あらすじ
生殖による人口増加が限りなくゼロに近づく中、いまだに子供が産まれている地、チベット・ナクチュ。子供たちの脳波測定のためその地を再訪したハギリは、子供が生まれる理由にある仮説を立てていた。講談社タイガの誇る「Wシリーズ」第三作!
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Wシリーズ3つ目。とうとう子供を産むウォーカロンが出てきた。ウォーカロンに時々起こるバグを修正できたら人間になるのでは?という素敵な考え。揺らぎとかそういった規則にないものを許容できるのが人間なんだなあ。ここでの注目は、フフシルで襲撃された時、ペイシェンスが柱を支えて人を守ったところ。なんと心強い味方か!その前にウォーカロン工場からの帰りに迎えに来たアネバネとペイシェンスが襲撃され、反撃したところもかっこよかったなあ。
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「生きるとは」「死とは」というあまりにも壮大なテーマで、このシリーズに終わりはあるの?と思うし、終わってほしくないとも思う。少なくとも、森博嗣さんが死ぬまでこの問いは終わらないのでは?(ここでの死という定義も曖昧ですが)
もやもやとした得体の知れない何か、でも確実にそれは存在して、しかも自分の内側からじわっと浮かんでくる。考えても仕方ないけど、考えずにはいられない、知的好奇心と恐怖が混在するドキドキが伝わってくる。すごく好きなシリーズです。
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聖地。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下、長い眠りについていた試料の収められた遺跡は、まさに人類の聖地だった。ハギリはヴォッシュらと、調査のためその峻厳な地を再訪する。ウォーカロン・メーカHIXの研究員に招かれた帰り、トラブルに足止めされたハギリは、聖地以外の遺跡の存在を知らされる。小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。
「裏表紙に記載」
読み進めるうちにドキドキが止まらなくなる.哲学的.何処へ行くのだろう.そしてあの人へとつながっている証拠がポロポロと出てきて、さらにドキドキが加速する.
途中、ハギリ博士がタナカさんに「彼女(ウグイ)は人間です」と言った言葉に、ハギリ博士の考え方だと彼女は人間なんだなと思った.
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Wシリーズ第3弾
やはり予想通り百年シリーズとの繋がりが。
先に読んでてよかった˙ᴥ˙
カンマパの本名にゾクリとしました。
ハギリとヴォッシュの哲学的な話が魅力的でした
・動物にも感情はある。外的刺激への単なる反応
・頭脳は自分の内側に外界を作り、そして現実以外のものを予想する、これが意識
・プログラムが自分のプログラムを書き換えるようなもの
タナカの重要性がまだ謎のままだけど、今後明かされるんでしょう。タナカの娘は名付けたのではなくて、すでに名前があったという解釈?だとしたらゾクゾクしますね
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よくわからなくて理解するのに難しいのだけど、なぜか面白い。ウォーカロンが人間に近づく。生殖器のがあるか無いか。なんかとても不思議。
このシリーズ読み切れるかなあ。
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ウォーカロンと人間の謎が少しずつ解き明かされていくが、そこには新しい謎が… 今回は戦闘シーンは少なめかな。
そして、最後の1行に驚愕。
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フフシルも実在する地名なのか。
そして、あの建造物がそんなに近距離にあるとは!
完全にヨーロッパだと思っていたよ。もはや叙述トリックと言っていのでは(叙述トリックではありません)。
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チベットナクチュの地下で長く安置されていた冷凍死体、子供を産むことのできるウォーカロン等、これからの展開の鍵になりそうな新要素が増え、更に謎も深まる。続きが気になって仕方ない!
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生殖による人口増加がほとんどない世界で、今でも子供が誕生する特別な地チベット・ナクチュ。調査のために再訪したハギリたちは新たな遺跡の存在を知る。
人間とは何か、生命とは何かを考える、Wシリーズ3作目。
登場人物の名前から百年シリーズとのリンクが示唆されています。森博嗣作品は最後の1行でいつも驚かされます。
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ウォーカロンは子孫を残さないから歴史がない、そんな環境下にあって人間のような意識が生じるのか。
「歴史がなければ、神もない。となれば、人というものの概念が生じないのではないか。人という概念こそが、意識の源であるはずだ。アダムには意識がなかった。意識が生まれたのは、イブからということになる。ただ、彼らには、神はあった。」
人以外は「神」という存在を持たない。神を信じる者が「人間」と定義するならば、ナクチュの人々は確かに「人間」だ。「口にすれば果てる、目にすれば失う」と信じるのだから。そしてナクチュの人々は子孫を残す事ができる。ただハギリ博士は、科学が進んだ世界(ここでは日本の我々といってたかな?)を生きる私達も神を信じていた「時代もあった」と話している。
そして現代を生きるハギリ博士達は、生殖機能を失った。進化して手放した、と言うべきなのかもしれないけれど。文頭に戻ると、子孫を残さないから歴史がない=人間のような意識がないと言うならば、進化したハギリ博士達は「人間」ではない。
だからハギリ博士の言う「ウォーカロンが生きていないなら、人間も生きていない」につながるんだなぁ。
ウォーカロンの頭脳に起こる突然変異の気まぐれ、それが人間になるあと一歩。その気まぐれが今回の暴力を生み出した、その事実を「人間」は認められるだろうか。
「正しいとは何か。我々の頭脳が下す評価として、特徴的なものです。しかし、けっして、自然界に存在する一般的な概念ではない。」
正しさを追い求める先に、崩壊や絶滅、しか見えてこないのだが。
途中、デボラ?ん?Fの?ってなったけど全然思い出せなかった。そっちも読み返した方がいいのかなーでも長いからな…
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展開にワクワクが止まりません。
子供が産まれる種族を見つけたかと思ったら、今度は子供を産むウォーカロン。
今後の展開からますます目が離せないです。
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なんとなく読後感が良いのは、
この巻の終わりが比較的希望に満ちているから。
物語の進行は遅いしこれまでと何も変わらない。
でも読後感が良い。面白い小説ってそんなものだろうか。
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タナカの娘がシキという名前だと分かって終わる。
神殿の中を調べる話、HIXの敷地内で軽く襲撃される。
フフシルで襲撃されタナカに出会う。
1、2巻と4巻のつなぎの話みたいな印象だった。
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Wシリーズ3作目。前作で見つかった「遺跡」とその土地の人に対しての調査が始まる。その過程でウォーカロンメーカー側との接触がありそちらから別の遺跡の存在を知らされる。2つの遺跡の繋がりは?あの彼女との関係は?今回学者同士の対話が多くてハギリ博士が生き生きしてる。本来これだけでいきたいだろうにお疲れ様です。感情移入しやすかったので後半の気付きの部分は一緒に興奮してしまった。調査の過程で人間としての条件が提示されているけど進化していく過程で人間はその条件を手放していきウォーカロンは獲得していく。人間という認識は何が元なのか。曖昧さがさらに増し危うい。全てはあの彼女が敷いたレールの上を進んでいるのか先が気になる。
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wシリーズ第3弾
風は青海を渡るのか?
The Wind Across Qinghai Lake
チベットのナクチュ特区の探索。
色々みつかるみつかる。
小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。
※裏表紙にかいてる紹介文が言葉が綺麗すぎる
読みやすいのだが、なかなか難しい概念になってきました。この哲学のところがめちゃくちゃ面白いのだか。
ハギリ博士が湖の階段で興奮してたところ
ぶっちゃけ1回読んでわからなかった。理解できなかった。
でも、記載の通りで。
「気まぐれは人間にしかないもの」
「人間の思考のほうがランダムで、他回路へ飛びやすい」
「ぼんやりしてしまう」
これらが人間とウォーカロンの差であると。
わかるようで、わからない。。。
もう少し自問自答します。
一方で、明らかになってきた名前が。。。
区長 カンマパ・デボラ・スホ
まじかぁ、ここでデボラなのってくるのか(メール)
そして、天才タナカの娘の名前が
まさかのシキ。
名前をつけたという文脈ではなく、彼女には名前があると。
うーん。凄い展開になってきました。
正直かなり地味な話でしたが
※第1弾のような映画のアクションさながらが好きなので。もちろんハギリ博士とヴォッシユ博士の哲学の議論も最高です
1弾2弾の前提からかなり深掘りされてきた
そして、この人間とウォーカロンの入り混じりを
想像させる描写が、めちゃくちゃ良かったです
次に行くしかない
百年シリーズ読んでないことが相当まずいと感じたので、急遽購入で着き次第追加で
★3.4
第4弾
デボラ、眠っているのか?
Deborah, Are You Sleeping?
へ
楽しみです
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Wシリーズ3作目。見え隠れするマガタシキ博士の存在。人の寿命が100年以上の世界。技術の進化。義体ではなく新細胞で老化を先送りにした世界。ただ、そこには新生児はうまれにくい事実があり、ゆるやかな老いがあるだけ。ウォーカロンという人工細胞で作られた生命体は存在している。人間との差はほとんどないとはいうが、全体でリンクされているとは語られる。圧倒的な世界観で、人の変わらなさと社会の変容とウォーカロンのかかわりとがないまぜになって、どこに連れて行かれるのだろうかという楽しみと不安がないまぜになる。
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p46
「目にすれば失い、口にすれば果てる」
p119
「だいたい、そういった分野では、一人で活動できない。何人かで協力し合う場合が多い。自然に、そんな中からリーダが生まれる、というわけ」
p134
もはやせまい窓からキーツの部屋をのぞきこむ観光客はいなかったし、詩人の末期の眼に映った最後の光景を見ようともしなかった。
p200
ウォーカロンは、全体でリンクしています。
p249
「私はどこから来たのか、私は何者か。私はどこに行くのか?」
引用は、アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』。
シリーズ3作目。まだ近い未来の展開中という感じ。何かで書いていましたが、シリーズものは最初はつまらなく書くと(もちろんその中にもいくつかの優れた部分があるのでしょうが)。徐々に世界は明るみに、またストーリーのテンポと構成もエンタメに振り切るのかなと想像。だいたい半分(5作?)行ったところからギアが上がるのを期待。ウグイとのやりとりもほぼサービスのようなもの。
本シリーズ、ただの幻想小説として読めない。優れた研究者、作家、語弊はあるけど頭の良い人。だからその世界情勢や人との関係やテクノロジーの数々は自分の見ることのない未来のように思えてならない。
数年か数十年のラグはあるものの言ったこと、思ったことがだいたい当たる著者のことだから適当に書いているわけではなさそう。
攻殻の『機械たちの時間』を彷彿する。すべてのAIやアンドロイドが意識を共有する未来。素敵。と無責任に思える時代に今私はいる。
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前作からますます存在感を増してきていた真賀田四季博士、そして100年シリーズとの接点。
かつてのイル・サン・ジャックの遺跡で発見された、真賀田博士が作ったと思われる巨大な人形の頭。数百年ぶりに起動されたそれの口から語られた言葉。
「私の役目は、人類の共通思考の構築です。」
前作でヴォッシュ博士の元を訪れたときの真賀田博士の意図も含めて考えると、今のところ真賀田博士は世界の進むべき道をデザインし、彼女の崇拝者の元へ現れて啓示を与えて回っているように見える。
そして彼女の望むように世界は進むんだろうか。
昔から欲のためでも完全なる善意からでも世界を自分でデザインしようという存在は最終的に打ち倒され、あるいは自らの誤りを悟って消えていくものなのだけど、森作品の第一作目から君臨する博士がそんなボスキャラ的存在になるとも思えないし。といろいろハラハラしながら読んでいます。
先が楽しみです。
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遺跡の発掘や使われていない天文台などナクチュの文明が調査されていく過程が面白い。
カンマパの署名に驚き、ラストにも驚いた。
ハギリがウォーカロンの変異に気付くための思考描写がいい。
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終わり方よ…後半の急展開にもドキドキしたけど、それより最後〜!!めっちゃ気になる終わり方する。
砂で描かれた曼荼羅、迷宮百年の睡魔?関係ない?やっぱり百年シリーズ読み返さないとかな。
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ウォーカロンが人間になれるのかという部分が進んできて、今後どういう展開になり、元々の人間たちはそれによっとどうなるのかなど想像が膨らむところで終わりました。最後も意味深な子が出てきたし、なかなか気になります。
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3
Wシリーズ3弾。チベットナクチュ地区の神殿は冷凍人体があり発電・保存され聖地とされた。150年前からの話。子供の識別測定について、ウォーカロンメーカーの連合組織ホワイトから見学の要請。メーカーの研究者ヴァウェンサ。仕事場や家への訪問。曼荼羅があり100年シリーズとのつながりも。何者かによる攻撃。カンマパはカンマパ・デボラ・スホらしい。メーカー近くのフフシル村への訪問。メーカー研究所から逃げ出したタナカとの出会いと潜水艦。天文台と頭像、スパコン。最後のタナカの娘の名がシキであることも謎が深まる。
マガタシキについて、彼女の頭脳が何らかの方法で生きている、彼女が作った頭脳がウォーカロンを操っている。シキが生きているとしたら250歳。
工学的という意味は理屈ではなく対処ということ。人間の勘、経験t的判断も同様。
ポストインストールという技術。ある程度成長した脳への書き込み、プログラミング。法的に人間には禁止されているが、ウォーカロン同士では行われている。
コミューターと呼ばれる車のようなものがある世界観。
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前回、ナクチュで発見された神殿を調査する為、ふたたびチベットを訪れたハギリ博士一行。神殿内の冷凍保存された死体の調査も始まる。クーデターの首謀者とされていたウォーカロン会社に招待され、その敷地内の展望台にあるコンピュータを見せられる。神殿と展望台の関係は?さらに、別のウォーカロン会社から数人のウォーカロンと共に脱走したタナカと接触したハギリ博士たち。そこでウォーカロンが直面する問題を知らされ、新たな仮説を思いつくハギリ博士。クーデターの首謀者は何者なのか?そして、最後の一行「シキ」にまたゾクッとさせられた。
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今作は特に大きな事件も起こらず全体的に箸休め的な話だった。ただWシリーズにこれから何が起こるのかどんな事態があるのか、といった事を想像するに足る出来事は沢山盛り込まれていてこれからのWシリーズがますます楽しみになった。