってこんなことを思うよね、と当時もかなり頷いた話。
のちに、僕は秋子に借りがある、になった短編。エンタープライズとオーリーンーピーアのところでまた笑ってしまった。
90年代にはこんな物語がゴロゴロあった。
・キシマ先生の静かな生活
これが読みたくて20年ぶりに本書を探した。
アカデミーでの楽しかった青春を回顧するコンピューター黎明期の話。
奥さんが最後に☓☓するのは長編と同じ。
ここが無ければいい話なのに、という気持と、いや、これが無いとあかんやろ、という気持とどちらもある。ただのハッピーエンドでは全てが嘘っぽくなる。※←いや、フィクションよ
一見爽やかなのに最後にあるこのモヤモヤ、口に変なものが残るかんじが忘れられないのだ。
昔昔の希釈カルピス液みたいに。
本書のイラストは山田章博が描いている、と当時はっきり知っていたけど、今はどこにもクレジットがない気がする。あれー?
山田氏は森博嗣とは友達らしい。
名古屋の同人広場の友達だったんでしょうか。
森博嗣にとっての神様であるところの萩尾望都御大が解説を書いておられる。良かったね。
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・虚空の黙祷者
読後が怖い 友人の父親を殺して失踪した夫?
その友人からのプロポーズ
会社の気になる男性 うまくいかない都会暮らし
ありきたりだけど、子供かわいそう
毒は本当?結局父親を殺したのは?友人が夫を殺したトラブルとは?すべてがガチっとハマって起きてしまったこと、黙っていたお金のこと
結婚で全てがどうなる?本当に結婚する?
・純白の女
何重人格ってこと?妻で少年で夫で14歳の少女で…それじゃここは施設なの?
謎謎の話が多い
・ミステリィ対戦の前夜
やっぱり好きじゃないんだな、萌絵が
あんなにはっきり色々言えて、それでも特別扱いされるのはとてもすごいことだけど
・誰もいなくなった
読み終わってみるとなんて簡単な…犀川先生が凄いのかもだけど
そして萌絵は相変わらずダメだけど
短編読んでると犀川先生ががっつり出てくる長編が読みたくなる…葛藤
・キシマ先生の静かな生活
ブレないこういう人好きだけど、自分がなるか眺めるかで十分
最後の数行でちょっとうちのめされた
ずっとの繋がりはなくても信じていられる程には信頼できる人に出会えたのはよかったけど、
追いたくなると辛くなる
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S&Mシリーズを読み終わったのでVシリーズに行く前にのひと休み。短編集を読むのは初めて。S&Mコンビが出ててにんまりしました˙ᴥ˙
虚空の黙祷者、誰もいなくなった、キシマ先生の静かな生活、が好みでした。
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【2024年213冊目】
失踪した夫、旅に出た女、ないものが増える殺人、振動と研究、同人作家の出会い、読者一人のミステリ、踊るインディアン、四人のパーティ、悩む夫婦、モビカ氏と私、助手のキシマ先生――S&Mシリーズ刊行の間に書かれた11の短編集。
森博嗣ワールド炸裂な短編集。しっかりとしたミステリから入るので、それが続くのかと思いきや煙に巻かれるようなお話もしばしば。その世界観に慣れないうちは「なんだこれは」と思うことも多いのではないでしょうか。
解説に「数学の頭を持っている」とありましたが、だからこその独特です知的な表現の数々が散らばっています。見方を変えれば親父ギャグに見えなくもないですが。
ちょっと不思議な心地を感じたい時に読むのがおすすめです。
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S&Mシリーズの登場人物たちにフォーカスを当てたサイドストーリー2編を読めただけで大満足なんですが、その他の短編も、短い構成でありながら驚きと発見を与えてくれる素敵な作品ばかりでとても面白かったです。特にラストの「キシマ先生の静かな生活」は実に森博嗣作品らしくて良かったですね。
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久々にミステリー読みたいなぁーー!!!!
ってときに、家にあった本仲間のまっちゃんからのいただき本読みました!
森博嗣ならもう絶対面白いし、ごっついミステリーなの間違いなし!わたしを惑わしてくれ!
と、思って読みました!
短編集なのに、大いなるミステリーの世界にズボンズボン取り込んでってくれて、それぞれ短編ラスト1ページ、思わず
オーマイガ!
って言っちゃうやつです。笑笑
なんだろ、後もひかず、でもなんだか引っかかる、気になるけどもっと気になるのは次のストーリーで、やめられない止まらない
久々のミステリー堪能!
大満足!!!!!
次何読もうかなー!!!!!!
Posted by ブクログ
すべてがFになる、を読んでからの今作。ミステリーというよりは叙述トリックというか、思いついた設定に叙述を重ねていったという感じ。仔細な表現やユーモアはファンにはたまらないという感じがする。
ショートショートの類という感じかな。
Posted by ブクログ
森博嗣の作品はミステリとしても面白く、数学をかじっている人間ならさらに面白いだろう。理系ミステリと称されるが、文系の私でもその世界観に魅了された。西之園萌絵が出てきたのも良かった。また生き方を考えさせられる作品もあった。
Posted by ブクログ
短編集だった。
優しい恋人へ僕から の雰囲気が好きだった。
女慣れしてない若い主人公が女の子に惹かれる話だった。
不思議な雰囲気だけど甘酸っぱくて優しい感じがした。
訪ねた先で会った素性がよくわからない中性的な女の子っていうプロフィールも
会った初日に数百キロ先の主人公の家へ行きたがる変わった行動も
全てが不思議な感じだった。
主人公の、不安を抱きながらも興奮してる様子が甘酸っぱかった。
他の作品もつかみどころがないような不思議で不安な雰囲気の中に、登場人物の穏やかさ、上品さを感じられる作品が多かった。
Posted by ブクログ
初読
2013.08.xx
再読。好きなのは「真夜中の悲鳴」「ミステリィ対戦の前夜」「誰もいなくなった」「悩める刑事」
特にミステリィ対戦は岡部部長の中の萌絵ちゃん像が鼻持ちならないお嬢様と神格化されているのが面白かった。
2020.07.21
Posted by ブクログ
西之園萌絵が登場する「ミステリィ対戦の前夜」と「誰もいなくなった」を含む11編の短編。
日常の中にある狂気や幻想や混沌を描いた短編。
まんまとミスリードされ最後になって「やられた!」と頭から読み直した「やさしい恋人」「悩める刑事」、ヒンヤリと背筋が冷たくなった「虚空の黙祷者」、緊張感とラストの微笑ましさがたまらない「真夜中の悲鳴」が特に好き。
萌絵が出てくる2編は、今一つかな~
Posted by ブクログ
講談社文庫の短編集第一弾。
S&Mシリーズのふたりもちゃんと出ていました♪
ラストがひやっとしたのは「彼女の迷宮」。
ほんわかしたのは「悩める刑事」。
切なくなったのは「キシマ先生の静かな生活」。
森博嗣さんの短編集(長編も当てはまらず、ではないのですが)は何か、すっごく肩透かしをくらってしまう。
まぁ、私が考えなし、想像力が貧しい人間だからまんまと…ということもなきにしもあらずながら、いっつも「え?ええ??」とぐるぐるの中に入り込む。
そこが面白い!と思ってしまっている。