あらすじ
祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。 一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの 再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。 拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ウグイが素敵。
そして、このタイミングで『赤目姫の潮解』が漫画化したのです。完璧すぎて、シミュレーションの結果です、という感じだろうか。
森博嗣と講談社に踊らされる日々です。
Posted by ブクログ
祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。
「講談社BOOK倶楽部」より
今度はフランスが舞台.
新しいスーパ・コンピュータが発見されて、トランスファというものの存在が登場して、少しずつ話が拡大している.
ウォーカロンがどんどん人間に近づいていて、境界線はどこにあるのだろいうという疑問をシリーズの初め、というかほかのシリーズから追い続けているけど、今回みたいに直接頭に埋め込まれているチップで意思疎通できたり、身体機能が停止しても再生できるとなると、どこにその差を認めるのかその領域がどんどん限定されていく感じがある.
Posted by ブクログ
例えば、思春期に読んでいたけれど自然と離れていった作家さんはいるし、思春期に読んでいて、しばらく離れていたけれど読むのを再開した作家さんはいる。けれど、思春期の頃から継続して読んでいるのは、森博嗣ただ一人かもしれないなあと最近気づきました。
なので、レビューを書くといっても毎度同じことしか言えないのですが。とにかく、彼の思考が好きです。彼のものの見方や言葉選びが好きです。そして彼のそういった思考の片鱗に触れられることが嬉しくて仕方がありません。彼と同じ時代に生きていられて、彼が存命中に彼の本が読めることが、これ以上ない幸せです。
今回、冒頭の第一声(といっても良いのか?)がタイトルだったことに、すでにニヤニヤしてしまいました。
前作で起動されたコンピュータが本格的に動き始め、ハギリに話しかけるところでは鳥肌が立ちました。なんのために生きるのか、生きるとはどういう状態なのか、死ぬとはいったいなんなのか。答えが出ない(もしくは出にくい)命題について頭を使うこと、そのことに意義があるのかもしれないなあと読んでいて何度か、自分の思考の中にダイブしていました。
お話は面白くて、すごく入り込んでいるんですが、森先生の本はそれ以上に、「君は?君はどう思う?」と尋ねられているような気になります。それがとても怖いし、心地良い。森先生の作品を読んで、次の森先生の作品を読むまでの間、どうやって過ごしてきたのかと思いを馳せたくなります。ちゃんと生きてこられたのかな、とか。
人間VSウォーカロンといった陳腐なお話ではありませんが、そうだと認識してしまっている人間(もしくはウォーカロン?)たちが、これからなんらかの行動に出てもおかしくはないのかなと思うと、ハギリたちのなんてことない会話がすごく愛おしいです。
Posted by ブクログ
Wシリーズ第4弾
「デボラ、眠っているのか?」
SF感強め、アクションシーン多めでハラハラドキドキ˙ᴥ˙
トランスファという概念が初出。
人間やウォーカロンの電子回路に侵入して対象を操る。デボラが味方じゃなかったら速攻で全滅してたくらいの無敵の電子プログラム。
その中で、一度デボラに守られた対象には、デボラの一部が免疫として残り、敵トランスファに乗っ取られない。
それを「ウィルスのようだ」って表現してるということは…。人間が今のように変容(子供が生まれない)してしまったのはそのせいなのか?
今後の展開が楽しみ˙ᴥ˙
Posted by ブクログ
以前TVで人間が病気にも罹らず死にもしない、という内容を何かでやっていた。
正しくこのWシリーズの世界だ。
さらにこの本ではAI以上の存在であるウォーカロンと人の意識の中に入れるトランスファの存在が出てきた。
いやー恐ろしい。人間は死ねなくなるのか?
Posted by ブクログ
wシリーズ第4弾
デボラ、眠っているのか?
Deborah.Are You Sleeping?
フランスを舞台にした修道院の調査
アミラ、ベルベット、新たなトランスファの存在が明らかになる。なかなか情報量が多くなってきた。
アミラがいった共通思考というものが
人工知能による新しい社会の構築であって
その社会が知性となる
それが新しい生命体になる
うーん。概念はわかる。まだイメージができない。
トラスファのデボラが優秀なのはわかったが
人間、ウォーカロンの脳内回路に侵入し
遷移できる、もはや無敵な感じもするが
そこに新たなトランスファとの攻めぎあいが発生。面白い、いい勝負ですね。
エピローグのウグイと歩いてて別れるところ
「ウグイ・マーガリン」とわざと間違えて
彼女が去ったとおもったら、あっかんべーをするシーン。こんなことをできるのが人間であり、ウォーカロンにはできないと。
たった2行ぐらいの描写で考えさせられるのと
あと100年でウォーカロンが人間になるまでに掛かる時間だと。
深いですね。人間らしさ、尊さを表現しつつ
それが、もうなくなってしまうことが目の前にせまっている表現。。
素晴らしいです。
(そして、ウグイがかわいい)
次は第5弾
私たちは生きているのか?
へ
Posted by ブクログ
今回はリアルの世界だけでなく、電脳空間でのAI同士の戦いという新たな戦場が登場。シミュレーションと学習を繰り返し高度な戦術を繰り出すAIはリアリティーに溢れる。7年前から、現在のAIの流行を見越していたんだろうか。
本筋の謎解きは少しずつ進んでいるが、まだ全貌は見えない。2つの陣営に分かれて戦うAI、誰がこれらのAIに使命を与えたのかというのが、謎の解明に繋がるんだろうけど …
Posted by ブクログ
Wシリーズ第4作目
展開に無駄がなく、デボラの存在と前作で見つかった巨大なシステムの名前もわかった。
人の頭に入って直接乗っ取る攻撃になり、戦うシーンなどにより臨場感があった。
何より、最後のウグイのシーン。
舌を出すお茶目さがでて、ときめいた。
Posted by ブクログ
フランス西海岸で発見されたスーパーコンピュータの調査に赴いたハギリたち。一方、ナクチュのスーパーコンピュータが再起動。ネットワークの再構築が開始される中で新たな事件が発生する。Wシリーズ4作目。
Posted by ブクログ
既存の「人間」という定義から我々が徐々に離れていることを、一個ずつ証明されている感覚。
信じる神も持たず、続く子孫もいないから歴史も持てない、さらに、電子空間と反転している、していく可能性の浮上。
ーー我々ははたして本当に生きているのか。
永久に動き続けるものはない。ただ、エネルギィが供給され続ければ、ものは動く。だが、動くことは生きている証ではない。
すべてを諦め、すべてから手を引き、生きることをやめてしまうという選択が、残されている道なのだろうか。何百年も生きられるとしたら、最後にはその選択をするのだろうか。
電子空間に存在するものがいる、というのは正直、怖いという感情が先に立つ。現代では想像できないから。知らないという感情と、恐怖や嫌悪はとても近い。だからこそ、人は理解できないものを拒絶し、迫害する。その距離を埋めることができたら人は認めることができるかもしれないけれど。
生きるために人間であることを諦めるというのは、つまり、生きるために死ぬようなものなのか。
人間は人類が脅かされることに怯えるあまり、トランスファやウォーカロンが生きているということを認めることができない。しかしその結果は巡り巡って、自分達は生きているといえるのか?というパラドックスに陥っている。
「存在しているものを生きているというのだよ」と話すヴォッシュの言葉を、純粋に受け入れられたら楽になるけど、簡単には難しい。
まぁでも、この一連の思考全てがトランスファにとっちゃ「無限ループに陥るため、演算に適しません」ってことなんだろうな。
サリノの扱いを見ると、肉体が死なないって厄介だなとしか思えなかった。
命の価値が、どんどん軽くなっていく。
それにしても、この巻までずっとウグイもアネバネも人間じゃないと思ってた。ハギリ博士がずっと他者や読者を騙してるのかと…
Posted by ブクログ
#デボラ眠っているのか?
#森博嗣
Wシリーズ第4巻
前作から1年近く開いたので、ストーリーに入るこめるか不安だったけど、ものの数十ページで入り込めた。
ここが森博嗣のすごいとこ。
論理的で理知的な進め方で、難解なんだけど、会話のテンポが軽妙。
だからリーダビリティが高い。
読んでいると賢くなった気がしてくる。
理系の人ってみんなこんな事いつも考えてるのかな?
ストーリー的には、アクションもあり、
ハギリ博士とウグイの関係にも少しずつ色づけがされてきて、面白くなってきた。
シリーズものなので、前3作を読んでないと理解できません。
#Wシリーズ
#近未来SFミステリ
#森さんの本はいつもコーヒーが飲みたくなる
#哲学的
#真賀田四季
#次巻は早めに読もう
#読書
Posted by ブクログ
Wシリーズ第四弾。今回はアクションシーンというか銃撃戦多め。なんというか段々SFじみてきてるなぁとは思っていたけれど今作はもろにSFな話だった。マガタ・シキ博士の影は未だあり。これからどういう展開になるのか更に楽しみ。
Posted by ブクログ
振り返れば、この巻が、初めて私がデボラやサリノに出会った巻だったのか。
ハギリ博士の友人で、時々博士よりも人間らしい(というより、空気が読める?)デボラ。
まだまだ勉強中のウォーカロンで、デボラよりハギリ博士より人間味に欠けたサリノ。
「人に近いけれど、人から遠くもある存在」が増えてきたことで、だんだん、誰が人で誰が人工知能で誰がウォーカロンなのか、分かりづらくなってきた。
だって、みんな人らしいし、みんな人でなしっぽいんだもの…
でも、まだ、さっぱり分からないということはない。
「それは、なぜなんだろう」ということがつかめれば、ウォーカロンは最後の谷を越えられるんだろうか。
Posted by ブクログ
ウォーカロンシリーズ
人間、ウォーカロンの他に
今回は「トランスファ」という存在も登場
電脳の世界で生き、機械やヒトの中のチップに影響を与える
トランスファ同士の戦いとか、もう脳みそがついていけない(笑)
いけないけど、でもラストの攻防は迫力があって一気に読ませる感じ。
ウグイがだんだんと魅力的になってきた(笑)
Posted by ブクログ
Wシリーズ4作目。ハギリと他の登場人物との質疑応答が主な内容。人工細胞をもつ人間ともたない人間、ウォーカロン、人工知能、コンピュータ・・・と立場を整理しながら慎重に、時には一気に読み進めていった。マガタ・シキの存在の大きさよ。
コーヒーをおいしいと思ったり生命の価値を考えたりするハギリの人間味を忘れずに次作も読めたらと思う。
Posted by ブクログ
人格に転移するトランスファの存在が脅威だけれど、電波が入らない場所だと機能しないのが反対に古めかして面白い。
フランスの修道院はモン・サン・ミシェルかな。
サリノが利用されるだけされて可哀想。
妙に存在感のある書き方をされていたから、カウンセラーが真賀田四季かと思って読んでいたが違った。
Posted by ブクログ
ハギリ博士とヴォッシュ博士が結果として起動してしまった色々なものは、何かを決定的に変えるものなのか、まだ不明ではある。だけど、そこにマガタ博士の思惑が潜んでいる気がしてならないし、そもそも「デボラ」という名前は意味深だ。個人的にはマガタ博士のトリッキーさは嫌いじゃない。超越していて、理解不能で、無駄に美しい存在。不可侵。そんなイメージ。科学者である博士たちは研究・解明するのは当然の思考として、局員たちとの温度差が興味深かった。シリーズ一気読みしたい気持ちをおさえるのが大変。
Posted by ブクログ
ウォーカロンと人間。こんな未来が来るのかもしれない。そう想像して読むと一抹の不安と希望とが溢れてきた。難しい理論や単語もあるが、さすが森博嗣。それが分かりやすく書かれている。
Posted by ブクログ
p142
コントロールが難しいものには、女性名をつける習慣があったように思える。いや、私の個人的な感想だが
p183
正義も悪意も、同じく雑音であり、輝きを演じる装飾の屈折にすぎない。
AIに対する認識は変わらず、仮想世界と現実の世界の境界が曖昧に混ざり合う4作目。
思うにこのシリーズのテーマの一つとして、人と人が作った機械の境界とは、という問いがあげられると思うが、作者のイメージは一貫していて、機械と呼ばれていたものが人と呼ばれるようになる。言葉の意味は変わる。
ブラックミラーのエピソードを想起したりも。人とAI。人のほうが優れている発想が(エッセイとかで散々書いていた気も)今作の核に。
今後もちびちびと次作も読み進めたいと思います。
Posted by ブクログ
これって、赤目姫の潮解と繋がってる?めっちゃ面白いな。
赤目姫を読んだのがだいぶ前だから、時間差でドキドキしてる。え〜!こうやって点と点がつながっていく感覚すごく楽しい。
やっぱり百年シリーズも読み返そう。
Posted by ブクログ
3
Wシリーズ4弾。フランスの西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスパコンアミラ。
デボラ眠っているの?の声。ニュークリアに収入したウォーカロンの少女サリノ。コンピュータ間を移動するトランスファデボラ。有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。
人工知能であるアミラとベルベットの対決。
有機ウォーカロンに対して人間が平均的に優れている点は発想力。後の話で、ある特定の遺伝子を用いて量産しているためという部分もあるのかも。
カンマパはデボラの娘らしい。
トランスファだけが通れる回路を大昔から設計に密かに組み込み言葉なども含めたストッパとなっている?
修道院のオーナーはジャン・ルー・モレル.
Posted by ブクログ
「デボラ、眠っているのか?」ハギリがその声を聞いた時、1人の少女がニュークリアに潜入した。少女の中に入り込んだデボラ。チベットで発見された人の顔をしたコンピュータを起動させた事と関係があるのか?同時期に同じ様な施設がフランスで発見され、現場に向かったハギリ一行はウォーカロンの襲撃に会い…牙を剥くAIに勝利したのは、人間だけが持つ『偶然』だった。AI に翻弄される人間。人間、ウォーカロン、AI の未来は、どう変わっていくのだろうか。
Posted by ブクログ
ナクチュの人工頭脳対新しくフランスのお城で発見された人工頭脳の闘い。そこに切り込むハギリ博士の発想力。感覚でしかわからないバーチャル世界と生きることへの哲学的なアプローチ、簡潔な文体ながら奥深い。
Posted by ブクログ
今回は活劇多め。冒頭からナクチュの研究施設が謎のウォーカロンの少女の襲撃を受ける。彼女はデボラという別の存在に操られていた。またフランスの修道院でナクチュと同じ様なタイプのコンピュータが発見され、調査の為にハギリ博士達が赴く。一連の間博士だけに聞こえる女性の声。声の正体は?フランスとナクチュ、類似しているのは何故なのか?前作で人間の定義の曖昧さが提示され、そちらへ突き詰めていくのかと思っていたらさらに別の存在が出てきてまた違う方向に転がり出した。ややこしくなってきたけど読み応えあり。読み終わってみると背表紙の薄さに驚く。
Posted by ブクログ
シリーズ当初から想像を超えた世界観だったけど、そこからもさらに想像を超えた展開になってきて気後れ気味。
でも新しい価値観のようなものを得られそうな予感がある。
Posted by ブクログ
読みやすいけれど、理解しているかというとそうでもないのだろうな。。。
ウォーカロンがより人間らしく、というのがテーマの一つだが
人間だって改造していくとより機械に近づいている、と言えるかもしれない。
あまり人間らしいと感じなかった主人公を警護する女性が
だんだん可愛らしくなっている。。
というのが一番の感想なので。
博士の、こういう行動は人間だからこそだ、と思ったり、「機会だからそんな事はしませんと」なるシーンで なるほど。。 とも思う。
映像化してくれないだろうか。。。
でもイノセントほど殺伐とした世界ではなく、どことなくほんわかしてしまうので森氏のなせる業だのだろうか。。
Posted by ブクログ
Wシリーズの第4巻~ハギリ博士がニュークリア正面玄関に差し掛かると聞こえた声は「デボラ、眠っているの?」だった。少女が警備を解除し,ウグイを無力にして,内部へ潜入したが,地下深くまで進んで,電池切れのように倒れた。イシカワの元研究員でチベット奥地で暮らしていたタナカは,その正体がデボラというトランスファーだという。兵器として開発されたもので,ネットワークを介してウォーカロンを支配し,人にも埋め込まれているメモリで交信が可能だ。ヴォッシュに相談すると,フランス西海岸でスーパコンピュータが見つかり,神殿のスーパコンピュータ・アミラとも盛んに交信しているという。そのコンピュータを見に行くと,ベルベットと名付けられたスーパ・コンピュータがウォーカロンの修道僧と操って攻撃を仕掛けてきた。デボラはサリノを呼び出し,ベルベットのシェルの破壊に乗り出す。酸欠でサリノの肉体は死に,ヴォッシュに従うウォーカロン・ペィシェスを使って反撃にでるが,持ち込まれたルータを放り出して事なきを得,サリノが蘇生して,デボラも復活した~出向いた先はモン・サン・ミッシェルだね。前回の表紙はヨットだったので,今回は読む前に気がついた。人口増加はエントロピーの増大。電子戦…人間が私腹を肥やしたい・権力を欲するが故に創り出したものだ。P146「彼らは、そろそろ人間社会のスイッチをオフにしても良いと考え始めています」「どうして、そんなふうに考えるの?」「エネルギィの無駄だからです」「それは、なるほど、そのとおりだね」