【感想・ネタバレ】青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?のレビュー

あらすじ

オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。 放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。 孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

深海に沈んでいる潜水艦に高性能な人工知能が設置されていたが、ある時期から交流が行えなくなったため、何とかして対話を試みる内容。物理的、仮想空間的にアクセスを試みる辺りの流れが好み。

巻を通じて、当初挙動が良く分からない不気味な存在であるオーロラの印象が、なぜそうしたかが分かっていくうちにだんだんと一人の人格として認識できるようになっていく感じがして面白かった。最終的になんだ割と普通の人じゃん、的な感じになったのだが、どの辺りから相手を人と思えるのだろうかなどと思った。

お話自体も面白いのだが、合間に挟まる思想的なフレーズが良い。有機と無機、現実と仮想ひっくるめて一つの生命体になるというような考えが印象に残った。

0
2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

神回...とにかくロマンチックで素敵でした。
SFをこんなロマンチックに仕上げてくるの凄すぎです...人工知能たち愛しすぎ...オーロラがとても可愛かったです。
相変わらず登場人物たちの対話内容に浸って幸せな時間を過ごせました。久しぶりのあの方の登場も嬉しかった。
エピローグでは泣いてしまいました。。。

0
2023年01月26日

Posted by ブクログ

森博嗣先生は本当に現代の人なのでしょうか?

人工知能がより人間らしくなっていくためには?

人、ウォーカロン、人工知能、
共存していくためには?

0
2022年04月08日

Posted by ブクログ

人工知能でも孤独が感じるでしょうか?「おそらく、世界中のデータよりも、一人の友人から得られるデータの方が深いっていうか、高い価値があったんだ。」その言葉がとても興味深い。果たして、人工知能には友人が必要でしょうか?必要であれば、同じ人工知能なら、友人の内に入るかな?

0
2019年02月08日

Posted by ブクログ

オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。
孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。
「講談社タイガ」より

どんどん面白くなっていく.
人工知能って本当にどこまで行くんだろうとワクワクする.
100年間学んだオーロラが感情を学んでそれを実行していることに驚いた.人間をしていると一番やっかいに思える感情は、人工知能にとっては有意義なものだったということだろうか.または、やっかいと思っている感情こそが有意義なものなんだろうか.そんなことを考えた.

0
2018年06月05日

Posted by ブクログ

Wシリーズ第6弾
北極海の海底5,000mに設置された人工知能。このまま放置されると暴走するかもしれない。

潜水艦を浮上させた理由は
「月を見せたかったから」
究極の人工知能が見せたのは驚愕の「不完全さ」
SFなのにAIなのにロマンチックすぎる( * ॑꒳ ॑*)

あと序盤すぎて忘れるけど、実物の真賀田四季がハギリとウグイに会いにきたことに驚愕。
冷凍睡眠を繰り返して生き続けてたということは
「迷宮百年の睡魔」のメグツシュカ = 真賀田四季?
ということでいいのかな?

0
2025年09月01日

Posted by ブクログ

”──人はね、大事なことは言葉にしない。呑み込んでしまうんだ。賢明で正しい思考ほど、言葉になっていない” 
”生きているものを無数に集めれば、そこには死の静寂がある”
シリーズ内でハギリの漏らす呟きは、本人ドライを自任する割に誌的で揺らぎに満ちている。事実を見つめ続けた先に人は(人工知能も)詩人になるのかもしれない。では全てを神の目線で見ているマガタ博士は、一体どんな詩を呟くのだろう。

終盤、オーロラが選んだ姿に思わず声が出た。
そうか、それが可能なのかぁ。そうして心は思考は育っていくのか。
シリーズ通して、他者(異物)と交わる事、そして欠損こそが心を成長させていくのだという視線が優しく、少し悲しい。
冗談を言い合えるようになったウグイの可愛らしさよ。

0
2025年01月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ


p180-181
人工知能は、ロボットと一緒に生きてきた。否、ロボットも潜水艦も、オーロラにとっては自分の肉体として認識されていただろう。

p183
 なんとなく虚しい。
 人工知能が、無限の虚しさに襲われても無理はない。

p248-249
「そうそう、君たちが学ぶのは、言葉になったデータなんだ。そこが、ラーニングの最も大きな落とし穴といえる。人はね、大事なことは言葉にしない。呑み込んでしまうんだ。賢明で正しい思考ほど、言葉になっていない。一番学ばなければならない賢者には、マニュアルがないんだ」
「賢者がマニュアルを残さないのは、どうしてですか?」
「人に教えること、教えられると思い上がることが、賢者にはできないからだよ。そういう自分が許せないんだ」

p249
残念ながら、そんな恋をしたことはない


最初は地味だなと思いつつ、やっぱり地味だな、とも思うけど面白かったです。
特に現代のChatGPTや各会社が山のように出しているAIと私たちの関わり方を見ていると、どこか接続点があるような気もしたので。
AI同士で自動学習する限界をさらりと書いていて、それが何らかの示唆になるのか予言になるのか、というところ。きっと当たるのだろうけれど(往々にして早すぎるのだ)。
今、AIと人間がどこらへんの位置にいるのか、というのは人それぞれの想像の中だが、このシリーズの中でもっとも人工知能というワードが乱立していたような気もして、かなりタイムリーに感じられた。
最後の別れと花屋のくだりも良かった。そして、言うか言うまいかで迷い、言わない選択肢を選んだデボラをどう判断するか、という見せ方も鮮やか。

0
2024年11月30日

Posted by ブクログ

孤独な人工知能が思考を突き詰めるとどきにいくつくかっていう発想が面白い。
人間と機械をわけるものは何かという今シリーズ通したテーマに、今回も違う視点で掘り下げている

0
2023年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2023.05. audible

今回はスーパ・コンピュータ。
次々と色々なものが出てくるなぁ。
ウォーカロンでさえ、いまだによく理解できてないのに…



amzon本の紹介
オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。
放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。
孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。

0
2023年05月14日

Posted by ブクログ

人工知能オーロラ萌え(意味不明)

主人公に際立つ力がある訳ではないけれど、頭脳明晰さと持ち前の性格も相まって、強い仲間たちが増えていく様がRPGを見ているような感覚にもなってきた。
その面々もキャラクターが立ってて、コミカルなやり取りも健在。楽しく読ませてもらいました。

0
2023年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人工知能オーロラの話なのに、Wシリーズでもっとも「人間」らしい。揺らぎがテーマにあるからかな。
デボラは前作からウグイの昇進の情報を持ってたんだろうか。花を贈る…

0
2022年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人工知能が学習を進めたその先は人を超えて機械的な判断をするのか、又はその逆なのか。
本作を読んで、今の多くの産業が数十年で頭打ちになった時、人はなんのために生まれて、死ぬのか考えさせられた。
人が第一であると人が考えているが
AIが進化し、本作であった人のように揺らぐこともできるなら
AIはなにを第一と考えるのか。興味は尽きない。
ウグイが昇進し、ハギリの元を離れてしまうのがなんとも寂しい気持ちになった。
オーロラがウグイの形をしたのも、そういった意図があったのかもしれない。
ハギリ陣営が大きく変わったラストだったので、早急に次作を読みたい。

0
2022年09月07日

Posted by ブクログ

やっぱり面白かった〜!最初はどうしても話に入り込むのに時間がかかるけど、思い出したら一瞬で面白くなる。真賀田四季が登場すると、ついつい嬉しくなっちゃうんだよな。
人工知能と人間の差異が縮まるのを目の当たりにして、ハギリと同じように興奮しちゃった…面白いなあ〜!
ウグイが護衛から外れるのが寂しい。また同じくらい登場しないかな。やっぱり続きが楽しみ!

0
2022年06月25日

Posted by ブクログ

忘れ去られたスーパコンピュータ「オーロラ」。オーロラの停止を依頼されて北極に向かうハギリたち。引きこもっていて接触できないオーロラとコミュニケーションを図るべくハギリは思考する。
知性について考えさせる、Wシリーズ6作目。

0
2022年05月08日

Posted by ブクログ

Wシリーズ⑥長い年月を北極の海底深くで忘れられていた、核兵器を搭載した潜水艦。そのコンピューター・オーロラの暴走を危惧し、マガタ博士から停止を依頼されたハギリ。ダンマリを決めたオーロラとの対話は実現するのか?そして、作業中に見つかった、30年前に行方不明になっていたもう一つの潜水艦が見つかるが、乗組員の姿が消えていた…人間と人工知能の友情や、人間、ウォーカロン、人工知能の交流がとても面白い巻だった。

0
2021年10月04日

Posted by ブクログ

森作品を読んでると「わかりませんでした」「わからないです」ってセリフがすごく目を引きますね。
あの知性が言う「わかりません」は強力すぎます。

0
2021年07月12日

Posted by ブクログ

ホモ・デウスの一節を思い出した。「生き物は本当にアルゴリズムに過ぎないのか。生命は本当にデータ処理に過ぎないのか。」

本作は、人工知能は人類が残した知識を極めた先に、自身の内面と向き合うことで、人間的な不完全さの概念を獲得する。

、、のか?という物語。

0
2021年03月16日

Posted by ブクログ

人工知能であるはずのオーロラの孤独と哀しみ,また人間との友情,簡潔な文章ながら本当に奥深い世界観だ.そして最後,ウグイが離れていくのが寂しい.

0
2019年12月20日

Posted by ブクログ

Wシリーズ第六弾。今作は深い深い深海に沈んでいる潜水艦に引き籠ったスーパーコンピュータを主軸としつつもいつも通りハギリ博士が色々と思索を巡らす話。今回は中盤からわりとミステリしていてドキドキできた。キーとなる人物が起こした動機を考えるとそれはとても人間らしい。そしてその人間らしさにオーロラは十分に応えられたのではないだろうか。

0
2019年10月05日

Posted by ブクログ

人工知能の思考のブレイクスルーに欠損が不可欠ならば、人工知能の思考自体は完全ということなのか。人間の思考回路に欠損ありきのブレイクスルーが初期設定されているならば、不完全て完全?それとも完全なんて、ないのかな。

0
2019年09月26日

Posted by ブクログ

北極の深海の底に沈む原子力潜水艦に設置されている人工知能。彼女「オーロラ」とは最近接触が途絶えがちでその理由追求と接触の改善を期待されハギリ博士が交流を試みる。その過程で潜水艦のすぐ横に沈む探索艇が発見され、引き上げられたが乗務員は…。前巻までに人間らしいとは「揺らぎ」の存在が欠かせないとあったが、ではデボラ達やウォーカロンがそれを獲得したら?そもそも獲得する事を望むのか?のある一つの答えが示される。そうきたか!と納得。あまり時間空けずここまで読んだので興奮したけど間空けたら設定忘れて半減しただろうな。一区切りついたように思えるけどまだ先があるんだよね。到達点が予想全くつかない。

0
2019年08月13日

Posted by ブクログ

人工知能が最終的な段階まで進化したら人間になるのだろうか。人間の友達を望む人工知能のオーロラ。ある意味、孤独感、喪失感が半端なかった。

0
2018年12月10日

Posted by ブクログ

後半、ぎゅんっと展開して、またエピローグで鷲掴み。
登場人物も増えてきた。伏線がどうなるか。
次も読みます。

0
2025年10月12日

Posted by ブクログ

wシリーズ第6弾
青白く輝く月を見たか?
Did the Moon Shed a Pale Light?

舞台は北極
そして、氷下5千メートルの潜水艦
なかなか面白い設定です
何より画がキレイ。

マガタ・シキに呼ばれて招集されたハギリは
北極の基地へ。150年ぐらい前に構築された
人工知能「オーロラ」の暴走を止めてほしいという依頼。なぜ、オーロラが暴走するのか。

シキが、構築したプログラムなのに
シキがコントロールできないという事象。
オーロラには心があることがわかる。
??人工知能がそれもってしまうともはや人間では
人工知能なのにオーロラは、詩情を読むことができるの。
そして、素直になれず反発し、虚しさから病むこともできる。それは人間だけが持っていると思われていた、心を持っているということがわかる。
うーん。。。
嬉しいような、悲しいような。
でも数十年後を未来を見据えると、この事実はあらたな発見となりえると興奮するハギリ博士。

これからの未来を、担っていくのは、いったい誰なのか?
おそらくそれは、マガタ博士が目指している共通思考だろう。ぼんやりと、そこにしか道はない、という感覚を僕は抱きつつある。すなわち、人間もウォーカロンも人工知能も、すべて取り込んだ次世代の生命だ。有機も無機もない、生命も非生命もない、現実と仮想もない、すべてが一つになった地球だろう。

理解が追いつかない。。。
言わんとしていることはぼんやりとわかりつつ
人間がどんどん機械化し
ウォーカロンや人工知能が人間化し
そもそも人間っの定義が新しくなり
新しい社会と文化でできていく(創造される)
ということなのだろう

オーロラが、フーリ(人間)に「月を見せてあげたかった」と、この感情までいくと、もはや人間である(人間であってほしい)
※こういった感情を「揺らぎ」と呼び、人間固有の不確実性であるとわかってきた

ウグイが昇格し、後任はキガタ・サリノのなると
デボラ、セイゲツ・オーロラ(天才2人が味方にいるのはかなり面白い)と、会話が秀逸すぎて
・天才の会話
・人ではないのに、人の心をもったような会話
このアンバランス差がほっこりしたエピローグは
素晴らしい終わり方でした

オーロラの(が)サブセットの体を持ち
肉体(ウォーカロン)はあるが、自律システムで意識はdailyで異なると。凄い設定だが、面白いなあと。

★3.4


次は
ペガサスの解は虚栄か?
Did Pegasus Answer the Vanity?

0
2025年01月25日

Posted by ブクログ

北極の海底に沈むスーパ・コンピュータ、オーロラの元へ。ハギリ博士はチベットにフランスに今度は北極へ。そんな時代でも、最終的にはその地を訪れるのが最適なのが面白い。そして、そんな時代だからこそ通信の不信は常にまとわりついている。時々垣間見せるマガタ博士が、あの真賀田博士なのか。わたしたちが知る真賀田博士とオーロラが語るマガタ博士とが一致しない。ハギリ博士が訪れることで事態が進展するこの状況はマガタ博士の狙い通りなのだろうか。人工知能が描く夢。膨大なデータの演算結果の幻なのか。自我の結果なのか。

0
2025年01月13日

Posted by ブクログ

こんな社会がいつか来るのかもしれない。もしかしたら生きているうちに。そんな考えごよぎった。そして森博嗣ファンならあの方が出てくることでテンションが上がった。

0
2024年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Wシリーズ6つめ。アネバネ出てこずおとなしめ。核を乗せた潜水艦と一緒に海底深くにいるオーロラの話。オーロラは死んだと思われていたフーリと一緒にいた。だんだんハギリとウグイの距離が縮まっていく。アネバネ出てないからイマイチ⁈

0
2023年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ


Wシリーズ6弾。北極にある日本とロシアの共同基地。海底五千mに忘れられたスパコンオーロラ。データ蓄積と思考を重ねた人工知能の話。シキが設置したオーロラは、孤独からジレンマに陥り偽りのレポートを送るように。暴走防止のためハギリに依頼。人が関与せず自立で自己修正の結果。潜水艦せいげつに乗っていた人間のフーリ。フーリとオーロラの交流、フーリ死後の孤独。身体をもった人工知能オーロラ。ハギリとの共著論文。前作と逆の発想で、種々の可能性が見え面白い。ウグイが昇格しキガタ・サリノがハギリ担当に。

アミラの本当の名前はスカーレット(シキ曰く)。
テルグの住人であるフーリは、北極海でオーロラと過ごしたフーリを失った両親が、娘の代わりに育てたウォーカロン。
青い月は、潜水艦のせいげつ、ブルームーン。

0
2021年03月27日

Posted by ブクログ

大きな組曲の中のone chapterのような位置づけであるだろうから、本作単品での印象がどうこうということに意味はないかもしれない。とはいえ、少し「もったり」した印象を受けた。

0
2018年10月14日

「小説」ランキング